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2015年04月の津南新聞「トピックス」

過去の津南新聞トピックス
10代のまなざし「桑原優斗さん・津南中等校3年」  4月24日号
 シーズン最初の大会で12秒の壁を突破する自己ベスト、11秒72を出した。全国通信陸上出場の標準記録11秒90を上回った。「でも、参考記録でした」。追風2・9b。2bを越えると公式記録にならない。「参考記録ですが、初めて12秒を切ったので、自信になりました」。現在、津南中等校陸上部前期過程の部長。百、2百、リレーの3種目に取り組む。
 陸上は津南小時代から。5、6年時、郡市大会リレーで2年連続優勝。この経験が将来を考える契機になった。「保健体育の先生をめざします」。津南中等に進み、陸上部活を続けるなかで視野はさらに広がっている。アスリート育成と共に、メンタル・メディカル・ヘルスケアなど全般を学ぶ道をめざす。当然、外国も視野に入る。

 集中力と瞬発力が問われる短距離競技に取り組む一方、母・理恵さんと共に「つなん合唱隊」活動に加わる。「母に誘われて入りましたが、声を出すとすっきりし、気分転換になります」。現在、合唱隊の最年少で、木曜の定期練習に親子参加。担当パートは「アルト」。
 昨年末の生徒会役員改選に「出馬」した。前期から1人選ぶ副会長に立候補。結局、対抗馬は現れなかったが、信任投票が行われ、多くの信任票を獲得した。その所信表明は『なにごとにも全力でやりとげる』。自分にも言い聞かせるようにステージで主張した。来年は外国研修がある。「毎年、英検を取っていきます」。6学年までに1級に挑戦するスケジュールだ。
                    (恩田昌美)

十二峠崩落、連休は昼間通行か、現場安定で   4月24日号
 急激な雪解けで土砂崩れ発生で全面通行止が続く国道353号十二峠は、今月末からの大型連休は、夜間を除き昼間は通行できる見通しになってきた。管理する十日町地域振興局は、23日に土砂崩れ現場に3台の傾斜計を設置し、土砂の動きを監視する。土砂が動かないことが確認できれば、朝7時から夜8時まで通行再開する予定で、来週初めまでには方針を決める。

 土砂崩れ現場は昨年4月5日、大規模崩落があり、昨年8月まで122日間、通行止となった同じ場所。県は20日、地元の土倉、倉下、清津峡・小出地区を対象に説明会を開いた。同振興局地域整備部・近藤友成副部長は、今冬の大雪が今月急激に消えたデータを示しながら、「災害発生の前日までの13日間で126a消えた。昨年は94a。大量の雪解け水が斜面に浸透し、土砂が流失した。想定外の大雪と急激な雪解けだった。皆さんに再びご迷惑をおかけしお詫びします」と頭を下げた。

 一方、昨年の災害発生後、復旧方法や法面強化(アンカー打込)など工事工程を組んだが、今回の土砂崩落で見直しが必要になった。このため崩落現場の測量調査を再度行う。連休以降は、昨年同様に時間規制で通行を確保し、夜間は全面通行止にする方針だ。
 現場には残雪があり、雪解けで土砂が動く可能性もあり県は傾斜計3台と監視カメラ2台を設置し、現場両サイドから監視を続ける方針だ。

 20日の説明会では、地元温泉宿経営者からは、「大雪が降れば春先、大量の雪解け水が出ることは想定できたはず。現場に土砂を残していたことは災害発生の面から、ちょっと予測が甘かったのではないか」など県対応を疑問視する意見も出た。清津峡・小出地区の桑原清区長(清津館主)は「再び通行止は清津峡のイメージダウンになる。十二峠は危ないというイメージが着くのが心配だ」と話し、新トンネル開削は「トンネルはいいが、完成するまでの間、どうするのか。もっと短期間で安心して通れる別ルートを考えるべきだ。その間に抜本的な解決策、新トンネルを勧めればいいのでは」と話している。

伝統文化、日本を代表する作品に、十日町出身書家・上村五龍氏  4月24日号
 優れた日本美術家を海外に紹介する美術書「アートメゾン・インターナショナル」(発行・麗人社)第19集に、十日町市伊達出身の書家・上村五龍(本名・正幸)氏の篆刻が掲載された。上村氏(86、八王子市在住)は「特別なことはしていないが、海外に紹介されるのは悪くないね」と喜ぶ。篆刻作品の掲載は日本を代表する篆刻家・関正人氏と上村氏の2点のみ。

 上村氏は10代で満州開拓義勇団に行き敗戦後に17歳で帰国。『一度死んだと思って好きなことをやる』と独学で書と篆刻を続け、十日町市内で書の講師なども務めていた。昨年3月ヨーロッパ・モナコ公国で開いたモナコ日本芸術祭に篆刻『延命十句観音経』(1999年製作)を出展。関心を集め、洋画・日本画、書、陶芸など日本現代美術を全文英訳付で世界に紹介する日本で唯一の国際美術書籍である同書に収録。同作品は病気に苦しむ妻を想い製作したもの。解説文には『このような芸術は我々の苦しみを慰め、精神を浄化させるだろう』(美術評論家のマリア・ドローレス・アロージョ著)と絶賛する。

 上村さんは5人兄弟の末っ子、それで雅号は『五龍』。日本書道教育学会に所属し内閣総理大臣賞など多数受賞。「以前から美術書に載せないかと編集者に言われていたが、ずっと断っていたんだよ」と笑う。一方で今回の掲載を「もう歳も歳だからOKした。海外の人が篆刻を見て日本に興味を持てば嬉しいな。これからも書や篆刻を続けたい」とにっこり。なお今回の掲載作は6月に行うイタリア・ミラノ国際博覧会の日本館でも展示される予定だ。
 

西の玄関口、松代駅観光案内所が新装、スーパーも一新  4月24日号
 ○…十日町市の西の玄関口・国道253号線沿いの道の駅「まつだいふるさと会館」が16日リニューアルオープン。改装は同館ができた平成6年以来20年振り。総工事費は約2千万円。同駅は北越急行「ほくほく線まつだい駅」が併設。今夏は第6回大地の芸術祭もあり多くの来客が見込まれるなか、関口市長は「ふるさと会館はほくほく線開業に向け7億7千万円をかけ建設した。松代は芸術祭のメッカ。特急はくたかは無くなったが、負けない心意気を示してほしい」と話した。

 ○…地元住民が利用していた松代商工会員が出資のスーパーマーケットは「マート常春」として一新。地元産野菜などに加え、ピアレマートを運営する株式会社スポット(本部・長岡市)が全面協力し商品納入を行う。運営する有限会社ほくほく・鈴木益夫社長(74)は「地元のニーズを満たした都市型のスーパーにもなった。従業員一同、生まれ変わったつもりで励みたい」と意欲を話す。

 ○…同館には今月1日、市観光協会の松代・松之山温泉観光案内所が開設。英語を話せるスタッフが常駐するほくほく線十日町駅内の総合観光案内所とスカイプ(インターネットテレビ電話)を繋ぎ、芸術祭を見越し外国人客にも対応。この日は新案内所看板をお披露目。初代きもの女王で書家・泉田佑子さん(38、加茂市)が揮毫。下地は地元の伊沢和紙を使用した。泉田さんは「温かい心の方が住んでいる十日町を表現したいと思いました」。なお泉田さんは今夏8月4〜22日、松代商店街のカール・ベンクスハウスで展示会を予定している。

三重奏、雪と桜と青空と  4月24日号
 ◎…雪と満開の桜の共演。大雪が残したプレゼントだ。妻有地域は雪解けが進み、雪原だった田が顔を出し、里山の残雪のまだら模様も目立つようになっている。23日現在、松之山観測所で185a、津南原アメダスでは79aの残雪がまだある。春耕の遅れが心配される。

