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2014年11月の津南新聞「トピックス」

過去の津南新聞トピックス
水沢WINS 、長岡地区大会で優勝  11月28日号
 妻有勢初の快挙を達成した。第29回長岡地区ミニバスケットボール大会は8、9、24日に長岡市で開き、男子「水沢WINS」(磯部海斗主将)が優勝。強豪が集う長岡地区制覇は妻有勢から初めて。子どもたちは「県大会ではひとつでも多く勝ちたい」と勢いに乗る。県大会は6日から新潟市で行う。
 大会は28チームが出場。夏大会同地区準優勝でシードの水沢は2回戦で栃尾ウィザーズ、3回選越路Jrを破り、決勝リーグに選出。勝ち上がった4チーム総当たりで決勝は競い、水沢は小千谷SSに46‐36で勝利。次いで夏大会で敗れた前大会覇者の上組こだまキッズと決戦、43‐36の接戦を征し雪辱。波に乗り希望フェニックス(長岡)を54‐33で下し、決勝リーグ3戦全勝で初優勝を成し遂げた。

 他チームが全員5、6年で選手を固めるなか、水沢はメンバー30人余のうち6年は5人のみで、4・5年も出場。平均身長は150a余と小兵だが、チームワークと日頃の練習で鍛えたディフェンス力で相手を抑え込み、勝ち星を積み上げた。エースの磯部主将(水沢小6)は「厳しい練習でみんな基礎がしっかりできている。持ち味の堅い守りで、県大会はベスト4をめざす」と意欲。一方、コーチ歴8年で長岡地区制覇を達成した保坂祥子ヘッドコーチ(27、伊達)は「目標を優勝に掲げた子どもたちの意識は高く実際に達成できました。県大会はチャレンジャーとしていつも通りプレーし、楽しんで貰いたいです」と喜びを語った。
 出場選手は次の通り。
◆6年=磯部海斗、興野孝太郎、本間大智、保坂有希、齊木瀬名(以上水沢小)◆5年=福崎瑠斗(馬場小)宮澤真広、上村優生(以上水沢小)◆4年=小林莉央、興野伸吾、宮澤悠、保坂大樹、上村春結、高橋侑也、金澤颯太(以上水沢小)

サケ、清津川を上っていた、遡上を確認   11月21日号
 JR東・信濃川発電所の宮中取水ダムのサケ遡上調査は今月10日で終了し、前年を大きく上回る、発電所稼動以来の最多736尾のサケ遡上を確認した。一方、約21`上流の東京電力・西大滝ダムでは昨年の2尾増の8尾にとどまっている。この大きな差に注目したNPO新潟水辺の会(会長・大熊孝新潟大名誉教授)は先月26日、中魚漁協のふ化場がある清津川を踏査した。その結果、産卵を終えた見られるサケの死骸(ホッチャレ)10尾を見つけた。同会では「見つかったホッチャレは、信濃川と合流点からすぐに清津大橋付近で見つかった。この付近が産卵地になっているのでは」と見ており、今後の調査の必要性を示している。

 今季のサケ遡上調査はこれまでと同様に9月10日から11月10日まで。試験放流期間中の遡上記録は宮中取水ダムが2010年146尾(同年西大滝ダム3尾)、2011年135尾(同34尾)、2012年297尾(同11尾)、2013年409尾(同6尾)、今季は736尾=オス464尾、メス272尾(同8尾)。
 二つのダムは約21`離れており、途中に清津川、中津川、志久見川の3本の比較的な大きな1級河川がある。遡上数に大きな開きがあることに注目したNPO新潟水辺の会では、今年10月26日、リモコン操作で空撮できる「マルチコプター」を使い空撮を試みたが、雨のため断念。川原を目視で調査。その結果、10尾ほどの「ホッチャレ」を見つけたほか、オス・メスが対で産卵する現場も確認している。翌週も空撮を試み、同様に条件が悪かったが数尾のホッチャレを見つけ、同様に数尾が対で産卵する姿を確認している。確認した現場はいずれも信濃川合流点から数百bの清津大橋付近だった。

 一方、国土交通省も先月9日から11月14日まで6回、目視で清津川を調査し、サケ遡上と産卵場を確認している。「詳細な結果は今後まとめる」(長岡・信濃川河川事務所)としている。
 今回、初めてホッチャレを確認したNPO新潟水辺の会の事務局・加藤功局長は「西大滝までの間の清津川、志久見川でホッチャレを確認しているが、合流点からすぐに堰堤がある中津川では確認していない。一方で東京電力信濃川発電所の放水路への迷入がないのか調査が必要だ。そのためにも、稚魚放流時と遡上期には、4年前のようにクイック放流(西大滝ダムの水門を一時的に全開)が必要だ。さらに平行して、宮中の上流域の調査をぜひ東京電力に実施してもらいたい」としている。

 なお、中魚漁協でも清津川でのサケ遡上を確認しており、長谷川克一組合長は「今季も清津川ふ化場で育った60万尾の稚魚を放流している。清津川に帰るのは当然といえば当然のこと。今季の遡上は嬉しい誤算だが実際にはこの倍以上は遡上しているのだろう。早々に稚魚100万尾放流を実現したい」としている。飛渡川にも過去最多の58尾遡上している。漁協によると魚野川では約250万尾の稚魚放流で毎年2千尾から3千尾が遡上しており、50万尾放流の中魚漁協で約8百〜1千尾とすると、同程度の回帰率になり、長谷川組合長は「サケに限っていえば、川の水量は現状で充分ともいえる」と、水利権の期間更新への一つの考え方を示している。

写真・産卵後のサケ(先月26日、清津大橋付近で、新潟水辺の会提供)

「池谷モデル」で定住促す、建築士グループと住民で協働  11月21日号
 中越地震後、復興支援で移住した若者が定住し限界集落を脱した十日町市池谷集落で、地域の設計士集団が協力し、農業移住者を受け入れる「定住ハウス」建設を住民と共に進めている。降雪前に外観が完成し15日、地元産杉の外張りが雰囲気を出す住宅お披露目を行った。完成後の運営を担当するNPO十日町市地域おこし実行委員会では「農業移住者を受け入れ、定住に結びつけたい」と期待する。

 構想したNPO実行委員会の山本浩史代表は「地域の建築士グループの協力で進む事業だが、最初は地元のお年寄りが住む共同住宅を考えたが、それより池谷の定住人口増に結びつくものをと移住者用に取り組んだ」と建設の狙いを話す。
 この構想に賛同した設計士グループ「STUDIO―H5」は、限られた資金と住民が関われる建築工法を考えた。地元杉を使った木造を設計。隣の入山出身者が杉50本余を無償提供。地元の伐採熟練者が切り出し、住民参加で外壁の板材に加工。短い杉材を凹凸になるように組み合わせた粋な外観ができた

