お問い合わせへジャンプ!
広告掲載のご案内へジャンプ!
購読のご案内へジャンプ!
トップページへジャンプ! 今週の津南新聞へジャンプ! テーマ別掲示板へジャンプ! なんでも掲示板へジャンプ! 妻有に生きるへジャンプ! ねっとわーくへジャンプ! リンク集へジャンプ!
home > 今週の津南新聞トピックス

2018年08月の津南新聞「トピックス」

過去の津南新聞トピックス
私の大地の芸術祭  「走る大地の芸術祭・ツールド妻有」  9月1日号
 ◎…大地の芸術祭カラーの黄と黒でデザインしたオリジナル公式ジャージーが毎回人気の「動く大地の芸術祭・ツールド妻有」は前夜の豪雨が上がった26日、ミオンなかさと特設会場に国内外から120`、90`、70`の部門に1千台余のサイクルが参加し、早朝の霧が里山を包む妻有路を駆け抜けた。作家・伊藤嘉朗氏が2006年に作品展開、以降毎年開催するツールド。3年ごとの芸術祭開催年は公式ジャージーが参加者全員に贈られるため今回も受付開始と共に予約が殺到する人気ぶり。今回注目を集めたのが小学3年、9歳の90`コース挑戦。みごと走りきった。
◎…5年前、新宿区の安達晃彦さん(44)は1人で参加。里山の景観と住民との交流に感動し、いつか我が子と一緒にと思いを抱き、その夢が今回実現した。小学3年の天くん、初のサイクルイベント参加。当日午前1時、新宿の自宅を車で出発、市内の指定駐車場には朝4時到着。「息子が大きくなったら一緒に出たいと思っていました。津南の無印キャンプ場には年2回ほど来ています。妻有は起伏に富んだコースなので、なんとか親子で完走したい」と晃彦さん。「途中の食べ物が楽しみです」と天くん。親子で午前7時スタート。
◎…約8時間後の午後3時半、親子は無事にミオンにゴール。「途中、沿道や出場の皆さんから息子を応援していただき完走できました。息子はもっと走られそうでしたが、次回は120`に挑戦でしょうか」。天くんは「ガリガリくん(アイス)で元気が出ました。おにぎりも美味しかった。楽しかった」。翌27日から2学期が始まった。「夏休み最後の日に、最高の思い出ができました」と晃彦さん。
◎…4年前から夫婦でサイクルを楽しむ伊藤友紀さん(28)、智子さん(27)は3月初めに市内宿泊施設を確保。「宿泊が取れないと聞いていたので早めに予約しました。平地より山間地コースが好きですね。途中のエイドステーションも楽しみ。楽しみながら走ります」と友紀さん。前回沿道の声援に感動した智子さん。「人生の中でこんなに応援して頂けるのは、そうないでしょうね。それがとっても心地良いです。それに皆さんのおもてなしが素晴らしい」。地元宮中出身で東京・東村山市から職場の仲間と初参加した吉楽泰明さん(44)。「これは走る大地の芸術祭、芸術祭の華ですね」と同僚の高田明良さん(51)、関口亮太さん(40)と120`を堪能した。
◎…ツールド妻有の人気を支えるのが9ヵ所に開設のエイドステーション。なかでも約千人分のパエリアを毎回用意する坪山峠。第2回芸術祭から地元グループ「アートネット川西」(渡辺文人会長)が取り組む。今回も魚沼米20升でスペイン料理パエリアを川西風にアレンジ。13升の魚沼米でおにぎり、自家製漬物、特製冷汁など用意。坪山峠のステーションは毎回人気で、この日も午前中で完食。「日本三大・食のツールドがここ妻有」ともいわれる。さらに大会では毎回スタートを盛り上げる地元『こゆきチンドン』が陽気に出場者を送り出し、華を添えていた。  (恩田昌美)

世界のスノーピークと包括連携協定、十日町市が  9月1日号
 松之山•天水山の中腹に広がる越後妻有大厳寺高原キャンプ場(標高約700b)の世界ブランド化をめざす総合アウトドアメーカー•スノーピーク(山井太社長、本社•三条市)と十日町市がアウトドアで観光や産業振興をめざそうと28日、まつだい農舞台で「包括連携協定」を締結した。県内では初の調印で、山井社長は「大厳寺は豪雪の魅力がある。3年後には5千組の入込みをめざしたい」と意欲を語った。
 協定は「観光商品開発•販路づくり」や「観光分野の人材育成」「認知度向上•ブランド化」「災害時の物資等支援」などパートナーとして協力して進めていく内容。協定書にサインした関口市長は「地域活性化、ブランド化に大きな意味を持つ。スノーピークと地方創生に取り組み、怒濤の人の流れを生み出したい」と期待感を話し、山井社長は「豪雪と春の山菜、秋のキノコは都会にはない大きな魅力がある。9月には大地の芸術祭とタイアップし、台湾からキャンプツアーも企画している。海外25カ国とビジネスを行っており、誘客面でも拡大していきたい。また災害時にはキャンプ用品も有効に活用できるはず」と語った。
 スノーピークは、国の地方創生事業を導入し、3年前から5年計画でキャンプ場施設の充実や広場整備、既存施設の「希望館」「ばーどがーでん」の全面改修など同キャンプ場のリニューアルに取り組み今夏、キャンプ場や施設の一部が完成したことからプレオープン。キャンパーは昨年2400組余りと、前年の約660組から4倍に伸び、「リニューアル後も7、8月は前年より2•5倍ほどになっている」(山井社長)と早くも効果を話している。

