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2014年06月の津南新聞「トピックス」

過去の津南新聞トピックス
ヒカリ、未来に向かって、下条小140周年で記念曲合唱   6月27日号
 「小学校校舎の建替えを」と地区の要望が始まってから20年。住民の念願が叶い、十日町市立下条小(池田正義校長・児童159人)の新校舎が昨年12月に完成。同校舎竣工と創立140周年、さらに下条中(丸山実校長・生徒95人)校舎の大規模改修竣工を祝う記念式典が22日、下条小多目的ホールで開かれた。

 下条地区の教育推進記念事業実行委員会の生越誠一会長は「長い時間をかけ検討し、地区では小中のみならず、幼保園とも連携して15年の学びを連続させ、新しい教育の形を作ろうとしている。小中校舎が接続され児童生徒と教職員の交流が進んでいる。市と住民の大きな支援を受け止め、子どもたちは下条魂を胸にはばたいてほしい」と式辞。関口市長は「今年度から小中一貫教育が本格始動。この校舎の特色を活かした素晴らしい成果があがるものと確信している」と祝辞を贈った。

 式典後、会場を下条中体育館に移し「小中一貫教育推進大会」を行い、3年間の取組みと今後の展望を発表。また、同実行委では記念事業の一つとして記念曲を作った。児童生徒、教職員らが思いを募って作詞、元下条中で教鞭をとった音楽指導者・池田芳幸さんが作曲した「ヒカリ〜未来へ向かって〜」を児童生徒ら260人が合唱。澄んだ歌声が参集者の胸を打った。

 下条小は明治6年創立。旧体育館は昭和38年、旧校舎は同43年の建設で老朽化が進み、平成16年の中越大震災で被害を受け、21年の耐力調査では「施設の補強は困難」と判断され建替えが決定。新校舎は24年9月に着工、総事業費約9億6千万円をかけ昨年12月に完成。今年1月に初登校。

 同地区では平成22年に「下条の教育を考える会」と「下条小中学校の校舎等整備推進協議会」を設置、23年には小中一貫教育モデル校区に指定。24年には「下条の教育推進記念事業実行委員会」が始動し『未来にはばたく下条っ子のために』を目標に活動を進めてきた。市の「ふるさと納税」を活用して寄付を募り、集まった約2800万円で教育設備を購入、今後はランニングコース整備なども行う計画だ。

ブナ林に響く子供たちの歌声、飛渡小学校   6月27日号
 ○…目にまぶしい緑のブナ林で児童たちの歌声が響いた―。十日町市立飛渡第一小(佐藤吉宏校長、児童12人)と飛渡公民館(橋本靖館長)のコラボによるブナ林コンサートが21日、池谷地区・雄大林で開かれ、児童全員の歌声がブナ林にこだました。

 ○…「ふるさと環境学習」の一環として同小と地区公民館が連携して開いて今回が3回目。地域おこし協力隊バンドもギターやフルートなど持参し演奏を協力したなか、児童たちは「明日があるさ」や「さんぽ」「ビリーブ」「ふるさと」など8曲余りを歌った。橋本館長は「子どもたちのいい思い出になるはず。このブナ林を大好きになってくれるはず」と話し、児童のひとり、橋本偲杏ちゃん(3年)は「すごくきれいなこの場所で歌えて気持ちよかったです」と話していた。

農村景観100選「結東・石垣田」、浮かび上がる棚田  6月20日号
 ○…全国農村景観百選の秋山郷「結東の石垣田」で14日夜、2千本のキャンドルを石垣田に灯した『けっとのほかげ(結東の狐火)』が開かれ、訪れた人たちは「うわー、きれい」と歓声を上げた。

 ○…結東の石垣田は飢饉をなくそうと明治期から地域の農民が石垣を切り出して水田を作った貴重な棚田。全国にアピールし保存につなげようと「石垣田保存会(田中ふみ子会長)」が開き、今回が3回目。会場には県内のバスツアー客ら3百人余りが訪れ、暗闇の中に輝く一夜だけの幻想的なキャンドルの光の光景を満喫していた。

津南町長選「上村憲司氏」 6月20日号
 任期満了(7月8日)に伴う津南町長選は17日告示し、現職で2選めざす上村憲司氏(65)と前回出馬の元町議、半戸哲郎氏(63)の2人が届け出て、22日の投票日に向けて激しい熱戦を展開している。再選めざす上村氏は「明日を支える若い世代に、どのような津南町を残すことができるか、それが問われている。胸を張って引き渡せる津南町を築かせていただきたい」と、次代を担う世代へのメッセージを強調する。一方、半戸氏は13日の公開討論会での上村氏の発言を捉え、「雪が放射能の飛散を防ぐなどという人は、日本中探してもいない。これでは津南は守れない。こういう町長にあと4年、任せていいのか」と対決色を前面に出し、支持を訴えている。4年前の前回、三つ巴戦で対決した両氏。今回は現職と新人という構図だが、支持層に変化はなく、前回出馬したもう一人の新人票の行方が大きな焦点になっている。

 今回の町長選は告示後、いっきに対決色が強まり、激戦の様相を見せている。特に新人の半戸氏が前回以上に現町政批判を鮮明にし、原発問題や国民健康保険料問題などを前面に出し、争点を際立たせる主張をしている。

 再選をめざす上村氏は告示日、衆院・高鳥修一氏や村松、尾身県議、島田栄村長らが応援に駆けつけたなか、「今回で7度目の選挙だ。今回ほど負けたくない選挙はない」と厳しい表情で集まった350人に訴えた。

 街宣で強調するのが『変わりつつある津南』。その誘因で上げるのが5月に実現したファミリーマートによる『津南の天然水』全国販売。「毎日5万5千本が売れている。これは毎日5万人の津南応援団が誕生していること。秋山郷観光も格段の入り込みで、見玉駐車場を3倍に広げている。ニュー・グリーンピア津南の宿泊予約も前年より1万人増えている。津南は皆さんが思っている以上に変わりつつある」と4年間の取り組みを実績として主張している。

 この変化を4年前にも訴えた『域内所得の向上』に結びつける。同時に若者層の定住促進のため「子育て支援住宅制度」などを掲げ、「定住・定着してもらうためには所得の安定が最重要。それが実現できる町づくりを進めてきている。この流れを止めてはならない。新しい流れを続けるために、今回の選挙を戦っている」と『上村町政の継続』を訴えている。

 上村憲司氏=1949年2月生まれ、日大生産工学部卒。上村建設工業常務、県議20年、副議長歴任。2010年津南町長初当選、新潟県立大理事、津南町今井、65歳。

津南町長選 「半戸哲郎氏」  6月20日号
 半戸氏は、自身は『町民党』を掲げるが、政策協定の共産や告示日に駆けつけた民主系の応援が見える。だが、「町政を良くするには全員野球が必要」とスポーツマンスピリットを前面に出し連日、運動靴で駆け回る。

