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2019年09月の津南新聞「トピックス」

過去の津南新聞トピックス
青春を再び、フアイブ・コメッツライブ  9月21日号
 〇…青春時代を再び―。GSとベンチャーズサウンドを演奏し続けている十日町の人気グループ、ファイブ・コメッツが昨年に続きステージに立った。あの青春時代をもう一度と「栄光のグループサウンズフェスティバル」は14日、ラポート十日町に335人が集まって開催。満員の会場はツイストやゴーゴーで盛り上がった。
 〇…昭和のGSサウンドてんこ盛りのフェス。ファイブ・コメッツにとっては53年目のコンサート。「花の首飾り」や「亜麻色の髪の乙女」など懐かしのGSサウンドを演奏すると会場が一体となって合唱。第2部のベンチャーズサウンドでは60代、70代の「元青年」がステージ前に乗り出して青春時代そのままにツイストなど踊った。

10代のまなざし・涌井あや夏さん 津南中学2年  9月21日号
 8月6日。世界で初めて原爆が落とされた広島の平和記念式典に津南町派遣団として参列。忘れられない夏になった。
 「資料館には子ども用の三輪車とか当時の服などがいろいろあり、人が暮らしていた所に、その日の朝にとつぜん原爆が落ちたと改めて感じて。言葉にならない何かを感じ、自然と涙が出ました」。
 特に印象を残したのは原爆ドーム。
 「周りはビルとかがあるのに、そこだけが74年前と変わってなく、何か訴えているような感じがしました。実際に見て日本人として生きていく上でとても大事なことを学べた気がします」。
 実はもう一つ、忘れられない被災地を訪れた経験がある。小学6年生の時、少年消防クラブ全国大会に笹沢少年消防クラブの一員として参加。東日本大震災で大きな津波被害を受けた宮城・南三陸町へ。津波が押し寄せるなか『高台に避難してください』と防災無線で呼びかけ続けた防災対策庁舎の自分の目で見る。
 「今でも覚えています。自分だったら放送を続けられたのかな、と考えました」。
 人災と天災、2つの被災地を見たいま思うこと。
 「笹沢少年消防クラブにはお父さんの影響で入ったのですが、いまは防災についての知識は絶対に損はないと感じています。この活動がなければ南三陸町も広島に行くことはなかったかも。本当に貴重な体験をさせて貰っているので、その経験をみんなに伝えないといけないと思っています」。

水沢女性防火クラブ、積極活動で10年表彰  9月21日号
 「気が付けば10年。これからも変わらず、無理せず続けていきたい」。活動10年目を迎えている十日町市の水沢女性防火クラブ(櫻澤秀子会長、24人)。15日に行った市総合防災訓練で消防活動に協力した尽力を称え、十日町地域広域事務組合が表彰状を贈呈。関口市長から受け取った櫻澤会長(70、姿)は年間通じた巡回パトロール、住宅用警報機の設置広報、初期消火訓練を活動の三本柱に掲げ「声がかかれば市内のどこにも行きます。私たちの活動が少しでも防火PRに繋がれば嬉しい」と喜んでいる。
 同クラブは11年前の2008年(平成20年)に水沢地内の高齢者方から発生し隣家が全焼する火災を契機に、「日常から火災予防を」とその翌年に妻有地域発の女性防火クラブとして発足。地域のパトロール巡回などを基本に、山火事防止用立て看板製作、手作り防災かるたを活用し保育園や福祉施設巡回など継続。2年前からはお年寄りが健康で自力で避難できる一助にと、オリジナルな「軍手体操」を考案し広めるなど積極活動を継続。今年は住宅用警報機の電池交換期が近い機体が多いことから防火しおりで電池確認PRを呼びかけるなど行っている。
その活動は4年前の総務省消防庁の第19回防災まちづくり大賞で日本防火・防災協会長賞を受賞するなど高い評価を得る。一方で「十日町市では私たち以外の女性消防クラブ活動がまだ広がっていないのが少し残念です。もっと広がってほしい」(櫻澤会長)と想いを話している。
 

中村田鶴子さん、叙勲祝う  9月21日号
 62年間、児童福祉事業推進に貢献し、瑞宝単光章(児童福祉功労)を受けた北越保育園(現北越こども園)の二代園長・中村さん(85)の感謝の集いが15日、クロステンでが行われ、卒園生らが温かい拍手をおくし祝福した。
 北越福祉会・中村一之理事長は「初代園長の熱い思いと、地域の保育への要望の高まりから当園が発足し、二代園長は長年園を支え続けた。叙勲は地域の皆さんと共にいただいたものと思う」と挨拶。田鶴子さんは「お祝いしていただきありがとうございます。昭和32年の園開設から保育人生が始まりました。乳児保育、居残り保育、日曜保育と様々なことに取り組みをしましたが、園児の母たちの協力は目ざましいものでした。素晴らしいスタッフに恵まれて幼児期の漢字教育、百人一首などを導入できました」と感謝を述べた。

達者でいこう、津南町敬老式  9月21日号
 ◎…これからも達者で過ごそう―。津南町敬老式は16日、町総合センターで開催。出席対象の75歳以上者のうち390人余が参加。「久しぶりだね、元気にしてたかい」と懐かしい顔との再会もあり、敬老の日を楽しんでいた。
 ◎…喜寿、米寿、95歳、百歳、最高齢者、さらに金婚・ダイヤモンド婚など表彰対象は285人・53組。このうち、95歳表彰を代表で受けた涌井チエさん(相吉)は自らの足でしっかり立ち、桑原町長から賞状などを受けた。「元気の秘訣は食べ物。野菜、魚、肉。鶏を飼っているので卵料理は毎日食べてる。この歳で畑仕事もまだやれるのが嬉しいね」とかくしゃくたる笑顔をみせた。

NGTがやってきた、十五夜祭で  9月21日号
〇…「NGTだぁ」。第47回十五夜まつりの15日夜、会場は大賑わいだった。第47回十五夜まつりの15日夜、特設ステージに女性アイドルグループNGT48十五夜選抜チーム6人が登場。会場はファンらが詰めかけ、熱いステージとなった。
 〇…NGTのグループマネージャーが元市職員だったことから実現。メンバーのうち4人は県内出身で「十日町の服部勇馬選手のマラソンに感動しました。東京五輪頑張って下さい」とステージから応援。笑顔で歌い踊りを披露した。実行委の西野和貴会長は「小学生やNGTの出演で賑わい嬉しい限り。協力を得ながら十五夜まつりを継続したい」と話した。