アートで学ぶ場創出、松之山オープンキャンパスで  9月1日号
 アートによる学び効果を考える大地の芸術祭「松之山オープンキャンパス」は25日に三省ハウスで開催。十日町高松之山分校(松高)でアートを通したコミュニケーション授業を実践する青山学院大教授・苅宿俊文、現代アート集団・カオス*ラウンジ代表の黒瀬陽平、鳥取市立鹿野学園でアート特設科目を指導する鳥の劇場芸術監督・中島諒人の4氏がワークショップを実施。さらに同祭総合ディレクター・北川フラム氏、コーディネーター・新潟国際情報大教授の佐々木寛氏を交えフォーラムも行い、子どもたちがアートを通し学び得るものは何かを議論した。
 少子高齢化で閉校の危機にあった松高は、アートのある地としての特色ある学校をめざし、北川氏の協力を得てアート体験授業を継続。その指導を行っていた苅宿教授は学校のマジックワードに『普通』があると指摘し「自分の当たり前を俯瞰し見てしまい、そこから外れるとメンバーに入れない。外れた子は自分が一番悪いと思ってしまう」とする。だが「普通という基準を知りもしないで排除している。私たちはまだ徹底的に排他的。私たちの当たり前とはどう感じ作っているかもう一度考えるべき」。さらにアートを美術や図工など『見るアート』と、芸術祭のような社会の中で生かす『使うアート』を分け考え「使うアートは学校教育の中で芸術表現、体験活動があり、経験すると資質能力の定着が生まれる。ただ1〜2ヵ月で終わるものではなく、何年間もかけ育てるものと実感している」とアートによる学びは長期で行う必要性に言及した。
 一方で北川氏はアートを通した教育を「行政とどう進めるかと言うのが今の我々の課題」とするなか、「私としては若い人たちがこれをやると言って、我々の所に来て欲しい。やる気がある人がフレッシュに関わり、小さい単位で進めていくのが大切だと思っている」とまずは小規模な取り組みからスタートする重要性を語った。

女みこし、粋にくりだす  9月1日号
 〇…髪をキリっと結い上げ、ねじり鉢巻き姿の女性汰たちが威勢よく津南町の中心地を練り歩いた。熊野三社御祭礼の最終日27日は、恒例の女神輿巡行。そろい法被の10〜40代の女性40人が「ソイヤサ、ソイヤサ」のかけ声と共に4時間余かけ神輿担ぎ。住民が集まる場所や福祉施設前では全員でくるりと回転したりと華やかに魅せていた。
 〇…「地域に女性パワーで活力を」と33年目を迎えている女神輿。津南に秋の訪れを告げる風物詩に成長。今年、担ぎ手初参加の廣川千紘さん(22、十二ノ木)は、職場の福祉施設からいつも女神輿を眺めていた。「出たい出たいと思っていて、ようやく念願が叶いました。みんなで声を出し息を合わせるのが楽しい。来年も出ます」とにっこり。同じく初参加の内山萌香さん(22、正面)は「女性が神輿を担ぐ機会はなく、何事も挑戦と思って申し込みました。先輩方も優しいし、みんなで気持ちを一つに担ぐのが面白いです」と汗を輝かせていた。

台湾交流、津南町三箇地区に国立大学が視察  9月1日号
 横浜•鎌倉小学校との交流や台湾のテレビ局の取材など都市や海外との交流事業に取り組んでいる三箇地区に19日、国立台湾中山大学•公共事務管理研究所の関係者ら24人が訪れ、「大地の芸術祭と地域の活性化」などテーマに三箇地区の取り組みを視察した。到着時には桑原町長も歓迎、エストニアのデジタル政策を例に挙げながら「海外のお客様が訪れない所に日本のお客様も訪れない。グランドコンセプトを明らかにし、津南版Eレジデンスを日本で最初に始めたい」とアピールした。
 交流会は三箇校舎で開き、桑原町長は「三箇地区は都市と農村の交流活動に取り組み、今では台湾ともつながりもできるほど先進地になっています」と紹介。台湾•同研究所の郭瑞●所長は「愛知の芸術祭によって地方の文化、観光の推進に効果があるのかやってきました。三箇に来てうれしい。これからも交流を継続していきたい」と話した。三箇地区都会との交流を進める会の恩田稔会長は「冬は3bの雪に覆われますが、除雪で日常生活は問題ありません。雪のお陰で日本一おいしい米が生産されています」などと地域を紹介。さらに大地の芸術祭の作品巡りを行い、「今後も交流の推進を」と期待感を高めた。

大民謡流し、十日町大祭り   9月1日号

 ○…夏の最後を彩る「十日町おおまつり」(25〜27日)。大民謡流しは30団体1280人が参加し、揃いの浴衣を着た踊り手が本町通りを埋め尽くと、沿道から拍手と声援が送られた。ひときわ目を引いたのが日本舞踊など取り組む志樹乃会。本格的な踊りの団体といえるだけに十日町小唄ひとつとっても、そのあでやかさとうまさは群を抜いた。「さすが舞踊メンバー」と声が飛んだ。
 ○…223年の歴史を刻む八角神輿の発輿祭(はつよさい)は26日午後、諏訪神社で行った。諏訪神社協賛会の島田政之助会長は「ただ今、神輿に神様が乗った。無病息災と商売繁盛を願いながら町内を練り歩いてほしい」と発声。掛け声の「オイヨイ」の三唱の後、勇ましい担ぎ手により神輿が渡御。夕方には上町、宮下、下町の三俄競演が本町2、3丁目でにぎやかに行われた。屋台の上で舞とお囃子を披露すると、集まった多くの市民から喝采を受けた。
 ○…最終日の27日夜、八角神輿の神輿が還御(かんぎょ)を迎えると、諏訪町入り口は最高潮に。「まだまだ早い」と行っては戻りを繰り返し、平成最後の祭りを締めくくっていた。

ひまわり広場、6万8000人、芸術祭効果で5%増加  9月1日号
 28年目の津南町沖ノ原ひまわり広場の入込集計がまとまった。7月27日〜8月19日の25日間で6万8413人(昨年3762人増)と5%アップ。今夏は開園時から満開となり、第1〜3畑の見頃もスムースに行き、さらに第7回大地の芸術祭の開催でで入込が増えたとみている。
 今期は普通車1万7167台(432台増、前年比2%増)、ピークは8月12日の1733台。千台越えは計7日間。一方、大型バスは増加し140台(同43台増、同44%増)。長岡花火前後に来訪が多く、8月3、4日に各40台が訪れた。マイクロバスは29台(同2台増)、バイクは163台(同5台増)。
 ひまわり広場入込は平成27、28年と7万人台を記録。以降やや減少傾向にあるが、今期6万8千人は過去10年の平均値より高い数字。町観光協会の小林武事務局長(町地域振興課商工観光班長)は「今期は県外ナンバー車や外国人の来場者が多く、芸術祭の好影響を感じた。開花状況をすぐにSNSで発信する方もおり、リアルタイムで情報が拡散するなか晴れが多かった夏だったのもプラスに繋がった」と話している。
 なお入込客数の算出は1台当たり普通車3・5人、マイクロ20人、大型30人で計算。早朝夕方、夜のライトアップ(8月10〜16日)は見込みで数値となっている。