 課題は建設費。NPOなどで5百万円、寄付5百万円を当初計画。だが実際は千7百万円余かかる見込み。そこで目的に賛同し出資するネット寄付サイト「クラウド・ファンディング」で呼びかけ目標の百万円は突破し、さらに寄付活動する予定だ。

 建物は木造2階、延べ92平方b。1階はダイニング・リビング・風呂・トイレなど以外はワンフロアーで吹き抜けも。2階に居室4室(4畳程度)を予定。薪ストーブで家全体を暖房。運営するNPO山本代表は「定住者の体験ハウスに活用したい。1年か2年生活してもらい、移住に結び付けたい」と話す。設計士の阿部正義さんは「コストをかけず、移住者などが住める住宅を作る、その第一号でもある。池谷モデルを他地域にも広げたい」と話す。同住宅は『めぶき』と名づけた。内部は冬仕事で住民らも手伝い、来春完成。建築と平行し、住居者を募りたい考えだ。 

10代のまなざし「樋口愛梨さん・十日町1年」創作に感じる魅力  11月21日号
 先月の第32回新潟マラソン。高校生から39歳までの女子部門だけで1063人出場の10`に母と出場。54分で走り80位。母は6分遅れの快走。「楽しかったですね。来年は50分を切りたい」。中学では長距離・駅伝選手。「走る楽しさを続けたいと思っています」。今もジョギングを続ける。

 中学3年の夏。広島へ津南町派遣団で行った。証言者のお年寄りの言葉が胸深く残り、その地・ヒロシマの惨状を実感として知り、人間の愚かさに怒りを覚えた。「家に帰ってから、その思いがさらに強くなりました」。今も「ヒロシマの思い」が心に残る。

 今年5月、高校の体育祭。縦割りチームの対抗戦。「応援団に手を上げました。何かしないと始まりませんから」。小学時代は消極的だった。中学では「迷わず即決でした」と長距離陸上部に入り、自分と向き合う時間の中で『自分を変える』取り組みに。3年で副部長に就く。その経験が高校で形となり、応援団に真っ先に手を上げた。

 この積極性が、新たな自分発見につながっている。伝統の十高南稜祭。クラス企画で「お化け屋敷」を実施。「メイクアップを担当しました。ちょっとしたメイクで、こんなにも変わるのか、でした」。以前からメイクアップには興味があったが、この経験が自分の可能性を引き出してくれた。髪を含め美容やTV、映画など映像・舞台と、あらゆる創作シーンに求められるトータル・メイクアップ・アーティストへの思いが増している。
                   (恩田昌美)

ニホンジカ急増、食害拡大を懸念、松之山キョロロ研究員が警鐘  11月21日号
 野生動物による鳥獣被害の中で、国内で年間約82億円にのぼる『ニホンジカ』の食害が全国的に問題視されるなか、十日町・津南など妻有地域で生息エリアが広がっている実態が明らかになった。16日、松之山で開いた第20回里山学会(森の学校キョロロ主催)で、同研究員や地域の猟友会の報告で妻有地域での生息・繁殖が確認され、今後の農作物や森林被害への懸念が浮上している。
 
 北海道大大学院で北限域のブナ林研究に取り組み、2009年からキョロロ研究員で野生動物との共存などを研究する小林誠研究員によると、数年前からニホンジカの同地域への侵入が見られるという。小林研究員は「野生動物の鳥獣被害ではニホンジカが国内最大で年間約82億円。この地域ではこれまで見られなかったニホンジカ。農作物以外に森林被害などの拡大が予想され、急傾斜地が多い中山間地の当地では、ニホンジカによる木の立ち枯れなどで災害発生の恐れも出てくる」とニホンジカの生息増加による被害拡大を懸念。キョロロにも昨年から目撃情報が多数寄せられ、美人林でも目撃されている。

 野生動物の生息実態を追い、農林業被害への対策や里山の重要性を提唱する新潟大助教でNPO新潟ワイルドライフリサーチの望月翔太副会長もニホンジカの被害拡大の恐れを指摘。「これまで新潟にはいなかったニホンジカの生息数が増えている。人の暮しと野生動物の生息地の境界だった里山の荒廃が野生動物との境をなくしている」と里山の重要性を強調する。
 さらに、「個体数調査、被害防除、生息調査生息地管理、この3点での取り組みが重要。ニホンジカ被害は全国的に広がり、森の被害が深刻。このまま増えると被害の拡大が心配」と個体数の調査と共に生息数の管理、つまり人為意的な生息数管理の必要を指摘する。

 だが、人為的管理の担い手の猟友会・狩猟免許者の減少が深刻だ。16日に講演した新潟県猟友会長で同会十日町支部の池田富夫支部長によると、20年前、十日町・津南地域の免許者は2百人を越えていたが、現在は120人余。特に深刻なのが高齢化。「支部の平均年齢は64歳。一番若い人で50歳。このままではあと10年で居なくなる」と危機感を抱く。狩猟免許者育成で新潟県は免許取得時の費用補助で支援し、最近では女性の免許者が増えている。
 一方、ニホンジカの生息実態について池田支部長は「松之山・松代から川西仙田の地域に生息し、10数頭が群れでいる姿を何度も目撃している。確実に生息数が増え、エリアも拡大している」と、イノシシ被害と共に被害の拡大を懸念する。

幻の蓮布「ぐう糸織」再現、十日町の織物関係者  11月21日号
 『お釈迦様が悟りを開いた時、天から賜った布』という仏教伝来にも関係する幻の布といわれる「蓮布」。その蓮の繊維を使った『藕糸織』(ぐうしおり)を十日町市の織物関係者が再現に成功した。国内に現存する藕糸織の多くが縦糸に絹糸を使っているが、再現した藕糸織は縦横糸に藕糸100%を使った織物。十日町市博物館では「すべて藕糸を使った織物はきわめて珍しい」と再現した藕糸織の貴重性を説明している。

 今回再現した藕糸織に使った蓮は、昭和26年に蓮研究の第一人者・大賀一郎氏が千葉・検見川遺跡(縄文後期末・約3千2百年前)で発見した「蓮の種子・2千年蓮」を、縁あって十日町市に寄贈し、植栽に成功した2千年蓮の繊維で作った。市内高田町の元織物業・藤巻嘉夫さん(79)は30年前、藕糸織の存在を新聞で知り、繊維の弱さで断念した記事を読み、「自分ならできると直感した」と独自に取り組む。織の摩擦熱の解消や芯糸を使った工法など試行錯誤を重ね、5年前に元十日町市博物館長の佐野良吉氏に相談。さらに2千年蓮を管理する俵山隆敏氏、蓮を刈り取る金子賢一郎氏、関口重敏氏らの協力を受け、藕糸織再現に本格的に取り組む。