 半戸氏はこれまで集落座談会では政策を中心に説明してきたが告示後、一変した。その導火線は13日の公開討論会。「私は公開討論会が終わった瞬間、今の上村町政では津南はだめになると強く感じた」と言い切る。

 その一つが原発問題。街宣では上村氏の言葉を痛烈に批判。「真冬に原発事故が発生した場合の質問に対し、上村町長は雪が放射能をシャットアウトすると言った。全国どこを探しても、そんなことを言う人はいない。こんな人にこれから4年間、町長を任せられるのか」。さらに津南産山菜から基準値超えのセシウム検出の問題も取り上げ、「あれは福島原発の放射能。柏崎刈羽原発はもっと近い。上村町長は津南には来ないというが、現に福島から来ているではないか」と指摘。「町民の命を守るのが町長の最大の責務。私は命を賭して町民の命を守る」と支持を訴えた。

 国保料問題も強調。「上村町長は3年間で2万円も引き上げた。小林前町長は厳しい財政の中、10年間据え置いた。国保の70%が所得の低い人たち。人の痛みが分からない人に、町長は託せない」とさらに激しく指摘。「津南に種をまいている時間はない。苗をしっかり植え、それをしっかり育て、花を咲かせることが何よりも重要だ」と街宣マイクを握り、訴えている。

 半戸哲郎氏=1951年3月生まれ、県立津南高卒、1970年津南町職員、2007年津南町議初当選、2010年年津南町長選立候補、津南町朴木沢、63歳。

明日へ 「西潟いずみさん、お茶飲んでいかっしゃい、いいですね」  6月20日号
 長靴に作業着、手にはスコップの出で立ちで先週15日、初めて地区の「道普請」に参加した地域おこし協力隊の西潟いずみさん(26)。十日町市清津峡地区を担当。「みちぶしん?、初めて聞く言葉でしたが、共同作業なんですね」。雄大な柱状節理と清流・清津川の清津峡。河畔沿いの遊歩道や水路などの整備を、地域の人たち総出で行った。
 道中、作業しながら聞いた話にすっかり引き付けられた。「皆さんの雰囲気がいいですね。この地域を大切にしている気持ちが伝わってきます」。

 北海道・室蘭市生まれ。父の祖父は三条市生まれで、若い時に北海道に渡ったという新潟との縁がある。人口9万2千人。室蘭は高校卒業まで。東海大時代はスノーボードに取り組み、新潟や長野に通った。卒業後の夏、南魚・八海山麓の友だちの家で、八色スイカ収穫を手伝った。その時、自分の中で何かが響いた。
 「いいなぁと思いました。こういう所で暮らしたい、と。自分が求めていたもの、そんな感じでした」。
 暮らすには仕事が必要と、東京原宿ネスパスに通い、『地域おこし協力隊』の存在を知る。昨年12月、十日町市が受け入れる協力隊を訪ねる日帰りツアーに参加。「こういう仕事もあるんだ」。どんどん自分の気持ちが動いていくのを感じた。1月末締切にすぐに応募。希望通り清津峡地区に決まった。中里地区の先輩の協力隊、小針伸広さん、仲井梨恵さんとのチームワークで地域を盛り上げている。

 「前任の大場さんのおかげで、スムースに地域に入っていけます」。大庭さんは3年の任期満了後も同地に暮らし、良き相談相手になっている。
 気になるのは「集落の高齢化」。だが地域の人たちは元気だ。「お茶飲んでいかっしゃいと、声を掛けていただきます。いろいろな手料理が出てきて、それがとっても美味しいんです」。
 いま十二峠は通行止。不便を強いられる土倉、倉下には定期的に保健師と一緒に巡回訪問。「地域の皆さんの声を、行政などに伝える役割を担えられたらと思っています」。
 季節の移ろいを感じる。「先日までは鏡のように景色が映り込んでいた田んぼも、早苗がぐんと伸び、緑の濃さを増しています」。地元の人との共同作業は、レクチャーの場。「この田は雪どけ水しか入らないから、本当にうまい米ができるんだよ、などと話され、その表情がまたいいんですよ」。 

 来年は第6回大地の芸術祭。地域の人たちと「何かできないかな」と話を始めている。元小学校の清津峡校舎、物産販売所のラピーヌなどの活用を考える。「地元の食材で地元のおかあさんたちと一緒に、農家レストランができないかな、などと考えています」。地域に調理師免許を持つ方が多くいるという。
そのチャレンジに備え、初の野菜づくりに挑戦。畑を借りジャガイモ、キュウリ、ナス、ミニトマトの定番のほか、ズッキーニ、パプリカ、シソ葉、唐辛子なども作付け。

 音楽にも取り組む。ピアノ、ギターを奏で、協力隊バンドにも参加。清津峡校舎を活用するアイデアもある。「運動教室や子どもたちの遊びの場、音楽を楽しむ場など、地域の方々が気軽に寄れる場など、いろいろ使いたいですね」。お茶飲み話しで、いろいろアイデアが出ている。 (恩田昌美)

60年間、校区で植林を住民共同で、農水大臣表彰  6月20日号
 昭和25年から35年まで杉苗の植林を行い、現在は国有林に約18f、市所有地に1f余りの広さで学校林を育てている水沢中(中川久男校長、生徒151人)で15日、今年度の学校林活動を行った。全校生徒はじめ保護者や地域ボランティアら300人余りが参加、スコップなど手に「皮むき間伐」や枝打ち、下刈り作業などを行い、学校林の保全整備に汗を流した。

 学校林の樹齢は60年ほどで、親子3代にのぼる活動となっている。昭和59年には林業関係者も参画した「学校林管理委員会」を組織。維持管理を中心に地域一体の取り組みを推進。平成18年には学校林の間伐材を活用し、生徒も教室づくりに参加した総合学習室「森林の館」を開設している。

 作業に取り組んだ大口夢真さん(1年)は「作業は力が必要で大変だったけど、いろいろ教えてもらいながらみんなで協力しあえて楽しかった」と話した。同校は森林保全の大切さを学び、平成25年度全日本学校関係緑化コンクール・学校林等活動の部で最優秀の農林水産大臣賞を受賞しており、中川校長は「学校林整備は水沢中の伝統行事。60年という長い活動が受賞につながった。額に汗して頑張ることや自然、環境を学ぶなど、普段できない体験の場としてほしい」と話した。

校歌をレリーフに、来春閉校の外丸小で親子で作成   6月20日号
 ○…世界でひとつだけの校歌アートを完成させよう―。創立140周年、そして来年3月閉校の津南町立外丸小(樋口広栄校長、33人)。玄関前のピロティには、昭和48年度と同57年度の卒業生らが製作した木彫と銅版の校歌1、2番が飾られている。「残る3番をみんなで作ろう」と15日、銅版レリーフ作りに挑戦。完成作品は大パネルにはめ込み、学校最後の年を彩るアートとして飾る計画だ。