全国中学駅伝めざす@ 「津南中学」 9月21日号
 地元出身の服部勇馬選手が東京五輪マラソン選考レースで出場権を獲得し盛り上がっているなか、全国をめざす中学校駅伝競走大会の地区予選がいよいよ開幕する。前年の県大会では、男子は川西が、女子は十日町南が優勝候補の一角に上げられながらも男女とも小千谷に阻まれた。今年も強力な布陣を揃えた小千谷に、妻有勢が「打倒小千谷」を掲げて挑む。なかでも、男子は粒を揃えた津南、十日町、女子は前年の県準優勝・十日町南、十日町、津南などが有力だ。とくに女子・十日町南は有力選手が揃った最終年で、これまでの悔しさを胸に大一番に挑む。今年の主な妻有勢チームを展望する。

 津南中
 『男子(6区間)』
昨年は3年が1人だけで1、2年主体という若い布陣で挑み、県大会の結果は5位。それだけに「小千谷に勝って全国にいきたい」と、強い気持ちで練習に励んできた。夏場からの合宿は、これまでの2回から3回に増やし、熱中症を避けようと志賀高原など高地にまで足を運んで鍛えてきた。
 チームは、昨年の滝沢育矢のような3000b県4位の実力を持った飛び抜けた選手はいないが、井ノ川純平(3年)や藤ノ木剛(同)中沢拓斗(2年)ら3000bで9分30秒以内のタイムを持つ選手が揃っており、この3選手を中心にレースを組み立てる。
津端一徹主将は「全体的にまとまっているチーム。さらにスピードをつけ、小千谷に挑みたい」と話し、瀧澤慶太監督は「練習はしっかりこなしてきている。一昨年に続いての全中出場をめざし頑張りたい」と意欲的だ。
 『女子(5区間)』
男女揃っての全国をめざす。が、十日町南、十日町、小千谷などライバルがひしめく。
 今季は、女子3000bでジュニアオリンピック出場を決めた中島ひな子主将を中心にレースを組み立てる。滝沢来実(3年)田中千智(同)も昨年のメンバーで、共に1500b5分3秒の記録を持つ。「目標はもちろん全国出場です。強いチームもあるけど、先頭集団に付いていき、最後に抜いてトップに立ちたい」(中島主将)とレース戦術を描く。合宿も男子と共にこれまで以上に取り組んできた。
先輩が築いてきた『駅伝の津南』の名。昨年の県大会は4位に入り北信越大会にも出場、「予想以上の成績」をつかんだ。今季も好結果を県に響かせる。
 《メンバー》
 『男子』▼3年=井ノ川純平、津端一徹、半戸琉哉、藤ノ木剛、宮川天太、風巻竜英▼2年=磯部恭市、滝澤娃斗、中澤拓斗、保坂航平、山岸颯太▼1年=石沢竜雅、桑原由奈、齊藤丈太、津端英大、古野樹
 『女子』▼3年=滝沢来実、田中千智、滝沢夏海、中島ひな子、宮ア蕗子▼2年=鈴木未羽、鈴木珠愛、中島杏
    ▽▼▽
 ◎第29回中越地区中学校駅伝競走大会=10月16日、小千谷市白山運動公演陸上競技場
 ◎第29回新潟県中学校駅伝競走大会=11月1日、長岡・国営越後丘陵公園特設コース

アルテイスタ県大会出場  9月21日号
 アルティスタが県大会出場を決める―。県少年サッカーU‐11選手権中越地区プレーオフが16日、長岡市寺泊海浜公園多目的広場で開かれ、アルティスタU‐11がライツ長岡を3‐0、ナポリ三条と1‐1で引き分け、1勝1分で県大会出場を決定。さらに順位決定戦でセルピエンテ長岡を1‐0で破り、中越7位で県大会に挑むことになった。
 県大会は来月12、13日、新潟聖籠スポーツセンターで開かれる。
 メンバーは次の通り。
 ▼5年=酒井新太(十日町)高橋翼(同)堀颯馬(同)片桐杏亮(同)小林奏翔(同)勝又悠太(同)田村銀汰(川治)福原成(同)柄沢碧杜(千手)岩田浩武(中条)▼4年=山口煌矢(東)和田美優(中条)恩田勇真(西)福納春真(同)佐藤修斗(小千谷)松澤來代里(川治)中澤颯介(同)

◆速報◆服部勇馬(トヨタ、中里出身)、東京五輪出場決まる、MGCで2位に 
来年開催の東京オリンピック・マラソンに中里出身の服部勇馬選手(トヨタ)の出場が決まった。15日開催のマラソングランドンチャンピオンシップ大会(MGC)で2位に入り、オリンピック出場を決めた。
MGCは五輪出場2選手(出場枠男女とも3人)を「一発勝負」で決める大会で、新国立競技場わきの神宮外苑をスタート・ゴールに東京五輪マラソンと同じコースで開催。設楽悠斗選手が独走で飛び出したが、2位集団が38`付近で追いつき、追い抜き、終始トップ集団にいた服部選書と日本記録保持者・大迫傑選手とデットヒートを演じ、最後服部選手が大迫選手を抜き去り、5秒差の2位でゴールし、オリンピック出場権を手にした。トップは中村匠吾選手で38`付近からスパートし、そのままトップでゴールした。
服部選手の応援には十日町地域から60人ほどが応援に駆け付け、沿道で大声援を送った。十日町市・段十ろうでまパブリックビューイングを開き、多数の市民が服部選手の2位が決まると、「やったー」と大歓声が沸き起こり、オリンピック出場を祝った。

津南町議選「静かすぎる前哨戦」A 次代を創る世代が出られない、喬木村の挑戦 9月14日号
 長野県喬木(たかぎ)村。南信州・伊那谷にある人口6500人余、世帯数2160余。建設中のリニア中央新幹線が町を通る。文科省「ICTを活用した教育の質の維持向上実証事業」により、テレビ会議システムとタブレット端末を活用して小規模校を統合しない方策を実証している自治体でもある。
この喬木村がNHK全国ニュースで流れたのは2016年12月8日の夜。その年の6月に改選した喬木村議会。定数12。3期議員1人、2期の下岡幸文議長含めすべて1期、2期議員。当時の年齢は47歳〜73歳。
無競争で決まった議員たちは危機感を持った。「このままでは議員になる人がいなくなる」。当選直後から全議員で協議を重ね、「議員活動がしやすい議会環境を作る必要がある。勤務者も議員になれるように夜や休日に本会議を開けないか」。約5ヵ月に及ぶ協議の末に実現したのが12月8日の夜間議会。12月定例会の予算決算委員会は午後7時開会で2時間の審議。翌日も夜間議会を開き、テレビカメラ6台、報道9社が詰めかけ、NHK全国ニュースで流れた。さらに同16日の土曜は午前9時から10人が一般質問を行った。 
『議会改革』を前面に打ち出した12人の議員たちが実現した喬木村初の夜間議会・休日議会。その時の克明の記録が、いまも「長野県喬木村議会 人口減少・地域縮小・議員のなり手不足解消に繋がる『休日・夜間議会を活用した議会運営・改革への挑戦〜議会活性化に向けた取り組み〜』」としてウェブサイトに載っている。
 あれから3年。いま喬木村議会には全国から視察が相次いでいる。今週11日も夜間議会を開き20人余の傍聴者が審議を見守った。「村民が議会に関心を抱くようになってきた。成果は確実に表れている」(喬木村議会事務局)とし、特別委員会を設置し、現在の議員報酬14万3千円の改定に取り組んでいる。