 親指大の蓮の茎を左右に引っ張ると繊維が伸びる。これを束ね糸にする。さらに熱で溶けて無くなる芯糸(手術糸)で撚り糸を作り、手織り機に縦糸・横糸を仕掛け、藤巻さんが織を担当した。
 先月中旬から織り始め約1週間で織り上げた。できた藕糸織は幅46a、長さ132a。薄茶色の繊細な織物ができた。藤巻さんは「織りあがった時は感無量だった。十日町の織物技術はやはり素晴らしいことが、これでも証明された」と話す。郷土史研究者の佐野氏は「十日町の優れた技術者と伝統により、幻の織物、藕糸織が再現できた。十日町織物史だけでなく、日本の織物史の新たな1ページになる」と快挙を称えている。なお、十日町博物館では、国内の現存状況を調べ、一般公開を検討している。

中津川の石で記念碑、中津小学校閉校記念で  11月21日号
 教育目標に「よく考え 力を合わせてやりぬく たくましい子ども」を掲げる津南町立中津小(近藤哲夫校長、42人)。今年創立140周年、そして来年3月に閉校する。閉校記念式典は16日に開催。地域住民や卒業生ら会場いっぱいの4百人余が参列。母校に感謝を捧げ全員で校歌を斉唱。式典後、校区を象徴する中津川から取った石で作った記念碑除幕式をグラウンドで実施。「閉校後も母校がここに在ったと感じ取れるように」と、表面に校歌、裏面には同小140年の歴史を刻んだ。

 明治7年、組合立秋成校として開校。津南町誕生の昭和30年に中津小に校名変更。同35年に327人の最多児童を数えるが、平成9年に児童数が百人を切り、現在は42人。卒業生は今年度を含め1658人となる。校区の全戸6百世帯余がPTA会員の中津地区。式典実行委員会(渡邊友司委員長)で閉校記念碑設置を決定。全戸から約百万円の浄財を募り、中津川で取れる青みがかった苗場山系溶岩の安山岩で製作した。

 息子3人が卒業した専業農家の中沢マスさん(74、船山)は「家業で忙しく、子どもは学校に育てて貰ったような物。今は皆しっかり働いている。もう感謝しかないね」と校舎を感慨深そうに眺める。閉校記念式典のため新潟市から帰省した藤ノ木美雪さん(30、中深見出身)。「母校が無くなるのは寂しい。でも閉校しても今もやっている中津盆踊りのように、人が集まる場、地域のよりどころとして校舎を活用してほしいですね」と友人との母校の思い出話に華を咲かせていた。

300年続く小滝を、自主活動で県知事表彰   11月21日号
 「3百年後まで集落を存続させたい」。栄村小滝復興プロジェクトチームの樋口正幸代表(56)は力を込め語った。長野県「地域発元気作り支援事業」の優良事例を発表、北信地域からは5団体が受賞。栄村からは小滝集落(12世帯)で取り組む同プロジェクトが最優秀の県知事賞、優秀賞の北信地方事務所長賞に栄村ビーナジの会(関澤昭一郎会長、13人)。表彰式と事例発表会は12日、小滝公民館で行った。

 小滝集落は3年前の県境地震後、離村が相次ぎ17世帯が12世帯まで減少。「集落の存続が危うい」と住民が立ち上がり、都会との交流を進める古道歩きツアーの年2回開催、首都圏で地元産米コシヒカリ「小滝米」販売など進める。昨年は同事業補助約84万円を受け事業を推進。今年はさらに村独自の「ふるさと復興支援金」を申請、約505万円補助で小滝米の拠点販売施設整備も進めている。樋口代表は「築2百年余の古民家を修繕し、交流拠点にしようとも進めている。2つの拠点を作り、集落を永遠に存続できることを夢見て活動したい」と話した。

 一方、栄村ビーナジの会は3年前から北野天満温泉公園でビーナジ(カワニナ)放流など継続。昨年は同事業約56万円の県補助を受け、水源を確保し生息環境を整備。ホタルの里での地域振興をめざす。関澤会長(77)は「あと3年もすればかなり良い環境になる。ビーナジを増やし、仲間と協力して地道に進めたい」と喜びを語った。

ソフトバンク子会社も芸術祭支援、大地の芸術祭  11月14日号
 来年夏の第6回大地の芸術祭に、新たに通信大手ソフトバンクの子会社やIT大手ヤフー、さらに急成長する有機野菜・無添加食品の通販「オイシックス」など、芸術祭に新たな応援団が加わっている。総合ディレクターの北川フラム氏は「21世紀の芸術は越後妻有から始まった、と世界が認める芸術祭になっている」と民間支援が広がる背景を話している。

 ソフトバンク100%出身の子会社『さとふる』は、国の寄付制度「ふるさと納税」をインターネット上で事業化した会社。今年10月に立ち上がったばかりで、ネット上で手軽にふるさと寄付ができるサイトを運営。このサイトは、ネット検索大手「ヤフー」も支援するなど、芸術祭支援で新たな輪が広がっている。

 『さとふる』は、ネット上のサイトを通じて、寄付したい自治体情報を載せる。ただ、サイトに乗せるには一定の条件が必要で、十日町市では世界的に認知度が高まっている『越後妻有・大地の芸術祭』に特化しており、年内には「さとふる」にアップされる見込みだ。

 これにより、従来の煩雑な手続きは不要で、ウェブサイト上から手軽に寄付できる。市観光交流課・渡辺盛一課長は「芸術祭に特化し、ふるさと寄付を呼びかける。ソフトバンクのバックアップはありがたい」と効果を期待している。

 第6回芸術祭は来年7月26日から9月13日までの開催が決っている。今回、メインの一つは、3年前の地震で大崩落した津南町辰之口・豊原トンネル手前の崩落現場。信濃川や河岸段丘のかつての地形や流れを支柱ポールで描き出す作品展開する磯部行久氏が、大崩落現場を再現する。現在、巨大な「セルダム」が築かれており、自然災害を通じて作品展開を行う予定。さらに、18年ぶりに世界的な作家・蔡國強氏がキナーレ中央に大規模作品を展開する。第6回芸術祭ではプロジェクト・ディレクターに就いており、世界への発信力になることが期待される。

市民文化ホール問題、「見直しの見直しを」、決断迫られるトップ  11月14日号
 関口市政のビックプロジェクトになっている「市民文化ホール・中央公民館」の基本設計見直し問題は、プランを積み上げてきた住民代表による建設検討委員会への説明、さらに市民説明会が大きな山場となってきている。11日、市議会総務文教委員会に再度説明されたが、先月24日の説明を詳しくしただけで、見直し変更はなかった。だが、委員の再三の指摘に応える形で、「早急に建設検討委員会に説明する」となり、近く検討委員への説明会が開かれる。見直しプランの変更は、財源問題と表裏一体だが、関口市長は「住民の声を反映する余地はある」と、『見直しの見直し』の可能性も示唆している。