 ◎…津南町船山の曹洞宗・龍源寺わきの民家庭先にピンク色が濃い「ベニヨシノ」が満開だ。残雪の田の白と見事なコントラストを見せる。近所の80代の桑原さんは「雪の白が桜を引き立てているね。本当にきれいだね」と、快晴の青空に映える桜を見ている。例年、満開の頃には雪がなく、今期はまさに「大雪の贈りもの」だ。なお今冬の消雪日は十日町市で21日(十日町広域消防本部)、津南町役場前は23日現在、27aの残雪。これから新緑の薄緑と残雪の白が鮮やかな秋山郷はまだ120aの残雪で、山桜も加わり、雪の白、新緑の緑、山桜のピンクのトリオの共演が見られる季節となる。

全国で活躍、スポーツ・学術表彰、津南町  4月24日号
 全国クラスの文化展やスポーツ大会で活躍くした住民を表彰する「津南学術文化・スポーツ奨励賞」表彰式は20日、津南町役場で開催。小学生から一般7人が表彰状と金一封を受けた。学術文化部門で2年連続受賞を受けた絵画に取り組む清水好和さん(田中)は「町の表彰は名誉なこと。支援は励みになります」と感謝。なお同制度は13年前にスタート。最高5回まで受賞できる。

 受賞者は次の通り(学年は受賞対象の昨年度)。
【学術文化部門】◎奨励賞▼清水好和(第99回二科展絵画の部入選。受賞4回目)▼浪拓朗(津南小5、割野。第73回全日本学生児童発明くふう展入選)◎特別賞▼島田常雄(宮野原、宮苑書道会。第56回新興書道展で木村卜堂記念賞)▼波仁(津南小5、十二ノ木。第78回新潟県発明工夫展県知事賞)
 【スポーツ部門】◎奨励賞▼佐藤夏生(正面。オーストリア開催の2015FISスノーボード世界選手権大会出場。受賞3回目)▼涌井篤(岡。第14回全日本マスターズレスリング選手権大会・フレッシュマンズの部63`B級で優勝)◎特別賞▼桑原宙舞(そらん。津南小6、大割野。日清食品カップ第17回全国小学生クロスカントリーリレー研修大会出場)

あの歌をもう一度、妻有オールウェイズ  4月24日号
 ○…「あなたはもう忘れたかしら赤い手ぬぐいマフラーにして…」。70年代のフォークソングなど懐かしい歌が次々に飛び出し、会場は歌声であふれた。

 ○…毎年、春と秋に開いている妻有オールウェイズの「畳の上で歌おう会」。今回も十日町市の割烹「まえじま」で開催。会場には50代を中心に70人余りの「ファン」が集まった。第1部はフォークを歌い続けているグループ『パピエ』と『父辛子』が「22歳の別れ」や「神田川」など当時の名曲を次々に披露。第2部では両グループの演奏で、参加者がリクエストして歌い、会場は終始盛り上がっていた。

 ○…パピエのボーカル・樋口明美さんは「懐かしいフォークソングで、20代に戻るようです。盛り上がり最高の場になっています」と話し、参加した50代の女性は「とっても楽しいです。懐かしさに心が震えます」と感激していた。

また崩落、国道353号十二峠、新トンネル開削運動強化を  4月17日号
 国道353号・十二峠で14日午後2時過ぎ、昨年4月5日発生の大規模な土砂崩れ現場で再び土砂崩れが発生。仮復旧の箱型トンネル道路の山側上部が残雪と共に土砂崩落し、14日午後2時10分から通行止。15日、十日町地域振興局や十日町市が現場確認し、今後の対応を協議したが16日現在、開通のメドはたっていない。同局地域整備部では、「雪解け時期と重なり、残雪があり、さらに土砂崩落の危険性がある。危険性を排除後、通行再開したい」としている。国道353号・十二峠新トンネル期成同盟会長の水落敏栄参院議員は災害発生を知り15日早朝、東京から現場に駆けつけ、「1年前と同じ場所。人的被害がなく幸いだが、新トンネルの必要性を痛感する。想定外を想定しなければならないのが防災。この353号ルートは避難路でもある」と同盟会活動の強化方針を話している。

 現場は、昨年発生の土砂崩れでスノーシェッドが埋まり、復旧後、20bの箱型トンネル道路を設置し、仮復旧している場所の山側。発生は14日午後2時頃と見られ、設置の土砂崩れセンサーが感知した。崩落土砂は箱型トンネル道路につながるスノーシェッド屋根を埋めているが、道路には流失していない。だが山側上部には1b余の残雪があり、不安定な状態が続いている。

 今回の崩落は高さ150bから残雪と共に崩れ、第2猿倉スノーシェッドの屋根を覆った。同道を管理する十日町地域整備部・近藤友成副部長は、「急激な雪消えで大量の融水が斜面に浸透し、雪と共に土砂が流れた。土砂が広範囲に崩れており、土砂の動きの詳しい調査が必要で、当面の間、通行止めとする」と話し、再開の見通しは立っていない。
 
 このため来週20日、関係の倉下、土倉、小出地区対象の説明会を開く。十日町市では昨年同様、旧道を使った迂回ルートを検討しているが除雪が必要のため、旧道通行の見通しは未定。県の観測では現場の3月1日の積雪は364aで4月1日265a、災害発生の14日は139aで、2週間で126aも急速に融雪した。県は16日、現場に監視カメラを設置し、警戒体制を強化する。

 15日の現場確認には、十二峠新トンネル開削期成同盟会長・水落敏栄参院議員、尾身孝昭県議が関口市長と共に訪れ、崩落状況を確認。昨年も災害発生後、すぐに駆けつけた水落会長は「1年足らずで同じ現場で同じような災害発生だ。雪解け時期であり、今後の梅雨時期も心配だ。危険排除には3ヵ月ほどかかる見込みだが、7月末からの大地の芸術祭には通行再開が必要」と話す。さらに、原発事故などを想定した場合、「防災は想定外を想定しなくてはならない。この353号は避難路でもあり、期成同盟会を通じ、抜本対策となる新トンネル開削の必要性をしっかり訴えていきたい」と話し、関係自治体などとさらに連携を深め、新トンネル開削運動を強化する方針だ。なお昨年は4月5日の災害発生から通行再開まで121日かかっている。

写真・崩落した十二峠の現場。山側上部が不安定のため通行再開のメドはたっていない(4月15日午前10時半ごろ)

インサイドリポート・農協Aコープ本町店が来年2月閉店、困惑広がる  4月17日号
 十日町市本町通りで唯一の食品スーパー「農協Aコープ」が来年早々に廃止されることが明らかになった。JA十日町が進める支店再構築計画で、2年前に統合決定している中央部の十日町・新座・大井田の3支店を一本化し、本町通りの十日町支店に統合する。その場所は同支店1階にある食品スーパー・Aコープ。このためJA十日町は、隣地の所有地にAコープに代わる食品販売店を設置するため、大手コンビニや他の食品スーパー系に打診したが、販売面積や駐車場の関係で出店が実現しなかった。JA十日町は今月初め、同3支店エリアで組合員説明会を開き、Aコープ閉店を初めて明らかにし、代替スーパー出店も実現しなかったことを報告した。近隣住民からは「初めて聞いた。組合員以外も多く利用している。なくなれば困る人が増えるだろう」と困惑している。JA十日町は「コンビニなど民間にも出店を要請したが、駐車場の広さなどで実現しなかった。農協としても切ない判断である」としている。

 本町2丁目の国道117号に面して建つラポート十日町ビル。その1階にAコープがある。農協福祉会館時代に開業。最近では平成10年に約7億2千万円の売上があり、以降、減少傾向で26年度は約3億1千万円になる見込み。同店は昨年度約千2百万円の欠損を出し、事業継続の困難性が表面化している。郊外型大型店が相次いで誕生する一方で中央部の高齢化が進み、購買人口が減少し、連動するように売上減少が続いている。