私の大地の芸術祭  「方丈記私記」、羊の美容院  
 ◎…ふわふわとした雲のよう。ふわふわ気分でカットやヘアアレンジをしてもらえる異色の方丈記私記のひとつが『羊の美容室』(作者•岡藤石)。羊毛で包んだ、まるで繭のような美容室。雪国住民にとっては、ほんやら洞•かまくらのようで親しみを覚える。「非日常的な空間で、あなたに合った新しいヘアスタイルを提案します」。実際に地元や東京の美容師がお客を招く。そのひとりが東京•原宿の美容室からやってきた滑川彩香さん(24)。「キナーレはとっても気持ちいい空間ですね。作品もそれぞれユニークで面白いです。楽しく取り組り組んでいます」。
 ◎…四畳半(方丈)の小さな場所から動乱の世を見つめてきた鴨長明や五合庵で喜捨に生きた良寛、方丈記の生き方にならおうとした小説家•堀田善衛。その方丈を現代の建築家とアーティストが「四畳半の宇宙」としてキナーレで展開しているのが「方丈記私記」。今後、街の空き店舗や店の一部にはめ込んでユニークな商店街へと変貌させる構想もある。
 ◎…「羊の毛は、人間の髪と構造がすごく似ているんです」と滑川さん。夏は湿気を吸収し、冬は暖かい、そんな利点をもっている。「形はグルグルの香取線香をびよーんと伸ばしたみたい」。こんな美容室が街中に登場したら、確かに気分もふわふわになりそうだ。作品=T357。

厚生連・中条第2病院、「診療所化」浮上、あり方検討会で  8月25日号
 9月から医師2人体制となる厚生連・中条第2病院の今後の運営方針が21日、JA十日町で開いた「中条第2病院あり方検討会」で示された。女性医師の産休により来月から常勤医師2人体制となり、その後の医師体制の困難性などから「診療所化」を示唆する運営方針が示されたようだ。当日の検討会は非公開で行い、その後の出席者取材も「ノーコメント」「いまは話せない」と一応に取材の応じていない。だが、「中条第2病院問題」は十日町市議会、津南町議会で住民グループが求めた運営継続・存続請願を共に採択しており、綱町議会は意見書を提出している。今後、検討会に出席した行政が、厚生連が示した今後の運営方針を、いつ、どう議会に説明するか関心が集まる。

 21日のあり方検討会は当初、ラポート十日町で開催だったが当日、急きょ会場変更しJA十日町本店で開いた。出席は十日町市副市長、津南町副町長、JA十日町、JA津南町、中条第2病院長らで、この日の検討会前に、厚生連本部から役員が地元行政、農協を訪問し、方針説明している。
 あり方検討会は非公開で行い、出席者への取材では「ノーコメント」「いまは何も話せない」と取材に対し言葉を閉ざしている。中条第2病院・船山義郎事務長「お知らせすることがあれば患者さんにきちんとお伝えします。それ以外、患者さんらのプライベートに関係してくることなので話すことはありません」と取材に答えており、9月からの医師産休入りは院内掲示で知らせている。
 あり方検討会に関係する取材で表出しているのが『診療所化』。その背景には医師確保の問題がある。来月から医師1人が産休に入るため、9月からは当面、医師2人体制となる。同病院はベッド数180床、現在150人を超える入院者がいるいう。当直夜勤を2人で担当するという過酷な勤務状態になる。
 あり方検討会で、こうした実情がどう説明され、どう対応する方針かなど厚生連から説明があったようだ。平行して医師確保が大きな課題となり、それが同病院の将来的な運営方針に大きく影響することはになり、地域医療を担う中条第2病院の存続に関わる最大の課題になっている。あり方検討会で、厚生連が示した運営方針を、出席の行政が請願採択した議会にどう説明し、それを受けた議会がどう動き、住民運動で集まった署名4万人余と連動した活動にどう結びつくのか、大きな関心が集まっている。


緊急集会・厚生連
 地域医療を守る住民の会の緊急集会は18日、クロステンで開き、150人余が参加し、要望書を提出した十日町市長、厚生連の回答を今月末までに求めることを決議し、両団体に回答期限を通知した。署名活動はいまも続き4万を超える署名が集まり、魚沼エリアから全県に広がっている。大嶋育未代表世話人は「9月から医師が2人になる。病院維持の困難性が出ている。県福祉保健部に行った時、今のまま手を打たなければ病院継続は難しいという認識だった。地域医療の問題は各地で市民が考え行動している。安心して暮らせる病院をどう残していくのか、そのために何ができるのか、私たち住民はそのために積極的に参加、行動する意義と義務がある。人口減少など様々な問題はあるが、この山間地に暮らしても、都市部と同じ医療を受ける権利がある」と住民運動の広がりの必要を話している。集会では存続要望書を提出した十日町市・関口市長、厚生連・今井会長への公開質問状への回答期限を今月末に決議し、両団体に再通知した。

梅谷氏、国民民主党入り、新潟県連会長就任へ  8月25日号
 昨年秋の衆院選で惜敗した梅谷守氏は18日、ラポート十日町で開いた十日町・津南後援会の集いで「国民民主党入党」を明らかにし、その理由を話した。
「理由は3つある。ここ6区で国政をめざすため。そのための選択である。二つ目は、民進党と希望の党を脱退した勢力が国民民主党になったという誤解がある。希望の中で分裂し、非自民党系とリベラル勢力が瞬間的に国民党を立ち上げ、それが民進と合体し国民民主党になった。安倍勢力により対抗する勢力、非自民でまとまる勢力。そのため旧民進党の綱領・基本政策をほぼ踏襲している。私が選挙中に訴えたことは何も変わることなく、私自身も何も変わるものではない。さらに国民民主党は徹底して地方の声、地域の声を聞くという姿勢を高々掲げる。私の政治姿勢は『とことん地元』、これをしっかり受け止め政党であることを確信し国民民主党を選んだ」と入党の思いは語った。
当日は旧民主党主で今は無所属の会代表の岡田克也氏が出席し、安倍政権・自公政権の問題点を指摘すると共に、今後の非自民の対抗勢力の集結の必要性を強調。「保守からリベラルまで幅広い野党の存在があって初めて政権交代できる政治ができる。自公政権に対抗できる『大きなかたまり』が必要。それができなければ、(いまの野党勢力は)国民の支持は受けられないだろう」。
さらに、「これは政治家個人の判断だが、私や野田さんのような人は、無職族でいき、(野党が集結できる)仲介役として踏ん張ることが必要ではないか。だが、そのかたまりを作るには、もう少し時間がかかる。だが必要性は皆が考えている」と自公政権に対抗する勢力集結の必要性を話す。
この日の集いには、衆院選、知事選で共闘した自由・共産・民社・民進系などの代表関係者が揃う中での所属政党の発表となり今後、各党の政治的なスタンスとの整合性などが課題になりそうだ。その「試金石」は来春の県議選。すでに共産は野党共闘を視野に独自候補を擁立し、他の野党に「野党統一候補」となるよう要請している。今回の梅谷氏の校区民民主党入りが、来春県議選にどう影響し、その先の参院選などに作用するか、大きな関心が集まっている。