 津南町議会でも15年前、1994年(平成6年)に『日曜議会』を開いたことがある。半戸辰男議長時代。当初は新年度予算議会の3月定例会を予定したが、年度末で行事や会合が重なり、当時の2期目・小林三喜男町長の再選後の7月定例議会で実現させた。当時、新潟県内では弥彦村に次ぐ2例目の「日曜議会」となった。
 当時も平日の本会議には傍聴者は数人程度だったため、「勤務者や町職員も傍聴できる日曜に関心が高い一般質問を行い、議員活動への理解を深めよう」と半戸議長の主導で開催を決めた。同定例議会では一般質問15人(当時定数22)が行い、定刻開会を1時間早め午前9時開会し、従来の質問答弁時間1時間を、申し合せで質問時間だけ25分に設定。終わらない場合は翌日にと決め開催。当日は50人を超える傍聴者、朝から夕まで真剣に質疑に聞き入った。
 当時の様子を伝える妻有新聞(当時津南新聞)に傍聴者の声が載っている。「日曜ばかりではなく、時間を決めて夜間議会もいいのでは。その方がもっと傍聴者が来るはず」など開催を評価する声が多数あった。

 津南町議会の現職に常用勤務者はいない。農業、自営、年金生活者など。かつては電力会社や福祉施設勤務者はいた。「議員活動を理解してくれる事業所でないと、議員活動はできない。つまり町議選には出られない」という現実がある。
 この問題に正面から向かったのが喬木村。「このままでは多くが勤務者の若い人たちが議員になれない。次代を創っていく世代が村政に関われない環境は改めるべき」と改革を進め、夜間議会・休日議会を実現した。
 今回の改選期。「出てほしい人はいる。だが、勤め人はやはり難しい」、こんな声をよく聞く。「超高齢化議会」と揶揄されるいまの津南町議会だが、実はこれは全国の町村議会の姿でもある。議員活動ができなければ議員選挙には出られない。この大前提をどうするか。
 「まずは議員になって、自らが変えていくのが近道だろう。誰かがやってくれるなどと考えていては、何も進まない。議員は自ら議会を変えていく権利を持っている。町民のための議会を考えるなら、まず議員になること。これがスタートだ」。議員経験者の言葉。

 一方、議員報酬も課題。津南町議会の議員報酬は月額20万円。期末手当含む年収約314万円ほど。議長や副議長、委員長は役職プラスがある。ちなみに十日町市は一般議員月額30万円、栄村議会は議員月額12万9千円。この数字をどう理解するか。年4回の定例議会、毎月の全議員協議会、この間に視察、常任員会活動などがある。年間実労はそれほど多くない。だが、「24時間、365日、相当に重い責任を背負っている」のも事実。

 そんな議会議員。改選期のたびに立つ人が少なくなっている。どこに原因があるのか、何が原因か、次号で探る。

「医療と介護」、拠点センター来月完成、新潟大と連携「仕組みづくりを」 9月14日号
 妻有地域では初となる高校以上の高等教育機関・県立十日町看護専門学校は来年4月開校するが、その専門学校が入る「十日町市医療福祉総合センター」は来月末に完成する。すでに外観が姿を現し、県立十日町病院脇に立つ4階建では、総ガラス張りの特徴的な姿を見せ、専門学校の開校への期待感を増している。同センターには市国保診療所・休日一次救急医療が入り、さらに十日町市と新潟大が連携し、「寄付講座」の形で同大准教授クラスの医師が赴任し、妻有エリアの医療と介護の仕組みづくりを3年間に渡り担う。同センターに開校する県立看護専門学校、さらに医療と介護のトータル的なあり方を構築する拠点が誕生することになる。

 県立十日町病院脇に建設が進む市医療福祉総合センターは4階建て、延べ4253平方b。十日町市が建設(事業費13億9428万円)、県に無償貸与し3、4階に看護専門学校が入る。1、2階は市との共有スペースとなり、1階に休日1次救急外来の診療所(現在は川西国保診療所)が入り、講堂は研修会など看護学校と共有すると共に、災害時の救急対応スペースになる。2階は看護学校教務室、保健室などが入り、市が開設する「訪問医療・訪問介護」の拠点ステーションを開設。ここに新潟大と連携する寄付講座拠点を置き、新大の準教授クラスの医師2人の活動拠点となる。
 看護専門学校は3階に教室、情報処理室、演習室、図書室、更衣室(男女別)。4階は看護実習室、在宅看護実習室、オープンラウンジ(ランチルーム併用)などを予定しており、今月末の完成を受け、現在十日町地域振興局内の看護学校開設準備室が移る予定だ。
 医療人材を育成する拠点の誕生は、不足する地域医療スタッフの確保にとっても大きな力となる。さらに新潟大との連携で実現する「寄付講座」は、妻有エリアの課題「医療と介護のあり方」と総合的に取り組む拠点の誕生で、特に新潟大の準教授クラスの医師2人の駐在の意義は大きい。
十日町市はすでに2019年度の10月から来年3月までの寄付講座を予算化している。医師2人含む寄付講座関係スタッフ5人分の今期半年分1450万円、以降3年間、1年2900万円を予定し、2022年9月までとしている。市では、津南町を含む妻有地域の「医療と介護」を総合的にカバーできる仕組みづくりを、この寄付講座を活用し構築したい方針で今月25日の市長会見で具体的な取り組みを公表する予定だ。

