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2015年03月の津南新聞「トピックス」

過去の津南新聞トピックス
雪掘りで競う、地面出し競争  3月27日号
 雪を縦に掘り、土を出すスピードを競う人気企画「第4回豪雪地面出し競争」は22日に津南中グラウンドで行い、今年は19チーム、6〜51歳の男女百人余で決戦。上半身裸で出場する津南出身の大学生ら、勝利のため柄を短くしたオリジナル改造スコップを持つ参加者もあり、豪雪地の雪遊びを満喫した。

 豪雪地PR、グラウンドの消雪促進、冬になまった体を動かし町民の健康増進と、一石三鳥をねらう、NPO・Tap(尾池三佐子理事長)の人気企画。スコップ4丁、スノーダンプ2台の規定道具で、直径1b余のフラフープ大の土を出せばクリア。今回は大雪の影響で積雪量は210a(昨年160a)と多く、参加者は雪の掘り出しに苦戦。津南中卒業生で春から十日町高に進む福原秀斗君(15、大割野)は地域の先輩らと同中指定の緑色の体操着姿で参加。「掘っても掘っても土が出なくて疲れました。思い出の多いグラウンドでまた遊べてよかった。楽しかったです」と笑顔。上位入賞者にはつなんポークなど協賛各社の地元特産品など贈られた。

 大会結果◇一般(出場14チーム)@遊々会A心友懸総会BKLDC◇ファミリー(同5チーム)@ハリK‐EN27A大道LOVE・BB心友懸走会jr・B

ウエルカムベイビーで最高評価、ベルナテイオ  3月27日号
 ○…国内最高得点で認定―。あてま高原リゾート・ベルナティオ(佐野智之総支配人)は先月末、ミキハウス子育て総研の「ウェルカムベビーのお宿」の認定を受けた。国内外51施設を認定、県内2例目。同認定は子どもの手の届く範囲に割れ物がないなど、乳幼児や子ども連れでも安心して宿泊できる施設を百項目で審査。ベルナティオはうち94項目の基準を満たし、国内外施設のなか過去最高の評価で認定を受けた。

 ○…ベルナティオでは子育て世代の社員で作る「ウェルカムベイビー推進委員会」を作り、子どもに配慮した宿泊環境作りを促進。ベビールーム2室も先月オープン。今回、過去最高得点獲得で同総研から特別表彰も受けた。齋木正義営業グループ支配人は「認定はスタート。今後もお客様がすごしやすい施設づくりを進め、さらに進化していきたい」と受賞を喜んでいる。

独自活動でまちづくり大賞、十日町市唯一の水沢女性防火クラブ  3月27日号
 自主活動で防災まちづくり大賞―。地域密着型の防災ボランティア組織「水沢女性防火クラブ」(櫻澤秀子会長、19人)は、消防庁が主催する第19回防災まちづくり大賞で日本防火・防災協会長賞を受賞。22日、市内土市の二葉家で受賞祝賀会が開かれ、地域振興会や消防関係者らから祝福を受けた。

 同クラブは平成21年、54年前の土市大火や前年の2棟全焼火災などを契機に、市消防団女性部の初代部長だった櫻澤会長の呼びかけで発足。地域25集落への防火パトロールや看板設置、地元保育園や小学校、老人会での消化訓練など活動を展開。昨年は「ついうっかり気を付けようよ長電話」など会員手作りの防災カルタを作成、子どもたちから高齢者まで「楽しみながら防災が学べる」と好評だ。

 祝賀会で関口市長は「女性ならではの配慮に行き届いた活動が高く評価された」と祝辞を述べ、これを受け櫻澤会長は「これまでの活動が国に認められたものと思い、大変うれしい。今後も地域の安心、安全へ結びつくよう尽くしていきたい」と喜びと今後の抱負を語った。

141年の歴史に幕、津南町・外丸小と中津小が閉校  3月27日号
母校の閉校を胸に刻み巣立つ―。共に創立141年を迎えた津南町の外丸小(樋口広栄校長、33人)と中津小(近藤哲夫校長、42人)。最後の卒業式は25日に行い、ラスト卒業生の外丸小9人、中津小11人が通い慣れた校舎を後にした。卒業生らは来月から統合先の津南小に通う後輩たちに「学校はなくなっても自分たちが学んだことに自信と誇りを持ち前に進んで」とエールを送った。最後の卒業生番号は外丸小1827号、中津小1658号だった。

 外丸小では第68回目の卒業式。9人は中学の制服に身を包み、全校で最後の校歌を熱唱。別れ際、在校生がサプライズで花束を渡すと共に涙を流し、閉校する母校に別れを告げた。最後に卒業証書を受け取った福原莉子さんは津南中等校に進学。「海外に興味があり、英語をしっかり学びたいです。閉校は寂しいですが、地域の方が学校行事などに進んで参加する姿から、外丸は人と関わることの大切さを教えてくれました」と笑顔。一方、来月から津南小に通う5年の桑原麻凛さんは「津南小に行くのは楽しみと不安が半々。でもこれから中学に行く先輩たちが勇気を貰いました。学校は変わっても楽しく過ごしたい」と春を心待ちにしていた。

 中津小でも進学する中学校の制服姿で卒業生が同校最後の第60回卒業式に臨み、翌26日には「校舎お別れ会」を開いて母校に別れを告げた。
 卒業式で近藤校長は「努力を惜しむことなく豊かな人生を歩んで下さい」と激励。卒業生たちは『門出の言葉』として一人ひとりが「最後の卒業生として誇りに思います」「夢に向かって歩んでいきます」と呼びかけ、全校で「伝統の中津小、さようなら」と大きな声を響かせた。
 式典後、生徒玄関には紙で作った花を持った保育園児もお祝いに駆けつけ、在校生とともに「おめでとう」と送り出し、卒業生たちは感激していた。

写真・最後の卒業生を送り出す外丸小学校

妻有マイレール「ほくほく線」、超快速スノーラビット登場  3月20日号
 18年前の開業当初から黒字経営を維持する第3セクター北越急行・ほくほく線。全国の3セク鉄道37社の中で営業成績は群を抜く。特急はくたかは1日7千人余、4年連続100万人突破し、18年間の内部留保は約130億円。この蓄えで今後を経営する。

 特急はくたか廃止で年間約47億円売上は10分の1になる見込み。年間6億円余の赤字を予想。渡辺正幸社長は「経営は厳しいが新生北越急行としてスタートした。乗って楽しい、体験して楽しい、地元に根付いた鉄道にしたい。内部留保で20年間はやっていける」と見通し。『沿線密着型』が経営課題で、ファンクラブや高齢者割引定期など新企画も浮上。地元からは「大地の芸術祭期間中、十日町駅―まつだい駅間にシャトル列車を走らせて」など要望が上がる。

