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2017年12月の津南新聞「トピックス」

過去の津南新聞トピックス
新たな政治勢力「米山知事を支える会」、次期県議選も視野か   12月2日号
 「新潟ショック」を全国に示した昨秋の県知事選で初当選した米山隆一知事をオール野党・市民連合で支援する『米山知事を支える十日町・津南の会』が26日に誕生した。会長には自由党十日町代表の本間侃・ホンマ科学社長が就き、「新潟ショックが全国に発信された。これが真の民主主義と確信している」と、オール野党・市民連合で米山県政を支えようと呼びかけた。設立総会には関口市長、小野塚津南町副長、さらに先の衆院選で惜敗した梅谷守氏も出席。約2百人の参集のなか元十日町市長・滝沢信一氏が「私たちの力で米山知事を支え、新潟県を、十日町・津南をさらによくしよう」と米山知事支援を呼びかけ、出席者から大きな拍手を受けた。同支える会は妻有エリアでは『オール野党・市民連合』を束ねる組織となり、今後の県議選、市長選、町長選などへの波及効果も視野に入り、特に2年後の県議選では「独自候補擁立」への足掛かりになる組織となり、その動向に関心が集まる。

 支える会は設立総会時約8百人の会員で立上げ、今後さらに広げる方針。同会は会報発行、年1回の県政報告会、「3年後の再選に向けた支援体制の確立」などを活動目標にする。特に「県政では少数与党の米山県政。2期目に向けて支援体制の拡充をはかる」方針で、次期県議選での候補擁立なども視野に入れている。
 総会には「生みの親」といわれる参院・森裕子氏も出席。「超党派、市民連合を組織化するのは難しく、それを実現したことは素晴らしい。まさに『新潟モデル』だろう。米山知事には大きく育ってほしい。米山知事のおかげで新潟県は素晴らしい県になったと言われるように、皆さんで応援しよう」と呼びかけ、大きな拍手を受けた。
 来賓出席の関口市長は県立十日町病院の県立県営、清津川の分水問題、原発問題などの米山県政を評価し、「さらに県のプレゼンス(存在感)を高めてほしい」と求めた。小野塚副町長は津南町の懸案の町立津南病院への取り組みを話し、「一自治体では解決できるものではない。魚沼地域の医療体制を先頭に立って引っ張ってほしい」と要望。

 これを受け米山知事は「県立十日町病院、町立津南病院、共に重要な問題。医師確保に地域がこんなにも労力を使うのはおかしい。もうそろそろ国の制度として考える時期であり、国家的な議論を始めるべきだ」と医師であり医療現場の実態を知る米山知事は医師確保など地域医療のあり方を国レベルで取り組む必要性を強調した。なお米山知事は最後まで参加者と交流し、リクエストに応え森裕子氏とカラオケでヂュエットを披露した。

 米山知事を支える会の役員は次の通り。▼会長=本間侃▼副会長=十日町地区・小川元一、庭野伸夫。津南地区・桑原加代子。川西地区・野上正一。中里地区・桑原清一。松代松之山地区・小野嶋哲雄。

写真・米山知事を中央に祝杯を挙げる元十日町市長・滝沢信一氏(11月26日、ラポートで)

待望の八箇峠道路が11月25日開通、次は「十日町道路」、古賀誠氏「5年で」と気勢も  12月2日号
 冬季の大雪や豪雨で通行規制が多発していた国道2530号・八箇峠の抜本改良による高規格道上越―魚沼快速道の『八箇峠道路・十日町市八箇ー六日町野田』の八箇峠トンネルを含む約6・6`が25日開通。着工から18年の開通で、六日町側は今後関越高速道と接続される予定で早期の乗入れ実現が待たれる。一方、今回部分開通の八箇峠道路(9・7`)に続く国道117号と接続し信濃川を渡河する『十日町道路』は年度内にルートが決まる見通しで、地元では早期の事業化を求めており、25日の開通式に出席した同快速道特別顧問で全国国土利用協議会長、元運輸大臣の古賀誠元衆院議員は、開通式後の祝賀会で「あと5年。私に許された時を刻む歳月だ。5年でやりましょう」と出席の国土交通省、新潟県関係者、国会議員、県議などに念を押すように語り、会場の大きな拍手を受けた。

 難所を抜本改良した八箇峠道路は、市内椌木地区の谷筋から魚沼丘陵をトンネルで抜け、六日町野田に通じる。トンネル掘削では2012年にガス爆発で7人が死傷する事故が発生したが3年後に貫通。開通式は十日町坑口側で行い、関係者が車やバスで初通過。米山知事は「野田から六日町インター接続を全力を挙げて取り組む」と早期接続を約束した。

 八箇峠インターから国道117号、さらに信濃川を渡河し吉田地区までの『十日町道路』は現在ルート帯3案が提示され、地元アンケートなど実施し、年内に同道路検討委員会の2回目を開き協議し、来年3月までにルートを決める方針だ。関口市長は「今回の開通は歴史的な一歩となり、災害や救急搬送、さらに経済発展に大きく寄与する。関越道接続と十日町道路の早期の事業化を期待する」と地元の思いを出席の国交省や県に求めた。今回の開通で従来の道路は県道と市道となり冬期間は通行止めとなる。国道117号と南魚の国道17号は、八箇峠道路により15分余でつながり、救急搬送、物流や交流など『命の道』が誕生した。

写真・八箇峠道路・新八箇峠トンネルの開通を祝いテープカット(十日町坑口で、11月25日)

