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2012年02月の津南新聞「トピックス」

過去の津南新聞トピックス
2012豪雪リポート  震災地を豪雪が、「頑張ってきたが…」、独り暮らし世帯直撃  2月3日号
 玄関は、屋根に届く雪が積みあがり、1階部分は埋まり居間は真っ暗。2階で寝起きしていると話す津南町羽倉の久保田なつさん(81)。「18年豪雪の時は、もっとすごかったな。家全体が埋まったようだった」。だが、今冬の雪は、11ヵ月前の県境地震が影響している。「ひとりで頑張ってきたが、この雪で、踏ん切りがついたな」。3月から、町内のケアハウスに入ることに決めた。

◇◇◆◇

 7年前に農業事故で夫、政栄さんを亡くす。子どもはいない。以来ずっと独り暮らし。築後150年という家は、夫の曾祖父が建てた古い家。政栄さんは、時間ができると家の修繕を行い、古い家ながら、あちこちに手直しした。「父ちゃんのおかげかな、地震で天井が落ちなかったのは」。

 昨年の3月11日、東日本大震災の東北の被災状況をテレビで見ていた。「あの時は、ここら辺も二回ほど長い揺れが続いた。今度は、こっちにくるかなと思って、寝る部屋の戸をあけて、あの日は寝たんだ」。

 日付が変わった翌12日午前3時59分。「ドーンというすごい音で目が覚め、すぐに家から飛び出した。揺れより、音の方がすごくて、揺れはあまり覚えていないな」。隣の人が、『家の車に入らっしゃい』と声をかけてくれた。   

 夜が明けてから家に戻った。壁は落ち、戸ははずれ、仏壇は倒れ、敷居はゆがみ、食器棚は倒れ、「家の中はめちゃくちゃだった。でも、天井は落ちなかった。父ちゃんのおかげかな、と思った」。
昨年も大雪だった。あの地震がひとつの契機になった。春5月。「もう年だし、踏ん切り時かな、とね」。津南町内の経費老人ホーム「ケアハウス」入居を申し込んだ。

 「本当は、ここでずっと暮らしたいよ。保健師さんにも話してるんだよ。『ここで死んでもいい』と。でも、もういいかな、と思ったんだ」。夫婦で頑張って守ってきた家。思い出が染み込んでいる家。でも、「もう充分、頑張ったよ」。自分に言い聞かせている。
津南町は、独り暮らし世帯などに除雪費支援を毎冬行い、除雪補助券3枚(1枚9500円)を、今冬は2枚増やし支援している。だが、「1日中、除雪してもらうと、すぐになくなってしまう」。

◇◇◆◇

 ケアハウスから連絡が入った。『2月から入居できます』。いざとなると、なかなか腰が上がらない。「この寒い時、引越すのは大変だて。3月からにしようと思っているんだが…」。雪に埋もれた我が家が、やはり愛おしい。真っ暗な1階の居間には、石油ストーブが一つ。持ち物は、最小限に片付けている。田んぼはすべて人に任せ、野菜は自分で作る。「なんせ、農業しか、しなかったから」。越冬野菜はたっぷり備蓄している。

 久々に青空がひと時顔を見せた31日。「これから、玄関屋根の雪掘りをするんだよ。これくらいは自分でしないとね」。政栄さん手作りの丸いカンジキをはき、手ぬぐいを頬かむり、身支度を整えた。「やっぱり、自分の家が一番さ。でもね…」。

 3月からはケアハウス暮らし。春には、家を取り壊すつもりだ。「雪になんて、負けちゃいられないが、独りでは、どうしようもないて」。笑顔が、ちょっと曇った。

写真・一時の晴れ間をみて、玄関屋根の除雪に向かう久保田なつさん。「これまで頑張ってきたが…」(1月31日、津南町羽倉で)

災害救助法適応の十日町市、松代・松之山に集中降雪  2月3日号
 十日町市内で最も多い積雪となっている松之山地区。支所の隣接地にある積雪計は2日朝、353aに達した。健康福祉課ではこれまでの経験から、豪雪予想をもとに先月中旬から要援護247世帯などを巡回。さらに聞き取り調査などを行っている。ただ世帯ごとの除排雪が限度を超す状態になってきていることから同支所では1日、県に対し除雪用バックホー9台の貸与を要望した。「除雪体制は今のところ順調に推移している。しかし雪の量が多いので、家庭の排雪作業を支援していきたい」(地域振興課)と話している。
     