  超快速スノーラビットは越後湯沢駅―直江津駅間を最高時速110`、57分で結び、途中停車は十日町駅だけ。ビジネス利用が期待される。課題を前社長・大熊孝夫氏は語っていた。「北越急行が沿線自治体に納めた固定資産税の累計はすでに自治体の出資額を上回る。沿線自治体は税収の一部を北越急行支援のために積み立てる仕組みをつくるべきだ」。固定資産税軽減策も、「将来的には運営は民間、鉄路や土地は自治体所有の『上下分離方式』(公設民営)を視野に入れなければ存続できないだろう」。開業から同社を牽引したトップの言葉が、3・14を経て、大きな意味を持ってきている。

写真・3月14日登場のスノーラビット。湯沢ー直江津を57分で結ぶ

新幹線時代、どうする誘客、飯山線が課題   3月20日号
 首都圏から日本海・北陸をめざすブルーのラインが特徴的な北陸新幹線の長野以北が14日、延伸開業した。新幹線新駅の飯山駅は当日は祝賀ムード一色で、新型車両見学や駅中交流などで飯山駅は今も賑わい、駅拠点にバス運行が伸びる北信地域への大きな誘客要素が期待される。一方、「3・14」は、北陸と首都圏を最短で結んだ『ほくほく線』のドル箱「特急はくたか」廃止の日でもあった。13日はラストラン、記念乗車券発売で十日町駅などは賑わった。14日は湯沢―直江津を57分で結ぶ超快速「スノーラビット」が運行スタート。上越圏のビジネス利用が1日2千人余見込まれ、ほくほく線の今後の期待を乗せて時速110`で疾走する。地域公共交通の大きな節目となった3月14日。新幹線駅と在来線がクロスする妻有エリアは、今後、この交通クロス拠点をどう地域活性に結びつけるか、大きな課題となっている。


 ◎…祝賀歓迎ムード満開の飯山駅。駅2階コンコースでは到着する新幹線利用者を小旗で歓迎し、駅前広場では周辺自治体の特産販売テントが立ち並び、祭り御輿が繰り出し、新駅誕生と新幹線開通を祝った。飯山駅1階にはJR飯山線が乗り入れ、新幹線と飯山線が合体したのが飯山駅だ。沿線自治体は「新幹線効果を誘客の弾みにしたい」と特色ある企画を打ち出している。野沢温泉村、木島平村は独自のシャトルバス運行、誘客の導線を確保。志賀高原や斑尾高原の玄関口でもある飯山駅、シャトル便などの運行を計画している。

 ◎…結合する飯山線への誘客が沿線の大きな課題。JR東は4月から企画列車「おいこっと」(長野―十日町)を週末運行し、好評の日本酒&JAZZの企画列車「越乃Shu*Kura」を十日町―上越妙高間のルート化を実現、飯山線沿線への誘客をはかる。課題は沿線の取り組み。「飯山線はゆったり、のんびりだが、一方でアクセス鉄道の役割も大きい」と指摘する観光関係者。十日町駅ほくほく線とクロス。その両端はすべて新幹線駅に通じる。「この地の利をどう活用するかが課題。企画とアイデアの勝負」。飯山線沿線の自治体連携がさらに求められる。

 ◎…一方、不安視されるのが東京―大宮間の過密状態。今後、北海道新幹線が開通すると、さらに同間は過密となり、『上越新幹線は大宮発になる可能性がある』と指摘する声もある。北陸新幹線は首都圏から北陸へ観光・ビジネス客を動かし、逆に首都圏へ吸引する動脈。一方、上越新幹線は新潟という単独エリアと首都圏を結ぶが、広域流動人口では北陸圏に及ばない。「人も物も経済も、北陸と首都圏がつながれば、越後は取り残される」、そんな危機感が聞かれる。

写真・3月14日号の延伸開業日、飯山駅に到着したE7系

早春の味覚、「雪下にんじん」、出荷始まる  3月20日号
 ○…残雪に春の彩り―。いまだ2〜3bの雪が残る十日町市と津南町で、春の畑作の使者ともいえる雪下ニンジンの収穫が始まっている。雪の下で冬を越すことにより「みずみずしく、味はマイルドで甘く、香りがよく、歯切れの良い食感」が人気。サラダや生ジュースとして好評だ。

 ○…このうち津南町沖ノ原台地で50eほど栽培する宮ア朗さん(43)は14日から収穫を始め毎日、出荷に汗を流している。重機や投雪機で3b近い残雪から畑を掘り出し1本1本ていねいに収穫。「昨年の天候がよかったから生育は良いよ」と話す。出荷先は東京や名古屋の「常連客」が主で、「雪国からの春の味が到着するのが待ち遠しい」という声が届いている。

雪原カーニバル、2万本が雪原に揺れる  3月20日号
 ○…春を呼ぶキャンドルの光―。2万本のスノーキャンドルが雪原に幻想的な雰囲気を演出する雪原カーニバルなかさと2015が27回目を迎え14日、なかさと清津スキー場で開かれた。ゲレンデいっぱいに灯されたキャンドルの明かりをバックに地元芸能協会が「豊年まつり」を披露。また新企画「ひと坪雪あかりコンテスト」も開かれ、人気を呼んでいた。

 ○…会場には、東日本大震災で石巻や気仙沼などに出向き、被災者にラーメンを提供し支援した中里地区出身の鈴木敏平さん(66、さいたま市、風風ラーメン)が非常時用の調理器具を持参し食ののれん街に友情出店。販売した560食分全額を同カーニバル実行委に寄付した。

妻有エリアの5高校で定員割れで2次募集  3月20日号
 県下公立高で13日、一斉に合格発表が行われた。受験生たちは掲示板が校内から出されると駆け寄って見つめ、自分の番号を見つけると「あった」「やったー」と声を上げ喜んでいた。

 今年度は新制度で初めて行われ、十日町は前年に続き定員割れ、同校の分校となった松之山は19人が受験した。また高校再編計画で28年度に十日町高と統合計画の川西は8人、十日町高定時制は15人の定員割れとなった。欠員補充を行う高校は19、20日に受付、23日に学力検査と面接、24日に合格発表する。管内の合格者数は次の通り。
 ▼十日町高=定員280人(一般入試275人)、受験268人、合格267人、特色化選抜(推薦)5人▼同定時制=定員40人、受験26人、合格25人▼同松之山分校=定員40人、受験19人、合格19人▼十日町総合高=定員160人(一般入試156人)、受験167人、合格156人、特色化選抜4人▼川西高=定員80人、受験72人、合格72人▼松代高=定員80人、受験62人、合格62人