JR東・宮中取水ダムの魚道、世界が注目、視察に  8月25日号
 「とても自然に近い魚道という印象を受けた」と、海外の環境水工学者らから評価の声が出た。今月19から24日まで東京で開催中の「第12回生態水理学に関する国際会議」の一環で、現地視察テクニカルツアーでJR東日本の宮中取水ダムに2人の研究者が22日来訪。大型魚道、小型魚道、せせらぎ魚道と3種類の魚道がある現地でJR東職員から直接説明を受けた。
 来市したのはカリフォルニア大学デイビス校教授のグレゴリー・B・パスタナック、フィンランド環境研究所のユッカ・ヨルモラの両氏。JR東職員から直接説明を受けた。ヨルモラ氏は3種の魚道があることに興味を示し「異なる魚のために魚道を作っているのは素晴らしい。とても自然に近い魚道という印象を受けた」と評価。一方、パスタナック氏は「千匹以上のサケが遡上したとも聞いた。自分の知る河川をつい常識と思ってしまうが、自然研究者としていろいろな国の状況を知るのが大事。このような魚道を責任をもって作ったことは誇れることだ」と感心していた。
 6年前、信濃川発電所宮中取水ダム魚道構造改善検討フォローアップ委員会(委員長・埼玉大大学林理工学部・浅枝隆   教授)の提言を受けながら改修が完了した宮中ダム魚道。来訪の2人は浅枝教授を高く評価。「浅枝氏は世界中で知られている研究者。今後も彼の助言に耳を傾けてほしい」と提言していた。

日本さくら女王も芸術祭、東京新潟県人会が  8月25日号
 ◎…十日町市の当間高原ベルナティオと津南町のニュー・グリーンピア津南に桜の苗木を寄贈する日本さくらの会評議員の春日覚・東京十日町会長の呼びかけで18、19日、東京からの大地の芸術祭ツアーが行われ、大型バス1台に52人が参加し、人気の清津峡渓谷トンネルやキナーレ「方丈記私記」、光の館など代表的な作品を巡った。春日会長は「呼びかけたら多くの希望があり、バス一台にまとめるのに苦労した。大地の芸術祭は首都圏でも人気が高い」と話している。
 ◎…今回の宿泊はグルーンピア津南で、全国最年少の女性トップで全国ネットになった桑原悠町長が歓迎の言葉。「長野北部地震でのご支援に感謝いましますと共に頂いた桜の苗木、大切に育てます。大地の芸術祭には世界中から来られています。越後妻有の地こそ、生きづらさを感じている人ほど、この地に来てほしいです」などと芸術祭の地の良さをアピールした。一行には前年の日本さくら女王で同津南での記念植樹にも来訪した増田愛子さん(北海道大歯学部)も同行し、越後妻有の里山での現代アートを堪能した。

芸術祭に小泉進次郎さんも、地元横須賀でも芸術祭事業を  8月25日号
 開催中の大地の芸術祭には、国内外から様々な来訪者がある。今月21日には政治家では一番人気の衆院議員・小泉進次郎氏が訪れ、総合ディレクター・北川フラム氏の案内で作品を巡った。午後には津南町の上郷グローブ座を訪れ、地元お母さんたちが出演する郷土料理を提供する作品に参加し、北越雪譜の語りや映像の合間に出される料理を食し、出演するお母さんたちに声を掛けていた。
 地元の神奈川・横須賀市長が同行し、横須賀で大地の芸術祭のようなアートプロジェクトを開くための視察で、北川氏に質問するなど関心を示していた。上郷クローブ座で食事提供を担当した江村かおるさん。「突然の訪問にびっくりしましたが、とてもさわやかな感じの方で、食事や映像を真剣に見ていました」。出演者皆で記念写真を撮った。


 

私の大地の芸術祭  「記憶ー記録」 津南町足滝  8月25日号
 36人の等身大のシルエットの「人々」は、この20年間、ムラの移り変わりを見守ってきた。
年年歳歳花相似たり、歳歳年年人同じからず…。
 千曲川が県境で、その名を信濃川とかえる津南町上郷。県境の橋・宮野原橋の下流約2`にある足滝橋。その左岸の高台に「人々」はいる。第1回展でアーティスト・霜鳥健二氏は、この足滝集落を作品にした。『「記憶―記録」足滝の人々』。日常の姿そのままで立つ人々を、厚手の鉄板で等身大のシルエットの「人々」を創りあげた。
 「秋の頃だったと思います。霜鳥さんが足滝の人たち一人ひとりを写真に撮りました。普段着のまま、立っているだけ。でも、こうして見るとなんとも言えない雰囲気を感じますね。あれから20年余り経ちますが、いろいろな想いがよみがえりますね」。自分のシルエットの脇で話す島田英里子さんは当時31歳。今春父を亡くした。7年前の長野県北部地震後、足滝を離れた人もいる。でも、その人はここに居る。
妻を9年前に亡くした島田一二三さん(91)。「もう何人もいなくなったなぁ。これがばあさん(妻)だよ。あの頃は元気だったんだよなぁ。いろんなことをおもいだすなぁ」。今回展でも作家・霜鳥さんは足滝に来て、この「人々」を塗り直した。「来た時には一緒になって宴会をするんだが、それが楽しみになっているなぁ」。
 信濃川左岸の足滝。上足滝と下足滝に分かれる集落だが、ここで足滝を見守る「人々」は、いつも一緒だ。