 11日の総文委員会には検討委員だった女性らも傍聴。説明では、同ホールの特徴であるホール座席数768席を611席に削減、さらに市民が気軽に集い、イベントができる段差地形を活用する階段スペース「だんだんプラザ」は当初案(幅13・5b)を4・5bも縮小する見直し案を説明。

 基本設計でプロポーザル案(33億7千万円)が42億7千万円に増加した要因として、資材・労務費などで約7億3千万円の増加をあげている。見直しによる削減案で、当初案より2・76億円増加の基本設計案を示している。

 委員会を傍聴した建設検討委員だった田口好世さん(建設検討委員会副委員長)は「プランをまとめた建設検討委員会にまず説明すべきで、残念な思いです。見直しが膨らませたチューインガムが萎むような縮小ではだめです。これはかなり乱暴なやり方です。市民の大切な税金を使うのですから、しっかりした説明責任が必要です。これほど夢のある事業は、この先、十日町にあるでしょうか。100年先を考えてほしい。市民が積み上げたプランという大きな重みがあります。今回の見直しは、見直しの見直しが必要です」と話す。
 今後、検討委員への説明後、今月下旬に市民説明会を開く予定だ。

妻有リポート「スーパー素人劇団・かわにし夢きゃらばん」、来年20周年、近さが魅力  11月14日号
 市民による、市民のための、市民の演劇集団『かわにし夢きゃらばん』(関口昌夫代表)。「すでにプロ」といっては過言だろうか、いや人気はプロ以上だ。合併前の川西町時代に立ち上がった町民劇団・かわにし夢きゃらばん。新生・十日町市誕生後、その熱気は引き継がれ、毎年秋に定期公演。45日前から準備スタート。その伝統は変わらない。「この期間、一座は家族同然」。キャスト・スタッフ45人は公演日をめざし、思いが一つになる。来年は結成20周年。10年前の公演直前の中越地震で中止以外、毎年公演。今月8日、第18回公演『3DAYS』はホームグラウンドの川西・千年の森ホールで開催。会場いっぱいの350人の観衆は、熱演に拍手し、笑い、ホロリとした。全くの素人劇団が20年続いている。そこには、『かわにし夢きゃらばん』ならではのドラマがあった。

 8日、千年の森ホールの受付。「どうぞ、どうぞ、ご来場ありがとうございます。まぁ、久しぶりだねぇ」。女性スタッフの笑顔が迎える。公演で1年ぶりに顔を合わせる人も多い。会場でも、久しぶりと声が飛ぶ。公演そのものが観衆の同窓会的になっている。
 20年前の川西町時代。全国行脚する劇団『夢きゃらばん』公演を川西町の若者たちが誘致した。公演は大成功。「俺たちも何かやりたいなぁ」。公演開催の熱が、新たな熱を生み出した。翌年、その名も『かわにし夢きゃらばん』を立ち上げる。

 初演は『越乃白雪姫』。町内で一番大きいスペース、川西中学体育館が会場。「舞台造り、照明器具の持ち上げ、大道具作りなど、今では考えられない重労働だった」。劇団立ち上げ、生みの親でもあり、初回から脚本を担当する渡辺正範さん(56)。「まず自分たちが楽しむのが大前提。娯楽ものに徹してします」。絵を描き、シナリオを書き、公演の裏方責任者でもある。

 毎回、公演45日前から一斉スタート。「いつも本(脚本)が間に合わないんですよ」。メンバーは慣れたもので、次第にエンジンがかかる。今回の公演は『走れメロス』と『アラビアンナイト』をベースに、「人の弱さと強さ」を個性的な登場人物がコミカルに、時にはシリアスに演じ、方言も飛び出す痛快作品。

 初演から欠かさず見ている藤巻マサエさん(67、橘)。「毎年この日を楽しみにしています。今回も感動しました。信じること、やり遂げること、何か勇気をもらいました。初めの頃に比べ、格段に上手になっています」と大きな拍手。娘の田中照子さん(41)は「自分もやりたくなりますね。仕事を持ちながら、ここまで仕上げていることに驚きです。皆さん、とても素晴らしかった。自分も、という思いを抱かせる最高の演技でした。ありがとうございました。時々出てくる方言が、また良いですね」。

 その感動は近さにある。キャストすべてが市民のため、舞台で演じるのは隣のお姉さんであり、観客は近所の人たち。この近さが舞台と客席を一体化させる。だが、演技はプロ級だ。
 それもそのはず、演出は『オペラ季節館』の伊勢谷宣仁さん、振付はプロの荒木薫さん。入団5年で今回、主役・美弥呼(みみこ)を演じた水野美咲さん(29)は「ちょっとしたアドバイスで演技に色や味が出ます」と話す。今回、7分間走り通し、セリフを言う場面があった。「あそこが今回の共感のシーンでした。あの走りを頑張れば、皆さんが最後まで応援してくれると思い、必死で走りました」。高校時代の陸上長距離・駅伝選手の実績が役立った。

 メンバーは27歳から73歳と幅広いのも、夢きゃらばんの持ち味。年代相応の演技が味を出し、ファンがいるメンバーも。「毎回新人が入ります。とにかく、演じる方も見る方も楽しむ、これを第一にしています。45日間は家族同然。公演日は完全燃焼し、カーテンコールで拍手を受ける、毎年この繰り返しですが、この感動が止められない」。脚本の渡辺さんは当日は照明担当。照明調整室から毎年、このカーテンコールを見て、感動している。

 なぜ20年も続くのか、「それは、演じる方も見る方も楽しいからではないですか。来年は結成20周年です。中越地震で1回休んでいますから第19回公演になりますが、何かやりたいですね」。またまた渡辺マジックが見られそうだ。主役を演じきった水野さん。「普段出せない自分が出せます。楽しいですよ。一緒に変身しませんか」。仕事を持ち、子育て中、農業や自営など、さまざまな市民が突っ走った45日間が終わり、20周年記念公演に向け動き出している。         (恩田昌美)

10代のまなざし「坂本眞由さん・十日町定時制」手作り品が夢  11月14日号
 ピンクのふかふか毛に蝶ネクタイ。とっても愛らしいアルパカのイラスト。こうした「カワイイ系」のイラストを描くのが今の楽しみ。
 「中学くらいかな、気付いたら色鉛筆でイラストなど描いていました」
 ちょっと人見知りで話し下手。が、そんな性格ゆえに日々、自分を見つめている。そんな中からブレスレットやネックレスなどアクセサリー作りが好きになってきた。自分でデザインした椅子を作ったことも。