歌う楽しみ伝えたい、つなん合唱隊5周年コンサート  3月20日号
 ○…「歌を楽しむのが生きがいです」―。5年前にスタートした、小学3年生から73歳までの男女52人で構成する「つなん合唱隊」(板場麻実代表、女性46人、男性6人)。歌う楽しみを皆に聞いてほしいと「5周年記念コンサート〜歩み、そしてこれから」は15日、津南町文化センターホールで開催。これまで練習を続けてきた全20曲をたっぷり2時間かけ披露。幅広い世代が醸すハーモニーは、参集の250人余を魅了した。

 ○…地域の音楽家・池田芳幸氏を指導者に、千の風音楽祭出演、町成人式での歌声披露、福祉施設慰問など、積極活動を続ける同隊。発足メンバーのひとりで、現在は小千谷市に住む田中利華さん(40、小下里出身)。「結婚して津南を離れましたが、皆で歌うのが楽しくてまた練習に通っています。最高の仲間です」。小学時代に母に連れられ隊に参加したが中学進学と共に一時中断、今年に入り合唱を再開した桑原優斗くん(14、貝坂)は「久しぶりにステージで歌いました。歌うのはすごくストレス解消になります。歌う面白さをもっと広めたい」とにっこり。

 ○…前半は普段着でステージに登り、さらにいつもの練習風景を再現し演じるなど、身近な合唱をアピール。後半は白シャツと黒ズボンの制服に身を包み歌声を披露。幕間では隊員が5年間の思い出を方言で語り合うなどし笑いを誘った。板場代表(55、美雪町)は「5歳になった合唱隊。歌が好きという共通点を持った、年齢を越えた出会いがあります。一緒に歌いませんか」。同隊は毎週木曜夜が練習日。隊員募集中。板場代表рO90‐2750‐5047。

たったひとりの卒業生、秋山小学校、来春から分校  3月20日号
 鳥甲山の麓に抱かれる、長野県下最少人数の秋山小(平野弘蔵校長、児童3人)。2年後に栄小の分校にと、栄村教委から方針が示されている。春を感じさせる陽気が包んだ18日に卒業式を行い、たった1人の卒業生の福原由羽(ゆう)君が通い慣れた学び舎を後にした。

 創立56年の同小。現在の児童は1年の福原弥夢(ひろむ)君、5年生の魚田宝来(たから)さん、そして卒業を迎えた由羽君。後輩に『由羽にいちゃん』と呼ばれ、ずっと優しく導いてきた。栄中に進学する由羽君は「中学では科学部に入りいろんな実験をしてみたい。沢山の友だちを作り楽しい生活を送りたいです」と瞳を輝かせる。保護者の福原道世さん(39)は「由羽は体が小さく不器用な子でしたが、地域の皆さんが育ててくれ、宝来ちゃん、弥夢君のおかげでお兄ちゃんになれました。ありがとう」と目頭を押さえた。由羽君は地域住民ら20人余に見送られ、笑顔で母校を巣立って行った。

 2年後の分校化を前に、4月から校長職は栄小校長が兼務する方針。代わりに教諭が1人加配され、現在と同じ6人の教職員体制で児童2人を指導。地元の山田信作さん(70、屋敷)は「独立校で無くなるのは寂しいが、子どもは地域の宝。変わらず支える」と話した。

のっとれ松代城、全国から450人出場  3月20日号
 ○…「冬将軍の手にある松代城を取戻し、城下に春を呼べ」―。松代城一番乗りを競う雪中鉄人レース「のっとれ! 松代城」が快晴に恵まれた15日、松代総合グラウンド周辺で開かれた。越後まつだい冬の陣として今回が28回目。全国から449人の戦士が参加、高さ7b余りの網を乗り越える「騎馬止め破り」や垂直に近い「雪砦」などの難関を乗り越えながら松代城をめざした。

 ○…出場した戦士は16歳から74歳まで男328人、女121人。屋久島や会津大トライアスロン部などからの「援軍」も。城下町から山頂の松代城まで、標高差約200b、延長約3`の雪上に10箇所余りの難関があり、これを乗り越えて、山頂の松代城一番乗りを競った。

 ○…レースの結果、見事一番で入城を果たした村山亮さん(39、十日町市)は第22、23代に続いて城主を奪還。また前回に続き女性1位となった荒井佳子さん(44、魚沼市)が侍大将に任命され、それぞれ魚沼コシヒカリなど賞品を獲得した。なお、完走者の中から抽選で城主になった村山さんや小川友和さん(31、十日町市)ら5人に「ハワイ遠島の刑」が言い渡され、大喜びで刑を受けていた。

さよなら原発、松之山でピースウォーク  3月13日号
 ◎…「サヨナラ原発」「子たちに安全安心のエネルギーを」など、思い思いのプラカードを掲げ、『原発反対、再稼働ありえない』と連呼しながら、愛犬のペット連れや親子参加など50人余が脱原発の掲げ、いまだ2・5bの雪壁の松之山の中央通りを行進した。8日行った「さよなら原発、平和大行進」には地元はじめ東京、福島からも参加、2時間余り行進した。主催のバイバイ原発ピースウォーク実行委員会の船橋聖一さん(60)は「フクシマの事故以来、みんなが思っていること。その思いを行動にすることが大切」と、チンドン屋スタイルで鳴り物で連呼をリードした。

 ◎…「いま、自然を汚さない安心。安全なエネルギー作りがあちこちで始まっている。地球に原発はNO!。この思いを込めて」と地元民らで平和行進を企画。アピール宣言の横幕と荷台にヤギを乗せた軽トラックを先頭に、ムシロ旗やノボリ、思いを書いたプラカードを掲げ行進。新潟県の自然の象徴で国保護鳥トキのコスプレ、営農のミノや笠の装束など思い思いのスタイルで行進した。

 ◎…東京から参加の樋口千鶴さん(63)は、東京電力の1株主運動に参加する。「あの震災とフクシマの事故。安心して暮らせる社会を次の世代に伝えるのが私たちの役目。この雪深い松之山で、こういう動きがあることは頼もしいですね」。福島・大熊町出身で、すでに6ヵ所の避難先を経て昨年から新潟市に移住している大賀あや子さん(42)は「子たちへの健康被害が一番心配。多くの方々から原発の危険性をもっと知ってほしい。ここ松之山も柏崎刈羽原発から30`圏エリアで、フクシマは他人事ではないはずです」と原発被災者の立場で脱原発・原発廃炉の必要性を訴えた。