 ○…40年余の月日を得て完成を迎える校歌レリーフ。銅版15×10aで校歌3番の全46文字を作り、90×90aの大パネルに収める。赴任3年目の橋ゆかり教諭は「3番を作りたいという願いは以前から出ており、何とか閉校前の今年作ろうとなったんです」。保護者からも「ぜひやろう」と賛同を受け、閉校記念行事のひとつとなった。

 ○……銅版を叩き、校歌を刻む親子。昭和57年度卒の涌井由喜子さん(43)。今は4年のあや夏さん、3年のほの夏さんの娘2人が母校に通う。「まさか自分たちが卒業制作した作品の続きを、閉校記念として我が子と完成させるとは思いませんでしたね。懐かしく自分の方が真剣になっちゃいました」と感慨深そう。あや夏さんとほの夏さんは「せっかく作った校歌、これからもずっと飾ってほしいな」と作品作りに熱中していた。

震災復興を祈念、栄村で北信州植樹祭   6月20日号
 震災復興祈念のオオヤマサクラ30本など、みどりの少年団の小学生など320人余が参加し14日、県境地震の被災地、栄村で北信州植樹祭を同村トマトの国広場で行った。広域6市町村で開く同植樹祭は、栄村では6年ぶり。同広場の斜面約0・18fにユキツバキやナナカマドなど4百本を記念植樹した。

 北信州植樹祭は、北進林業振興会(会長・芳川修二木島平村長)が主催し、6市町村(栄村、中野市、飯山市、山ノ内町、野沢温泉村、木島平村)で会場を移して開催。植樹祭には衆院・篠原孝氏や宮本衡司県議、市町村長、広域6市町村の「みどりの少年団」の小学生百人などが参加し、震災復興祈念樹など430本を手植えした。

 記念式では林業コンクールのポスター入賞者などを表彰し、地元の栄小学校5年の高橋優豪くん、桑原由妃さんが「みどり豊かなふるさとをつくります」などと誓いの言葉を述べた。来年の開催は木島平村で行うことが決まっている。

目標はプロ野球、瀧澤匠選手(津南出身)、社会人野球で活躍  6月20日号
 「自分のピッチングでチームに貢献したい」―。今月28日に開幕する社会人硬式野球「第39回全日本クラブ野球選手権大会新潟予選」に、津南町出身の投手が登板予定だ。瀧澤匠選手(19、結東出身)。「野田サンダーズ」の投手として今季公式戦初登板。「地元の野球好きな子の目標になれるような試合をしたい」と闘志を燃やしている。

 瀧澤選手はスポ少野球中津川イーグルス、津南中野球部に所属。強気のピッチングでチームをけん引。野球のため進学した日本文理高では同期に田村勇磨(現アルビレックス新潟BC)、波多野陽介(現東北福祉大)とプロも注目する両投手と切磋琢磨。公式戦登板は無かったが、3年時に層の厚い同高でベンチ入り。プロとなる夢を諦めず卒業後、野田サンダーズに加入した。「三振を取るとやっぱり気持ちがいい。プロへの道も諦めていません。活躍し、故郷の子どもたちの目標となるような投手をめざします」と瀧澤選手は想いを話す。

 同選手権での活躍が認められ、プロ野球界に入った社会人野球選手は多いという。県大会は9チームが出場、上位3チームが北信越に進む。目標はもちろん優勝だ。

アルプスぶらりぶらりA 槍ヶ岳に日が沈む   6月13日号
 山を始めたのは2年前の夏。小さい頃、二度だけ父と登山に行った事があり、実はまた始めたいと思っていた。父はもう登れないであろうと勝手に判断し、友と富士山に行く計画を立てだが、休暇が合わず延期、延期が続いていた。そのことを登山経験のある上司に話したところ、山に誘って  
いただいた。

 2年前の7月下旬、長野県・菅平高原の根子岳(2207b)への山行。正直、かなりなめていた。中学の学校登山以来、約8年ぶり、想像以上にしんどく、景色を見る余裕など全くなかった。一応コースタイム通り山頂に着いたのだが、下山する体力が残っているか怪しいと感じ、山頂に着くなり上司を差し置き、おにぎりや焼き鳥を食べ始めた。なるたる非常識な部下である。
『よしっ、後はおりるだけだ!』と気楽にいると、上司から耳を疑いたくなるような言葉…。

 『まだ時間あるから、隣の四阿山まで縦走しよう!』。えっ、びっくり。しかし、上司には、はむかえない。トホホホ…。     
      写真/文・しおり     (次号に続く)

津南町長選、「種をしっかり育て、花を咲かせる」、上村陣営が総決起集会  6月13日号
 上村町政の1期4年間が審判される津南町長選は来週17日告示、22日投票。現職で再選を期す上村憲司町長(65)に挑戦する元津南町議の半戸哲郎氏(63)。後援会活動を主体に前哨戦を展開する。「この4年間で種をまいた。これからの4年間で、しっかり花を咲かせ、実を結びたい」と上村町長。対する半戸氏は「津南町には種をまいている余裕はない。苗を植えて、しっかり大きく育てる必要がある」と返す。両陣営が開く集落懇談会(町政報告会)の参加数はいま一歩で、関心の盛り上がりを欠きながら公示日を向かえそうだ。今回の町長選は、高齢化する津南町の現状にあり、次代を担う30代から50代、さらに活発なグループ活動が目立つ女性の動向が大きなカギを握る。最終盤を迎え、両陣営とも若者層、さらに女性への浸透をはかっている。

 現職・上村町長後援会は10日、町文化センターホールで総決起集会を開いた。3百人余が参集のなか、泉田知事代理の森邦雄副知事、衆院・高鳥修一政務官、村松二郎県議、さらに交友する群馬県元県会議長、全国老人クラブ連合会副会長、あるいは葛飾区議などステージには、人脈の幅広さを現すゲストを迎えた。

 「泉田知事とツーカーの人は上村さん以外にいない」(森副知事)「高齢化するなか、上村町長は独り暮しをしっかり支えている」(高鳥修一氏)、「今だからやらなければならない事がある。それには腕力ある人が必要。その人が上村さんだ」(村松二郎県議)、さらに「私は津南大好き。長年津南に来ているが上村さんになって津南は良くなった」(増田時枝全国老ク連副会長)など次々と現職続投の必要性を強調した。

 上村町長は、域内所得の向上や県下一の子育て環境づくりなど4年前に訴えを振り返り、「長かったと同時に、あっという間の4年間だった」。すでに30集落余で町政報告会を開き、約千人が参加していると話し、「新潟県立大との連携で津南の様々な政策を研究してもらうことが実現し、水事業でブランド力をつけることができ、これを国内、さらに広く世界にどう発信していくかが課題」など、今後の政策課題を述べた。