常勤医師を養成、「思いは伝わった」、津南町・桑原悠町長、東京慈恵会医大訪問  8月11日号
 初当選後、「町立津南病院に医師派遣している東京慈恵会医大に先ず出向く」と就任早々の施政方針を今月2日、言葉通り実現した。8日の初の定例会見で桑原町長は「理事長、大学の学長、院長のトップ3人が同席で懇談し、町立津南病院の現状を率直に話した。自治体の長が出向いた事を重く受けとめてくれた」と話し、医師派遣する専門医局の教授4人とも懇談し、今月21日にも同医大を訪れ、専門医局教授と懇談する予定だ。町長選で掲げた『公設民営』には直接言及しなかったというが、「いくつかの選択肢がある」と町立病院の現状と今後について意見を交したという。町立津南病院では今月1日、日本糖尿病学会に関連医療機関への認定申請を文書提出した。同学会認定審査員のひとりが東京慈恵会医大の宇都宮一典教授が務めている。関連病院に認定されると、医師派遣が容易になるとされる。

 会見では、具体的な部分には言及しなかったが、東京慈恵医大は「町立津南病院の現状については理解しており、『なんとかしたい』という医大側の思いは伝わってきたし、津南町の思いは伝わったと思う」。さらに「津南病院の現状は常勤内科医4人で、あと1人常勤内科医が増やせれば2次医療緊急医療機関となり、経営改善への取り組みにもなり、在宅医療の道も開ける」と話し、東京慈恵会医大のほかの医大なども視野に常勤医師配置に積極的に取り組む意向だ。
 一方で今後の町立病院の方向性にも触れ、「1次医療機関として総合診療科へと集約していくことが求まられるが、当面は内科・整形外科・小児科の常勤体制を求めていく」と方針を示す。
 今回の東京慈恵会医大の訪問では、医師の世界の今後にも言及した。「大学でのキャリア教育で医学生の2割が専門医に、残る8割は地域医療に携わることになると見られ、その専門医が総合診療医。だが総合診療医の確立したモデルの医師がいない現状で、その方向に進む学生が少ないのが現状という。一方で今後5年、10年を見ると都市部では一般医師が過剰になるという。津南のような現場ではもうすでに総合診療科的な役割をしてくれる医師が必要で、時代の流れを見る時、はがゆさを感じる。大学とどう関わるかを含め、さらに連携し協力していく。先のやるべき事は見えたという感じだ」と話し、同医大訪問で課題が見え、町立病院改革への取り組み姿勢を鮮明にしている。
 今回の町長の同医大訪問は、町によると前上村町政ではなく、10数年ぶりの訪問という。医大側は学校法人の栗原敏理事長、医大の松藤千弥学長、医大病院本院の丸毛啓史院長の同医大トップ3人が同席する異例の対応をした。さらに医師派遣する専門医局の内科(糖尿病代謝内分泌内科、循環器内科、総合診療内科)の教授とも懇談。さらに今月21日には医師派遣する内科(呼吸器内科、消化器内科)の教授と懇談する予定だ。

写真・津南町提供

私の大地の芸術祭 「ドクターズ・ハウス」  8月11日号
 「えっ」、「えっ」…。こんなことがあるのか。作品受付女性のネームプレートを見てびっくり。私の名刺を見て女性もびっくり。名前が同じ。大地の芸術祭ボランティアで台湾から参加の曹雅倫さん(31)。昨年東京の日本語学校に通い、先生が日本語読み名を「まさみ」としたため、以降そのまま使っている。
 松代・蒲生の旧室岡医院。雪深松代の地で長年、住民の命を守った拠点。前回2015年展に次ぎ韓国の「イ・ ブル」氏が作品展開(作品ナンバーD330)。住民が診療室に向う廊下や診療室など壁すべてに特殊な反射材で覆い、来訪者は複雑に反射し写される自らの姿に、時空を超えたかつての診療所を想うだろう。
 受付担当の「まさみ」さん。家具をデザイン・製作するアーティスト。2年前の台湾デザインコンテストで木と皮で作った椅子が優勝賞に。「古い建物、古いものを日本の人たちは大切にします。この家も長い年月を経ています。日本の家具職人と話しをして勉強したい」。日本の和の文化に関心がある。
偶然なのか、必然なのか。作品受付は毎日交代する。大地の芸術祭ならではの不思議な出会い。

妻有今昔物語 「妻有の盆踊り」  8月11日号
 先月下旬の「新潟日報」地域版に「ヨイヤラサ盆踊り楽しい」という見出しで、十日町市立千手小学校の児童が、8月のお盆に向けて、住民グループから「ヨイヤラサ」の指導を受けたという記事が載っていた。この唄と踊りは「ヨイヤサ」「「ヨイヨイサ」などとも呼ばれており、中条・下条・千手・吉田方面で古くから親しまれてきた盆踊りである。
 妻有地方には、古来から数多くの盆踊りが継承されてきた。「三階節」「甚句」をはじめ、「ホーカイ(法界)節」「大の坂」「新保広大寺」「松坂」「からす踊り」「おけさ」などが、それぞれの土地土地で歌い踊られてきたが、近年、こうした伝承の盆踊りが音頭取りと歌い手の世代交代で、踊りの種類は少なくなり、忘れられた唄も少なくない。ただ、新民謡「十日町小唄」の登場で、どこの盆踊り会場も活気が出てきたように思える。
 ところで特色のある妻有の盆踊りとして、「新保広大寺」と「からす踊り」をあげてみたい。
 「新保広大寺」は、旧下条村の禅寺・広大寺を舞台に繰り広げられた事件を歌ったものといわれる。その歌がゴセや旅芸人によって県内のみならず、全国各地へと伝播されたことにより、それが八木節(群馬県)、津軽じょんがら節(青森県)などの民謡が派生する元唄となっているというのだから面白い。
 「からす踊り」の起こりは長野県北部。それが津南町から十日町市の水沢、川治あたりまで伝播、分布している。素朴で活発で情緒のあるこの踊りに、なぜカラスの名が付いたのだろうか。諸説あるが、一説によればカラスを神の使いとする修験道の行者が、布教の際にもたらした踊りなので、この名が付いたのではと言うのである。