 「手作業が好きなのは、ものづくりが好きな母の影響かも知れません。休みの日はプラバン作りを楽しんでいます」
 学校で絵を描いているのを担任の先生が見ていた。そして「デザインをやってみたら」と背中を押してくれ、アルパカのイラストを描くことも頼まれた。
 「ヒツジとも言われたけど、気に入ったアルパカのイラストが描けました。それが『めっかめっか(十日町市民活動見本市)』のチラシのデザインにも採用され、とってもうれしかったです」

 高卒後は群馬・デザイン専門学校に進み、ライフスタイリストをめざす。将来は独立して手工芸関係の仕事をするのが夢。
 「自分でデザインした雑貨を作りたいです。それを自分の仕事としてやっていきたいですね」
 来春には夢に向かっての一歩を歩み出す。
 「子どもの頃、ビーズで作った飾り物をお母さんがすごく喜んでくれたんです。そんな喜ばれるものを作っていきたいですね」               (村山栄一)

聖火台に一歩前進、青柳長官来市で  、11月14日号
 22年前の東京大教授時代に著した『原史美術―名宝日本の美術』の表紙写真に、当時はまだ国宝指定されていない十日町市笹山遺跡出土の火焔型土器「NO.1」を使った文化庁長官・青柳正規氏が、22年ぶりに本物の火焔型土器NO.1と対面した。8日、市博物館・開館35周年記念講演に来市した青柳長官。同日、十日町市入り、国宝「NO.1」を展示・保管する市博物館を関口市長の案内で来訪し、22年前の自身の著書の巻頭に使った火焔型土器と初めて対面した。市博物館関係者によると、国宝や他の火焔型土器を何度も見ていたという。「火焔型土器を東京五輪聖火台にと進めている運動に弾みがついた」と関係者の期待感は膨らんでいる。

 今回の記念講演は、市博物館資料の写真記録に協力する考古資料写真家の橋渡しで実現した。青柳長官は、昨年9月に市博物館を訪問し、国宝を見ている下村博文文部科学大臣と親しい。昨年9月、BSフジのプライムニュースに出演した青柳長官は、東京五輪への文化庁の取り組みを聞かれ、『下村大臣が十日町市の国宝・火焔型土器を聖火台にという話をしていたが、聖火台となれば縄文の火の演出ができますね』などと発言。そこで同館は、写真家を通じて講演を打診したところ快諾。文化庁トップの来市、記念講演が実現した。

 博物館には約1時間半滞在。出土資料を保管する収蔵庫も見て回り、火焔型土器など点数の多さに驚いていたという。同館の佐野芳隆館長は「文化庁のトップが来館していただき、国宝を直に見ていただいたことは大きな意義がある。聖火台への大きな一歩になった」と話している。
 
 青柳長官は、記念講演では専門の「イタリアの考古学の現状」を話し調査発掘などを紹介し、「縄文中期の土器は世界的にもとても素晴らしい造形美を持つ。火焔型土器のデザインアートを楽しみながら理解すると、より肌で感じることができ、感銘を受ける」と、国宝を通じた火焔型土器の素晴らしさを話した。

写真・国宝・火焔型土器を見る青柳長官(右)と関口市長

「われらが母校・外丸小学校」、卒業生が記念のトーテムポール  11月14日号
 「外丸の絆をいつまでも忘れません」―。開校140周年、来年3月閉校の外丸小(樋口広栄校長、33人)の閉校記念式典は8日に開き、校区住民や卒業生、旧職員など260人余が参集。同小の歴史を振り返るよびかけを全児童が唱和し「学校はいつまでも心の中心にあります。夢や希望に向って力強く成長していきます」と決意を語った。

 閉校決定を機に昨年、OB・OGらが校歌の一節を取った「清い空気の会」(関口絵美代表)を結成。式典後グラウンドでメンバーが作ったオリジナル「トーテムポール」をお披露目。国道から眺めると、校舎、そして外丸のシンボル・八本杉が見える場所に設置。表側は『我らが母校外丸校』、裏側は今年度卒業生を含む『外丸小学校卒業生1827名』と想いを込め刻んだ。毎夜製作に励んだ福原拓哉さん(29、外丸)は「閉校は寂しいが、子どもたちには外丸の思い出を大切にしてほしい。トーテムポールが母校を称える、新たなシンボルになってくれれば嬉しい」と想いを話す。同会では桜咲く春にトーテムポールに集い、花見交流会を行う計画だ。

 明治7年、善玖院の一部を借り開学し同小。八本杉にちなみ児童会名は「杉の子」。教育目標は「学ぶ 見つめる 創る」。昭和13年に全校584人を数えたが少子化は進み、昨年津南小との統合が決定。同小でクロカン指導を30年余続ける高橋賢治さん(64、外丸)は「子どもたちが冬になるといつも待っていてくれたのが嬉しかった。雪が無い時は大厳寺高原まで行って練習したことが懐かしい。津南小に行っても皆の健やかな成長を祈りたい」と語った。

県中学駅伝、吉田・女子優勝、全国へ  11月14日号
 激戦を制し吉田が全国出場決める―。第24回県中学校駅伝競走大会(男女各42チーム出場)は7日、長岡市の国営越後丘陵公園で開催、女子は吉田が中越大会で敗れた小千谷に雪辱を果たし、2年ぶり3回目の全国出場を決めた。また十日町南も力走で8位入賞。一方、男子は小千谷が圧勝。吉田は追いすがるも2位、津南は7位入賞と健闘した。全国大会は来月14日、山口県で開催。吉田は平成22年の初出場でマークした19位内をめざす。

 『女子(5区間12・05`)』「地区大会の借りは返す」と臨んだ吉田。1区の春日美雨(2年)は「何としても流れをつかみたい」とトップ集団に食らいついた。齋木勝紀監督が「勝因のポイントになった」という通り地区予選の25秒差を大きく縮め、区間4位の力走で小千谷と14秒差でタスキをつないだ。2区は地区大会で区間賞をマークした中嶋陽奈(1年)。区間3位の走りで3位に上がると小千谷に4秒差に迫った。小千谷のエースとの対決となった3区・蛻、子(2年)は「ぜったい離されない」と力走。やや差を広げられたが、区間2位の走りで2位に浮上、チームに勢いをつけた。逆転劇は4区で生まれた。小千谷と9秒差でタスキを受け取った関口渚(2年)は猛ダッシュ。2百b余り走った時点で小千谷を捉え、そのまま置き去りにした。「できるだけ離してアンカーにタスキを渡したかった」と最後までペースを崩さず、区間賞の走りで31秒の差をつけてアンカーに。「自分のせいで負けたと言われたくなかった」という最終区・濱野愛美(3年)も快調に飛ばし、区間賞の走りで小千谷との差をさらに36秒に広げ、右腕を大きく上げてゴールテープを切った。
 一方、地区大会7位だった十日町南も健闘。2区・佐藤礼奈(1年)が区間4位と好走するなど8位入賞した。
    ○
 朝練習で6千〜8千bを走り、放課後練習では高低差のある吉田クロカンコースを活用して走り込んできた吉田。県優勝を目標に同丘陵公園の年間パスポートを購入、「大会コースの芝に慣れることが大事」と可能な限り足を運んで練習に取り組んできた。
齋木勝紀監督は「練習の成果が出て本当にうれしい。1区で流れをつかんだのがよかった。4区で優勝を確信した」と振り返り、「今年はチャレンジャーの立場だったので、意気込みも大きかった。全国では本校最高の成績を上げたい」と話した。