10代のまなざし「人に近い医師に」 津南中等校6学年 丸山里緒さん   3月13日号
 日々の学習の中で自ら編み出した勉強方法がある。『間違いの見える化』。テストや試験問題でミスを繰り返さないため。「同じような間違いを繰り返す、これほど悔しいことはありません。間違えたことをノートに記録します。出来なかったことを視覚的に表すことで、何を間違えたか、すぐに見られますから」。

 同じミスを繰り返さない。その集大成が新潟大医学部医学科への道につながった。小学時代から漠然と「お医者さんになりたい」と、淡い思いを抱いていた。だが、中高一貫校進学で進みたい道が見え始め、自分にスイッチが入ったことを自覚した。「将来進む道は、可能な限り広い選択の中から選びたかったです」。津南中等に進んだ思いがここにある。学年を経るにつれ医師への思いが増し、理系への進路が「医師になる」思いを決定づけた。

 「これまでで一番勉強した1年間だったと思いますが、自分よりすごい人はいっぱいいます」。今期、同校では医学部医学科合格は3人おり、国立大合格も多数。同じ川治小出身で津南中等6年間も一緒だった高木祐香さんも新大医学部に行く。4期生67人は17日、卒業を迎える。「この津南中等に入って出会った仲間たちは、本当に最高の仲間たちです」。

 新潟県内の医療機関の医師を育て、サポートする新潟大医学部。「まだ分野は決めていません。これから学ぶ中で自分で見つけていきたい。ただ、地域医療に役立ちたい思いは強いです。人に近い医師になりたいです」。
                  (恩田昌美)

再生エネルギーで「十日町電力」設立を、関口市長提唱  3月13日号
 再生可能エネルギーの取り組みが全国で進むなか、発電所の不正取水問題以降、地域資源を素材に再生可能エネルギーの実証実験や研究に取り組む十日町市は、将来的な方向性として『十日町電力』の設立を視野に入れている。市議会3月定例会の一般質問初日の9日、関口市長が構想を打ち上げた。これは、新年の年頭挨拶で『市内消費電力の30%を再生可能エネルギーでまかないたい』と述べたことを取り上げた市議の質問に答えた。「新春の大ボラかもしれないが、実現不可能なものではない。いや、実現できる要素がある」と、『十日町電力』設立を視野に入れていることを表明した。

 フクシマ原発事故以降、自然資源や地域資源を活用する再生可能エネルギーへの取り組みが加速し、太陽光発電、バイオマス発電、さらに地域の中小河川・農業用水などを活用する発電事業に取り組む自治体、民間が数多く誕生している。その中で地元資本や民間参入で電力会社を立ち上げ、電力の自由化を受け、地域の消費電力を供給する動きが全国的に広がっている。

 市議会では、話題の『里山資本主義』を小野嶋哲雄氏が取り上げ、この中で再生可能エネルギーへの取り組みを求めた。
市によると、市内の消費電力は東北電力発表をもとに試算すると、総消費電力は31万7千メガh。内訳は一般家庭(100V)で12万6511メガh、事業所(200V)で19万618メガh。これを1kW当たり料金で換算すると、一般家庭(1kW20円)で約25億3千万円。事業所(同15円)28億6千万円で、総消費電力による電気料金は53億9千万円になる。小野嶋氏は、「この10%でも地元で供給できれば、大きな地域経済の循環が生まれる」と指摘する。

 同市では、再生可能エネルギーへの取り組みを始めている。新年度事業では中里・程島で小水力発電事業に取り組み、国内有数の温泉源、松之山温泉では「バイナリー発電」の実証事業を継続。さらに家庭ゴミのオムツの再資源化によるバイオマス発電の実証を継続中など、再生可能エネルギーへの取り組みを強めている。
関口市長は、「市内消費電力の30%程度を再生可能エネルギーでまかなうという目標は、実現できる要素がある。『十日町電力』の設立などを視野に入れながら、積極的に取り組んでいきたい」と強い姿勢を示している。
                (恩田昌美)

告示まで2週間、県議選、いぜん流動的  3月13日号
 来月3日告示、12日投票の県議選・十日町市津南町選挙区(定数2)は、現職で7選めざす村松二郎氏(60)と6選の臨む尾身孝昭氏(61)の両現職以外に出馬の動きはないが、4年前の前回も告示直前に新人出馬が決まった経過があり、なお流動的な情勢だ。
前副議長の尾身氏は今月1日に事務所移転。18年間設置した市内高山の事務所から西本町の越後交通十日町営業所前の旧医院に事務所を移設。7日には県議選対本部の事務所開きを行い、関口市長、水落敏栄参院議員、市議12人、津南町村山副町長、町議2人など50人余が出席、6選めざす活動をスタートした。

 尾身選対の西方勝一郎本部長は「頼まれ事は試され事。この気持ちを常に持ち、悪い病気に罹らぬこと。それは、自分に対する甘え、うぬぼれ、おごり、マンネリ、やっかみ。6期目当選は必ずや大きな力になる」と総力戦への協力を呼びかけた。水落参院議員は「若くして父を亡くしている尾身氏。『変区』を知っている人。だからこそ地域のために働ける人だ」と支援を要請した。
尾身氏は「この地に暮らす人間が、この地のことは一番良く分かる。この地に住んでいるからこそ、この地の住民の痛み、思いが分かる」と地元を強調。今回の県議選の尾身選対のテーマは『愛郷無限』。さらに旧6市町村の主要取り組みを掲載した「後援会報」を発行するなど臨戦態勢で臨んでいる。

 なお、村松二郎選対は12日夜、市内昭和町通りの「和光」2階で事務所開きを行い、選対本部長には後援会連合会長の桾沢英男氏が就き、活動を本格化させている。
 県議選の事前説明会は13日午後、長岡市と上越市などで開く。

忘れない、震災から4年  3月13日号
「被災地十日町から東北の被災地へ復興の祈りを」と、東日本大震災から4年となった11日、十日町市本町2のポケットパークで追悼セレモニーが開かれ、市民ら200人余りがキャンドルに火を灯し黙祷をささげた。

 東日本大震災に続き長野新潟県境地震は翌12日午前3時59分に発生、死者3人、家屋の全半壊653棟と大きな被害が出た。同セレモニーは、市民団体「市民活動ネットワークひとサポ」が東日本大震災と県境地震からの復興を願い企画。郡市曹洞宗青年僧侶の会による法要を行い、復興の祈りを心の明かりでと、キャンドルで「わすれない」の文字を灯した。震災ボランティア「心と心プロジェクト」の樋口道子さん(69)は「被災地の復興はまだまだ。私たちが震災を忘れないことが大切」とキャンドルに手を合わせていた。