 特に子育て整備では、町内の空き家教員住宅を「子育て支援住宅」として制度化する方針を述べ、「若者たちが所得を確保し、この地で暮していけるようしっかり支援していく」と決意を述べた。最後には「負けたくないと思う初めての選挙だ」と述べ、支持を訴えた。

津南町長選、「住民参加型町政の実現を」、半戸陣営が決起集会  6月13日号
 半戸後援会は7日夜、町中央部・大割野の旧津南電子工場跡の後援会事務所で80人余が参加し決起集会を開催。市町村合併の波が襲うなか自立宣言し、「実践的住民自治」を掲げ、全国に知られる存在となった栄村の元村長・高橋彦芳氏を招き、講演会を開いた。

 高橋氏は、村長5期20年のキャリアを踏まえ、「自治の精神は強固でなければならない。地域づくりの第一は住民自治。21世紀のまちづくりプランは、ただ成長、成長ではない」と基本理念。「人口1万人の津南。過疎だの高齢化だのなんて言う必要ない。多士済々の人材がいる。この人材を活用する住民自治が、まちづくりである」などと、歯切れよく話した。

 これを受け半戸氏は、地区座談会でも訴える「住民密着型の町政、住民参加型町政で新しいまちづくり」を強調。職に就いたら、7月8日任期満了の直後から集落座談会に入り、まちづくり推進室を設け、専門アドバイザーや町民参加のまちづくり推進会議の立ち上げなど、政策の一端を述べた。さらに「アドバイザー予算として町長報酬3割カットし、町長公用車は廃止する」など積極姿勢を見せる。

傾聴ボランテイア、広がる需要で要請講座、津南町社会福祉協議会  6月13日号
 役割はただ「相手の話を聞くだけ」。地域の高齢化が進み、独居世帯が増えるなか「傾聴ボランティア」への関心が高まっている。
 津南町の傾聴ボラグループ「ほっこり」(大口定一郎代表、13人)は昨年11月発足。50〜60代の男女が、福祉施設や高齢者独居世帯を訪問。話し相手がいない高齢者の悩み、不安などの聞き役を勤める。「時には別れる時、涙を流し『また来てね』と言われます」と大口代表は活動の必要性を強く感じている。ディサービスを利用しても友人もなく話す相手がいない、一人暮らしになった高齢者は周りの同世代が亡くなり外に出なくなるなど、話したいが話せない環境を抱える。大口代表は「一生懸命聞き、ありのままを受け止めるだけの誰でもできる仕事。高齢化が進む地域にとって必要な活動です」と語る。

 十日町・津南地域に傾聴ボラを行うグループは「ほっこり」と、「地域ケアを支え隊」(小宮山武嗣隊長、11人)の2団体。福祉施設や個別訪問などのニーズは高まっているが、メンバーは不足気味。津南町社会福祉協議会は今月22、29日に傾聴ボラ養成講座を開き、新たな参加者を募る。「相手を思いやり、話を聞く技法を学びませんか」と参加を呼びかけている。

 高齢者独居世帯は十日町市の約2万世帯のうち、昨年度1602世帯(十日町982、川西175、中里107、松代189、松之山149)。特に松代、松之山地域は高齢者独居世帯が1割を超える。一方、津南町約3600世帯のうち、高齢者独居世帯は3月末付で462世帯。高齢化率は市が32%余、町が36%余。今後も高齢化は進み、地域住民で支える仕組み作りが必須になっている。

またゲリラ豪雨、田畑に被害、津南町  6月13日号
 津南地域を突発的なゲリラ豪雨が襲った。9日午後3時半頃から降り出した雷雨。町内各地で小規模な土砂崩れや増水が発生。特に被害が大きかったのは辰ノ口地内。通称「柳沢大原」の田んぼ約1fに沢からの鉄砲水で土木片や土砂が流れ、一部の畔が崩落。同地は3年前の新潟福島豪雨でも烏帽子形山からの沢が一気に急流化、畔が壊れるなどの被害が出た箇所。住民から「ちょうど集落でも対策を協議していたが最近は熱帯のように一気に豪雨になる。どう対応すればいいのか」と続く天候不順を不安視する声が出ている。

 9日の雷雨は町役場観測所では時間当たり最大22_の降雨量だったが、川西地域に最も近い県の割野観測点では午後3〜4時に31_を記録。辰ノ口の「柳沢大原」には2つの沢があり共に増水。田約1f、畑約0・5fが冠水し被害が出た。同地の約18eで水稲を作る小野塚正直さん(66)は「先週に田植えをしたばかり。まだ活着したばかりの苗に土砂や流木が入ってしまった。稲の成長に影響がでなければいいが」と肩を落とす。同地区では度重なる豪雨被害に、烏帽子形山にある砂防ダム増設要望など検討している。

 豪雨では町道大井平‐城原線が土砂崩れで一時通行止め。町道外丸‐中尾線で法面の一部が崩落、水路損傷の被害。卯ノ木地内では小河川増水で水が溢れ、消防団員が土のう積みで対応するなどの被害が出た。なおJR飯山線は十日町―戸狩野沢温泉間で運転を見合わせ、6本を運休した。
 なお十日町市は9日の時間雨量は県の倉俣観測所で23_(午後4時〜5時)、天水越で21_。栄村は最大30・5_(午後3時〜4時)を記録したが、両市村で被害報告は入っていない。

写真・豪雨で田んぼが川になった津南町辰之口地区(6月9日午後5時過ぎ)

頼もしき助っ人、草刈り女子登場  6月13日号
 ◎…草刈り女子登場―。高齢で作業が難しいお年寄り農業者に頼もしい助っ人が現れた。十日町市の松代支所の里山プロジェクト(高橋治夫統括支援員)は「棚田の草刈り隊」を募集。第1次に応募した東京や神奈川からの18〜30歳の3人が今月7、8日、市内東下組の二子集落に入り、初めての草刈り機を使い、果敢に挑戦した。

 ◎…住民から草刈り機の手ほどきを受け、草が茂る棚田の傾斜地で草刈りに取り組んだ。神奈川のワイン貿易商社に勤務の後藤佐紀子さん(24)は「草の根元まで刈るコツや斜面で草刈り械を動かすのが難しいですね。棚田を守る大変さを知りました」と話す。来月下旬まで第4次隊まで募集する「草刈り女子」の奮闘は続く。

パンダうんちは笹の香り、上野動物園・阿部展子さん(津南出身)講演  6月13日号
 「パンダは連れてこられなかったけど、今朝とれたてのうんちです」。発砲スチロールの小箱からビニール袋に入れた便をとり出すと、体育館は「うわーっ」という児童の驚きの声が鳴り響いた。十日町市立中条小で先月28日、上野動物園パンダ飼育員・阿部展子さん(29・津南町前倉出身)の講演会が開かれ、児童たちは目を丸くした。 