「困っている人、家族をサポートしたい」、NPOほほえみ、妻有初の福祉有償運送で県認可  9月14日号
 身体の不自由な方や要支援・要介護認定を受ける方の通院や日常移動を車運送でサポートする県認可『福祉有償運送』を11日、妻有地域で初めて受けた十日町市の「NPOほほえみ」は今月17日から運送受付を開始する。利用できるのは同NPO会員で身体障害者手帳所持、要支援・要介護認定者など。利用費用は一般タクシーの半分程度で付き添い家族も同乗できる。NPOほほえみ・田口直人理事長は「支え合い、助け合いが私たちの活動理念で、そこに必要性があれば取り組もうと決め、この事業をスタートする」と話す。11日の県認可時点では利用会員は4人。同NPO所有の軽自動車など3台を使い、17日からの運送業務に対応していく。
 福祉有償運送は、NPOや事業者などが身体障がい者、要支援・要介護認定者など運送事業者の会員限定で、車を使い「ドア・ツー・ドア」、会員宅から病院など目的地へ、さらに会員宅へ個別運送するサービス。利用者は会員が条件。十日町市では2年前に福祉有償運送運営協議会を立ち上げ実現を検討し、NPOほほえみが初となる。
 一般タクシーの半分程度の費用は国が決めた規定。認可は都道府県が行う。車保有、専門講習を受けた運転手確保など実施面では課題が多く、特に採算性が困難のためこれまで事業実施する運営団体がなかった。特に短時間利用などは運転手時間給にもならない利用料が予想されるなど運営の困難性がある。NPOほほえみは、放課後児童クラブ運営や高齢者生きがい活動支援通所事業、認知症介護支援ネットワーク事業など多分野の25事業の福祉活動に取り組むなかで、「医療機関への通院同行事業」にも取り組み、今回の福祉有償運送と組み合わせることで、さらに利用者の安心感をサポートできると福祉有償運送事業をスタートする。
 NPOほほえみでは、事務所職員など7人が同運送に必要な専門講習会を受講し、NPO活動で使用する車3台で同運送事業に取り組む。当面は平日の日中対応でスタートし、利用状況を見ながら対応体制を整えていく方針。田口理事長は「本当に困っている人は声を出せない。困っている人たち、家族を少しでもサポートしていきたい」と話している。NPOほほえみ会員の年会費は千円。連絡先025・761・7744。

津南に通い10年、地域越協力隊に、照井麻美さん  9月14日号
 「住むことで見つけた、津南だからこそを何かを発信できればと思います」。津南町に新たな地域おこし協力隊が9月1日付で着任した。千葉・市川市出身で東京都内で暮らしていた照井麻美さん(30)。担当エリアは中津地区。中津地区振興協議会と連携し、地域活性化活動に取り組む。辞令交付式は2日に町長室で行った。照井さんは現在の夫と共にスノーボードで来て以来、10年来の津南ファン。「夫も移住しに来ます。外から見た津南町と、中に住んで見えたこの町の両方を知り、気付いた良さを発信していきます」と話している。
 津南への移住を本気で考えだしたのは4年前。それまで冬季には来ていたが、初めて夏に来訪。見玉公園の石落としの柱状節理などを初めて見るうち「景色がとても印象的で。東京にいるといろいろありますが、それを洗ってくれる清々しい環境が津南にはあると感じたんです」。昨年は三箇地区で初めて行われた移住体験ツアーにも夫婦で参加。今夏は津南夏まつりや中津地区盆踊りのスタッフとして協力するなど、移住準備を進めてきた。「四季の豊かさ、そして人の暮らしに豊かさがあり、生活するにも心地よさがあると感じています。気候に合った人間味があり、優しい方が多い印象があります」とする。
 前職は大学や製薬会社などの研究室を巡る営業職。中高とバドミントン部、社会人になってマラソンやハイキングなど取り組む等、体を動かすのが好き。「いろんな方に顔を覚えて貰えれば嬉しいです」と意欲。一方、桑原町長は「津南の魅力を発信して頂く活動に期待しています」とエールを送った。

「雰囲気とロケーション最高」、越後妻有クラフトフェア  9月14日号
 〇…全国から手作り品職人が集結、世界に一つだけの逸品だらけの「第12回越後妻有クラフトフェア」は7、8日にニュー・グリーンピア津南で開催。台風15号の影響か気温は高いが、青い空が広がる好天気に恵まれ、2日間で1万3千人(昨年1万2千人)が来訪。駐車場も満車状態が続いた。染織、皮革、ガラス、金属、陶芸、木工など今回は北は青森、南は九州・大分から115展のブースが並び、賑わっていた。
 〇…津南高原に広がる自然豊かロケーション、そして駐車場が近い環境が出展者にも好評。18歳からガラス工芸に関わり、現在は「ガラス工芸カレット」を設立し全国を回る秋友騰尊さん(のぶたか、46)は石川・加賀市から5年程前から出展を続ける。「津南のお客さんはこのイベントをとても楽しみにしている人が多いです。前に買った店を大事にしてくれるし、みんな買う前提で来てくれるのは出展者として嬉しい。すごく良いフェアになっていると思います」とブースを覗きに来たお客さんとの交流を楽しんでいた。
 〇…秋の津南イベントとしてすっかり定着したクラフトフェア。毎回定員を超える出展応募があり、実行委員会(モリクラフト・山田和雄委員長)で選抜。今回は199展が応募の中から115展に絞りあえて出展者の数は増やさないため、腕に覚えにある職人が全国から集まるクラフトフェアとなっている。山田委員長は「天気も良く、今年も大勢の方が来てくれた。すっかり定着しており、まだまだ続けていきたい」と話している。

栄村・森川村長公約「目安箱」ってなに?  9月14日号
 今回の議員倫理規定違反に関する問題の発端のひとつとなった「目安箱」。森川浩市村長の選挙公約にあり、3年前の就任後の8月に村役場玄関と秋山支所の2ヵ所に設置。カギは森川村長が管理、他者にその内容はわからない。森川村長によると、平均月2通ほど、主に村民から投書があるという。投書は記名・無記名、行政への苦情や意見、職員対応の賞賛など内容は様々だが、森川村長が内容を確認し文章を自身で打ち直し、投書者の名前は伏せ匿名で担当課などに示し、対応を指示している。森川村長は「こういった投書は犯人探しに繋がりがち。それよりも自分がこういう風に見られている、という意識を持つことで自覚が生まれ、村民サービスへの向上に繋がる。匿名性は守る」とする。一方、村長以外は投書内容の原本を確認できず、一種のブラックボックスとも言える。
 議員倫理規定に関する投書は今年3月に投書をされた。内容は『栄村振興公社職員に対し議員が不当に解雇通告した』というもの。記名投書だったが、内容は匿名で村議会に通知したという。今月10日に定例会閉会後、倫理規定問題について議論した全員協議会では「目安箱への投書は一種の告発。一個人、一議員の人権に関わるもので、それが匿名では困る」という指摘や「こういう案件は秘密主義の話となり、どうやっても明快なものにならない」と、村長以外には匿名で内容を知らせるというあり方に疑義が出る一幕もあった。
 目安箱設置の意義を森川村長は「村民と一緒に村政を進めたいという思いから始めたもの」とする。記名投書で返信先がわかる場合、どういう対応をしたかを村長から投書者に返答しているという。一方で「議会に対する投書への対応は、議会で決めるべき。ただ決めたものはこちらにも報告してほしいと求めている」と話す。村民と村のトップを直接繋ぐ目安箱。住民提案を求めるねらいで始まったが、村長以外誰もわからないその秘匿性から「村長の都合の良いように使われている」と指摘する声も上がっている。