最優秀は「とちころりん」、秋山郷料理コンテスト  3月13日号
 秋山郷観光振興をねらいに募集した「第1回津南町・栄村・秋山郷『食の祭典』名物料理コンテスト」の最終審査会は8日、町総合センターで行い、応募44点の中から一次審査を通過した9点の考案者が登場。公開審査で入賞5点を決め、最優秀賞は津南町結東の山田恵子さん(63)が考案した栃の実クッキー『とちころりん』が選ばれた。入賞作品は今後旅館や飲食店向けに料理講習会を開き、新名物料理として提供を呼びかける方針だ。

 最優秀賞の『とちころりん』は、栃の実ペーストをバターに良く混ぜ、津南産コシヒカリ米粉の生地に練り込み、オーブンで焼く。米粉のサクサク感と栃の実特有の苦みがポイント。地元山田さんは「栃の実は縄文時代、約4千年前から食べられている大地の恵み。地元のお母さんたちからアク抜きを習いました。昔から食べられている栃の実ベースの料理を作りたかったんです」と喜ぶ。
県境を越え観光振興を図る信越秋山郷会(相澤博文会長)主催の初企画。応募44点のうち、新潟県内は29(津南町21)、長野県から13(栄村7)点、埼玉や奈良から応募があった。審査員長は長野市の石坂学園・長野調理製菓専門学校の石坂豊明校長。『とちころりん』を石坂審査委員長は「栃の実はアク抜きに大変な作業がいるが、山に行けば手に入る材料である点を評価した。これは売れる商品だ」と講評した。

 入賞作品は次の通り。
【最優秀賞】「とちころりん」(山田恵子)【優秀賞】▼「大地のカレー」(恩田正幸、埼玉・美芳町。ホワイトソースを雪に見立てたカレー)▼「苗場山麓ジオパークの晩秋(白菜と豚肉蒸し料理)」(風巻晃子、津南町大割野。白菜とつなんポークを何層も重ね河岸段丘をイメージ)▼「SEASONがレット」(出澤真理子、飯山市。つなんポークや雪下ニンジンなど使用のそばガレット)▼「苗場山麓の恵みロール」(大関和子、津南町加用。旬の地元産野菜を一口サイズにキャベツで包む)

自信持ち飛躍を、十日町高卒業式  3月13日号
 十日町高(鈴木重行校長)で5日、第67回卒業式が行われ、鈴木校長は「皆さんは不確定で混迷の社会を引き継がなくてはならないが、自己の利だけでなく、人生を社会のために使ってほしい。辛く苦しいこともあるが、十高生ならできるという自信を胸に飛躍してほしい」と激励の言葉を贈った。

 卒業生代表の井ノ川飛鳥君は、高校生活の思い出と成長の過程を振り返り、育んでくれた教職員と家族への感謝を述べた後「この学校での経験を糧に希望に満ちた一歩を踏み出す。それぞれの道に進むが、自分らしさを忘れずに歩んでいく」と旅立ちを言葉にした。校歌斉唱後、在校生、保護者の拍手を受けながら、全日制295人が母校を巣立って行った。

雪国文化、ワラ工芸を次代に  3月13日号
 ○…雪国に伝わるワラ技術の伝承をと、津南ワラ工芸会(松本文子代表)は7〜13日、津南町なじょもん館で実演・販売会を開催。7、8日は基礎となる縄ないを始めワラジ、テゴ(手籠)、スゲボウシ、ミノの作り方など実演。さらにメンバーが作った十二支を象ったワラ自由工芸品を展示するなども飾り、ワラ細工の魅力をアピール。松本代表(鹿渡)は「基礎の技術がわかれば新たな創作品も作れます伝統プラスアルファの可能性を示し、技術を守りたい」。

 ○…7、8日は川崎市の日本民家園を拠点に全国のワラ技術保存を図る民具製作技術保存会(中島安啓会長)の会員7人が来訪。同会は8年前にも津南を訪ね、雪国のワラ細工を地域のベテランたちから学んでいる。普段はソフト開発会社の営業部長として働いている中島会長(51)は「津南はわら技術がまだ日常生活に根付いており、どう使いやすくするかなど個人の工夫が残っており面白い。こんな地域はもう少ない」と稀少性を話す。なお同工芸会は3月25日、4月4・12日はそだき苑でワラ細工体験会を開く。時間は午前9時〜午後3時半まで。問合せは松本代表рO25‐763‐4393。

清津川分水問題、「下流住民の思い無視だ」、中里住金怒る  3月6日号
 東京電力・湯沢発電所は屋根崩落で発電ストップするが、同社は導水管でつながる下流の石打発電所のフル稼働をめざし先月6日、河川法による水利申請(取水口変更)を行い、国許可を待っている。一方、清津川の分水問題の直下流、旧中里住民らで作る清津川流水問題懇談会(会長・山本茂穂・旧中里村長)は3日、東京電力に出席を求め、湯沢発電所問題、さらに今回の取水口変更申請の説明会を中里支所で開いた。流水懇メンバーや清津峡の温泉宿経営者など30人余が出席。住民からは「なぜ今回、取水口変更申請をしたのか。県仲介の協議で実証しようとしている魚野川に頼らない水資源確保の検証ができる絶好の機会だ。申請を取り下げるべきだ」などと厳しい意見が相次いだ。東京電力・信濃川発電所の津留猛彦副所長は「被害を受けていない石打発電所を稼働し、安定送電をしたい」と国申請の目的を話す。

 清津川分水問題は、大正12年の同発電所稼働から続き、直下流の中里地域の最大の懸案事項。流域の集落や土地改良区、観光業、議員など流域全体で作る流水懇は旧中里時代から再三、東京電力に分水解消の要望や放流増量などを、同社本社まで出向き要望しているが改善されていない。
 今年1月10日の湯沢発電所屋根崩落による発電ストップは、泉田知事の仲介で実現した『清津川に頼らない魚野川の水資源確保を検証する』、その絶好の機会となった。それは湯沢発電所の発電ストップで、上流の清津川発電所、さらに湯沢発電所の三俣取水口からの取水がストップし、全量が清津川に流れる「自然流況」が実現している。
 このため、地元十日町市の関口市長は「復旧するまで数年かかると見られるが、この間、自然流況が実現し、本来の清津川の姿を年間通じて見ることができる。この自然流況のなか、魚野川にどんな影響が出るか、しっかり調査検証してほしい」と仲介した県に要望している。

 だが、今回の東京電力の取水口変更申請で、この『自然流況』が国の認可後、再び取水されることになる。流水懇の山本茂穂会長は「今回の申請は青天の霹靂だった。申請前に地元に説明に来るのは事業者の責務のはずだが、我々が依頼してようやく説明に来た。この誠意ない姿勢には大きな怒りを抱く」と東電の姿勢を疑問視。流水懇事務局の上原正孝局長は「石打発電所は魚野川からの水利権を持つ。魚野川からの取水で発電すればよい。今回の取水口変更申請は我々下流域の住民の思いを全く無視する背信行為だ」と手厳しく東電の姿勢を糾弾している。