 今回のAコープ廃止は、同会館の耐震補強が大きく関係する。同ビルは昭和44年建設の旧有線放送会館、同47年建設の農協福祉会館、さらに平成22年建設のラポート会館の3つの建物が合体している。昨年、耐震診断をした結果、大幅な補強が必要となり、約2億円の工事費を見込む。このためJA十日町は支店統合と合わせ、2階の厨房を1階に移し、2階に新たな和式宴会場を整備し、仏事利用を広げる計画だ。

 JA十日町の近藤元・企画総務部長は「Aコープ十日町店を利用いただいている方々の声は届いているが、農協としても苦渋の決断。利用者の皆さんのことを考えると切ないところがある」と話している。同会館隣の旧田畑屋商店の跡地取得で、同所に大手コンビニやスーパーチェーン店など出店を打診したが、駐車場確保や店舗面積などの関係で実現しなかった。計画では同所を駐車場(約78台)、国道への出入口通路にする計画だ。

 毎日利用する73歳の女性は困惑する。「閉店するんですか、初めて聞きました。この辺にはお年寄りが多く、なくなれば困る人が増えるでしょうね。歩いて来る方が多く、今度はどこへ行けばいいのでしょう」と閉店後に不安を募らせる。
 農協の計画によると、6月13日の総代会に提案し、可決後、詳しい耐震診断を行い実施設計に入る。Aコープは来年2月頃に閉店の見込み。3支店統合後の全体オープンは平成29年4月の予定。現在Aコープは中里、松代、松之山、下条、橘、本町通り、支店統合で廃止が決まっている大井田の7店ある。

 市中央部の店舗廃止は住民生活の利便性の低下に直結する。ほぼ毎日来店する64歳の男性は、農協への不信感を話す。「このAコープは組合員より一般利用の方が多いのではないか。閉店は決定事項なのかは知らないが、これまでこの場所で商売してきた経営責任があるはずだ」と厳しく話し、代替店など具体的な対策を求めている。
 今後、同店廃止は6月13日の第17回総代会に提案、審議させるが、組合員と共に地元利用者の声がどこまで反映されるか関心が集まる。

地元要望届かず、東京電力取水口変更申請問題、9日国許可下りる  4月17日号
 東京電力・湯沢発電所の屋根崩落事故で清津川からの発電取水がストップし、シリーズ発電の石打発電所へ迂回導水するため、東京電力は取水口の変更申請を2月6日、国に申請していたが、今月9日、国許可が下り、東京電力は試験通水などしながら発電取水開始の準備に入っている。一方、十日町市は今月8日、関口市長が新潟市の東京電力・新潟本部に出向き、橘田昌哉副本部長に湯沢発電所の事故原因究明、清津川の水に頼らないで石打発電所稼動など5項目の申し入れ書を手渡した。今回の申請で国は新潟県に意見を求め、県は地元関係5市町に意見を求めた。だが『異論あり』は十日町市だけと見られ、国に対して県は『地元自治体の意見に配慮するように』と具体性のない回答となり、結局、地元清津川下流域の思いが反映されない形で国許可が下りた形だ。
 
 東京電力の取水口変更申請は、事故があった湯沢発電所を迂回し、清津川からの取水を石打発電所の発電用水として使用するための申請。その導水は、湯沢発電所施設の余水路を使い、石打発電所まで導水する。
このため本来は常時使用しない余水路を相当量の水が流れることになり、騒音や安全面で周辺住宅地への影響が心配される。これに対し東京電力は「試験通水し、充分な安全性を確認して発電取水したい」(信濃川電力所)としている。
 
 今回の国認可について信濃川電力所の津留猛彦副所長は本紙取材に対し、9日の国許可は「関係5市町長の意見を受け、所定の手続きで出されたもので、東京電力として今後も電力の安定供給に努めたい」と話す。湯沢発電所の被害状況は「ガレキ撤去はほぼ終了し、発電機の損傷程度は調査中だが、被害を受けている状況」という。
 発電取水開始の時期は「今後、通水試験や安全試験などを繰り返し、安全性を確認しながら進めるため発電取水開始は未定」、さらに十日町市の申し入れは「しっかり受け止め、今後も電力の安定供給に努めたい」と話している。

 一方、今回の東京電力の取水口変更申請に伴う新潟県の対応は、泉田知事が安全管理への不信感を表明したが、電力事業者スケジュールで進んだ印象だ。国から新潟県への意見照会は2月9日。県は翌10日付で関係5自治体(十日町市、南魚沼市、魚沼市、長岡市、湯沢町)に意見を求めた。各自治体の回答は、十日町市の『異論あり』以外は、すべて『異論なし』と見られ、県は先月31日、国に『流域自治体の意見に配慮するように』と回答。国はこれを受け9日、東京電力の申請を許可した。 

 地元十日町市は、国の許可について「想定内のこと。ただ、許可条件があるはずで、これをどうクリアして発電取水を開始するのか注視したい。発電取水開始の時期は、これまでの経緯から東京電力は地元に連絡するだろう。それが真摯な姿勢ではないのか」(建設部・池田技監)としている。

 発電取水の開始時期が注目されるが、清津川下流域が求める『自然流況の状態での魚野川流域への影響を県はしっかり調査してほしい』とする十日町市の要望が実現するかは微妙。春の農業シーズンにずれ込むと、かんがい用水問題も浮上する。『清津川水問題』は2010年の泉田知事の仲介による3者協定の『抜本策』が、どう具体化するかが最大の焦点になっている。

写真・東京電力・橘田副本部長に申し入れ書を手渡す関口市長(右、8日、新潟市で)

妻有リポート「被害者も、加害者も高齢者。松代で死亡交通事故」  4月17日号
 悲惨なひき逃げ死亡事故が13日発生。十日町市松代の国道253号線「田澤トンネル」を自転車で走行中の松代田沢の無職・橋春夫さん(79)と、高齢者マークを付けた軽トラックが衝突。橋さんは出血性ショックで死亡したが、軽トラは逃走。十日町署などの捜査で運転者の松之山曽根の農業・本山石松容疑者(76)を緊急逮捕。被害者も加害者も高齢者。地域の高齢化が進むなか、今後も類似事故が起きる可能性は高い。相次ぐ高齢者事故を受け、現国会で道路交通法改正を審議中。75歳以上の認知症の疑いのある高齢者に医師の診断書提出を義務付けようとしているが…。

 事故は13日午前10時に発生。橋さんは自転車で松代中心街方向に進行中、後ろから本山容疑者運転の軽トラが跳ねた。本山容疑者は逃走したが目撃者が車の特徴を覚えており通報。署員が巡回した車修理工場で同じ特徴を持つ軽トラを発見。自宅に本山容疑者はおり、ひき逃げを認め、午後1時45分に緊急逮捕。十日町署によると、逃げた理由を「特にない」と供述していると言う。

 人口6万7千人余の妻有地域。今年度65歳以上の運転免許取得者は1万2453人、うち75歳以上は4528人。一方、高齢化は特に周縁部で進み、昨年4月付の高齢化率は松代地域人口3400人余で44・6%、松之山地域2200人余で46・6%。ほぼ2人に1人が高齢者だ。一方で周縁部は公共交通網が弱く、車がなければ買物や通院が困難な住民が多い。十日町交通安全協会が運転免許自主返納者に身分証代わりとなる運転経歴証明書発行を全額負担する独自助成を行うが、返納の動きは広まらず、昨年度の高齢者の免許返納者は124件、高齢者免許取得者の0・9%に留まっている。

 昨年管内で発生した人身事故全151件のうち、高齢者関与は75件(死亡事故3件含む)と約5割。高齢者がドライバーの加害事故発生率は31・8%と県平均の20・7%を大きく上回る。ひき逃げ事故の翌14日、津南町交通安全対策協議会に出席した十日町署・佐藤公夫署長は「高齢者が事故を起こした記憶すらない事例もままある。免許自主返納を進めなければならない。だが返納後の高齢者の交通手段確保など、支援が今後ますます求められている」と行政の協力を求めた。