キラリ看板娘「山田 里美さん」  9月14日号
 ○…「母が特養老人ホームで勤めており、施設で働く楽しさ聞いて介護福祉士をめざしました」。高齢者福祉施設に勤務して4年目。今春から認知症の人が入居するグループホームに異動した。「入居者も職員もいい人ばかりで楽しい職場です」と笑顔を見せる。「施設とは言え、ここは入居者にとって自分の家。自宅にいた頃と同様に生活できるよう支援をしています」。
 ○…「入居者には洗濯や食器洗いなど自分で出来ることはしてもらい、私たちは心身の健康管理に気を付けています。特に転倒による怪我には注意をはらっています」。時には入居者とともに散歩や買い物、花見に出かけることも。「言ってみれば私たちは皆さんの家政婦ですね」。後輩が入って来たら「新人が立派な介護福祉士になれるよう、自分がお手本を示せるようになりたいです」。(複合型介護施設よしだ)

酒米稲刈り、苗場酒造と地元旅館組合が連携  9月14日号
 ◎…酒米・五百万石を農家と契約栽培し、こだわりの酒造りを進める津南町の苗場酒造(新保光栄社長)。今季も9百平方bを中澤農場(中澤正臣代表)で作付。稲刈り期を迎え7日に実施。苗場酒造とコラボ限定酒を作る町旅館組合(山岸祐二組合長)らと共に、黄金色に輝く水田に入り、秋の恵みを収穫した。
 ◎…春の田植えに続き、日本酒文化を通した国際交流プログラムを展開する「Niigata SAKE Lovers」(デュケット智美代表)の参加者10人余も稲刈りに挑戦。同団体は田植え、稲刈り、そして仕込みを体験し、苗場酒造とのコラボ酒を作る計画。2歳の娘と参加した浦東絵美さん(39、刈羽村)は「自分で刈ったコメがお酒になるのが楽しみです」とにっこり。仕込み体験は年明けを予定。さらに3月の新潟酒の陣での同酒造ブースでコラボ酒の販売も計画している。
 

東京五輪・クロアチア選手と交流、テコンドー 馬場小学校  9月14日号
 東京五輪・パラ大会テストイベントに出場するため来市しているクロアチア共和国のテコンドー選手とコーチが9日、馬場小学校(根津徳久校長・児童43人)を訪れ交流した。
 テコンドーは空手に似た韓国の格闘技。空手を学ぶ井ノ川星夏さん(2年)と太田流維さん(1年)がステージで形を真剣に演じると一行はにこやかに拍手を送った。選手から蹴りと突きを教えてもらうと順番にミットに向かって挑戦。井ノ川さんは「楽しかったです。クロアチア選手のように強くなりたい」と笑顔。
 同行したテコンドー協会のフランホ・プロット副会長は「彼らは学生だが学びながら世界トップクラスの選手になった。あきらめずに毎日練習することが大事。今日は形を見せてもらい嬉しい。招いてくれてありがとう」と話し、児童たちは「メダルをとって下さい」と声をかけていた。

服部勇馬、東京五輪めざし15日神宮決戦   9月7日号
のトップランナー・服部勇馬選手(25、トヨタ自動車)が出場する東京五輪日本代表出場権をかけたMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)は、いよいよ15日、東京・明治神宮外苑いちょう並木をスタート・ゴールに開かれる。男子のスタートは午前8時50分。昨年の福岡国際マラソンで日本歴代8位の好記録2時間7分27秒をマークして優勝した服部選手、東京五輪出場が期待される。
 服部選手は上位2人が2020東京五輪に内定する運命のレースに向け「課題は風邪をひかないこと。去年の9月15日は風邪をひいていたので気を付けたい」とし、最後の調整に入っている。MGCでは、37キロ以降の上り坂が勝負と読み、「相手となる選手は強いが、代表権を勝ち取れたらいい」と関係者に話している。
3年前のリオデジャネイロ五輪の代表選考を兼ねた東京マラソンでは、35キロで日本人トップに立つも40キロ手前で失速、五輪には届かなかった。終盤の失速が課題と突き付けられ強化してきた4年間。昨年の福岡国際では最後に突き放すレースを見せ、課題を完全克服。大会直前のアメリカ合宿もこなし、自信を胸に五輪の道を切り開く。

 十日町陸上競技協会・南雲政治会長=妻有地域の期待の星。体調がよければ十分トップを狙える。何としても2位以内に入ってもらい、夢の東京五輪に出場してもらいたい。力になるよう沿道で精一杯応援します。
 中里スポーツ後援会援馬隊・吉楽一彦隊長=調子はよいと聞いている。何としても2位以内に入ってもらい、東京五輪に出場してほしい。もう力いっぱい応援します。
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 服部選手を沿道で声援を送ろうと呼びかけた十日町市民応援ツアーは、地元はじめ新潟市や上越市、南魚沼市などから約80人が申し込んだ。当日はバス2台に分乗し、マラソンコース沿道で応援する。
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 服部選手の応援団体・中里スポーツ後援会「援馬隊」(吉楽一彦隊長)では当日、段十ろうの『だんだんテラス』に大型テレビを設置し、応援観戦を行う。入場自由。
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 援馬隊が募集していたロゴマークも決定した。馬のイメージキャラを中心に据えたもので、22点の応募の中から中里スポーツ後援会の上村斉会長と援馬隊の吉楽会長から4点に絞り、服部勇馬・弾馬兄弟に選んでもらい、その結果、新潟市のデザイン事務所に勤務するあだちあさみさんの作品に決定した。賞金は5万円。ロゴマークは桃太郎旗などに活用する。
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 東京五輪マラソン代表の選考方法=今月15日開催のMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)で男女各2人を代表に決定。残り1人はMGC後の男女各3レースで設定記録2時間5分30秒以内をクリアした選手が選ばれる。設定記録を突破する選手が出ない場合、MGCの1〜3位が代表になる。