 今回の取水口変更申請に対し、国はすぐに新潟県知事に意見照会し、県は10日、関係地元の十日町市、南魚沼市、湯沢町など複数の自治体に意見を求めている。関口市長は「市民感情として納得できる話ではない。県は自然流況の状態でしっかり調査してほしい。東京電力は下流域の思いをしっかり受け、魚野川からの取水だけ石打発電所を稼働すべきだ」と県や東電への要望を考えており、「回答期限はないが、回答する」と慎重に時間をかけ回答する方針だ。

 今回の地元説明を受け、東電の津留副所長は「地元の皆さんの意見を伺った。この意見を社内の関係部署に伝えたい。ただ本社の方針に変わりはない」と、厳しい意見を受けながらも、申請を取り下げず、国の許可を待つ方針だ。

明日へ「あの日がおしえてくれた」県境地震から4年、自作詩でライブ、本山実里さん  3月6日号
 未曾有の言葉そのままの大災害となった東日本大震災。その翌日早朝、長野新潟の県境を震源地とする震度6強の地震が発生。あれから今月12日で4年が経過する。復旧から復興へ。ここ被災地は震災跡が消えつつあるが、住民の記憶の中からは消えない。震災発生時、ふるさとから遠い千葉で震災を知り、生まれ育った家を失った20代の女性の思いを聞いた。

 あの日、千葉市の学童保育施設で10人の子たちと一緒にいた本山実里さん(26)。「ここが震源地だ、と思うくらいの激しい揺れでした」。2011年3月11日。東日本大震災。激しい余震が何度も続き、不安な夜を迎え眠りについたが、翌早朝3時59分。再び強い地震。携帯の地震速報は『震源地、長野県北部』だった。 
 すぐに松之山の実家に電話。幸いすぐに通じた。電話口の母が言った。「家が崩れそうで、みんなで避難しているところだよ」。えっ、耳を疑った。家が壊れたの? 家には両親、祖母、妹と弟がいた。幸い皆無事だった。
 信じられない思いで2日後、松之山へ。家族は避難所の旧浦田保育所に。母や妹弟の顔を見て、それまで抑えていた思いが一気にあふれた。「抱き合って泣きました」。
 この年の3月は節目の春だった。千葉大教育学部を卒業、大学院進学を迷っていた。小学6年の弟は卒業の春。さらに大雪で春が遅い年だった。
 
 倒壊寸前の家が取り壊され、新地になった我が家跡。「家があった頃の記憶がなくなってしまうのが怖く、前を通っても半年くらいは見られませんでした」。喪失感の大きさを感じた。
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 震災から4年。我が家を失った想い、時間の流れで自分を振り返るなか、あふれる言葉を詩にした。知人の音楽家が曲をつけた。4年目の12日、知人の店でライブを開き、『あの日がおしえてくれたこと』を歌う。
 「あの頃、絆という言葉がいろいろな場面で言われましたが、私の思いは、『そんなきれいごとではない』という想いの方が強かったです」。迷いを吹っ切り千葉大大学院へ。小さい頃から何かを書くことが好きで、絵本作りにも取り組んだ。
 「私は何かあると人に相談するより、まず文字にします。それにより客観的に自分を見ることができますから」。小さい頃から日記を付け、詩も書いてきた。
 大学2年の時、出会いがあった。「面白い人だなぁが第一印象ですね」。大学院の先輩で、当時は近代日本文化史の研修者であり、音楽家でもあった『高橋在也(ざいや)』さん。「本名なんですよ」。同じゼミで時々顔を合わすようになり、詩を時々見てもらったりした。
 ピアノなど鍵盤系の楽器や弦楽器も演奏する高橋在也さん。東京農工大の非常勤講師でもあり、千葉市美術館の展覧会の音楽創作も担当。34歳ながら、その顔は多彩だ。
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 3・12。地震の年の5月。「言葉が自然に出てきました。地震が何かを教えてくれたような感じでした」。その詩は『ゆうがたの屋根のうた』。夏に高橋さんを含めゼミ仲間と家に帰り、この歌を歌ったら母が泣いた。失った我が家の情景が、言葉になって、曲になっている。

 西の空が熟してきたら/湯気のこぼれるあの窓に帰ろう/誰かが 灯した明かり/ぼくのかえるみちしるべ
 あぁぼくが帰りたいのは/瞼の裏の青い屋根/このまま目を閉じ て歩こうか/懐かしいあの路を

 人は言葉にならない言葉を発する時、『あぁ』が出る。詩『わたしもあぁにこめてみる』は、まさにその気持ち。
 「言葉では、うまく表現できないふるさとへの想いを、詩というツールで、その場にいる人たちと共有できたらと思います」。12日夜7時、『3・12メモリアルライブ〜あの日がおしえてくれたこと』を、地域づくり仲間の高木千歩さんの店『ALE』で開く。「父は在也さんの一番のファンです。喜ぶでしょうね」。
                  (恩田昌美)

栄村激震から4年、元気印の拠点、直売所に集う、今春プレオープン  3月6日号
 早朝3時59分、それは轟音と共に襲ってきた。3月12日。長野新潟県境地震。震源地の栄村は震度6強の激震に襲われた。震災関連死3人、全壊家屋27戸、被害家屋726戸、農地被害千2百ヵ所など栄村史上最悪の震災となった。あれから4年。道路や農地は復旧し、家を失った人は災害公営住宅で新たな生活をスタートしている。復興のシンボルの一つが国道117号に隣接する道の駅「信州さかえ」脇の『農産物直売所」。昨年、運営組合を結成、今春の山菜シーズンにプレオープンの予定。震災跡が消えつつあるなか、住民は新たな村の拠点となる直売所開業に向け歩みを進めている。

 国道117号、県境の地に架かる宮野原橋近くにある「道の駅・信州さかえ」。村の特産販売と食事処を備えた栄村物産館「またたび」の隣に、物産館と同じような雁木を備えた木造の建物が姿を現している。震災復興基金などで栄村が建設し、地元農業者らで作る運営組合が経営する直売所だ。
 国道に面した直売所は木造一部2階、延べ213・8平方bで、直売スペースのほか加工品試食コーナー、敷地内にあったソフトクリーム販売所、2階には休憩所を設ける。駐車スペースも広がり、課題の大型バスの出入りがスムースになる。