 阿部さんは「なぜパンダは白と黒か。雪の降る所に棲み、天敵から身を守るためで、木の上や藪に入ると本当に分かりにくい。目の周りの黒は小さい目を大きく見せるため」などとパンダの生態を話す。「パンダはグルメで動物園では5〜6種類の竹を与えるが、まずい竹はぜったい食べない。野生では数十種類の竹の旬とうまい部分を知っており、タケノコも大好き」などと語った。さらにパンダの秘密クイズの『パンダの鳴き声は?』では、怒った時は「ワン」、空腹の時は「メーメー」、『指は何本?』では「竹を握ったり、滑らないよう7本ある」など興味深い特徴を分かりやすく説明。

 パンダの消化器官は未発達のため、竹を食べれば竹の色、人参を食べれば人参の色で、それぞれの匂いがし、他の動物のように臭くない。小箱からとり出した便を児童が次々と嗅ぎ「笹の匂いだ」「お茶の匂いみたい」と大騒ぎに。児童の「パンダの食費はいくら」の質問に「一日一頭1万5千円ぐらいで、一か月に百万円ぐらいかかる」の答えに驚きの声があがった。

 阿部さんはどうしても飼育員になりたいと杏林大学の中国語を専攻。さらに獣医育成の中国・四川農業大学に進み、成都大熊猫(パンダ)繁育研究基地でも実習した経歴の持ち主。「今日のパンダの秘密を聞いて、興味を持ってくれたらうれしい。是非、上野動物園に来て自分だけの新しい発見をしてほしい」と語った。

火焔土器を東京五輪聖火台に、中条で縄文星祭り  6月13日号
 十日町市笹山の国宝・火焔型土器を2020年東京五輪の聖火台モチーフにと、実現に向け運動が活発化するなか7日、第15回笹山じょうもん市の前夜祭「縄文星祭り」で聖火台に見立てた大型火焔土器に点火する儀式を行い、実現への機運を盛り上げた。

 東京五輪聖火台は火焔型土器をモチーフにと求める運動は、下村博文文部科学大臣が昨年9月、十日町小学校とふれあいの丘支援学校へ視察に訪れた時、関口市長が「東京五輪の聖火台は笹山の国宝・火焔型土器をモチーフにして制作してほしい」と要望したのを契機に広がりを見せた。

 高鳥修一代議士が安倍首相と下村文科大臣に火焔型土器柄のネクタイを贈呈したほか、11月には市博物館友の会設立35周年に青柳正規文化庁長官が講演で来市する予定で、東京五輪聖火台モチーフの実現に弾みがつくものと期待が寄せられている。また先月下旬には自民党系や公明党系の市議団が文科省で聖火台実現など陳情。さらに曹洞宗の広報誌4月号に同土器が紹介されたほか、地元の紬メーカーが火焔型土器模様の訪問着を製作するなど盛り上がりを見せている。

 星祭りでは、古代の火起こし機で起こした種火を、子どもたち6人がタイマツに移し、正面に据えた大型復元火焔型土器に点火。会場からは、五輪への期待を込めて大きな拍手が起こった。また中条小児童や住民が五輪聖火実現を願って作った小型土器「縄文灯火」100個にキャンドルを灯した。訪れた人たちからは「ぜひ十日町の火焔型土器が東京オリンピックの聖火台モチーフになってほしい」と願う声が広がっていた。

新連載「アルプスぶらりぶらり」 常念岳を望む  6月6日号
 突拍子な事に、新聞に書くことになった。山を始めて3年目。休日ともなれば、ほとんど山にいる生活を送っている。20代の女が、どっぷり山に浸かっているのが珍しいからか、妻有新聞さんから「何か書きませんか?」と、山の上まで追っかけ連絡を頂いた。
 このコーナーがいつまで続くかは気分まかせ、いや内容次第かな。何を書くかは山まかせ、です。いやいや、突然の打ち切り(遭難??)。

 私は、山の事はほとんど知らない。ただ山の景色が好きで、休日は山に出向く事が多い。私の言葉が、どう皆さんに届くのか、不安であり、ちょっと楽しみだ。
 私の山行は次週から詳しく書きたいと思う。先ずは先月下旬に登った北アルプス・横通岳(2767b)中腹から臨む名峰・常念岳(2857b)。中央下に常念小屋がある。ここからピークまでは約1時間だ。(写真・6月3日撮影)

    ○○○
 「アルプスぶらり日記」は、山好きな「しおり」さんが担当します。その場に立たなければ撮れない写真、その思いなどを綴ります。         (随時掲載)

10代のまなざし「松本和佳子さん・十日町高定時制2年」 心のスケッチを書く  6月6日号
 手に乗る大きさの2羽の折鶴が、合体している作品がある。それも表と裏の2種類の鶴。この2羽の合体鶴、実は1枚の紙で作られている。「東京の祖母のお見舞いにいただいた鶴を私がもらい、それを解体して作りました」。目の前で、いとも簡単に折り上げた。
 60枚の紙を使い、30のパーツを組み合わせて作るくす玉や背中に羽をつけた天使など、手の込んだ折り紙作品が居間に飾ってある。 「小さい頃から折り紙をして、折り図を見て作っていたので、折り図を見れば大体折れます。一緒に母も作りますが、『この折リ図、ぜんぜん分かんない』と母は言いますが」。

 本も好きだ。いまは「今野敏」の警察・刑事ものに熱中。「先日、駅を一つ乗り過ごしました」、それほど本を読む時は、その世界に入り込む。読むだけではなく、小さな画帳を持ち歩き、「気が向くと書きます」。その世界が面白い。「イメージが浮かぶと、それを表現するために文字にします。自分の中にたまっているイメージを文字にします」。

 それも、その時のイメージにより、文字の色は赤だったり、黒だったりする。「抽象的な世界が好きです。その時々、人の心には何が映っているのかな、と思います」。それは、画帳に言葉・文字で描く心象・風景『心のスケッチ』だ。

 表現に関心が向く。今は英語だが、「例えばフランス語でフランスの原書を読んでみたいです。きっと和訳や英訳の世界とは違う世界が書かれているはずです。文化の違いは表現の違いも生み出すはずですから」。  (恩田昌美)

またも水源からヒ素検出、十日町市下条地区  6月6日号
 またも水道にヒ素が―。十日町市下条地区の東下組簡易水道で昨年5月、飲用可能水質基準値を超えるヒ素が検出されたことで、水源を約1`離れた二子集落の簡易水道から取水していたが、今度は二子水源から飲用可能な上限基準値と同じ1g当たり0・010_cのヒ素が検出された。市上下水道局では先月27日、二子や漉野集落など対象6集落(81世帯、283人)に「基準値を上回っていないので健康への害はないが、水質の変化を見たい」と水道水を飲まないよう周知する一方、関係集落7箇所に臨時給水所を設けて対応している。水質は徐々に回復しているとして、早ければ5日夕方にも「飲用解禁」とする見込みだ。