 国会審議中の原案ではこれまで75歳以上の高齢者に免許更新時のみ義務付けていた認知機能検査を、信号無視など違反時はただちに実施。認知症の恐れがある場合は医師の診断書提出を課すなど、チェック強化する。
 奥信越地域の高齢化率は十日町市33・8%、津南町37・1%、栄村49%。(津南、栄村4月1日付。十日町は昨年4月時点)

写真・死亡事故が発生した松代・田澤トンネルの事故現場(4月13日午後3時過ぎ)

妻有職人伝H 「割烹・志保川、塩川喜一さん」  4月17日号
 「割烹・志保川」(十日町市本町7)は、主人の塩川喜一さん(72)と2代目の保さん(45)が料理に腕をふるっている。
 喜一さんは昭和20年、3歳にして父を亡くし母の実家の農家に身を寄せた。小学生から朝5時には田畑に出ていたという。早く独立したいという気持ちから中学校卒業とともに就職。母方の祖父が見送りに出た時「人の三倍稼げ」と言われた。それは、家族を養い、妹を嫁にやり、家を建てたら借金を返して一人前という意味だった。そして、都内の大型結婚式場や小千谷市、旧中里村の鮮魚・仕出し店で一心不乱に働いた。夏冬問わずに魚をかつぎ歩いて行商もした。やがて仕事ぶりが主人に認められると料亭などに「ムコに行け」と何度も言われたが「自分の好きな道を進みたい」と固辞した。

 「振り返らず前を見て進んだ。寝ずに働いても苦にならなかった」。その結果、昭和43年、現在の地に店を建て念願の自分の商売を始めた。最初は早朝から汽車やバスに乗り鮮魚の行商もした。店の小さな居酒屋は機屋の景気も手伝いにぎわってきた。店の隣の茶の間も客の要望で解放。その当時忘年会などをやれる店が少なく、寝室などに使っていた二つの四畳半も店として使うようになると、狭い座敷に連日寿司詰めのように客が押し寄せた。「工員達の恋愛の場」でもあったと話す。店建築の借金も4年程で返すことができ「ようやく一人前になった」と実感した。その後、増築を重ね大きな座敷も構え、お膳付き座布団付きの仕出しも人気を呼んだ。食材は用途により仕入先を変えて吟味している。
 喜一さんは「現在は商売には厳しい時代だが、人様に楽しんでもらえるような仕事を続けたい」と語った。

東京栄村会、今期も新会員が、全会員にDVD送付  4月17日号
 ◎…毎年度、新会員が10人以上入る東京栄村会の新年度総会を12日、東京北区・北とぴあで開き、今回も10人の入会が報告され、会場で紹介され、出席者の大きな拍手で迎えられた。昨年会長に就いた上辻旦泰会長は「昨年9月に亡くなられた大先輩・江口良さんから、東京栄村会は大事な会だからつぶすなよ、と言われました。今日の皆さんの顔を見て、その思いをさらに強くしています」と話し、新会員をステージで紹介した。

 ◎…同会の新会員増強の決め手は3部会制と「広報活動」にある。広報・会員・事業の3部会あり、情報提供はメールとFAXなどとネット系を活用する。さらに総会や事業、イベント時には動画やスチール写真を記録し、全会員にDVDとして配布する。その中心が上辻会長。歴代の会長が引き継いだ同会の伝統を受け継ぐ。新年度総会には島田村長、福原議長らが駆けつけ、田舎工房が懐かしいふるさと特産を会場で出張販売し、品切れ続出だった。

 ◎…島田村長は道の駅がリニューアルし、直売所も今夏開業するなど村の動きなどを話し、ふるさと納税のお礼品、栄村産コシヒカリを10`から15`に増やしたなど話し、「ふるさとを盛り上げていただきたい」などと要請。福原議長は「これから栄村は新たな事業や建物が次々と建つ。これを村の発展につなげたい。皆さんの応援をお願いします」などと挨拶。友好交流締結の武蔵村山市・藤野勝市長のメッセージを同市体育協会・宮下清住会長が紹介するなど、さらなる広がりを見せていた。約4時間のふるさと会は、栄村歌を参加百人余による大合唱でお開きとなった。

スポーツ少年団、196人が入団、津南町  4月17日号
 ○…「練習を休まず、がんばってスポーツに励みます」―。平成23年度に日本スポーツ少年団全国本部長表彰を受けている津南町スポーツ少年団(半戸哲郎本部長)の平成27年度入団式が11日、町総合センターで開かれ、8種目に合わせて196人が入団。団員を代表しサッカーの広田丈虎選手が「スポーツを楽しみ、仲間と共に頑張りましょう」と歓迎。バドミントンの高橋菜月選手は誓いの言葉で「自分の力を伸ばし、目標を高く持って歩んでいきます」と意欲を語った。

 ○…同少年団は昭和46年の剣道少年団の発足から40年余りの歴史を刻んでいる。入団式で半戸本部長は、審判で甲子園に出場した経験などを話しながら「夢を持っていますか。楽な方でなく、苦しい方を選んで歩んでほしい。一回りもふた回りも大きく成長するはずです」と呼びかけ、入団者に認定証を、また指導者に委嘱状を手渡した。なお昨年度、全国や県大会で活躍した選手・団体に次の通り 奨励賞を授与した(学年は受賞対象の昨年度)。
▼クロカン全中出場=風巻尋翔(津南中2)▼バドミントン県スポ少3位=齋喜幸成(津南5)竹藤佑(倉俣5)

公設民営の観光拠点、ニューGP津南、マンパク津南、今秋新展開へ  4月10日号
 津南町の観光拠点、ニュー・グリーンピア津南とマウンテンパーク津南が大きな転換期を迎えている。共に町有施設で公設民営。10年間の業務委託は、マウンテンパークが3月末で、ニュー・グリーンピアは今年9月末で契約満了となる。津南町・上村憲司町長は、両観光拠点の今後の運営方針を具体化するため、4月から専任担当の非常勤特別職「参与」を設置。先月末まで観光・産業関係を統括した地域振興課長・石橋雅博氏を参与に任命し、「マウンテンパーク津南、ニュー・グリーンピア津南、町内温泉施設、ホワイトデータセンター」など『特命事項』を担当。その第一弾となるマウンテンパークは、先月末で契約満了した民間運営会社「クロスマイル」と9月末まで6ヵ月間限定で4月1日に契約。石橋参与は「委託費はゼロ。クロスマイル側からの強い要請があった。6月には10月以降の経営体制を具体化させる」と方針を話している。

 町はこの方針を7日の町議会全員協議会で説明した。3月末まで10年間、業務受託した「株式会社クロスマイル」(梅邑太郎社長)。町は当初、同社との契約更新の意向は全くなかった。特に上村町長は「現状のままの更新はありえない」と、同社のこれまでの経営実績に疑問を抱いていたが、「クロスマイルから強い要請があり、4月以降、町が管理する費用を考えた時、限定期間だが委託した方が町財政的にも有利」(石橋参与)と判断し、9月末までの業務委託を決め、今月1日、クロスマイルと契約を交わした。
 ただ、前年度までのように委託費は出さない。「すべて自前で行うという条件。ボイラー故障などで営業できなくなった場合、その時点で打ち切りもあり得る」(石橋参与)と厳しい対応も視野に入れている。
 今後について石橋参与は、3つの選択肢があると説明。『ロッジとスキー場の継続経営』『ロッジだけの経営』『廃止』。民間コンサルに調査依頼し、その資料データなどから方針を判断すると共に、クロスマイルを含む民間2社から新たな経営計画が提出されており、「6月には新方針を決めたい」としている。