文・駒形覐  写真・木村喜郎氏  昭和40年頃

新園舎、現ひまわり保育園を増築、子育て新センターも   8月11日号
 津南町教育委員会は9日、新しい保育園建設の概要を発表した。町内大割野、町立津南病院近くの「ひまわり保育園」周辺の用地を取得し、増築の形で「将来の町立1保育園体制を見込む」用地と施設整備を行う。新たに1886平方bの保育園舎を増築し、屋外広場も設け、総事業費約10億2660万円で4年後の開園をめざす。
 町教委によると現ひまわり保育園の東側、現ひまらり広場周辺用地を確保し、ここに2階建て新園舎を建設。その南西側、町有地(分譲宅地予定地)に屋外広場を整備する。全体開園時には、現園舎は4歳児、5歳児の保育室として新園舎はゼロ歳児から3歳児の保育室にする計画。さらに現園舎には「子育て支援センター」を開設し、子育ての拠点施設にする方針だ。
 施設整備ではゼロ歳児と1歳児の保育室は床暖房、冷房施設、2歳児室も冷房施設を予定。さらに送迎用の通園バス4台体制(将来計画)をめざす。定員はゼロ歳児22人、1歳児と2歳児が各42人、3歳児54人、4歳児と5歳児が各55人の総数定員270人としている。桑原正教育長は「平成26年3月の答申から4年経過。望ましい新体制で取り組み、子育て支援センターを含めることで一体的な保育行政と子育て支援ができる」と新園舎増築は話す。
 建設計画は2019年、2020年で建物建設し、2021年に全体開園の予定。同新園舎増築計画は、今月中に統合対象の中津・北部・こばとの3保育園関係者、地元大割野地区への説明会を開く。さらに来月には「上郷」「わかば」の両保育園関係者の説明会を開催。一方、中津・北部・こばとの3保育園谷で「子育て懇談会」を予定し、町教委の保育行政への理解を求め、住民意見を聞く場を開く計画だ。

方針を示す桑原悠町長

「もはや。地球の芸術祭」、大地の芸術祭開幕  8月4日号
44の国と地域が参加の第7回越後妻有アートトリエンナーレ2018大地の米術蔡は29日開幕。9月17日まで51日間、十日町市・津南町の市街地や里山を舞台に開かれている。初回から参加の世界的作家、クリスチャン・ボルタンスキー氏(フランス)、蔡國強氏(中国)など総合ディレクター・北川フラム氏により世界のトップアーティストが揃い、その厚みを増している。一方でアートが過疎化、高齢化する地域社会を再生するモデルとして同芸術祭が世界に広まり、2009年にオーストラリアが松之山浦田に、2016年に中国が松代室野に「ハウス」を開設し、今回新に香港政府主導で津南町上郷に「香港ハイス」が誕生。北川フラム氏は「日本の里山でアートを取り入れた新たな地域再生で人を集めている、それが世界に広まっている。なにか、とんでもないことが越後妻有で起こっていると世界が見ている。その証が外国のハイス開設」と見ている。今後もレジデンス・ハウスを越後妻有の里山に開設する動きは、さらに出るだろう」と話す。2000年第1回展で「ドラゴン現代美術館」を津南町上野に作品展開した世界的アーティスト・蔡國強氏は、28日のオープニングレセプションで「大地の芸術祭ではない。もはや『地球の芸術祭』になっている」と芸術祭の世界での評価を話している。

地元の反応・上郷と室野
 芸術祭開幕の29日夕。津南町上郷、旧上郷中学校前広場は香港のアーティスト「フロッグ・キング」(蛙王)と香港演芸学院学生らのアートパフォーマンスで盛り上がった。
大地の芸術祭では3ヵ国目となるアーテイスト・レジデンス『香港ハウス』の完成祝いだ。その玄関口で居酒屋・楠乃木を家族で営む西沢喜美さん(77)。「香港の方々は明るく、気さくですね。採れたてもキュウリ、トマトなど大喜びです。全国から様々な方々も訪れていて、ここ逆巻が元気になっています。先日、横浜から来た家族連れはテント持参で『星がきれいでした』と感動していました。香港ハウスが交流の場になっています」。
 中国ハウスを受け入れた松代・室野の佐藤達夫区長は「国をあげて大地の芸術祭に関わり、中国の作家の皆さんが室野を盛り上げてくれている。中国でも大地の芸術祭のような芸術祭で農村を再生させようとしているという。大地の芸術祭が、世界の芸術祭になっている」と中国ハウスを歓迎している。

私の大地の芸術祭  「国境を越えて・絆」  
◎…「またかよ、と思うんだけど、林さんが来るとみんなでワイワイやるんだよな。芸術家というより、もうみんなの友だちっていう感覚かな」。津南町穴山の高波保男さん(67)の、率直な想いだ。アーティスト・林舜龍さん(台湾)が穴山で初めて作品を作ったのは09年の第5回展。この時の牛と壁が佇む作品『国境に超えて』には、焼き物部分に穴山の住民も描かれている。以降、ずっと林さんは穴山で作品展開を続ける。「林さんは『穴山は第二の故郷だ』とも言ってくれる。芸術祭が無ければ出会わなかった」と実感する。
◎…今回の作品。「なんだこれ」。訪れた人の第一声はほとんどがこれ。津南町穴山の、墓地近くに作られた『国境を越えて・絆』。杉林をしめ縄で結び、吊るされているのはワラを組み合わせたもの。ハチの巣を思わせるアートは、高さ8b余もある。中に入ると、鈴が上から吊るされている。「あ、神社だ」。下にはワラが敷き詰められ、寝転がることもできる。さらに杉林には上郷地区で行ったワークショップで作ったワラ作品を張り巡らせ、製作者の名札もある。その中の台湾スタッフのメッセージ。『ここで出会った村の人達、ありがとう』。国境を越え繋がる感謝の想い。

大地の芸術祭・オーストラリアハウス、駐日大使コメント  8月4日号
オーストラリア大使館、チャード・コート駐日大使=(2009年のハウス開設後の)越後妻有との交流に感謝している。前回のアボリジニ展につぐ今回のイダキ展。長い歴史と普遍的な価値を持つもの。世界最古の文化を受け継いでいる。数千年に渡り自らの文化を受け継いできている。雪にも雨にも多様な気候変動の中でも生活を受け継いでいる越後妻有の人たちとも通じている部分があるのではないか。
南オーストラリア博物館、ジョン・カーティ館長=6万年前に豪州にやってきたアボリジニの人たちの文化であり、人類にとっても貴重であり、それが越後妻有で開かれることはとても重要なこと。それは勇気のある決断だった。人類の歴史にとっても意義あること。人と自然、人と国の関係など改めて考える意味でも意義ある大地の芸術祭であり、越後妻有との友好交流はさらに発展的に続くだろう。(先月28日、オーストラリアハウス・レセプションで)