 市内でいち早く災害救助法の適用を受けた松代地区。課題は他地区同様、要援護355世帯の支援だ。先月28日に児童民生委員らを中心に聞き取り調査を行い、今月6日までの屋根雪処理など対応策を取った。ただ「処理業者が間に合わず、優先させてほしいとお願いしている状態」(支所市民課)という。商店街のわき道は4bもの雪壁となっており、31日には交通確保をと圧雪状態となっていた中心街通りの集中除雪も行った。70代の男性は「もう5回も屋根の雪掘りをした。気温が低いので凍っているところもあり大変だ」と話し、小型除雪車で生活道路の除雪に当たっている高野重正運転手は「除雪した後から積もっている状態。屋根の雪下ろしで道も詰まるので苦労する」と悲鳴を上げている状態だ。

写真・4b近い積雪となった松代地区。住民生活に支障が出ている(1月31日)

18年豪雪の秋山郷、「隣近所で巡回、除雪を手助け」   2月3日号
 連日の降雪で3bを越える積雪となり、18年豪雪以来の「豪雪対策本部」を設置した津南町。あの18年豪雪で一時、孤立化した秋山郷地域。今冬はどうなのか。積雪312a(結東)となった31日、現地を訪ねた。地元民は、「18年豪雪より積雪は少ないが、今年は連日の降雪で休む間がない。体が続かないな」と、降る雪を恨めしそうに見ていた。

 深い谷に囲まれた秋山郷結東地区。戸数24戸。集落全体がすっぽりと、山の懐に抱かれたようなたたずまい。滝沢政則さん(74)は、我が家の除雪以外に連日、隣り近所などへ除雪の手伝いに出る。「18年の時は1月中に4bを越えた。今年は、あの時より積雪量は少ないが、降りやまない。休む間がないのが大変だな」。

 結東地区も高齢化が進む。24戸のうち独り暮らしは6世帯。うち2世帯は福祉施設に越した。滝沢さんは時間を見つけ集落内を回り、独り暮らし世帯などに声掛けしている。「これだけ降ると、『わや』が怖いな。雪で山のデコボコがなくなり、40、50aほど降ると、わやが起きるから」。『わや』は表層雪崩。新雪が大量に降ると、雪に断層ができ、その新雪部分が雪崩を起こす。

 18年豪雪時、結東はじめ秋山郷の生活道路、国道405号が集中降雪で通行止になり、秋山郷が一時、孤立化し、全国はじめ世界に流れた。以降、管理する新潟県は同道の改良を進め、雪崩防止策やスノーシェード、道路拡幅。管理体制も増員し12人体制、ロータリー除雪車1台増車している。県では「交通確保に全力をあげている。累計降雪などによる交通規制は設けていない」(十日町地域振興局維持管理課)としている。

 津南町は、集落の除雪を支援するため、オペレーター付の大型重機を各地に導入し、家の周辺除雪や屋根雪処理などに活用する方針だ。急病や救急車両の通行確保にも備えている。さらに、秋山郷地区には全戸に「テレビ電話」が導入されており、町との「ホットライン」がつながっている。

写真・18年豪雪で一時孤立化した秋山郷結東地区。「18年より少ないよ」と住民(1月31日)    

震災地の栄村・中条橋、真っ二つになり落下  2月3日号
 ◎…県境地震の震度6強で橋台から橋梁がはずれ、通行止になっていた被災地、栄村青倉の中条川に架かる鉄骨製の「中条橋」(全長95b、幅7b)が29日午後7時半頃、ドーンという破壊音と共に、ほぼ中央部から真っ二つに折れ、約20b下の谷に落下した。村では、橋には3bを越える積雪があり、雪の重さで折れたものと見ている。

 ◎…橋から30bほどに家がある島田敏子さん(70)は、その時、橋が見える部屋でテレビを見ていた。午後7時半頃、「ガガー、ドーン」と、何かがずり落ちる大きな音を聞いた。真っ暗のため、外を確認できず、翌朝8時前、外に出てみると中条橋が二つに折れて、谷に落下していた。「この大雪、橋には3bを越える雪が積もっていて、いつか落ちると思っていた。いくら使わなくなった橋とはいえ、これまでいっぱい世話になった橋が、あんな無残な姿になり、せつないですね」と島田さん。中条橋は昭和38年建設。昨年の県境地震で橋げたが両橋台からすれ、通行止となっていた。村では新年度から架け替えをする予定だった。

JR踏切事故から1年、清野社長が現場で「安全確認徹底を」、改めて謝罪  2月3日号
 JR飯山線の津南町寺石の大根原踏切で、当時、故障中の同踏切にJR社員が誤誘導した車と列車が衝突し、車を運転していた小千谷市の団体職員の男性(59)が死亡した事故から1日で1年が経過。この日、現場を訪れたJR東日本の清野智社長、同新潟支社・高木言芳支社長は、事故発生時刻の午後12時12分、同社幹部らと共に黙とうし、顕花した。清野社長は取材に対し、「心からご冥福をお祈りし、ご家族の方に深くお詫び申し上げます」と改めて謝罪し、再発防止の徹底を話した。同日、犠牲になった男性方には訪れず、清野社長は「ご家族のお許しがいただければ、ご位牌に手を合わせたい」と話したが、家族との和解協議は、いまだ解決していない。