 『男子(6区間18・05`)』吉田は1区中嶋竜之介(3年)が区間3位、2区・澤潟士以(2年)が区間賞、6区のアンカー齋木渉太は区間2位と健闘。しかし3人が区間賞をマークし残る3人も3位内で走った小千谷に1分43秒差をつけられて敗れた。ただ、上越地区覇者の妙高高原や新潟地区トップの佐和田との激戦を勝ち抜き準優勝。男女5位までの北信越大会(今月24日、松本市)への出場権を獲得した。
 一方、北信越出場をめざした全員が1・2年の津南。アンカー若井潤(2年)は8位から5位グループに追いつき、デッドヒートを展開したが、県中1500bの覇者・胎内中条に敗れ一歩、及ばなかった。7位入賞に風巻駿也主将は「目標の北信越に届かず悔しいけど、全員が自分の力を出せた。来年は県の頂点をめざしたい」と新たな決意を語った。また松之山も4区で4位に上がるなどし、最終順位は9位となる健闘した。

 主な結果は次の通り(8位まで入賞)。
 『女子』@吉田45分6秒A小千谷45分42秒B燕46分7秒G南46分55秒K下条M中条Q津南21水沢26十日町27川西▼区間賞=関口渚(4区2`・7分31秒、吉田2)濱野愛美(5区3`・11分19秒、吉田3)
 『男子』@小千谷1時間0分4秒A吉田1時間1分47秒B妙高高原1時間1分53秒F津南1時間2分32秒H松之山M十日町29南32水沢38中里▼区間賞=澤潟士以(2区3`・9分43秒、吉田2)

市民文化ホール@ 事業費増加しプラン見直し、再び市民意見求める  11月7日号
 市民代表が1年余り研究検討した構想をもとに公開プロポーザルで設計業者を決めた十日町市の市民文化ホール・中央公民館(仮称)。だが、まとまった基本設計は当初計画事業費(33億7千万円)より9億円余り増加したため、市は事業費と施設内容を見直し先月24日、当初計画より3億円余り増額した見直しプランを市議会に示した。この中では同会館のシンボルであるホールの座席数が157席減少し611席。特徴である地形の段差を活用した「だんだんプラザ」の幅が2b余り狭くなるなど、同ホールの顔でもある部分が縮小されている。市では「大幅増額の要因は労務費や資材費の高騰」としている。だが市民からは「文化の香る十日町市のシンボルであり、市民の思いの象徴だ。当初通りの実現を求めたい」とする声もある。関口市長は「市民の声を聞く説明会を開く。20年、30年と使っていく施設であり、子や孫にしっかり伝えられるものを作りたい」と話す。一方で、建設検討委員会で委員長を務めた桜井俊幸氏(前小出郷文化会館長)は「理想的なプロセスで構想が出来上がった。予算がないなら、まず見直し前に『どうしましょうか』と市民に聞くことが大切」と話している。


 市民文化ホールは3年前、市民代表による建設検討委員会(桜井俊幸委員・委員13人)で構想を研究し、翌年3月に「ホール固定席6百〜8百」など具体的要素を含め答申。これ基づき設計業者を公開プロポーザルで決め基本設計に入った。市民説明会などで出た市民提案・要望を加味し今年6月まとまった基本設計。総事業費はプロポーザル段階より約9億円増の42億7千万円に。その主因は労務費の高騰。「2年前より25%、昨年比でも7%余りアップしている」(市生涯学習課)という。(資料表参照)

 基本設計の総事業費では約9億円の増加だが、建物本体事業費では約7億3千万円の増加(24億7千万円→32億円)。建物本体以外の事業は設計費、用地代、建物補償費、備品、外溝費。この事業総額は約9億円。今回の見直しでは、この部分は変わっていない。
 見直しでは、同館のシンボルであるホール席数を縮小。客席の高さを3層にした当初案を2層に変更。席数は768席から611席に減少。さらにステージ裏の資材置場の幅を半分。楽屋・練習質部分の中央廊下をなくしレイアウト変更。リハーサル室も縮小し段差地形を活用した「だんだんプラザ」の幅を2・25b縮小(11・25b→9b)。これにより建物全体は十日町高と国道11号ラインの幅も約6・75b縮小(69・75b→63b)。
 見直しの最大の課題は財源問題。基本設計で約9億円増の総事業費約42・7億円。建設事業は国補助を受ける。すでに最高限度13億5万円の助成が決まっている。残る事業費は合併特例債を活用する。今回の増額9億円は、すべて市の単独支出になるわけではない。

 試算すると、9億円の95%が合併特例債対応となり、残る5%(4千5百万円)は市独自支出。一方、9億円の95%、8億5千5百万円のうち70%が地方交付税で補填される。残る約2億5千万円が市独自支出。つまり9億円増加で市の独自支出は約3億円となる。

市民文化ホールA、桜井前検討委員長と関口市長のコメント  11月7日号  
 市民文化ホール建設検討委員会の委員長だった桜井俊幸氏は「なぜ市民文化ホールを建てるのかというミッションはぶれてはならない。市民代表による建設検討委員会、市民の声や市民アンケート、さらに公開プロポーザルと、とても理想的なプロセスで取り組んできたわけで、見直しに当たってはていねいな説明が必要。特に市民の声を積み上げ、まとめたプランであることは重要。予算不足の場合、どこをどう変更した、見直したということの前に、『どうしましょうか』という市民への問いかけが大切」と話している。

 さらに、担当した小出郷文化会館建設の時でも予算不足となったという。「外観のタイル張りをトタン張りに変更し、数千万円軽減をした。建物全体の中で、どこを切り詰め、どこをしっかり残すのか、ていねいな説明と市民の声をしっかり聞くことがとても大切。特にホールとだんだんプラザは、このプランの目玉でもあり、それが縮小されるのはどうなのかという疑問は当然といえる。理想的なプロセスで作り上げた素晴らしいプランであり、これから活用する市民の思いを大切にしてほしい」とアドバイスしている。
 今後の予定は、見直しによる実施設計を来年3月末までにまとめ、4月に工事入札、臨時市議会か6月議会で議会承認後、に着工。29年3月までに本体完成し、同年秋に開館の予定だ。