大地の芸術祭・香港ハウス、リー所長コメント  8月4日号
香港特別行政区・芸術文化事務所・ミッシェル・リー所長=大地の芸術祭はアートを介して自然と人間のあり方の再構築に重要な役割を果たしている。その世界的に有名な芸術祭に参加できてとても嬉しい。人間と自然とアートの関係、それ自体が現代アートの作品。私たちの使命は作品を通じて津南町の人たちとつなげ、世界とつなげ、大自然とつなげること。その拠点がこの香港ハウス。地域との交流を重視し、新しい拠点になることを期待する。住民の皆さんが温かく迎えてくれたことに感謝する。(先月29日、香港ハウス開館式で)

大地の芸術祭・中国ハウス、駐日総領事コメント  8月4日号
中国・新潟総領事館・劉宏副領事=2000年に始まった大地の芸術祭は規模が大きく、レベルが最も高く、世界的にもとても影響力ある野外芸術祭の一つ。芸術祭のパートナーとなり連携し中国の現代アートを世界に送り出している。クリエイティブ産業を生み出す大地の芸術祭をモデルに、中国の地域創生戦略に役立てられると考える。2016年に松代室野に中国ハウスを開設して以来、中日両国の芸術文化の交流を深め、両国の相互理解と友好がますます進むように努力したい。
中国駐日大使館文化庁(文化観光局)趙歆二等書記官=アートの根本がここ越後妻有で見える。そのままの考え、そのままの表現、そのままの展示、それが魅力だ。アートは尊敬すべきもの。アートの本当の価値をここで見つけることができる。今年、習近平主席は中国の美しい農村建設、美しい農村振興を打ち出した。アートと文化をいかに観光と結びつけるか、いかに地域振興と結びつけるか、越後妻有でその手法を見つけることができる。大地の芸術祭を中国でさらにPRすることで農村建設、農村振興の力になれると確信している。(先月28日、奴奈川キャンパス・チャイナナイトで、写真中央)

干ばつ被害広がる、山間地深刻  8月4日号
 妻有地域は先月12日の降雨以降、ほぼ雨ゼロの日が続き、農業用水が深刻な渇水状態になっている。十日町市は31日、津南町は1日、渇水対策事業に乗り出し、用水確保に関わる補助事業などを立ち上げ、特に水田の用水確保への取り組みを始めている。
 十日町市や津南町の気象庁アメダス記録によると、まとまった雨は7月12日以降なく、平年の7月雨量224_に比べ4分の1余の57_だけ。特に先月20日以降は30度を超える高温と雨なしが続き、「天水田」の松之山・松代地域、さらにため池不足の中条山間地などでは田が地割れ、白色化している地域も見られ、深刻度が増している。
 十日町市は31日、市主導で農協や県農業普及センターと連携し渇水対策の補助事業化を決めた。
ポンプ設置や重機使用など農業用水の確保費用の2分の1を補助(受益面積に応じて上限額設定、10万円〜40万円)。事業対象は先月12日までさかのぼり使用費用を補助する。中条・西枯木又で水稲4・5f余を作付する春川輝昭さんは「ため池の水も干し上がり危機的状況だ。収穫をあきらめざるを得ない状況も考えている」と深刻な表情だ。市農林課・庭野和浩課長は「今後1週間以上、雨が見込まれない天気予報のようだが、出穂期を迎え水が一番必要な時期。とにかく雨が降ってほしい」と話す。
 一方、津南町も1日、桑原悠町長による緊急会議を開き、農協や県農業普及センターと連携し渇水対策の事業化を決めた。内容は十日町市とほぼ同様で、用水確保にかかる経費の2分の1補助(受益面積により上限設定)。さらに県道消雪パイプの井戸水を活用する事業にも取り組み、電気料など補助対象にする考えだ。
 津南町は国営苗場山麓事業で大規模な農業用水ダムを赤沢台地、津南原台地に整備しているが、地域最大の120万d貯水の大谷内ダムは現在満水時の30%余。毎日約5%減水し、今後1週間程度で底が見える状況。桑原町長は「過去の渇水・干ばつ以上に深刻な状態。特に稲作は今期、特Aに戻す努力を魚沼全体で取り組むなか、水不足は品質にも影響する」と渇水対策に取り組む。津南町の場合、畑作の水不足も深刻度を増しており、特に特産の「雪下ニンジン」の播種(種まき)の時期でもあり、この渇水状態が様々な分野に影響を及ぼしている。

「全国の山を輝く森に」、村松二郎県議、全森連会長就任  8月4日号
全国森林組合連合会の会長就任で先月13日、県議辞職した村松二郎会長(64)の退任報告「ごくろうさん会」は30日、ラオート十日町で開き、村松氏は「任期途中で辞することを心からお詫びします」とし、「皆さんから育てて頂いたご恩に報いるためにも、新たな場所で全力を尽くしたい」と述べ、大きな拍手が送られた。
 同会は後援会連合会(桾澤英男会長)が開き、今月1日に同会を開いた津南町以外から2百人余が出席。桾澤会長は「ああれをやった、これをやったと言わない村松さん。だが地域の主幹となる事業を実現してくれた。惜しむべき大きな損失だが、新潟県森連会長15年、全森連理事12年の経験で、今度は全国のトップで活躍してくれる。拍手で送り出したい」と首席者に呼びかけ、さらに大きな拍手が送られた。
 これに応え村松会長は、来年度から導入の森林環境税にふれ、「国民のお金を使って森の手入れをする。配分される市町村と一緒に仕事をするのは森林組合。その全国のトップとして、決して無駄にしてはならないお金である。ここ十日町市、津南町の森が、全国の森が輝く森にするために働く」と全森連会長の決意を述べ大きな拍手を受けた。なお今月24日には十日町商工会議所の呼びかけで関係者による村松二郎氏の全森連会長就任を祝う会を計画している。