津南町議選「静かすぎる前哨戦」@ 毎回出る「世代交代、議会刷新」  9月7日号
 議場にエアコンを入れなくても涼しくなった今月3日。「今回はおかしい。静かすぎる」。月例協議会を終え、役場庁舎を後にする議員が、ポツリとつぶやいた。「あと1ヵ月ちょっとで告示だというのに、この静けさは異常だ」。
 津南町議会は11月9日、4年の任期を終える。それに伴う町議会改選は10月15日告示、20日投票で行うことが、この春早々に決まっている。当初は同27日投票を決めた町選管だが、天皇の「大嘗祭」が27日にあるため、「あえて変える必要はないが、他の自治体もこの日は避けている」とのことで、1週間繰り上げた。このため町立津南中学校50周年記念式が投票前日となった。
 改選定数14。今春の県議選に町議辞職で出馬したため現在欠員1人。これまでに今期限りでの退任を表明しているのは現職では1人。多選議員の多くが「地元に後継者を探してもらっている」や「改選で欠員になることは避けたい」など、日時の流れと並行するように、「進退不明確」の現職が増えている。

 「だいたい、現職がはっきりしないのに、新人が声を上げるのはやっぱり難しい。まずは現職が態度をはっきりさせるべきだ」
 「新しく出るなら、少なくともお盆前に名乗りをあげ、お盆あいさつの話題になるくらいでないとだめだ。新人は誰が何と言おうと出る、というような強い気持ちが必要だ」
 どうも、「タマゴが先か、ニワトリが先か」論争にも聞こえる。4年に一度の議会改選。現職にとってはこの4年間の検証の場。「有権者がこの4年間、議員活動をどう見て、評価するか」、それが改選という選挙の場であり、議員にとって唯一最大の評価される場だ。
 その評価の場を5回も経ているベテラン議員。6期2人、5期2人。4期1人と、4期16年以上も町議を続ける議員が全体の約4割という高い比率がいまの津南町議会。加えて40代の1人以外は66歳以上という「超高齢化議会」の現状。その評価は改選時の得票数にも表れている。
4年前の前回(有権者8725人、投票率76・80%)。トップ当選は910票。6百票台2人、最低当選275票、350票以下当選は4人と、トップと下位の得票数に大きな開きが出た特徴的な町議選だった。
 現職のひとりは話す。「町議は3期だろう。国会議員や県議は国や県とのつながりが強く、経験と当選回数がモノをいう世界。だが町議は違う。やはり地域代表の性格が強い。全町の町議というが、どうあれ地域の利益代表だし、それが地域を良くし、町全体を良くすることつながる。3期の中で次にバトンタッチする人を育てるのも現職の仕事だ」 
『町議3期説』は過去にも言われた「つなん伝説」の一つ。それは『1期は勉強、2期は活動期、3期で目標達成』といわれ、3期以上になると『利害と倦怠』が出てくるという。改選のたびに出る「世代交代・議会刷新」。だが経験を積むほど進退表明は難しい。それは「自分が必要とされているのかどうか、経験を積むほど、判断材料がだんだん少なくなる。奢りではないが、『おまえさん、もう辞めたほうがいいぜ』なんて言ってくれる人が、だんだん周りにいなくなる」という現実があるという。
一方で、地域からは「出るのか、出ないのか、はっきりしてほしい」の声が上がる。現職という立場から、そう軽々には態度表明できない事情もあるが、『なぜ、町議をするのか』の原点を考えることこそ、改選期だ。
 今回の改選。この静かさの底流には『現職の進退表明の遅さ』があるのは事実。一方で、新人が出にくい、出られない町議会の議員環境、議会環境があるのも事実だ。

 次号では、その議会環境・議員環境を検証する。

写真・4年間の検証の場が改選期。9日から任期最後の定例会が始まる
 

クマ出没、実りの田で稲食べる、栄村志久見   9月7日号
 クマ出没が多発している今季の奥信越。栄村では全村でクマ目撃情報が相次ぐなか、志久見地内の水田で登熟し始めた稲をクマが食べる様子をセンサーカメラがとらえた。先月26日の午後2時過ぎ、夜に現れたクマ1頭が水田の畔に来て、重さで頭が垂れ始めたコメをムシャムシャと食べている映像。村内他地区では未消化のコメを含んだフンも確認している。全村に水田はあるため、村では警戒を呼びかけている。
 コメを食べるクマが写った志久見地内のこの水田。毎年クマが来る場所で住民連絡を受け、8月中旬にセンサーカメラを設置。翌日27日は2頭のクマがカメラに写りこみ、複数のクマの行動スートになっていることを確認した。村産業建設課では「クマの目撃情報があれば告知放送で流している。夜や早朝はクマが活動する時間帯。警戒してほしい」としている。

町立津南病院の新院長に林裕作副院長  9月7日号
5年5ヵ月、町立津南病院長を務めた阪本琢也医師が退任、その後継として副院長だった林裕作医師(52)が今月1日付で就任した。2日、町長室で桑原悠町長から辞令を受け取った。5億円余の一般会計繰り入れが続く赤字経営、坂本医師退任に伴う内科常勤医1人減など、多くの課題が山積みのなか「暮らしていくなか、医療はなくてはならないインフラ。医療がないと地域も衰退していく」と話し、「高度医療は魚沼基幹病院や立川綜合病院、長岡日赤病院が行い、津南病院は入院ができる地域のかかりつけ病院として地域密着型の経営で維持したい」と抱負を語った。
 林院長は津南町在住。慈恵医大卒で、循環器内科が専門。日本病院総合診療医学会の認定医でもある。津南病院には平成7年から1年間内科派遣医として勤務後、大学に戻り、平成11年4月から津南病院常勤医として、地域医療を支え続けている。現在、津南病院の常勤医は内科3人、整形外科1人の4人だが「内科医は50代以上が3名しかいない。若い内科医、総合診療医が維持には必要。何よりも医師の招へいが一番の課題。慈恵医大だけでなく、新潟大、自治医大など、あらゆる可能性を探っていくしかない」とし、今月にも母校の慈恵医大に要請に赴く予定だ。一方、一般病床45床のうち10床を地域包括ケア病棟として今年7月に開設、稼働率は90%以上を維持し採算性が高いことから「将来的に20床にしたいと思う」と方針を話した。
 町も今年5月にこれまでなかった津南病院の公式ホームページを開設し、情報発信を図るなど、経営改善をめざし試行錯誤を続ける。桑原町長は「医療、教育は経済活動の基盤となり、人口対策にもなるもの。魚沼医療圏の中のかかりつけの医療機関として地域医療を守る。5億円の一般会計繰り出しは大きいが、病院を維持できるようにしていきたい」と話した。