 飲用可能水質基準値とは、一生涯摂取し続けても健康影響が現れないとされる量で、1g当たり0・01_cまでが国の基準。対象の6集落は二子、仙之山、平、漉野、願入、塩野地区。今回、飲用可能な上限基準値と同じ数値のヒ素が検出されたのは、毎月実施している先月24日の定期水質検査。市水道局では検査結果を受けた27日、地元説明を行い、関係住民に「念のため水道水の飲用自粛」を要請した。水質は基準値を上回ることはなく徐々に通常の0・005_c程度に近づいているとされ、早ければ5日夕方にも飲用再開を示す方針だ。

 検出されたヒ素は、水源地付近に原因になる事業所や廃鉱などがないことから、東下組簡易水道の場合と同じく地質的な自然由来と推定している。東下組簡易水道は昨年5月、1g当たり0・013_cと基準値を上回るヒ素が検出され、水源を二子簡易水道に移して対応していた。
 
 水溶性のヒ素は、溶解性の低いものは吸収されずに便として排泄され、吸収されたヒ素の一部は肝臓や腎臓、皮膚などに蓄積されるが、その後ほとんどは尿中へ排泄されるという。市水道局では十日町保健所に状況を報告。同保健所では「基準を超えないよう対策を」や「関係住民にきちんと説明を」などと指導。関係住民から体調不良などが見られた場合、市に因果関係や健康調査なども要請する方針だ。
 
 漉野集落の60代の女性は「水源を昨年切り替えたばかりなのに困ったもの。基準値を超えていないので私らはいいけど、家には保育園児もいるので給水の水を使っている。山の水はきれいで安心だと思っていたのに」と困惑気味。同水道局の森治局長は「しばらくの間は継続して検査を続けたい。今後は県を交えて恒久的な対策を検討していきたい」と話している。

写真・給水タンクから生活用水を受けている住民

ブナ林が奏でる至福の調べ、10年ぶり松之山美人林コンサート  6月6日号
 ◎…新緑のブナ林に弦楽の調べが響き渡った。10年ぶりに開いた松之山・美人林でのブナ林コンサート。県内外から5百人余が参加し、新緑の木漏れ日を受けながら、N響メンバーやオペラ・ソリストらがショパンや馴染みの曲などを演奏。ブナ林に響く心地よい音色が森林を包み込んだ。塩沢から夫婦で訪れた南雲順子さん(49)は「松之山は何度か来ていますが、美人林は初めて。素敵な所ですね。こんな雰囲気たっぷりの場所で好きな音楽が聴かれ、最高です」と、次々の演奏するソリストらの演奏に聞き入った。

 ◎…今回で5回目のコンサート。それも10年ぶり。実行委員長の高橋樹男さん(57)は、「そろっと開いてみようかと取り組んだ結果がちょうど10年目。今回は隣のキョロロの研究員の協力を受け、ブナへの影響などを調べ取り組んだ。松之山からの情報発信になればと思う。来ていただいた皆さんとの関係をこれからも大切にしたい」と話している。

全員野球で県大会3連覇、北信越大会へ、津南中等校  6月6日号
 県大会3連覇達成―。津南中等校の高校課程軟式野球部(反り目直史主将、17人)は先月26日にハードオフ・エコスタジアムで行った北信越高校県大会で優勝。3連覇を成し遂げた勢いで今月7〜9日、長野・茅野市運動公園で開く北信越大会に出場する。県大会は参加4校。1回戦は安塚高松之山分校を11対0でコールド勝ち、決勝は新潟商業高と競い4対1で破り優勝を飾った。

 週3回の少ない練習時間ながら、昨夏の北信越大会は準優勝し全国まであと一歩まで迫った同部。部訓は『笑顔で楽しむ野球』。だが実は春の北信越大会は未勝利で、1回戦敗退が続いている。北信越大会は参加7校。1回戦は昨年と同じく、長野代表・上田西高と対戦。反り目主将は「守りでリズムを作り、全員で攻める団結力のチームです。春の北信越で今度こそ勝ち、全国に繋がる夏の大会に繋げたい」と意欲。一方、阿部茂雄監督は「全員野球が部の在り方。しっかり自分たちの野球をすれば、結果も付いてくる」と激を飛ばしている。

これが140年パワー、外丸・中津・上郷で記念運動会  6月6日号
 ◎…140年の歴史と伝統を背負った子どもたちが、騎乗の人となり、懸命に戦った。来年4月、町中央部の津南小と統合する外丸小(樋口広栄校長・33人)で創立140周年記念の運動会を1日開いた。『思いっきり走ろう』では、1歳から87歳までの校区民が参加し50b走を行い、「懐かしいなぁ」と当時の同級生らとコースを走り抜けた。母校を昭和16年卒業した福原喜枝子さん(87)は「学年で70人、全校で5百人ほどいたが、少なくなってしまったね。でも外丸はまとまりが良く、学校がなくなっても、きっとまた皆が集まる何かやるでしょう」と、爽快な顔で話した。

 ◎…140周年記念運動会は児童、学校、PTA、校区民の思いがぎっしり詰め込まれた。子たち33人が1人4枚、運動会や学校への思いを絵や言葉で書き、万国旗と共にグランドに掲げた。赤白の応援合戦を見る卒業生、福原貞治さん(79)。「ほら、あの子たちの一生懸命の応援、涙が出るな。元気をもらえるよ」と目を細める。

 ◎…140年の記念Tシャツも作った。校歌1番をバックプリント。胸には校章に140年記念文字。袖には子たちデザインの八本杉。運動会では児童、親、校区民が記念Tシャツを着て、輪になって踊った。PTA会長の福原茂和さん(49)。「今年の学校行事すべてが140周年。若い人たちも地域を盛り上げようと活動を始めている。閉校するが皆で盛り上げたい」と話す。『140年記念Tシャツ』は希望者に頒布する。子供用、S・M・L・LLがあり1着3千円。連絡先・外丸小学校025・765・2142。

津南町長選・上村町長、追い風の現職、再選へ全開  5月30日号
 任期満了(7月8日)に伴う津南町長選は6月17日告示、22日投票で行う。現職で再選をめざす上村憲司町長(65)に前回出馬の新人で元町議、半戸哲郎氏(63)が挑戦する現職と新人の一騎打ちが濃厚だ。両氏とも後援会主体で集落座談会などを開き支持を訴えている。28日の町選管事前説明会には両氏の関係者以外に出席はなく、両氏の対決となる見込みだ。告示まで2週間余と迫ったなか、両後援会幹事長に現状と今後の取り組みを聞いた。

 現職・上村憲司後援会(大平豊道会長)は6月10日夜、町文化センターホールで総決起集会を開く。すでに泉田知事や政権与党・自民の衆参院の国会議員、県議などに出席要請している。一方で集落懇談会(町政報告会)を連日開く。ただ現職のため町長公務をぬっての開催で、これまで22会場で開く。総決起集会までに30会場で開きたいが町長公務との日程調整が難しくしている。
 