 昨年12月21日。地域の農業者らで「栄村農産物販売所・運営組合」を参加希望40人余で立ち上げ、会員はその後増え、50人近くになっている。組合長にはアスパラ生産者の滝沢総一郎さん(64・程久保)が就いた。副組合長は元村会議長の藤木八十治さん(72・極野)。組合内に「運営委員会」を設けたほか「野菜穀物部会」「加工品部会」の専門グループを作り、役割分担と共に特色ある経営をめざす。さらに日常的な業務の担う常勤・店長を置く方針だ。
 同組合は今月1日には新潟の川口や十日町の先進地を視察し、15日には上越・安塚を視察。さらに定期的に県外などから講師を招き『産直塾』を開き、開業に向けた準備と共に、組合員の意識の共有をはかっている。

 組合長の滝沢さんは「この直売所は生産者の収入源であると共に、この直売所を通じた仲間作り、さらには元気づくりの場にしたい。高齢化が進むが、野菜作りなど自分ができる農業を通じて、年を取っても元気でいられる拠点にしたい。そうすることで栄村は元気になるはず」と期待感を込める。本格的なオープンは今夏7月だが、山菜シーズンの4月下旬から5月中旬までプレオープンし、「皆さんに慣れてもらうと同時に、この直売所の存在を広めたい」としている。
 すでに野菜生産の品種選定や農業普及センターの専門員などの栽培指導を受け、「安全安心でうまい農産物を」と合言葉に、雪消えを待って作付けを開始する方針だ。建設総事業費は約1・8億円。国の復興交付金(約4千万円)と栄村復興基金(約4千万円)が投入されている。常勤店長も内定し、春のプレオープンに向け準備が進む。

10代のまなざし「南雲奈々さん・十日町1年」書道パフオーマンス  3月6日号
 背丈を越す大きな真っ白な用紙。息を吸い、心を落ち着かせる。好きな音楽が流れる。筆に墨をつけ、リズムに合わせ、えいっとばかり書き始める。最初のひと筆が一番緊張する時。
 「高校での書道パフォ
ーマンスは先輩が5年前から始めていて、部活動の伝統になっています。ひとりではできない迫力があり、そこがいいと思っています」。
 文化祭では8b×5bもの大きさの用紙に筆を走らせ、高校生らのイベント・青春フェスタでは十日町本町通りでもパフォーマンスを演じた。
 「青春フェスタでは中越地震から10年から経ち、復興への思いを込めて『不死鳥』をテーマに書きました。音楽は『ジュピター』と『虹色』。良い思い出になりました」。

 今年の市民書初め大会では会場のクロス10のステージでパフォーマンス。小中学生たちも目にした。
 「子どもたちが大勢いたし、多くの人が見ている前で行うのは気持ちがよかったですね」。
 小学校の時から習字は好きだった。コンクールで特選なども受け、高校入学と同時に迷わず書道部を選んだ。
 「次の文化祭は私にとって高校最後の書道パフォーマンス。文字や曲など内容はまだこれからですが、大勢の人から見に来てほしいです」。
 高卒後は薬剤師をめざし大学に進む。今年は高校時代最後の1年間になる。
 「白い紙に文字を書き込んでいくように、一歩ずつ自分の道を歩んでいきたいです」。
                    (村山栄一)

先生ありがとうございました、大石医師退任  3月6日号
 ○…「大石先生、長い間ありがとうございました」―。平成8年3月から19年間、国保・倉俣診療所をベースに週2回、室野診療所へ出張診療していた大石晋医師が3月末付で退職。両診療所で地区住民らがそれぞれ大石医師に花束を贈りこれまでの診療に感謝した。花束を受けた大石医師は「ありがたい。感謝します」と涙で声を詰まらせていた。

 ○…このうち倉俣診療所では先月27日、雪が降るなか地区老人会員らを中心に50人余りが集まり長年の地域医療に感謝の気持ちを表した。山本茂穂元村長は「突然の休診に驚き、市の方に談判したが遅かった。大石医師には長い間の診療に感謝する。早く再開できるようお願いしていきたい」と話した。同地区では診療所の再開を求めすでに1230人の署名を市に提出しているが、さらに同地区振興会でも署名を集め、近く市長に提出する方針だ。なお、怒奈川地区でも室野診療所の再開を求め439人の署名簿を市長に手渡している。

横田さん夫婦、拉致被害訴える、下条中学で  3月6日号
 北朝鮮による拉致被害者、横田めぐみさん(50)の両親、滋さん(82)と早紀江さん(79)による人権講演会「拉致被害者の早期救出を求めて」が、先月26日に下条中学校(丸山実校長・生徒95人)で行われた。同校では年間を通じ授業と生徒会で人権教育に取組み、その締めくくりとして横田夫妻を招いた。一昨年にも拉致被害者の蓮池薫さんを招き「夢を持てる環境と家族の大切さ」について講演を行っている。

 1977年11月、新潟市での失踪当時について横田さん夫妻は「13歳のめぐみは、皆さんと同じような制服を着ていた。バドミントンの強化選手に選ばれ部活後の夕方に帰宅するはずが遅くなっても帰って来ない。学校や近所を必死に探すが分からない。警察も出動し、公開捜査もするが行方は分からなかった。私達には探しようがなかった」と語った。20年も経った1997年、めぐみさんが北朝鮮に拉致されたらしいという情報がもたらされた。2002年、蓮池薫さん達が小泉首相によって帰国したが、その後、日朝交渉はまったく進展していない。「娘は死亡したという北朝鮮の報告だが、矛盾点が多く信じがたい。被害者の両親で健在なのは2組だけで時間がない。皆さんも署名活動の機会があったら協力を」と一刻も早い救出を訴えた。

 早紀江さんは「泣きながら探しまわった。警察犬がめぐみの匂いを見失った地点で車に引きずり込まれたのか。20年経って初めてピョンヤンで生きていることが分かり、喜びは大きかった」と話す。「しかし、これから羽ばたこうとした若者と家族が地獄の苦しみの中にいる。微力だが解放に向け頑張りたい。こんな人間が生きていること知り、日本政府の対応を見つめて下さい」と救出を諦めない覚悟を語った。
 講演を聞いた2年生の近藤愛さんは「つらい体験の中から、めぐみさんに対する愛情を感じ、何気ない毎日が大切なことを知った。ご両親の活動が報われることを願っています」と話した。

4年間の学び舎卒業、自分らしく、十日町高定時制  3月6日号
 ◎…「4年間、皆勤賞でした。よく声を出してクラスを盛り上げてくれた。4月からは正社員だ。地道に君らしく歩んでください」。「仕事を始め、大人になった。職場での誠実な姿に感銘を受けました」。担任の相馬謙教諭は、一人ひとりの名前を呼び、思いを込めたメッセージで、卒業の門出に祝った。県立十日町高定時制の第65回卒業式は2日、同校で行い、4年間、夜学に通った31人が卒業した。