関口市長コメント
 ホールの席数はそのホールの性格を現すメルクマール(特徴)だが、様々な座席数により、逆にそのホールの性格づけがされるとも思う。例えば大きなイベントを誘致するために千席必要だというのは、その程度の考え方では説得に欠く。小さなホールなら、小さなホールなりの活用策が必ずある。その辺は柔軟に考えたい。例えば昨年の五島龍氏のヴァイオリンコンサートを市民会館ホールで開いたが、528席で非常に良かったという感想が聞かれ、一番遠くの席でも、こんなに近くで聞かれたという感想が聞かれた。
 一方で、先月なかさとアリーナで開いたようなイベントは呼べないという面もあるが、では年間何回そういうイベントをやるのかという面もある。やはり、その市の実力を反映したものにならざるを得ないと思う。
 ただ今回、市展などを開けるスペースをと求めた『だんだんテラス』の縮小は残念だ。市民がいつも気軽に居られる場所が小さくなったのは寂しい。ホールは使用しない時は人がいない。ホールは閉じててもそこに人が集う、中心市街地の人の流れを生み出す拠点になるものを作りたい。ホールの大きさも大切な要素だが、だんだんテラスがより大事な要素だと思う。いろいろ考えながら、断腸の思いで今回の見直しを提案した。市民説明会を開くが、市民の盛り上がりを期待している。

サケ、ついに700尾突破、JR東・宮中取水ダム  11月㏦号
 サケ、7百尾を突破―。信濃川のJR東日本・宮中取水ダム魚道で9月11日から今月10日まで2ヵ月間実施するサケ遡上調査は今月3日に7百尾の大台を突破。6日朝現在、714尾尾の遡上を確認している。
 サケは先月6日に1日最高の54尾もの遡上を確認。その後も3、4年魚を中心に順調な遡上が続き、先月14日には前年数の408尾を上回っていた。稚魚の放流に取り組む中魚漁協では、「稚魚放流量に比例するように遡上が増えている」(長谷川克一組合長)として今後、これまでの50万尾から100万尾の放流をめざす方針だ。

10代のまなざし「山本理恵さん・津南中学1年」 目標は小林由貴選手  11月㏦号
 体を動かすのが好きだ。小学時代から取り組むのはクロカンスキー。その延長で、部活は陸上長距離部を選ぶ。
 「今は足を故障していて、本調子ではないんです。しっかり練習しないと周りに付いていけないので、きっちり治したいです」。
 長距離やクロカンで共通する喜びは達成感。
 「タイムが縮まるのが目に見えるのが楽しいです。ただもっと体力を付けないと同じ中学生にも勝てず、走り続けるしかありません」。

 尊敬するのは、4年後の韓国・ピョンチャン五輪をめざす地元出身の小林由貴選手。
 「小さい頃はあまり速くなかったけど、今ではオリンピックを狙える国内トップレベルの選手。努力してそうなったんです。本当に凄い。目標の選手です」。
 もうひとつ、熱心に取り組むのがピアノ。祖母の影響で小3の頃、教本を受け継ぎ今も続ける。先月25日の合唱コンクールでもピアノを担当。
 「ジブリ映画の音楽とか、たまに習った曲を全部家で弾いたりします。息抜きになっているのかな」。
 今は独学でモーツァルトの『トルコマーチ』を練習中。
 「指が早くて凄く難しい曲なんです。まだ半分も弾けません。でもいつかできるようになりたいと思っています」。

 まだ将来の夢は定まっていないが、中学1年生、未来の可能性は無限大。
 「今は陸上、クロカン、ピアノです。どれも全力で挑んでいきます」。
                  (石沢修一)

ブナ林で将来誓う、移住女子の坂下可奈子さん、地元男性と結婚  11月㏦号
 ◎…中越地震を機に、それまでの「限界集落」から「若者定住の池谷」と『奇跡のむら』とまでいわれている十日町市池谷。震災後、この地に移住し、住民と共に荒廃する田や畑を耕作し、都市部との交流事業などに取り組み、『移住女子』と、その活躍が全国ネットで広まっている四国出身の坂下可奈子さん(27)が、池谷再生活動で知り合った市内の1級建築士事務所代表の佐藤幸治さん(34)との結婚式が1日、池谷のブナ林や旧分校で開かれた。集落内を昔ながらの「花嫁道中」を行い、雨模様ながら地域内外から多数が集まり、二人の新たなスタートを祝福した。

 ◎…「両家の家族に、池谷で一番好きな場所を見てほしかった」と、可奈子さんの提案で実現したブナ林での結婚式。あいにくの雨だったが、ブナ林に特設した式場でふたりは将来を誓い合った。「いつも以上にきれいだ」と幸治さんの声掛けに笑顔の可奈子さん。披露宴は池谷の活動拠点になっている旧分校で開いた。農業の先生で1年余り我が家に受け入れ、娘のように生活を共にした橋場藤一郎さん(78)。「頑張り屋だ。農業もすっかり一人前になってきた。今日は特にきれいだな」と目を細めていた。

妻有リポート「柏崎刈羽原発取材記」 二重三重の安全策、だが不安も  11月㏦号
 国内の原子力発電所50基は昨年9月以来全停止。一方、九州電力・川内原発が新規制基準制定後初の再稼働に向け、地元自治体の同意を得るなど新たな展開を見せている。福島第一原発事故から3年8ヵ月。世界最大級の発電力を持つ柏崎刈羽原発(総出力821万2千`h)では防潮堤や貯水池建設、フィルター付ベント設置など整備を進める。先月30、31日には原子力規制委員会の活断層調査が行われた。東京電力は先月29日、十日町記者クラブとの意見交換会を柏崎刈羽原発で行い現状を説明した。

 広い。幾人もの警備員が立つものものしい入口ゲートを抜けバスで移動するなか、改めて同原発の規模の大きさを感じた。敷地面積は約420万平方b、東京ドーム96個分。この中で先月1日付で5347人(うち東電1119人)が働き、協力業者数は705社に登る。すれ違う人は若者が多かった。
 視察バスは福一事故を受け建設した高さ10b、全長約1・5`の防潮堤(海抜15b)、緊急事故時の淡水注入用に自然流下で各原発に繋ぐ2万d余を納める貯水池(同43b)などを巡り、7号基へ。金属セキュリティゲート、さらに硝煙チェックを受け原子炉建屋に入る。案内され円形の原子炉の上に立ち、建屋の上部を見上げると、福一事故の水素爆発の経験から新たに設置した、エアダクトのような水素処理設備が見える。緊急事故により水素が発生した際、カートリッジ式の金属触媒を収納しており、水素発生時に再度水に戻す役割を果たすという。原子炉格納庫に入ると、蒸気管など様々な配管が複雑に入り組み、専門知識が必要なテクノロジーの塊だと実感した。
 