 今月6日の事務所開きで、同後援会・関谷貞夫幹事長は、取り組みの遅れと組織の意識改革を求め、厳しい指示を出した。「気を抜いた方が負ける。一日一日を無駄にしてはならない」と、『目標4千5百票』を示し、7割に迫る得票率確保への激を飛ばした。

 事務所開きからまもなく1ヶ月。田植えなど農繁期の真っ只中で、後援会活動にも影響が出ている。「大切な選挙だが、この時期、仕事優先は仕方ない。6月からが本格活動になるだろう」と関谷幹事長。前回は田植え前までに座談会や後援会名簿作成など基本的な活動はほぼ終了していた。
 
 一方で困惑しているのが『争点』。「こちらは現職。4年間が評価されるのが今回の選挙。相手方の柱となる主張が見えない」という。つまり『トップを変えなくてはならない』という際立った論点が聞かれないという。
 さらに課題は、町政報告会への参加が少ない20代、30代、さらに女性へのアピール。「3人で5人でも、どんな場にも行きますとお願いしているが、なかなか出席要請がない」と今後、インターネットを活用した情報発信も考えている。

写真・ファミマ事業実現など追い風の上村町長(右)

津南町長選・半戸氏、全町歩き終了、対決色打ち出す  5月30日号
 前回出馬し、231票差で及ばなかった半戸氏。だがこの4年間、次期への動きは全くなかった。この影響がジワリと出ている。後援会(涌井益夫会長)主体で集落座談会を各地で開くが、参加数がいま一歩。一方で半戸氏は、単独で町内歩きを連日実施し、28日までに全町すべて回った。同時に町内約70集落の半分で座談会を開く計画だ。

 後援会幹事長の大平謙一町議は、出遅れを心配するが「この4年間を挽回するために全町を歩いている。確かな手応えも感じている」と話す。

 今月下旬になり、半戸氏は対決色を鮮明にしている。座談会でも津南町の「自立」の選択を評価し、「自立により、地域と暮らしを守る条件と可能性を大きくしている」と前町政を支持し、「今度の町長選は、この条件と可能性を実らせるのか、それとも台無しにするのか、それが問われている」と言い切っている。

 一方で同様に農繁期がネックになっている。後援会の実働隊が動けない状態。「やはり仕事優先。これがひと段落しないと、本腰が入らないようだ」と、具体的な後援会活動の指示が出せない状況。全町周りは、ほぼ半戸氏1人で行った。「なぜ半戸なのか、主張を聞いてもらえば分かる。上村町政の4年間を検証し、さらに続けることが町民にとって本当に良いことか、地域の皆さんからよく考えてもらいたい」と大平幹事長は話す。
 今後は大規模な集会の予定はなく、「とにかく歩いて顔を合わせ、話し、支持をお願いする」と、徹底した『草の根選挙』を展開する方針だ。

写真・今月下旬までに全町をひとりで歩いた半戸氏(米原地域で)

川西高校、存続求め県教委に直訴、だが関口市長は「県方針を理解」  5月30日号
 2年後の2016年4月に十日町高との統合を県教育委員会が示している川西高校。同窓会や後援会、PTAらが中心となり昨年末、「川西高校の存続を求める会」を結成。27日、地元川西や十日町、小千谷地区の1万1193人分の署名を県庁に持参し、県高等教育課・石井充課長に手渡し、存続を要望した。会長の仲嶋英雄市議は「人の数の論理だけではすべて過疎化する。皆さんに切られると地域の元気はなくなる。小さい学校でも人間の育成に寄与できるような学校にして貰いたい」と強く求めた。今後も署名活動は継続する。

 同校には4年前に小出特別支援学校・川西分校(高等部)が併設、全国でも珍しい形態。存続の会が強調したのは「養護学校との共生による教育効果」。障がい者と共に学生生活することで意識に変化出てきたという。
 同校第1期生の上村保弘同窓会長は話す。「退学者が激減している。養護学校生との出会いで助け合い精神、思いやりが確実に育っている。特色を出せる最高の環境だ。福祉と連携した教育の場を考えてほしい」。要望書には『特別支援学校高等部併設の特徴を活かし共生社会のリーダー育成、福祉科の設置などで個性ある学校の整備検討を』と盛り込んでいる。

 直接要望に小千谷市議も行き、同行した村松二郎県議は「来年、10年後を見た中長期高校再編計画が出る。現在2学級募集する高校が、いきなり募集停止となる例は今までにない。学生たちが夢を叶えるための再編を考える必要がある」と話す。一方、県教委・石井課長は「福祉学級は様々な角度で検討している。計画策定にあたり再度精査し間違いない方向を出したい。ただ計画の基本はこのように進めるということはご理解を」と述べた。
 川西高は昭和48年に十日町高川西分校、昭和52年に独立。5千人余の人材を輩出。過去10年の大学進学7%、専門学校進学43%、県内就職者43%と県内で働く卒業生が多い。2年時のコース選択に就職希望の生徒に資格取得ができるビジネスコース開設が特徴。一方、募集定員2クラス80人に対し定員割れが毎年続いている。

関口市長「県方針を理解」
 川西高校の存続を求め、後援会や同窓会で作る団体が県教委に存続を直接要望した問題で、地元十日町市の関口市長は「県方針は基本的には理解できる。県方針に従って進めていただければ良いと思う」と地元行政としての姿勢を示している。
 同市長は「地域には少子化の影響が著しくあり、高校の数の調整も理解できる。松之山分校、十日町高校などクラス数の増減があり、県教委の方針を理解する中で、進めていかれるのを見守るという立場だ」と行政としては動かない方針だ。

 今回の存続要望は「卒業生や地域の方々の学校を守りたい気持ちは充分理解できるが、県の学校配置適正化という県の話も充分理解できるので、その方針を良とする」と県方針への理解を示す。
 さらに計画通り統合された場合の、その後の校舎活用策については「現在川西高には小出養護学校高等部がある。発達障がいなど障がいを持つ方々の数はこれからも増えるだろう。(校舎利用は)いまでも大変だというなかで、エレベーターもなく活動が制限されていると聞く。新しい設備整備などを行い、できれば小出学校の分校ではなく、十日町の養護学校高等部というように名称などを考え、さらに整備してほしい」と養護学校高等部の独立化などを視野に入れ、市立養護学校が手狭状態になり、連携を検討する必要性を指摘している。

明日へ「高橋紀久郎さん」川遊びで見つけた大地の「証人」、マンモスの化石発見  5月30日号
 中学1年の夏休み、8月のある日。いつものように仲間と中津川の通称「赤渕」に魚を取りに行った。川が浸食した入り江に突起物があり、川を渡る時にいつも足場にしていた。
 「あれは前からあった。よく見ると、これは石じゃないなと、仲間と掘り出したんだな」。秋山郷入口、津南町見玉の橋紀久郎さん(62)は現場を案内してくれた。