清津川の分水問題を考える、大熊孝新大名誉教授「川は物質循環の源」  12月2日号
 清津川分水問題に取り組む「清津川に清流を取り戻す会」は25日、河川研究の専門家・大熊孝・新大名誉教授を招き清津川清流フオーラムを開き、河川のあり方を参加90人余と共に考えた。大熊教授は、十日町市が計画する信濃川・宮中ダム維持流量発電所にも触れ、「市民の声で川がよみがえってきたわけで、これ以上、自然をいじめるのはやめよう、というのが私の意見だ」と、新たな発電所計画に疑問を示した。

 同会の富井利明会長は「100年前、電力需要の国策で河川流域が変更され、下流の思いを無視して流量変更している。事業者に環境改善を求めていくのは流域に暮ら我々の当然の要求だ」と運動の同会の基本部分を話した。これを受け、大熊教授は用意した資料を元に講演し、「ダムは川の物資循環を遮断するものであり、川にとっては基本的には敵対物でしかない。ただ、人の生活の中で電力は必要なものだが、川に許しを乞うて作るかどうかに、大きな差がある。ダムのない川は、レッドデータに載せるべきだろう」と河川におけるダムの弊害を指摘した。

 さらに十日町市が計画する宮中ダム維持流量発電所計画について、「いままで水問題、川問題で運動してきて、魚がちゃんと育つ環境を求めて来たはずが、この計画はどうなのかと思う。上流域からの稚魚放流はどうなるのか、アユやモクズガ二はどうなるのか。昭和14年からの減水をやっと水が戻って来たのに、この発電所で水の流れが遮断されるのではないかなど、不安がある」と述べ、発電所ができると、「この構造がずっと続くことを考えると、川に対する懸念がある。市民の声で川がよみがえったわけで、これ以上、自然をいじめるのはやめようというのが私の意見だ」と、計画に対して反対の姿勢を見せ、関心を集めた。

「クマタカ」を観察し見守る、十日町の小林孝行さん   11月25日号
 山に囲まれた沢沿いの田で動くトラクターを、はるか上空で円を描きながら見守る「クマタカ」(熊鷹)。耕す音に驚き、ネズミや野兎などが逃げ出す。それを見逃さないクマタカ。音もなく急降下、逞しく鋭い爪で掴み、飛び去る。「この間、クマタカが兎を捕まえていったよ、そんな話を時々聞くんですよ」。小林孝行さん(70)は、クマタカの話になると、目が輝く。

 生態系の頂点に立つ「猛禽類」。羽を広げると160aを超える「クマタカ」。環境省レッドリストの絶滅危惧種。あれから16年が立つ。あの時の光景と感動は、いまも脳裏に焼き付き、その時の思いがよみがえる。
 夏の最中だった。16年前、川の対岸の上に立つ送電線鉄塔のてっぺんに見つけた。「ひと目で分かりましたね。普通の鳥は斜めに見えるが、クマタカは立っているように見える。1`近く離れていたが見えたということは、相当の大きさということ」。すぐにスコープで見ると、『クマタカ』だった。それから観察が始まった。
 その後の観察で「営巣」を確信。それも夏だった。松の枯木にクマタカの『つがい』。見ていると「交尾」のしぐさをしている。「これもラッキーでした。この地で営巣している証しで、あのクマタカが、感動でした」。
 
 十日町野鳥の会の会長を務める。かつて会員は50人ほどいた。「ちょっと元気がなくなってきたかな。メンバーがそのまま年を重ねているからね。でも個々にはしっかり観察活動している方もいますよ」。野鳥への関心は「常に自然が身近で、当たり前でもあったが、環境の変化で自然も変わってきているね。野鳥にも影響しているな」。
 クマタカは、隔年ごとに子育てするといわれる。産む卵は1個。育てる幼鳥は1年近く親が世話する。そのため次の繁殖期を迎えても幼鳥がいる場合があり、多くのつがいは隔年ごとの子育てと言われているが、研究データが少なく生態の未解明部分が多いという。
 だが、小林さんは確認した。「5年連続で子育てしました。これは貴重な記録だと思います。その前には3年続けて子育てし、私が観察を続けるクマタカは、少なくとも8羽を子育てしたことになります。その子たちが、ここに住み続けていてくれることを願うばかりです」。このつがいの子なのかは確認できないが、市内に2ヵ所の生息地を確認している。
 
 こんなこともあった。幼鳥に発信器が取り付けられているのを見つけた。環境省に問い合わせると大学の研究のために許可したという。だが、幼鳥ではなく成鳥ということだった。「幼鳥が何度も発信機を気にしているのを見て、問い合わせたんですが、せっかくここで営巣してくれているわけで、見守ってほしいですね」。
『共生』という言葉がある。クマタカの営巣地は、以外にも人里近い谷筋だ。谷の所々に田んぼや畑があり、農道が通り、車が走る。「このつがいは、そうした環境の中で子育てしています。トラクターや草刈り機の音の中での子育て。一方で農機作業にびっくりして出てきたネズミや野兎、ヘビなどをクマタカはエサにしています。地域の人たちは、クマタカを見守ってくれているんです」。
猛禽類は、そこに暮らせる環境がないと繁殖しない。幸い、この地には自然の中で暮らす人と野生動物が共存している。「野生動物の暮らせる環境は、人にとっても大切な環境。その頂点の猛禽類の生息は、実は人が生きるための環境にもつながっています」。

 これから冬。クマタカにとって一番厳しい季節。「ここのクマタカは、逞しく、強いです。だから8羽も子育てできるんです。生きる力です。見守ってほしいですね」。


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