 炉心損傷後の放射性物質放出を低減するフィルタベント(排気)装置。原子力規制員会の新規制基準で設置が義務付けられ、同原発でも設置。ベント時、粒子状放射性物質の放出量を千分の1余に低減するという。ただ装置を使用した場合、原発の敷地境界で住民に数百_シーベルトの被ばく(通常の年間許容被ばく線量は1_シーベルト以下)が有りうると試算結果が出ている。問題となるのが『緊急時の住民避難方法』。記者クラブ側から「ベント時の避難対応は。福一事故は現場、本店、国の対応がバラバラだった」と問われ、東電執行役員で同原発・横村忠幸所長は原子力災害発生時に事故拡大防止を図るオフサイトセンター機能に触れ「福島ではすぐに線量が上がり逃げるしかなくなり全く機能しなかったが、今後我々がどうバックアップするかを含め、整備しつつある状態。避難計画は地方自治体などでまとめている」としながら「EPZ、5`圏内はとにかく逃げる発想。UPZ(概ね半径30`圏内)は何日以内に避難をと言うのを国県がモニタリングし放射線濃度を見て決めよう、という2段構え。住民避難計画は我々が作るのではなく、支援申し上げる形になる」と見解を述べた。

 再稼働には原子力規制委員会による同原発の下に通る断層が活断層か否かの判断が重要視される。同原発敷地内は23本の断層を確認。昨年9月、「20万年前以降の活動はない」として東電は適合性審査を申請したが、データが不十分と規制委は返答。その後東電の追加調査を受け先月30、31日に規制委が現地調査に入った。新規制基準では13〜12万年前以降に活動があった断層を「活断層」と定義。その上に原子炉等重要な建物は建築できないとしており、調査結果が今後の審査に大きく関わる。

 他にも課題がある。『核のゴミ』はどうするのか。使用済み核燃料は全国の各原発で保管し続けているが、再稼働すれば増えるのは必然。特に原発の使用済み核燃料を再処理後に発生する高レベル放射性廃棄物は最終処分場設置のメドは立っていない。柏崎刈羽原発での使用済み燃料保管状況は「すでに容量の8割ほどになっている」(広報部・石川清澄課長)という。最終処分場問題は経産省の有識者作業部会(委員長・益田寛也元総務相)で検討するが、抜本的な対策は出ていない現状が続いている。

現役おやじ、熱唱、ねたっぽ40周年  11月7日号
 〇…築2百年余の古民家に、節目を祝うフォークソングが響いた。津南町赤沢在住の3人で組むユニット「ねたっぽ」(滝沢満春、滝沢正、滝沢好美)の結成40周年記念ライブは2日夜、町内反里口の「大平」で開催。地元の仲間、遠くに住む幼馴染や友人で会場いっぱいの70人余が参集。リーダーの満春さん(58)は「もの好きがこんなに集まってくれて嬉しいよ」と笑いを誘いながらにっこり。全16曲を熱唱し大好評だった。

 〇…歌ったのは70年代フォークを始め、故郷を離れた幼馴染を想うもの、思春期の失恋を振り返る哀愁あるメロディのオリジナル曲も多彩に演奏。この日はねたっぽ作詞作曲の『あの頃へ』に登場する、満春さんと正さんの幼馴染の大塚良治さん(58、長岡市)も駆けつけた。「高校は東京に進学して故郷を離れたが、今でも彼らとは飲み仲間。自分がモデルの歌を聞いて泣ける想いだ」と感銘。一方、満春さんが勤めたヤマハ時代の同僚でバンド仲間、太田誠さん(59、ベース)。島根・益田市からバスと車で17時間かけ来町し友情出演。「一緒に歌うのは20年余ぶり。ヤマハ仲間とは65歳の時にやるかと言っている。今から楽しみだな」と久々の共演に満足そうだった。

ハロウィンを親子で楽しむ。十日町蘭の会   11月7日号
「お菓子をくれないとイタズラしちゃうぞ」―。十日町蘭の会(水野美奈子代表)主催のハロウィン仮装パーティが1日、十日町中心市街地を舞台に開催され、魔女やおばけなど思い思いの仮装をした幼児、児童や親子連れが街中に溢れた。
 仮装パーティは中心市街地活性化の一助にと、同会が企画し今年で3回目。参加者も年々増加し、今年はほくほく線「ハロウィン号」で六日町から同企画に参加した親子連れなど40人も加わり、昨年の150人を大きく上回る5百人余りがスタンプラリーや露店、コンサートなどを楽しんだ。
 水野代表は「予想を上回る参加者数で対応に苦労した。子どもたちの楽しそうな姿や、親子での街歩きが活性化に繋がれば。来年も開催したい」と話している。

世代超えダンスパフォーマンス、スタジオJ&A発表会  11月㏦号
 ○…「かわいい」と声援が飛んだ。津南町「スタジオJ&A」の第27回定期発表会は3日、町文化センターで開催。チアリーダー風やよさこいなどのオリジナル衣装を身に付けた保育園児から60代女性50人余がステージ発表。躍動感あふれるダンス、大人の魅力満載の踊りなど多彩に2時間余ダンスを披露。3百人余から大きな拍手を受けた。

 ○…地域の先駆けのダンススクールとして開設28年目。かつての教え子が親となり、その子がまたスクールに通うなど、世代を越えた活動になっている。大口代表(63、大割野)は「ダンスの魅力を伝え続けたい。目標は30回です」。体験見学は随時受付。裏千家茶道、ヨガやエアロビスク指導も行っている。рO25‐765‐2239。

紅葉に初冠雪、苗場山系  10月31日号
 ○…雪国にいよいよ冬到来―。古くから稲作の守り神としての信仰を集めている日本百名山のひとつ、標高2145bの苗場山に28日朝、山頂付近が真っ白に雪景色。初冠雪となった。「苗場山に雪が降ると、いよいよ冬」、妻有地域の住民はそう話しながら半年もの長い冬の準備を迎える。

 ○…苗場山は今月中旬にも霰などが降ったが、ふもとから降雪を確認できたのはこの日が初めて。秋山郷の栄村役場秋山支所によると、「小赤沢集落の初雪は昨年11月11日だった。今年の苗場山の初冠雪は例年並みではないか」と話している。秋山郷一帯は、まだ赤や黄色の紅葉時期が続いており、白い初雪とのコントラストにカメラを手にした多くの観光客の姿が見られている。

写真・秋山郷、小赤沢から苗場山を望む(左奥が山頂、10月28日)


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