 1年前の事故は、故障中の同踏切の復旧作業をしていた社員2人が安全を十分に確認しないまま、遮断機を持ち上げ、通りかかった男性のライトバンを通過させ、そこに列車が衝突。車はそのまま列車に押され、男性は脳内出血で死亡。当時、現場付近は3b積雪で、踏切両側も2b余の雪壁で、見通しが悪かった。

 この事故は現場社員の誤誘導と見て、国土交通省運輸安全委員会の鉄道事故調査官が現場に入り調査。一方、県警捜査1課と十日町署は関係者を聴取し、昨年7月19日、誤誘導した『男性社員2人を業務上過失往来危険と業務上過失致死容疑で地検長岡支部に書類送検した。だが、管理責任があるJR東日本の刑事責任は問わず、関係者から疑問の声が上がっていた。

 1日、事故現場を訪れた清野社長。現場を訪れた男性の職場関係者に改めて謝罪した。再発防止策については、「安全策は充分やってきたが、結果として大事故を起こしてしまった。事故後、列車一つ一つを確認し、一つ一つの作業を確実に完全に行うことを徹底し、安全を担保している」、さらに雪でストップが続く同線に対し、「今日は雪で飯山線は動いていないが本来、時間通りに動いているべきだが、こうした自然現象で、こうした(運休の)事態になることもあり、ご理解いただきたい」と話した。事故後、飯山線では全区間、踏切故障の場合、列車を止め、止まっていることを確認し、踏切を通ってもらうなど安全確認の方法を徹底している。

写真・事故現場を訪れ、犠牲になった男性の職場関係者に謝罪するJR東・清野社長(1日、津南町寺石・大根原踏切で)

歴史に学び、楽しんで克雪うを、第27回雪シンポ  2月3日号
 昨年に続き2年連続で災害救助法が適用された十日町市クロス10で1日に第27回雪シンポジウムが開かれ、克雪や利雪など雪国の活用法を地元パネリストら14人が発表。津南町からは上村憲司町長がパネル討議に参加、雪下にんじんや雪室の雪中貯蔵など、120人余の参集者に事例報告。一方、同シンポ実行委員長の関口芳史市長は昨年から続く天災を踏まえ「住民の安全を守るために高規格道、消雪パイプや流雪溝など整備を進める必要がある。豪雪にふさぎ込むのではなく、雪国を楽しむようにしたい」と強調した。
 
 基調講演は元十日町博物館長で神宮寺住職の竹内俊道氏。「雪国十日町の暮らしと文化」を演題に、昭和30年代の秋の冬支度模様や雪堀り、道ふみなど写真を交え語った。「古文書には雪の苦労話や困ったという記述は少ない。雪が降るのは当たり前として受け入れていた。だが今はどうか」と指摘。さらに近隣で定期的に公認市場が立った小千谷、十日町、堀之内に人が集まったとし「十日町は越後縮の産地で、最大の集積地。江戸に売るため問屋が生まれ、家が集まり、いわゆる大旦那も出て俳句など文化両面で活躍し記録を残した」と話す。加えて過疎高齢化が進む現状を「昔は織物と農業があり人が集まった。今は故郷に帰って来たくても帰れない者もいる。やはり雇用の確保が必要だ」と言及した。

職人の技を学ぶ、なわ職人・石沢今朝松さん  2月3日号
 ○…職人同士で伝統技を学ぶ―。県内の優れた手仕事師が認定される「なりわいの匠」たちの技術講習会が先月27日、十日町地域振興局で開催。十日町地域の職人20人が参加し、しめ縄と荷縄、わらじ作りのわら細工で技術交流。参加者は「やり方が違うもんだな」や「初めて作る」などと意見交換しながら、匠の技を学んでいた。
 
 ○…同匠はあんぼやそば打ち、わら仕事、お囃子など、地域に根付いた技術持つ住民を都市と農村の交流指導者として県知事が認定。県内2208人、うち十日町地域252人を認定。技術交流会は初めて。この日の指導は十日町市の庭野忠郎さん(赤倉)と井之川勝一さん(如来寺)、津南町の石沢今朝松さん(駒返り)が指導役。石沢さん(82)は「手仕事は体で覚えるもの。教えて教えられない部分もある。継続が一番。技術伝承のためにもまだまだ引退できないな」としめ縄作りのコツを伝授。同局では今後も技術講習会を開く方針だ。


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