
2年10ヵ月駐在したブラジル・レシフェの領事館生活を終え先月27、28日、生家の津南町大割野、瀧澤家(瀧澤酒造)に帰った。一泊二日の我が家。ちょうど大割野祭り。久々に地元の祭り囃子を聞いた。
夫・渡邉利夫さん(62)は今月下旬、ボリビア日本大使館の大使として赴任。ブラジル同様、夫婦で赴任する。ボリビアの首都・ラパスは標高3千bの高地にある。「2度目の赴任です。慣れていない人は飛行機から降りて、すぐに具合が悪くなるようです。海がすぐ近くで温暖のレシフェから、今度は一日の気温差がある高地です」。年末には、ボリビア政府関係者や各国大使など3百人余を招き、大使館公邸でナショナルデーパーティーを開く。「天ぷらとお寿司が人気です」。赴任先には日本料理シェフが同行し、日常の料理も作る。
紹介された相手が南米担当の外交官・利夫さん。「スペインから帰ったばかりの頃でした。誰か相手がいないかと私の所に来たようです」。27歳で結婚。夫婦での初任地はペルー。ここで長男、次男が誕生。ボリビアで三男を妊娠し帰国後、津南で出産。それから家族での海外生活が始まった。
ワシントンが家族5人での初赴任地。「下の子は幼稚園、上2人は小学校。着いた翌日から小学校へ行きました。言葉も何も分からないままでしたが、子どもたちは自分で何とかしようとしましたね。最初はトイレにも行けず、我慢したようです」。子たちはすぐに言葉にも慣れ、友だちもできた。
ワシントンは1年。次は中南米コスタリカ。その後4年半、南米暮らし。「長男の中学入学を機に私と子どもたちは日本へ来ました。主人の単身赴任の始まりですね」。子たちが中学、高校、大学の間は、恵子さんもかつて就いていた特許庁関係の仕事をした。子たちが自立し、再び夫婦赴任となったのがブラジル。
サッカー処のブラジル。「今年のワールドカップ期間中、お店も銀行も学校もみんな休みでした。タクシーを呼んでも来ないし、病院のドクターも不在、交通事故があっても警察がなかなか来ないなど、本当にサッカー王国です」。そのブラジルが次回のW杯開催地。オリンピックも開かれる。
各国を回るうちに、その国の言葉が身についた。スペイン、ポルトガル、フランス、そして英語。語学学校にも通ったが、生活と共に身についた。通算15年の外国生活。「そうですね、日本という国を見る機会になっていますね。日本の良さが分かるようになりました。最初の頃に比べ、外国の人たちの日本への理解度は格段に広く、深まっています。特に南米では日本が好きな人が増えたように感じます」。
日本のアニメとコスプレは特に関心が高い。「若い人たちの関心がすごいです。アニメを通じて日本文化を知り、興味が深まっているようです。アニメの登場人物を真似るコスプレもすごい人気です。そのコスプレを使い、防犯や社会運動を広めたりしています。インターネットの普及で世界が近くなりましたね」。日本への憧れも多い。「ブラジルでは地球の裏側が日本。日本は遠い国、憧れの国。これは移住した日本の先人たちの苦労の賜物でしょう」。
外国で役立ったのが4歳から習った日本舞踊。亡き島田初枝先生に習った。「日本文化を紹介する時、きもので踊ります。島田先生のおかげです」。南米の日本への関心はとても高い。
だが、「日本は夜、女性が独りで歩いても安全です。それは日本という国だからで、外国では通用しません。やはり安全に暮せる日本がいいですね」。
今月28日、ボリビアの首都・ラパス日本大使館に着任。「うち(瀧澤酒造)の苗場山で乾杯しようかしら」。標高3千bの大使公邸で、夫婦生活34年目がスタートする。