大地の芸術祭、小林武史組曲「行く川の流れは…」  8月4日号
 ◎…「ゆく河の流れは絶えずして…」、鴨長明「方丈記」。大地の芸術祭として初めてテーマ展を設定した今回の『方丈記私記』。その象徴ともいえる音楽プロヂューサー・小林武史氏の交響組曲「円奏の彼方―Byond The Circle」が開幕前日、29日開幕の2日間だけのライブ演奏会を越後妻有文化ホールで開いた。第8楽章編成の中で合唱で参加した徳井雅司さん(66)は「最高の時間を過ごすことができ、大きなプレゼントをいただきました。ピアノ一つでの練習とオーケストラによる本番では全く違い感動しました。緊張して前日は眠れなかったが、人生でこんなチャンスは二度とない。最高でした」と感激。事前練習から指導した小林氏から「本番が一番よかったですよ」と称賛されると、さらに感動していた。
 ◎…「方丈記」をベースにした同曲は昭和50年、音楽家・柴田南雄氏がゆく河の流れは絶えずして…」をベースに作曲した大作。今回、小林氏は原曲を基本にしつつも、現代音楽に取り組む音楽家のセンスを取り入れ、クラシックであり、前衛的な音楽であり、ロック調であり、さらにエレクトリックであるなど、次代の流れを組曲に取り入れた壮大な作品になっている。小林氏はそれを「原曲をベースにすることで、同工異曲によって『変わらないもの』がこの曲の核になっている」。合唱で参加の金子昭子さん(67)は「世界的な音楽家と同じステージに立っている、体験した人でないと味わえない感動でした。短い練習期間の中で最高のコーラスができたと思います。このメンバーで新たな活動ができれば、とも思います」。会場からは「2日間だけではもったいないですね」の声も聞かれた。

農村を「まるごと幼稚園に」、移住女子が地方創生相に要望  8月4日号
 国家戦略特区としての取り組みや、地方創生に対する先進的な取り組みの視察で先月30日、梶山弘志•地方創生大臣が十日町市を訪れ、『奇跡の集落』といわれる中条•池谷地区で移住女子•佐藤可奈子さんら「雪の日舎」スタッフと懇談する一方、キナーレで大地の芸術祭を視察。梶山大臣は「しっかりした考えの中で取り組む移住者や多くの人が訪れる大地の芸術祭。こうした取り組みが地方創生につながっていく」と高く評価した。
 梶山大臣は、新潟市の県醸造試験場や環境制御型トマト栽培施設など視察後、十日町入り。池谷地区では山間地のほ場を見て回り、民宿「かくら」で雪の日舎のメンバーらと懇談。佐藤さんは「農村まるごと幼稚園をコンセプトに、『農業×保育』の場づくりをしたい。子どもを真ん中にした、幸せなはぐくみのフィールドを農村につくりたい」などと思いを話し協力を要望。梶山大臣は「移住した方が、これから移住したい方々に説明をしていく、手助けをしていくということが大変大事な取り組み。できる限りの支援をしていきたい」と語った。
 一方、キナーレでは関口市長や大地の芸術祭総合ディレクター•北川フラム氏と急ぎ足で一巡。十日町の印象について「この地域も中山間地であることは間違いない。ひとつひとつ積み上がったものが地方創生につながるものと思う」と話した。

笑顔満開、津南町ひまわりウエディング  8月4日号
 〇…黄色い大輪の中で永遠の愛を誓う第14回ひまわりウェディングは29日、津南町沖ノ原で開催。公募6組から選ばれたのは新潟市在住の松本大夢さん(30)・沙織さん(28)カップルが挙式。結婚3年目で長男で2歳の大翔くん、10ヵ月の次男・翼くんと2人の息子がいるなか、結婚式はあげていなかった。恋人時代にかつて訪れたことがある津南ひまわり広場に、白のタキシードの新郎とウェディング姿の新婦が登場。祝福を受けた。ふたりは「前にひまわり広場に来たのは一度きりでしたが、変わらずキレイな所。またひとつ思い出が増えました」と笑顔。
 〇…新潟市のwish国際ホテルブライダル専門学校主催で、津南町の町づくり櫻宴隊(阿部哲也隊長)ら協力で行っている同イベント。結婚式関連職について学ぶ学生たちにとっては、裏方として結婚式を支えるデビュー戦でもある。式は2年生27人がプロデュース。強風により前日に用意したテントが吹き飛び、土埃が止まないなどアクシデントを乗り越えて式を成し遂げた。リーダーを務めた関矢凪沙さん(19、柏崎出身)は、中学2年時に母と共にひまわり広場に来たことがある。「今の学校に入りたいと思ったきっかけが津南ひまわりウェディングなんです。大変でしたが新郎新婦の方が喜んでくれて嬉しい。これからウェディング関係の社会人となりますが、この体験を将来に繋げたい」と仲間と共に式の成功を喜びあっていた。

妻有の中学生、広島平和式典へ   8月4日号
 十日町市派遣団の壮行会となる事前学習会「とおかまち市民楽校•平和学習編」は先月28日、十日町情報館で開き、昨年の広島派遣メンバーらが「被爆者から直接、話を聞いたのが印象に残りました。戦争は絶対、起こしてはいけません」などと語り、それを受け今年、広島市派遣団となる3校の中学生15人と長崎市派遣団2人がそれぞれ「戦争の悲惨さ、被爆者の声を次につなげていきたい」などと決意を語った。
 【広島市派遣団】▼団長=吉村重敏(十日町市議会)▼団員=林幸子(平和を考える女性の会)▼十日町中=滝澤七砂(3年)湯澤祐(同)大平美月(同)樋口智士(同)関口明輝(2年)勝又唯(同)古川佳(引率)▼中条中=小川嶺(3年)庭野敬(同)福嶋那奈(同)梅澤りん(2年)村山龍大(同)関川芽衣(引率)▼中里中=小林大記(3年)服部葉月(同)樋口聖悠(同)富井和咲(2年)金内香(引率)▼事務局=村山成明(市教委)
 【長崎市派遣団】▼団長=如澤修子(十日町平和センター)▼団員=春日ふじ子(平和を考える女性の会)▼事務局=鈴木規宰(市教委)


COPYRIGHT (C)2004 TSUNANSHINBUN-ONLINE. ALL RIGHTS RESERVED
!-->