 ◎…生徒会長で全校を引っ張ってきた柳原嘉輝さんは、内気だった自分を変えるために生徒会長に立候補、さらに4年間のアルバイト経験から「今を変えるには、現状から逃げては、何も変わらない」と後輩にメッセージを贈った。鈴木重行校長は「置かれた場所で咲きない」とその場、その仕事、その立場で、周りの人を幸せにしてほしいとはなむけの言葉を贈った。卒業生に後輩が赤いバラの花を贈り、卒業生は4年間の学び舎を後にした。

酒蔵と温泉旅館のコラボ酒誕生、苗場酒造  3月6日号
 ○…昨秋から津南町の地酒蔵元・苗場酒造(新保光栄社長)と町旅館組合(山岸祐二組合長、12軒)がコラボレーションし製作中だったオリジナル酒「純米大吟醸・苗場山」が完成。今月1日から町内旅館利用者に提供開始。同酒造では店頭販売し、さらに一部は雪中貯蔵し5月頃に提供開始する計画。1月末に先行販売の「純米大吟醸生原酒・苗場山」も合せて提供・販売中。2日間で10万人余が来訪する今月14、15日に開く「にいがた酒の陣」でも販売し、津南地酒をアピールする。

 ○…原料は津南産五百万石を使用。稲刈、仕込み、絞りなど酒造り作業を同組合員も参加。両酒とも飲みきりサイズの180_gで税込6百円。少し曲がった三角錐ボトルが特徴で、瑠璃(るり)色の純米大吟醸、浅葱(あさぎ)色の原酒と見た目にもこだわった。山岸組合長(しなの荘)は「ここ津南にしかないお酒、アピールに繋げたい。来年も継続し、一緒に津南を盛り上げたい」。新保社長は「旅館、酒造との相乗効果を期待できる限定酒。一緒に酒造りを続け、地酒文化を守りたい」。純米吟醸は限定5千本、原酒は限定1600本。

雪のマイスター、匠の技、十日町雪まつり雪の芸術  2月20日号
 ◎…十日町雪まつりの雪の芸術作品史上初めての、アッと驚く作品が今回、ついに登場した。昨年に続く最優秀賞・市長賞受賞の「あてま有志の会」が製作した『ふるさと』。高さ15bの巨大かまくらの内部に、その作品はある。20日夜の巡回審査に来場した審査員も、「これはすごい。この発想がまずすごい。どうやって彫ったのか」と感嘆の声が上がっていた。

 ◎…あてま有志の会は、当間高原リゾート・ベルナティオとエリアの関係民間の有志のグループ。高さ15bの巨大かまくらの内部を掘り、そこに作品を造る、この発想についてベルナティオ営業グループ・齋木正義支配人は話す。「雪まつりの3日間、安定的に来場された皆様に雪像を見ていただくためには、どうすれば良いか、という視点から、ならば中に造ろうとなったわけです」。テーマ『ふるさと』は、鮭のふるさと回帰をモチーフに、2b余りの大きな鮭が飛び跳ね群れる様を造形。期間3千人近くが訪れ、ブルーライトの神秘的な作品に魅了されていた。

 ◎…同様に連続最優秀賞・市長賞の「アウト・ドア・ファミリー4クラブ」の『溟海神王・ポセイドン』は、立体造形の美の極めた作品。高さ8b、幾重にも重なる作品群は、その製作技術の高さを物語っている。造形を浮き上がらせるライティングで、来場者をファンタジーの世界に誘う。埼玉からの女性は「これが雪で作ったものですか。素晴らしいです。十日町の皆さんは雪のマイスターですね」と写真を撮っていた。

写真・市長賞の「ポセイドン」

きもの女王決まる、十日町出身の荒川さんら3人  2月27日号
 ○…第4代きもの女王に笑顔広がる―。十日町の観光大使役を務める「十日町きもの女王2015」本選会が十日町雪まつり最終日の22日、クロス10で開かれ、3人が栄冠に輝いた。
 ○…女王となったのは長岡市出身で着付けの指導もできる早大4年生の渡邊桃子さん(22)、阿賀野市の同市役所臨時職員で相撲観戦が大好きな田中菜々子さん(27)、十日町市西本町出身で今後乗馬を楽しみたいという東京世田谷区在住の主婦・荒川真美さん(30)。
 ○…応募者は昨年より6人少ない40人で、うち書類選考で選ばれた12人が本選会に出場した。選ばれた3人はそれぞれ「本当にうれしい。十日町の親善大使としてきものやイベントを全国にアピールしていきたい」などと抱負を語った。

子どもたちがジオパーク賛歌、発表会で熱唱  2月27日号
 「津南、栄村の魅力をもっと知って欲しい」と、津南小(涌井泰二校長、263人)の6年生50人企画「苗場山麓ジオフォーラム」を28日町文化センターで開催。副題を「未来の津南のために、今、わたしたちができること」とし、1年間総合学習を通し学んだ苗場山麓ジオパークを通し、故郷を知って貰う情報発信方法を提言した。

 子どもたちは調査を勧めるなか「ジオパークがどんなものか知らない人がまだ多い」と実感。昨年11月、未来を担う子どもにも親しみやすい情報発信をと、ゆるキャラ考案やジオサイト(景勝地)を題材とした絵本配布、紹介動画「おらのつなんまち!」、オリジナルPRソング「Takaramono」など製作。上村町長や保護者ら参集の150人余に披露、大拍手を受けた。
 同小6年生はジオサイトを巡りPR新聞を作成、町なじょもん館などに展示するなど積極活動。「もっと魅力を知って貰いたい」と昨年11月に子どもたちから声が上がり、フォーラム開催を決めた。児童が作成した絵本12作の中から、50部冊子化した2本のうち1本に選ばれた小島弥子さんは「地元の人にジオパークのことを聞くと、まだどんなものかわからない人が多かったんです。絵本なら皆が気軽に読んでくれます。もっと知っている人を増やしたい」と笑顔。

 PRソングは児童作詞、作曲は学年主任でギター歴17年の渡邉和幸教諭(33)が担当。総合学習を通し「今まで漠然と『自然が良い』だったのが、『龍ヶ窪の水はエメラルドグリーンに見えます』など子どもたちは具体的に話せるようになった。今後も地元の魅力を自分の言葉で話せるよう成長してほしい」と話す。
なおPR動画とPRソングを収録したCD、オリジナル絵本は町内保育園や小中学校、町図書室に配布。カルタは資金不足で未製品化なため子どもたちは「上村町長、教委の皆様、協力をお願いします」と要望していた。


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