 一方、地元雇用や地域経済に大きな影響を持つニュー・グリーンピア津南は、今年9月末で10年間の契約満了。町は受託する『津南高原開発株式会社』(松崎和秋社長)に「経営継続」の方針を条件提示で伝えているが、そこに大きな条件を付記している。それは「修繕費捻出の賃借料」と「社長交代」だ。
 先月初め、上村町長と担当課長(石橋参与)は松崎社長ら同社幹部に10月以降の運営方針を伝えた。開業30年が経過する同津南は今後、大規模な施設修繕が求められ、町財政とも関係し、『賃借料=修繕費』的な費用が求められる。これは営業利益アップを求めていることでもある。この日、町は後任の社長候補を提示した。
 津南町と津南高原開発は『大家と店子』の関係。町有施設のニュー・グリーンピア津南は公設民営で津南高原開発が受けているため、民間会社の津南高原開発の経営方針に、出資者でない町は「口出し」できない。だが今回町は『津南町の命運を握るニュー・グリーンピア津南の今後は、町にとって最大の重要事項』と契約期間の満了前に、あえて今後の経営方針・運営体制の考え方を示すことで、同津南の重要性を強調している。

 この社長交代は7日の議会全員協議会で出た。同津南の今後を担当する石橋参与は、後任社長候補の氏名を上げて説明した。本紙の取材に対し、「この10年間の津南高原開発の実績、さらに松崎社長の経営は高く評価する。松崎社長は光善会(株主で首都圏で福祉施設経営)の理事長であり、津南と東京の行き来は大変であり、10年を節目に新たな経営者を迎えることで、さらに発展的な経営を期待したい」と説明した。

 今月1日、津南高原開発の取締役会を開き、町の意向である社長交代、後任人事などが報告されたが、津南高原開発は「あまりにも唐突であり確認事項が多々あり、町に確認を求めている」と町からの回答を受け、社内協議を経て方針を決める意向だ。
 津南町が招聘を予定する後任者は現在、石川・白山市の白山スキー場を経営する株式会社スノーエリアマネジメント社長の加藤正夫氏(60・湯沢町)。ナスパニューオータニ総支配人室長や長野・竜王スキーパーク総支配人、さらに北海道・ウィンザーホテル洞爺湖参与などを務める一方、スキー関係では北陸信越索道協会会長代行、石川県スキー場協会長などの役職を務める。
今回の津南町の方針を津南高原開発がどう受け、対応するかが注目される。

 6月末の株主総会前の役員会で方針を決める意向で、町方針通りに進むと取締役会で新体制が決まり、7月から新社長就任となる。松崎社長は「私は6月で退任となるが、後任は地元津南町の方が引き継ぐ形が良いと考えている」と話し、町方針とは一線を画している。今後の両者の話し合いに関心が集まる。

10代のまなざし「早河太貫さん・18歳・津南町」音楽プロめざす  4月10日号
「頑張ってないんです。楽しんでいるだけ」。
 笑顔を見せるが、プロミュージシャンの道は諦めていない。
 「唯一飽きなかった趣味がギター。今までずっと続けているのにはきっと意味がある。とにかく弾き続けるのが大事だと思っています」。
 小学6年の頃アコースティックギターを弾き始め、中学でエレキに。初めて覚えた曲はオジー・オズボーンの『クレイジートレイン』だった。高校1年の時、初めて見た生ライブはエディ・ヴァンヘイレンの日本公演。しびれた。
 「もう衝撃でしたね。ひとつの時代を作ったミュージシャンと同じ空間に居て、こういう人になりたいと感じました」。
 プロになりたい想いが強くなり、高校2年の秋に学校を自主退学。埼玉の親戚の家に居候し、バンド活動を本格始動。
 「実は上郷小の先輩が東京のアマチュアで活躍しており、プロに近いと言われているんです。知っている人がステージに上がっているのを見て、また刺激を受けました」。
 今年2月、故郷に戻り、家族が経営するお菓子屋さんで働き出した。
 「最初は帰ったら負けと思っていましたが、新潟でも音楽はできる、と気付いたんです。同級生は東京に出る時期、逆に戻るのもありかなって」。
 今は地元10代の音楽仲間5人とバンド『The Black Hip』を結成。オリジナル曲を作り、今夏ライブデビューの予定だ。
 「急がずやっています。ただ、人はいつ死ぬか分からない。焦らないけど、後悔はしたくない。やれるだけやります」。
      (石沢修一)

「残雪」が観光資源、美人林、中子の桜  4月10日号
 いまだ3b近い残雪となっている松之山地区など、観光への「残雪効果」に期待する声があがっている。松之山の美人林では『新緑と残雪』、津南町の中子の桜では文字通り『桜と残雪』、清津峡渓谷トンネルからの眺望では『柱状節理の岩と新緑と残雪』など、残雪とのコントラストを描く風景ポイントが、新たな残雪観光ツアーに結びつくものと期待されている。
     ○
 『美人林』年間10万人余りの観光客が訪れる人気のブナ林。樹齢90年ほどのブナ約3千本が3fに広がっている。新緑は今月中旬から始まると見られ、20日過ぎからは新芽が目立って「美人林が萌木色に染まってきます」と松之山温泉関係者の高橋樹男さんはブログなどで発信している。高橋さんはここ数年、雪消えデータの整理も行っており、今年は5月上旬まで雪が残るのではと予想。残雪とブナ林の新緑を楽しめるのは確実と見ている。十日町市観光協会松之山支部では「すばらしいブナ林の世界を堪能してほしい。雨模様の朝はうっすらとモヤがかかり、一段ときれいですよ」と来訪を呼びかけている。問合せは同松之山支部рO25‐596-3011。
    ○
 カメラ雑誌などに載って「全国区の人気」となっている津南町の『中子の桜』。今年は残雪が4月に入っても1・5b余りとなっており、周辺整備などに努める山本光夫さん(85)は「訪れるカメラマンに人気の、桜と残雪が今年は見られるのでは」と期待している。
 中子の池の周りにはソメイヨシノと緑色の花を咲かせる「御衣黄」など20本ほどある。撮影では残雪と桜、湖面に映る桜、背景の杉林、幻想的な朝霧など、写真家にとって最高の条件がそろっているのが魅力で年々、訪れるアマチュアカメラマンらが増えている。問合せは津南町観光協会рO25‐765-5585。
    ○
 桜と残雪の人気スポットは、このほか秋山郷・結東地区や「美しい日本のむら景観コンテスト」で農林水産大臣賞を受賞した十日町市小白倉地区の「カスミ桜」、さらに残雪と柱状節理の清津峡渓谷トンネルなども豪雪地ならではの景観として人気を高めている。

十日町市・津南町・栄村、議会が連携協議会を  4月10日号
 広域圏の課題や観光連携などに取り組む県を越えた議会連携が実現した。十日町市、津南町、長野県栄村の市町村議会は6日、3議会による連携協議会を設立し、協議会会則を交わし今後、懸案の国道353号十二峠新トンネルや高規格道路実現、さらに北陸新幹線の延伸開業による誘客など共通課題に連携して取り組むことを確認した。

 3市町村連携は、これまでにも道路改良などで連携していたが、昨年11月、国道353号十二峠改良・新トンネル化、さらに高規格道路促進などを国土交通省へ直接要望した時、3市町村連名で行い、連携が深まり、今年1月27日、3市町村議会の正副議長が集まり連携協議会設立で合意した。

 設立にあたり十日町市・川田一幸議長は「まずは各自治体・地域を理解することが大切で、夏には津南町で、秋には栄村でなど、それぞれのテーマを設けて、集まり開きたい」と方針を話し、「この連携が地域間交流につながることを期待している」と述べた。

 連携協議会は3市町村議会からの代表5人の15人で構成。幹事は正副議長が努め、代表幹事には津南町・河田強一議長が就任した。河田議長は「道路や観光など連携することで国や県へ強い要請ができる」と期待感を示し、栄村・福原和人議長は「連携を地域発展につなげたい」と期待感を込めていた。