 仲間の先輩が「あれ」を、通う高校に持って行き、生物・物理の先生に見せた。しばらく高校に保管されていたようだが、その後、所在不明になっていた。見つけたのは昭和41年の夏だった。
 10年余り前、「あれ」の所在が判明。津南町の「なじょもん」で大切に保管している。昨年3月、町文化財指定になった。

 「あれ」は、115万年前の「古型マンモスの大臼歯の化石」だった。野尻湖ナウマンゾウ博物館の近藤洋一学芸員が鑑定した。濃緑色で縦に筋が何本も入る。「ナウマンゾウの臼歯は写真で見たことがあったが、まさかここで見つかるとは」。この大発見がいま、津南町が進める日本ジオパーク認定の、この大地の歴史を語る重要な「証人」になっている。

 自宅前の田んぼ。植えばかりの早苗が水面から顔を出す。「ほらっ」。指先の方を見ると、オスが鮮やかな羽根をまとう『オシドリ』のつがい。「今年も来たな、という感じなんだよ。畦に残しているノカンゾウの中に、一昨年は巣を作った。今年も来てくれたな」。
 人家から少し離れた畦。その真ん中にノカンゾウがある。「こういう風景が、いいよな。このままがいいよな」。

 見玉はいま注目を集める。中津川の長年の侵食で川の両岸は断崖の深い谷。その地層が世界的という。130万年前の野沢温泉・毛無山の大噴火で流失した溶岩、60万年前に鳥甲山の大噴火で流れた溶岩、さらに30万年前に苗場山の大噴火で流れ出た溶岩。この3層が、見玉の断崖で見られる。まさに「地球を感じる」スポットだ。

 いつも見ている風景。「実は川原から見上げる景色がすごい。川原に下りる道が今は分からなくなっているが、子どもの頃、3つの下る道があり、魚取りによく通った」。見上げる断崖は高さ2百b余。そこに2百万年間の地球の歴史がある。

 見玉では、この自然の景勝地が眺望できる「大久保公園」を整備している。「本当は、川原に降りられれば一番いいと思う。あの光景は、何度見ても感動するな」。
 古型マンモスの化石が物語る地球の営み。その地で、人の暮らしの中でオシドリが営巣する。「この何気ない日常が、いいよな」。                    (恩田昌美)

津南で「北野大塾」、今夏8月開講、体験型キッズ塾も  5月30日号
 環境化学が専門の大学教授で、TVや新聞、雑誌などコメンテイターで知られる北野大氏は20数年来の津南ファン。毎年5月、旬のアスパラ収穫に津南を訪れる。さらに全国名水百選・竜ヶ窪の選定にも関わった縁で津南ファンになった新潟薬科大名誉教授の及川紀久雄氏。両氏は実は30年来の交友関係。両氏が「津南の良さを地元の子どもたちや地域の人たちに、もっと知ってほしい」と今夏、8月から『津南・北野大塾』を開講する。両氏と交友する研究者やジャーナリスト、タレントなど著名人を講師に、体験型の塾を竜ヶ窪を拠点に開く。

 北野大氏は、映画監督で俳優でタレントの北野武氏の実兄。津南町の成人式で2回記念講演している。今月25日、両氏が揃って同塾開講の記者発表会を竜ヶ窪温泉・竜神の館で行った。北野氏は「この素晴らしい津南の自然。ここに暮らす方々は、あまり意識していないかもしれませんが、この自然環境の素晴らしさを再認識していただけるような塾にしたい。特に子どもたちには、食と共にこの環境の大切さを実感できるような体験型の塾にしたい」と、同時に『キッズ塾』も開設する方針。北野氏は塾開講の思いを、政治家・後藤新平の言葉を引用し、『金を残して死ぬものは下の下。仕事を残して死ぬものは中だ。人を残して 死ぬものは上だ』と、塾のねらいを話した。

 両氏は共に環境化学が専門。前町長で昨年死去した小林三喜男氏とは20年以上の付き合い。「津南で田舎する会」や「津南田舎大学」を開いた。その仕掛け人でもある及川氏。「津南の良さを知り、ファンになる方が年々増えている。ここに暮らす方々は当たり前に感じているかもしれませんが、とても大切な環境があります。塾の活動を通じて、ここの良さを再認識していただけら」と話している。

 同塾事務局は「竜ヶ窪温泉」に置く。学長は北野氏、副学長は及川氏。現地担当は両氏と30年余交友する涌井九八郎氏(竜ヶ窪温泉社長)、村山昇副町長が担当する。
 8月30日予定の開講式は北野塾長とテレビアナウンサーらを講師に第1回塾を開く計画。以降の講師の人選も進めている。上村町長は「地域の良さの情報発信の核になっていただけると期待する。広く町内外からの参加を呼びかけたい」と話している。
 なお、講師謝礼は、津南認証米や新鮮野菜、特性加工品など「現物支給」となっている。

写真・津南で北野大塾を開く北野氏(中央)と及川新潟薬価大名誉教授

安吾を語る、松之山に全国からファン100人が  5月30日号
「堕落論」など独特の「安吾ワールド」を著した無頼派作家・坂口安吾ゆかりの地、松之山で17日、第6回安吾まつりを行い、安吾最期の地、桐生市などから百人余が参加。安吾の長男で写真家・坂口綱男氏や作品「白痴」を映画化し、松之山ロケをした映画監の手塚眞氏(手塚治虫氏の長男)らが、安吾エピソードの数々を披露した。

 会場の松之山「大棟山美術博物館」は、安吾の叔母と姉が二代続けて嫁いだ縁深い村山家。700年の歴史を持ち、元松之山町長の村山政光氏は安吾の甥にあたる。ゆかりある地で毎年開く安吾まつり。安吾の墓がある桐生安吾の語る会(奈良彰一会長)や新潟市・安吾の会(斉藤正行会長)、新津安吾の会(斉藤久夫会長)など安吾ファンら多数が出席。主催の松之山安吾の会(村山黄三郎会長)が安吾の松之山時代などを語った。

 坂口綱男氏と手塚眞氏のトークでは、思わぬ逸話も飛び出した。綱男氏は「実は私が生まれ、名前が決まった日に父は、出生届と一緒に婚姻届を出したんです。それも人に頼んで。そして言ったそうです。『くれぐれも、出す順番を間違えないように』と」。会場は大爆笑、「安吾らしいね」の声も。

 生前、安吾と手塚治虫氏の交流はなかったが、安吾エッセーの中に綱男命名に関係する一文があることを紹介し、「鉄腕アトムという名ではないが、当時、治虫さんによるアトム漫画があり、その中に出てくる綱という言葉に引かれ、綱男とつけたようだ」と綱男氏が紹介。これを受ける形で手塚眞氏は「父親同士は少しの接点でしたが、息子同士は強く深いつながりになった。将来、安吾と手塚治虫には、何か深い関係があったはずと言われる時代が来るかもしれない」などと話した。

写真・安吾を語る長男・綱男さん(右)と手塚真さん


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