10代のまなざし 大渕悠斗さん 十日町高3年  9月7日号
 夢をかけて挑んだ夏。最後のバッターとして終わった瞬間、大粒の涙が頬を伝った。甲子園の夢を胸に出場した十日町高野球部。今季、そのトンボ軍団の主将を努めた。
 「よい仲間と巡り合え、一緒に野球ができて最高でした。22人の3年生は、ずっと一緒で1人も辞めなかったんです」
 全員野球がモットーだった。昨年秋から今春にかけ、試合に勝てずに苦しんだ。主力から漏れることも度々あった。しかし、俺が俺がではなく、とにかく全員でと声をかけてきた。
 「今考えると、渡辺監督は自分たちのためになるアドバイスを的確にしていたなあと感じます。気持ちが沈んでいる時など、ひとり一人の少しの変化も気付いてくれたと思います」
 甲子園の道は絶たれたが、その思いは後輩に引き継がれる。
 「甲子園への道、後は後輩に託すだけです。間もなく新人戦ともいえる秋の大会が始まります。常に上位を狙っていってほしいです」
 将来は、スポーツトレーナーをめざす。
 「野球を通して、周りを支える気持ちの大切さを学びました。選手生活とは一区切りをつけるけど、スポーツ選手を側面から支える、そんな仕事に就きたいです」
 中学野球選手に一言。
 「昨年はベスト4、今年はベスト16の十日町。県内も強いチームはいっぱいあるけど、決して甲子園も夢ではないと思う。ぜひトンボマークを胸にし、僕たちを甲子園に連れていってほしい」

五輪選手が十日町合宿、クロアチア柔道  9月7日号
 〇…「うわー、すごい足蹴り」―。東京五輪2020への出場をめざすクロアチアの空手選手団が先月30日に来市。31日になかさとアリーナで小学生を含む地元選手と交流、指導も行った。世界レベルの選手のプレーを見た子どもたちは「とってもすごかった」と驚いていた。
 〇…東京五輪テストイベントに参加するのは世界ランキング4位のイヴァン・クヴェシィチ選手ら監督を含む12人。十日町市剣道連盟が「友好の輪を広げたい」と剣道の紹介も行った。練習会では、クロアチアの選手が上段突きや足蹴りを披露すると「おおー」と会場がどよめた。

松之山スキー協会70周年、地域活性の原動力  9月7日号
 全中やインターハイ、国体など全国レベルの大会で数々の功績を残し、松之山スキー場開設に大きな役割を担った松之山スキー協会(小野塚英男会長)が70周年を迎え1日、まつのやま学園で記念式典と講演会を開いた。式典には発足当時から地元スキーの振興に関わった人たちなど百人余りが参集。当時を振り返りながら、これまでの歴史を振り返りながら、今後の活躍を祈念した。
 小野塚会長は「雪深い松之山で多くの全国レベルの選手を育ててきた。今後も地元の子どもたちがスキーを楽しみ、一流の選手になれるようジュニア育成に努めたい」と挨拶。功労賞を受けた第4代協会長の柳靖治さん(80、ひなの宿千歳)は「スキーの発展がなければと、がむしゃらに取り組んできた。更にスキーを中心に発展していくことを願う」と期待感を話した。
 講演は「スノースポーツの素晴らしさ」を演題に、日本ジャンプ界のレジェンド・妙高市出身の清水久之氏が行い、子どもたちの指導では「明るく楽しく元気よくをモットーに、怒らず、できるだけ誉めるように指導している。ジャンプでは『鳥になる』と成り切ることが大事。そして最終的には『愛』、それしかない」などと語った。
 ▼功労賞=柳靖治、村山市郎、村山健、村山好夫、小野塚博、小堺眞一、橋明夫▼優秀競技者賞=橋幸也(国体少年リレー2位、十日町総合高・全国リレー7位)

十日町市が挑む再生可能エネルギー30%社会、発電事業スタート  8月31日号
  十日町市は市内消費電力(30万メガh)の30%を再生可能エネルギーでまかなう政策を進める。関口市政の看板政策でもある「新エネルギー再エネ事業」。その中核となる発電事業が相次いで事業化へ前進している。市内観光施設キナーレ「明石の湯」の熱源供給に伴う発電事業『熱電併給システム』の民間事業者が7日決まり、30日に基本協定を結び年内に現地法人を設立し事業着手する。一方、国内有数の高温泉・松之山温泉活用の『地熱バイナリー発電所』を設置・経営する地元主導の新会社も来月立ち上がる。さらに民間事業者が市内四日町に計画し、来年末稼働をめざす木質系『十日町バイオマス発電所』を運営する現地法人を設立するなど、「再エネ30%供給」への歩みが具体化している。この再エネ30%達成の主軸要素になっているのがJR東・宮中取水ダムの維持流量を活用の『宮中水力発電所』。JR東や国、関係機関と協議を重ねるが、水利権関係など2025年稼働への具体化はこれからで、関口市政の挑戦は続く。


 『再エネ30%供給』は、市内消費電力30万メガW(2025年達成時見込)の30%、9万メガWの再エネで作り出す政策。
この30%のうち13%が発電事業により、残る17%は熱エネルギー換算などでまかなう。発電事業は「明石の湯熱電併給システム発電」、「松之山温泉バイナリー発電所」、市内四日町に計画の「木質バイオマス発電所」、さらにJR宮中取水ダムに設置計画の「宮中水力発電所」の4つの発電施設で13%分を達成する方針だ。熱エネルギー系は他の再エネ事業や一般家庭の太陽光発電などで対応する計画だ。
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 キナーレ・明石の湯で取り組む「熱電併給システム」は、木質ペレットを燃料による「ガス化発電」で、発電と共に温泉給湯へ熱供給し、売電事業と温泉燃料の熱源を併給するシステム。市は建設資金を提供し、経営事業は民間で行う公設民営。事業者公募には地元企業を組み込んだ2グループが応募。市選定委員会審査で「三洋貿易・大日本コンサルタント・村山土建」グループを選定。昨日30日、市は同グループ代表の三洋貿易らと基本協定を締結。年内に事業経営する現地法人(特別目的会社)を設立、来年3月までに市と同社で事業契約を締結する。キナーレ明石の湯に設置の施設は仮称「明石の湯バイオマス発電所」の名称などを候補にあげている。
ガス化熱電併給システムの発電装置は、三洋貿易が輸入するドイツ製で国内で12基が稼働。発電出力165KW,年間約124万KWh(一般家庭約280世帯分)。市とは20年間の事業契約で、計画では売電(FIT固定価格買取制度)で年間約5300万円の売電収入を見込む。
 市は同システム建設資金2億8千万円を同社に調達し、20年の契約期間内で資金回収する方針。さらに施設使用料年間100万円を別途に求める。燃料源の木質ペレットは「地元産木質ペレット使用」を要望している。さらに市では同システムでの電力を交流する東京世田谷区など電力の自治体間連携も視野に入れる。