写真・連携すr川田議長(左から)、河田議長、福原議長

サンヨで春を呼ぶ、津南町・多聞天   4月10日号
 ○…子どもたちの「サンヨ」の声が響いた。春の津南風物詩「陣場下多聞天押合大祭」は3日開き、高さ1b余の雪壁で囲んだ特設ステージで押合い。150個の木札を奪い合う神事に小学生40人余が参加。大祭役員らの「撒くぞ」の声に「サンヨ」(撒与)と大声を張り上げ、福を呼び込んでいた。

 ○…陣場下毘沙門堂は昭和9年に開山。同15年には国指定無形文化財登録の南魚沼・浦佐毘沙門堂唯一の分院となり、81年目を迎える。かつては大人押合もあったが、現在は小学校低学年と高学年の2部制で行い伝統行事を継続。津南に春を呼び込む名物神事になっている。

津南中等、最多の30小学校から入学  4月10日号
 「夢の実現」を校是に掲げ開校10年、昨年と同じく過去最多の30小から新入生83人を迎えた新潟県立津南中等教育学校(遠間春彦校長、457人)入学式は6日開催。今月新潟中央高から赴任した遠間校長は「学ぶことにより自分自身が幸せになること、それは同時に周りの人を幸せにすることであってほしい。皆さんは未来を切り開くために未来から遣わされた留学生だ」と激励。なお開校10周年記念式典は10月31日開予定だ。

 今期入学の10期生は十日町市45人で比率54%(前年45%)、津南町24人28%(同23%)、南魚沼8人9%(同20%)。栄村、小千谷からは各3人が入学。今回上越市の南本町小卒の新入生があった。新入生代表で川治小出身の阿部和佳奈さんは誓いの言葉で「夢を実現するために自分の意志で選んだ津南中等校。切磋琢磨し高め合い、夢の実現のため一歩一歩前を向き、努力します」と決意を示した。

 なお同校昨年度の国公立大学合格者は新潟大医学部や千葉大学法制経営学部、京都府立大など述べ28人だった。
《十日町市45人》川治13、田沢9、十日町4、中条4、西3、松之山2、東2、鐙島2、倉俣1、水沢1、馬場1、貝野1、千手1、橘1《津南町24人》津南13、中津5、芦ヶ崎2、外丸2、上郷2《南魚沼8人》塩沢2、五日町2、栃窪1、五十沢1、北辰1、赤石1《栄村3》栄3《小千谷2人》小千谷1、南1《上越1》南本町1

信濃川問題、今度は西大滝ダム、上村町長が疑義  4月3日号
 信濃川の発電取水による減水問題は、第2ラウンドのゴングが鳴らされた形だ。30日開いた信濃川中流域水環境改善検討協議会の閉会後、委員出席の津南町・上村憲司町長は、議題の大部分となっているJR東・宮中取水ダム下流の水問題に対し、上流域への取り組みが手薄な状況を指摘し、「宮中取水ダムの下流域ではいろいろな施策が行われているが、上流域で行われていないのは、どういうことか。どなたかご教授いただきたい」と国の河川事務所、さらに同協議会に迫った。

 同協議会を進める国土交通省北陸地域整備局・信濃川河川事務所は、「平成21年度より宮中取水ダム下流域の河川環境を検証しなさいと取り組んでいる」と当初、上村町長の疑問には正面から答えなかった。一方、同協議会の委員長代行・大熊孝新潟大名誉教授は「宮中下流域と上流域では、河川の形態が違い、上流域ではあまり変化がないということでは」などと答えたが、上村町長は納得せずさらに迫った。
 「JR東の水利権取消し以降、お詫びや迷惑、さらに償いなど宮中下流域には多様な対応がされているが、上流域にはいっさいない。上流域も調査するということは、影響があるから調査するのではないのか。下流域と同様な対応がなぜ上流域にはないのか」と、JR東の水利権取消し以降、宮中取水ダムの上流域から出ていた不満感を代弁する形で意見を述べた。

 これに対し、河川事務所は「西大滝ダムからの放流量20dという検証をしてきており、西大滝ダムと宮中ダムの間のデータは取ってきている。長野県からサケ遡上数の違いの指摘も受けた。宮中より上流域の調査を進める方針だ」と継続調査する方針を出している。 
一方、大熊委員長代行は「協議会は平成11年からスタートし、当初からの委員は私ぐらい。宮中上流へのサケ遡上数の少なさなど問題は解決していない。今後、長野県からの提言もあり、西大滝―宮中の間はもう一度よく調査し、議論することが必要」と話し、調査・検証する方針が示されたた。なお上村町長の発言は、閉会後だったが、議事録に記録されることになった。

 宮中ダムと西大滝ダムでのサケ遡上数の違いが信濃川中流域水環境改善検討協議会で、地元長野県から問題提起された。同県建設部河川課企画幹・吉川達也氏は、JR東・宮中取水ダムでのサケ遡上数と約21`上流の東京電力・西大滝ダムでの遡上数に大きな開きがある点を指摘。さらに平成23年に35尾の遡上を確認しているが、今期は8尾。「西大滝のサケ遡上数が減少している。現在の魚道が良いのか、悪いのか、なぜ西大滝ダムでは減少しているのか、さらに宮中ダムを遡上したサケは、どうしているのか、など調査してほしい」と要望した。

 これに対し、河川事務所は「西大滝ダムでサケ遡上数が減少しているのは事実。状況が分からないが、手法などを含め研究したい」と述べた。一方、大熊委員長代行は「今期、8尾の遡上を確認しているが、実は3尾が魚道脇のコンクリートの上で干からびていた。つまり11尾が遡上したようだ。西大滝ダム直下流の砂利を移動したようで水深が浅くなり、段差ができているようだ。宮中に千尾くるなら、西大滝には百尾は来てほしい」と話した。さらに『東京電力を協議会委員に入れるべきでは』の意見が出て、河川事務所は「加入する方向で調整する。サケ遡上は、中身をもう一度協議したい」となり、同協議会で西大滝ダムのあり方が次の論議の的となりそうだ。

写真・東京電力の西大滝ダム

10代のまなざし「高沢雄大さん・十日町総合高校3年・松之山」 今夏は熱い夏になる   4月3日号
 今年の夏は、かなり『熱い夏』になりそうだ。第6回大地の芸術祭に参加する。3回連続出展の秋縄のアーティスト・川端美和子さん。6年前の第4回では、沖縄自由学校の子たちと松之山の小学生らと熱唱パフォーマンスの感動ステージを。そのメンバーで舞台に立った。小学6年の時。
 「あの経験で自分が少し変わりました。人と話すのが苦手でしたが、他の同世代と話し交流するなかで、ちょっと自信がついた感じです」。変化の延長の姿がいまの自分。十日町総合高の生徒会長を務める。

 今夏の芸術祭では地元高校生実行委員会を作り、企画から関わる。作品『青の祭典』は、ネパール、沖縄、妻有の3地区の高校生が民族演舞や伝統芸能でコラボレーションする。ネパールの高校、沖縄・八重山農林高校から各20人の同世代と共演する。旅費の大部分が自費と知り、「同じ世代として何かできないか皆で考えました」。遠征費を支援する募金活動に取り組む。近く公共施設や温泉・観光施設などに設置する。
 松之山に伝わる「湯山神楽」のスタッフメンバーのひとり。奉納神楽を舞うのが地域の拠り所『松苧神社』。小学6年の頃から、大晦日の夜、二年参りの参拝者の人たちが通る参道の道踏みを行っている。

 「ちょうど自宅が参道に通じているので、小さい頃から父が道踏みを行っていたので、一緒について行き、6年の頃から自分ひとりで行うようになりました」。大晦日の夜9時過ぎから始める道踏みは、続けている。(恩田昌美)