写真・熱電併給システムを導入し、売電と温泉施設の熱源を提供する。公設民営の事業形態となる(キナーレ・明石の湯で)

再エネ30%に挑む十日町市、発電事業相次ぎスタート、宮中水力発電所の実現課題  8月31日号
 一方、松之山温泉の「地熱バイナリー発電」は、市が2007年にボーリングに成功した「鷹の湯3号」(毎分900g)の105度の蒸気(毎時3・33d噴出)を活用した発電システム。沸点が15度と低い代替フロンを沸騰させタービンを回し発電。電気出力220〜250KW(一般家庭約600世帯)を見込み、年間約140万KWhを発電し、東北電力にFIT(固定買取制度)売電、年間約5千万円の収入を見込む。発電施設は温泉源近くの1175平方b敷地に設置、事業費約3億円を見込み来年4月着工、同年11月稼働開始をめざす。
 この地熱バイナリー発電所を経営する現地法人・松之山温泉合同会社「地・EARTH(ジ・アス)」を来月設立する。地元温泉旅館や飲食店で作る地元合同会社「まんま」(柳一成代表)と東京の「地熱開発」(大野友史社長)が共同代表で設立。柳氏は「売電収益の配当で松之山温泉の振興策に活用できる資金が増えることになり、誘客への取り組みに繋げたい」と期待感を話し、大野氏は「源泉にセンサーを設置し井戸のモニタリングができ、地元貢献できるよう取り組みたい」と話している。
東京港区が本社の地熱開発は、宮城県や大分県の温泉地で同様な地熱発電所が稼働中。経営会社「地・EARTH」は市と15年契約を締結し、敷地使用料・蒸気利用権料で年間150万円を市に支払う。
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 建設事業費約25億円のビッグプロジェクトになる市内四日町に建設の木質バイオマス利用の「十日町バイオマス発電所」の経営会社『合同会社十日町バイオマス発電所』は昨年10月に設立。東京の株式会社SHICHIJOと昨年同時期に設立の新潟森林総合開発株式会社で立ち上げ、すでに市内四日町の信濃川河畔に約1万9836平方bの用地を確保。敷地内に発電所と原木の貯木場とチップ工場が一体化した施設を建設する。来月6日、四日町地区対象の説明会を開く。
 すでに木質チップの原木供給先として十日町森林組合や近隣の森林組合と連携協定を結び、津南町森林組合とも来月締結する方針で、県内15団体はじめ県外含め年間必要原木約2万d調達の見込みはついている。新潟森林総合開発の吉楽隆一取締役は「木質ガス化発電は排熱が多く、農業の施設園芸や多分野への活用で新たな産業起こしにもつながる」と発電所事業の波及効果も話している。同発電所稼働時には新たに20人余の雇用創出を見込んでいる。

ツールド妻有、参加者と地元住民の交流深まる  8月31日号
 ◎…ツールド参加者からも地域交流を楽しみにする声が上がる。息子の中学入学を機に初参加した真山理栄さん(49)と和陽十(のひと・13)くん親子。「息子は来月ジュニアのトライアスロンに挑みます。その練習と旅行を兼ねてです。友だちから妻有はいいよ、面白いよ、景色が最高と聞いて来ました。ASの食べ物と地元の人たち、最高でした」。JR東グループのサイクリング部20人も参加。初参加の塚野清子さん(34)は「サイクリング歴はまだ6年ほどですが妻有の話はよく聞き、ASのおもてなし、最高でした。どこも美味しく、地元の皆さんが温かいですね」。常連参加が増えており、ASでの地元民との再会を楽しみにしており、芸術祭を機に始まったサイクリングイベントが、地域の交流事業へと定着してきている。

写真・8月25日、松之山の最後のエードステーション、坪野・五十平地区で

年々深まる交流、「おもてなし」大好評、ツールド妻有   8月31日号
 ◎…毎年開催の「走る大地の芸術祭・ツールド妻有2019」は25日、ミオンなかさとを発着に全国から650人台が参加、起伏に富む棚田や里山の最長120`コースに挑み、各所に開設のエイドステーション(AS)では手づくり料理や新鮮野菜、漬物などが提供され、急坂を登ってきた参加者は「これはうまい。元気が出る」とさらにペダルを踏み込みゴールをめざした。2006年の大地の芸術祭本祭から始まり、今回は本祭以外では過去最多の623台がエントリー。10回目の参加の埼玉・川口市の会社員、曽山和之さん(44)広美さん(43)夫婦。広美さんは十日町出身。「地元の人たちのおもてなしが人気ですね。サイクリングイベントは各地でありますが、十日町が最高の声を聞くと本当に嬉しです」と夫婦で120`を完走した。
 ◎…中里、十日町、川西、松代、松之山、津南がコース。公設AS7ヵ所のほか地元オリジナルASも開設。コースの関係で設置時間最長が松之山AS『坪野・五十平(いなごだいら)』。長い登り坂の上にある。新鮮野菜の漬物、スイカ、人気のカレー、冷そうめん、炊き立てコシヒカリなど提供。5年前から大地の芸術祭で交流が生まれた実践女子大の学生5人と共に15人余で対応。同AS世話役の小野塚建治さん(55)は「この地域を卒論に書いた学生もいる。年々交流が深まりツールドの手伝いも恒例になっている。大学がある東京日野市の豊田地区とは農業交流も始まり、春の田植えから稲刈りまで毎年何回も来ている。こうした交流は地域を元気にしてくれる」と話す。

写真・650人余が参加し、田園地帯を走る参加者(8月25日、中里桔梗原で)

くっきり「クマの足跡」、今秋は要注意  8月31日号
十日町市では5、6月に出没(目撃14件)が相次ぎ、7、8月は中里原町地域のスートコーン畑で被害が発生し、捕獲オリを設置したがクマ捕獲はできなかった。
 栄村でも7、8月に村内4地区で5頭をドラム缶オリで捕獲し、地元猟友会が捕殺。長野県は県許可のため1ヵ月1頭で許可(許可地域の2`圏内)しており、これまでに月岡、菅沢、秋山郷小赤沢・上野原で5頭を捕獲。今月の出没は実入りが始まった水稲の田に出没している。許可期間を更新しながらクマの被害防止に取り組んでいる。
 
写真・8月26日、津南町立石で 約15センチほどある


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