信濃川中流域協議会、放流量示さず、28度問題は努力目標  4月3日号
 信濃川水問題の試験放流5年間の集大成となる第26回信濃川中流域水環境改善検討協議会は30日、クロステンで開き、
6年前の不正取水で水利権取消し時に同協議会が提言した『放流量40d以上』を検証したが、放流量の具体的数値の報告には至らなかった。十日町市が求めた『全観測地点で水温28度以下』のための放流量も特定されず、「28度以下が努力目標」とされるなど、具体性を欠く最終報告となった。ただ「モニタリング調査を継続し、問題発生時は協議会で取り上げる」と、事実上の協議継続となっている。

 5年間の試験放流を検証し、報告書にまとめる今回の協議会では、「放流量」と「水温28度以下」が論点となった。特に十日町市が求めた「河川水温の全調査地点で28度以下」にする放流量の具体化が、同市が求めた報告であり結論だった。
夏の渇水期の水温上昇による河川環境の悪化の改善を求める十日町市の要望に対し、国が進める中流域協議会の信濃川河川事務所は、水温推計シミュレーションを作成。十日町橋、妻有大橋、栄橋、川井大橋の4橋の調査地点の過去4年間の水温、気温、放流量などデータ入力し、実際に流さなくても流域の水温が推計できるシステムを作成した。だが、「栄橋下流域で実測と推計の間のズレがある」と、水温推計の精度に疑問があると報告。だが一方で、「上流部の水温はおおむね再現できる」としている。

 平成25年の28度超えは十日町橋で7日、妻有大橋4日、栄橋9日、川井大橋8日あり、放流量80dでは川井大橋で28度超えとなるが、100d放流ですべての観測点が28度以下になる推計が出ている。
 この推計モデルは、入力データにより差異が生じるため、「詳細なデータ入力には費用と時間がかかる」(河川事務所)として、これ以上の精度アップは困難とした。結局、報告書では「全対象区間で水温28度を上回ることがない放流量を確定することはできないが、水温28度を超える環境を少しでも改善する努力は必要」と、水温28度超えがない放流量実現への取り組みを促している。

 一方、平成21年3月に同協議会が提言した『放流40d以上が望ましい』の検証は、試験放流期間中、放流数値を変えたパターンで調査したが、具体的な放流量を決める根拠となるデータは得られなかった。ただ、大熊委員長代行の私見にあるように、『40d以下と40dでは河川環境が変わった』と、藻類の付着や河川景観などの変化を上げている。だが、5年間の試験放流では40dから120dまで放流パターンを変え調査しており、各調査項目で「大きな変化は見られなかった」と総論的にまとめられ、提言時のように具体的な数値報告は出していない。

 疑問点などを発言した関口市長は「モニタリング調査が継続され、問題が発生した時は協議会で扱うことが約束された。水温28度以下は重要な要素であり、継続調査が重要になる」と話している。一方、水利権の期間更新が目前のJR東・中井雅彦常務は「今日がスタートライン。40dは変化点であることが実証され、一つのベースになると考える。28度は努力目標と考える。水利権の期間更新に向け、これまで築いた信頼関係をもとに真摯に協議をしていきたい」と話している。

地域おこし協力隊、津南町にも3人  4月3日号
 地域おこし3人娘―。津南町に新規2人、継続1人計3人の地域おこし協力隊員が1日付で着任した。新人は上郷地区に入る手島育さん(34、聖籠町出身)と三箇地区が拠点となる松本江美子さん(27、船橋市出身)。結東地区に入り任期最終の3年目を迎える平木結さん(25、三鷹市出身)と合わせ、地域に入り住民と共に過ごす若き女性の活躍に期待が高まる。

 新たに着任した手島さんは国立音大卒業し、専門学校など音楽講師、日野社会教育センター勤務など経験。地域作りに以前から関心がある「海の聖籠町と違う、山の津南の暮しを実感として学び、上郷が元気になる手助けができれば」。上郷中校舎を拠点に活動。今夏の大地の芸術祭拠点となる同校舎で住民と作家の繋ぎ役、上郷地区振興協議会が取り組む防災マップ作りなどに協力する予定だ。

 松本さんは都内で5年間保育士として勤務。アウトドア教育に関心があり、今年3月まで妙高市の国際自然環境アウトドア専門学校に通う。三箇校舎を職場に、同地区が進める都会との交流事業などに関わる。「保育士時代、自然が少ないなかでの教育に違和感がありました。この地に暮らし、自分も楽しく、地域の人も楽しくなるよう活動したいです」と意欲を話す。

 十日町市では総務省が同隊制度を創設した6年前から導入。全国トップクラスの延べ41人を受入れ入れ、今年度は17人が活動。栄村は今年初めて20〜40代の同隊員男女3人が秋山地区入り、高齢化が進む地域の活性化に尽力する。

写真・協力隊の手島せん(左から)平木さん、松本さん

今夏の芸術祭、「青の祭典」高校生実行委で始動、沖縄・川端美和子作品  4月3日号
 今夏の7月26日から9月13日まで51日間開催する第6回大地の芸術祭参加の沖縄のアーティスト・川端美和子氏は今回、8月1、2、3日の3日間、妻有エリアで作品展開し、2日にはまつだい農舞台でネパール、沖縄、妻有の高校生らによる民族・伝統芸能を作品展開する。妻有の高校生で実行委員会を作り、28日には松代で高校生実行委員と作品準備のミーテイングを行い、本番に向け取り組みを本格化している。

 川端氏は、2009年芸術祭では沖縄自由学校の子たちと地元十日町の子たちによる感動的なステージを展開。今回は高校生を主体に、ネパールの高校生20人、沖縄・八重山農林高校から20人、地元高校生30人ほどで作品展開する。すでにネパールには2度訪れ、現地の高校やアーティストなどと交流し、まつだい農舞台での作品展開などを話し合っている。
 今回の川端氏の芸術祭作品は『青の祭典』。川端氏は「ネパールのヒマラヤの青い空、沖縄の青い海、そして青春の青。青を共通テーマに3つの地域の高校生が8月の3日間、ここ妻有で作品展開します」。

 今回、ネパール、沖縄からの旅費の大部分は自己負担となっている。このため地元妻有の高校生実行委員は、「同じ世代として支援活動したい」と募金活動を近く始める。28日には高校生実行委員4人が参加し、川端氏と作品への思いなどを話し合い、夏に向けて動き出している。

アートの観光窓口、新観光案内所、ほくほく線十日町駅に  4月3日号
 地域観光拠点の窓口となる「十日町市総合観光案内所」が先月30日、ほくほく線十日町駅構内に開設。年末年始を除く年間無休で業務を開始した。訪れた人たちは「明るくきれい。観光で賑わうマチになってほしい」と期待していた。

 十日町市観光協会事務局と市観光交流課などが入る同案所は、大地の芸術祭にちなんだ雰囲気でアート的に装飾した約788平方bのスペース。駅中ライブも開ける多目的ホールには地域の観光パンフや土産物、そば店などのコーナーも設けてある。観光案内窓口を担当する山岸夏来さんは「外国人を含め、多くの観光客を笑顔で迎え、丁寧に説明したいです」と話し、村山義政観光協会長は「まつだい駅にも松代・松之山温泉の案内所を設けました。大勢の方から観光情報を仕入れ、十日町を楽しんでいただきたい」と期待を話している。初めて訪れたという市内の村山ひでこさん(66)は「都会的な雰囲気でとってもステキ。友だちにも紹介したいです」と話していた。

 オープニングは4日に行い、内覧会を実施。当日はJR飯山線・十日町駅でも新観光列車「おいこっと」と「越乃*shukura」の出発式も行われる。

県立十日町病院に附属看護専門学校、開設へ、県議会で病院局方針  3月27日号  
 医療スタッフの育成が全国課題になっているなか、新潟県は中核病院への改築が進む県立十日町病院に、「看護職養成学校」を設置する方針を18日、明らかにした。県議会厚生環境委員会は18日に開かれ、尾身孝昭県議の質問に答え、県病院局の若月道秀局長は「看護の実習先や学生の確保など一部に課題はあるが、解決できる課題と考えている。27年度は十日町病院への設置を中心に検討を進めたい」と、県として十日町病院に看護専門学校を設置する方針を初めて明らかにした。

 18日の同委員会で尾身県議は、平成25年12月に県がまとめた看護職員養成施設検討事業報告書で、魚沼地域の都下岡町病院など県立病院への看護職員養成施設の併設を明記してい点などを取り上げ、「医師不足に目が行きがちだが、むしろ看護師不足で困っている財団法人、個人開業医もあり、病院などで非常に看護師が足りない状態だ」と、看護職員養成施設の設置見通しを質問。
 県病院局の若月道秀局長は、地域の看護師の需給状況や看護学生の実習先や確保について検討した経過を踏まえ、「27年度は十日町病院への設置を中心に検討を進めたい」と明言し、十日町病院への看護学校の設置を明言した。

 県はこれまで、県立付属看護専門学校の学生対象にアンケートを行い、県内状況を把握している。特に看護実習先の確保では「争奪戦が繰り広げられている」実態があり、特に「母性・小児看護学の実習先の確保が課題」とする。さらにアンケートからは、「入学金・学費など経費面や学校の施設・設備、さらに実習病院などを重視する学生が多い」という傾向を把握している。

 構想では、1学年40人定員で3年生の県立病院付属看護専門学校となり、先例では県立新発田病院付属看護専門学校(3年制、定員1学年40人)、県立吉田病院付属看護専門学校(2年制、定員1学年15人)があり、十日町病院の場合、新発田病院ど同様に3年制・定員40人の付属看護専門学校の設置を想定している。
 委員会で県方針を引き出した尾身県議は、「十日町地域は医師の評価も高く、看護職を育成するには最適な場所だ。加えて中核病院に改築される十日町病院は、実習病院にも最適で看護師養成に応えられるだろう。3年制のため120人の若き人たちが街の行き交い、地域の活性化にも通じるはず」と、県立十日町病院付属看護専門学校の実現に取り組んでいる。
 
 なお県立新発田病院付属看護専門学校の現状は、定員40人に対し今年度志願状況は3・7倍の高倍率だった。授業料は年額16万6800円、テキスト代約15万円、ユニフォーム代等約4万5千円。各種奨学金制度があり授業料の減免制度もある。 十日町の場合も同様な内容になると見られ今後、設置場所を含め、用地確保や施設確保など地元の受け入れ準備が早期実現のポイントとなる。

写真・改築工事の基礎工事が進む県立十日町病院(25日)

和でおもてなし、十日町市の新観光案内所30日スタート  3月27日号
 ◎…南北に走る飯山線と東西を走る「ほくほく線」がクロスする十日町駅に、新たな観光案内所が誕生し、30日から年末年始を除く年間無休で業務が始まる。ほくほく線十日町駅2階に誕生する「十日町市総合観光案内所」は、市観光協会事務局と市観光交流課が入り、多目的ホールではイベントや駅中ライブも開けるほか、大地の芸術祭の地である雰囲気の演出で全体をアート的に装飾。さらにほくほく線まつだい駅前の「ふるさと会館」1階を全面的にリニューアルし「松代・松之山温泉観光案内所」を開設し、物産販売エリアや観光案内機能を専任職員を配置し充実させる。

 ◎…30日に業務開始する両案内所で窓口や接客対応する職員の出で立ちも一新する。24日、らポート十日町で開いた両事務所開業祝賀会で新しい制服が披露された。きもののまち十日町をイメージした白と紺の絹絣をキルト風にアレンジしたオリジナル品。基本デザインを担当した千原祥一さん(千原社長)は「雪の白には幾何学模様を入れ、紺には赤の十字絣が入り、キルトのまちでもある十日町をイメージしました」。作成デザインは十日町服飾専門学校の中林則子校長が担当。当日、ステージで試着した健康協会職員の庭野真弓さんは「とても素敵なデザインで動きやすく、きものを雰囲気もあり気に入りました」と話している。同制服は異なるデザイン6着を作成し、窓口対応などに活用する方針だ。

10代のまなざし「日熊千穂さん・津南小6年」水泳も漫画も好き   3月27日号
「小学校時代、一番の思い出はやっぱり頑張った水泳かな」
 小学4年からクアハウス津南のスイミング教室に通った。6年生になって最後の町内水泳大会。教室に通う同級生の仲間4人で出場したメドレーリレー、フリーリレーで優勝。しかもフリーでは大会新記録、メドレーでも大会タイ記録をマークした。
 「メダルや賞状をもらって、とってもうれしかった。その時の仲間のうち何人かは中学で分かれるけど、いい思い出になりました。私は中学に進んでも水泳を続けていこうと思っています」

 得意種目は背泳ぎ。肩の筋肉が柔らかくないからと、コーチから背泳ぎをすすめられた。小さな時から水に入るのが好きだったということもあり、見る見る上達した。
 「個人種目では、県の記録の比較で背泳ぎは9位、個人メドレーは7位でした。上位に入ることができてうれしい」

 日曜日を除き、予定はびっしり。水泳は月、火、金曜、たまに木曜も。さらに英語塾が水、土曜。ヒップホップダンススクールが木曜。
 「どれも楽しいので、イヤだと思ったことはありません。中学では、どのクラブに入ろうかな。見たり体験してから決めようと思っています」
 3DSゲームやマンガを見たり描くことも好き。小学校では学芸クラブで絵やポスターづくりなどを行ってきた。
 「マンガは物語があるのが好きです。いつか小説っぽいのも書いてみたいな」              (村山栄一)

明日へ「自然のマジックに魅了。雪割草に取り組み14年」 番場和之さん  3月27日号
 自然の「遺伝マジック」にすっかり魅了されている。「ミスミソウ」,といいより『雪割草』が全国ブランドになっている。赤・白・青、最近では黒も生まれ、この4色が織り成す無限の色合いの花が人気だ。「14年など、まだ初心者の部類です」という番場和之さん(45)。開花期を迎え、特殊メガネで受粉作業の日々が続く。

 4年前に『国際雪割草協会』に入会。その年、長岡丘陵公園での展示会に行ってみた。そこで出会ったのが雪割草の第一人者、岩渕公一さん。独学で14年前から栽培に取り組み、岩渕さんの著書などで取り組んでいた。その第一人者が声をかけてくれた。
 「長岡会場では、私は若い方でしたから、岩渕さんの目についたのでしょう」。展示する雪割草を見ながら、いろいろ説明してくれた。この出会いで、さらに雪割草への魅了が増した。

 同じ親同士の交配でも、まったく違う花を咲かせる雪割草。「遺伝のマジックです。何代も前の遺伝子が突然現れます。予想がつかない、人間の手にあって、人間の思うようにならない、ここが魅力ですね」。

 交配を重ねると、オシベやメシベが花弁化する「2段咲き」「3段咲き」が出現し、葉や茎も変化するなど、まさに「変幻自在」の世界。3月から4月が開花時期。これはと思う花の花粉取りや受粉が、この時期の大切な作業。「知り合いと鉢の交換などをしていますが、魅力は尽きないですね」。

 全国的な品評会や国際展示会など毎年開かれている。14年取り組むが、まだ一度も出品していない。「まだまだ初心者です。出すからには賞を狙いたいですから」。自生の採取は全面禁止され、違反者は罰則される。すべて実生から取り組み、開花まで3年かかる。現在1千鉢ほど管理し、この時期、花粉取りや受粉に忙しい。
 雪割草の名の通り、雪国・新潟の雪割草が全国に知られる。雪の下で春を待つ。「凍みるのが一番だめです。雪が守ってくれるのが雪割草です。3年待って、何が咲くか、ここに魅かれます」
                (恩田昌美)


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