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2013年10月の津南新聞「トピックス」

過去の津南新聞トピックス
ソチ五輪に挑む「スノーボード・佐藤夏生・亜耶姉妹」 世界の頂点に   10月25日号
 カナダ留学のハイスクール時代、世界参戦しFIS(国際スキー連盟)ポイントを取得した佐藤夏生(20)。種目はソチ五輪から正式種目となるスノーボード「スロープスタイル」。2`余の起伏コースにジャンプやレールなどの関門があり、難易度やスピードなど全体の滑りを競う。卒業帰国後、国内プロ資格を取得。全日本クラスで表彰台に登り着実にポイントを上げる。夏トレーニングは千葉・市原市の「千葉キングス」のスポーツ施設でトレーニングを積んでいる。

 今年2月、世界ジュニアに初出場した妹・亜耶(18)。得意の「ハーフパイプ」で世界に挑戦している。県立津南中等校6学年の高校生で、すでに早稲田大への進学が決まっている。大学受ソチの4年後、韓国チョンチャン五輪が目標だ。
 夏生が挑むスロープスタイルは、外国ではスノーボードの中で一番人気の種目。国内でもようやく選手が増えている。だがSAJ(日本スキー連盟)は「スロープスタイル」五輪選手の選考基準を明確にしていない。

 通常、国際大会のFISポイントなどが判断材料になるが、日本プロ登録がない夏生の国内実績はゼロに等しく、外国での実績はまったく評価対象にならない。国内選考はSAJの内部選考になる見込みだ。
 「ソチ五輪のスロープススタイルは、日本は試験的な種目と位置付けているようで、選手選考も派遣選手数も直前にならないと分からない状況です」と困惑気味。だが「まだまだ実力不足です。世界で戦える力をつける事が、今の自分に一番必要なことです」。カナダ時代のコーチと連絡を取り合い、自己管理でトレーニングに励む。

 津南中等にはスキー部がなく、大会参戦などすべて自分で手続きする妹の亜耶。授業の合間を縫って練習、大会と動くが、学業は上位に入る。コーチ・監督役は父親。「姉からもアドバイスを受けています。種目は違いますが、お互い良い刺激になっています」。
 今春、佐藤姉妹の後援会が誕生。スノーボードは激戦。佐藤姉妹の目標は明確だ。「世界の頂点に立つこと」。     (敬称略)

 

震災復興にも貢献、40周年の津南油圧、国内造船業から信頼  10月25日号
 冬の出稼ぎ先の社長との出会いで実現した企業誘致。津南町の企業進出の先駆けで業績を伸ばす「津南油圧」。油圧シリンダー業界の老舗「三尾製作所」のグループ会社として昭和48年に誕生。ほぼ100%地元雇用を維持し、現在では全国の造船会社などにとって欠く事のできない存在に成長。さらに東日本大震災の復興事業の建機製造にも貢献するなど、油圧シリンダー業界で製造品の精度を含め、大きな信頼を受ける企業に成長している。

 昭和37年。「百姓の子せがれだった」という常務取締役・滝沢正義さん(72)は、冬季出稼ぎで三尾製作所に行った。23歳の時。15歳違いの社長・三尾吉之助社長(現社長)と出会う。「米作りだけでは生活できない。働く場が必要だ」。力説する滝沢さんの熱意に応え、10年後、津南への企業進出計画が動き出す。用地や従業員確保など寝食を忘れ奔走。昭和47年、地元採用17人が東京・三尾製作所で研修に入り、翌年、現地法人「株式会社津南油圧」を設立。だが創業の翌年、昭和49年オイルショックの直撃を受けるが、「小型バックホー(ユンボ)」が急速に普及し受注増加、「なんとかオイルショックを乗り切れた」。

 好調な業績に合わせ工場増設、従業員体制を補強。当時、シリンダー・ピストンのメッキは外注に出していたが、「自社でできないか」と三尾社長に相談。「やってみろ」と背中を押してくれ、平成元年、津南油圧の道路向かいにメッキ専門会社「三尾プレシジョン」を設立。油圧シリンダーは研磨とメッキが命。従業員研修を重ね、技術向上に取り組み、メッキ業界での信頼度を上げた。

 油圧シリンダー製造、その心臓部ともなるメッキ加工がグループ会社で対応できるため、受注から納品まで一貫生産でき、業界内の信頼度は年々上昇。そこに襲ったのがリーマンショック。「1週間前までは向こう2年、3年先の受注が来ていたが、リーマンショック後、ぴたっと止まった。だがここでも救われた」。それは造船業界。不況のドン底で操業できる企業が限られたなか、しっかり研修を積み、事業継続していた津南油圧・三尾プレシジョンに発注が入るようになり、毎週、倍増する勢いで受注が入った。「落ち込みを最小限に抑えることができた。信用度が会社を救ってくれた」。全社体制の研修成果が、会社を救った。

 現在、両社社員は86人。年商20億円。工場内配置換えで増築、これを機に管理棟も整備。さらに国の中小企業ものづくり発明開発事業の認定を受け、3月までに1億円を越える事業投資で、製造ラインを整備、さらに品質精度の向上に取り組む。
 滝沢常務は振り返る。「従業員の頑張り、三尾製作所の理解ある支援があり、今がある。昨日より今日、今日より明日へと、全社あげてさらに切磋琢磨していきたい」。今日25日、津南油圧40周年、三尾プレシジョン25周年の記念式をニュー・グリーンピア津南で開く。三尾製作所・三尾吉之助社長は健康上の理由で欠席だが、この日を誰よりも待ち望んでいた一人だろう。

津南に今、何が必要か、ネット中継で若者が訴える  10月25日号
 ◎…「津南にいま何が必要か」。思いを抱いた10人がネット中継された画面に訴えた。20日、津南町文化センター前の特設会場で開いた「津南の昼から生テレビ」。冬を思わせる寒い雨のなか、用意した観衆席は数人だったが、ネット中継では70人余が視聴。FM新潟でお馴染みの清野幹氏の司会で、高校生や大学生、農業、自営業、地域おこし協力隊など10人が町づくりへの提言や意見を述べた。「ウィンタースポーツに適した津南町は、もっと環境整備すれば人が来る。マウンテンパークをもっと活用すべきでは」などを意見に、上村町長は「目的もなく大切な税金を使うのは許されない。希望や夢を叶える活動には、どんどん支援する」と述べた。

 ◎…一方で「文化活動への取り組みが津南は少ない。スポーツ活動も大事だが、子どもたちがもっと文化活動できる環境、支援が必要だ」、あるいは「集落の祭りが廃れてきている。当たり前のことに慣れてしまっている。収穫に感謝したり、人の助け合いに感謝するなど、もっと当たり前なことをしっかり見ていくことが大切では」、あるいは「この町は、外に出て、帰ってきたくなる町ではないと思う」など、多様な意見が出た。この生テレビは、ユーストリームで録画が視聴できる。アドレスはhttp://www.ustream.tv/channel/tsunan-namatv

防犯にレジ袋が一役、十日町署と移動販売店が連携  10月25日号
 「悪質な詐欺に騙されないで」。オレオレ詐欺など特殊詐欺が多発、その被害者の7割は高齢者。十日町署(廣瀬卓署長)は22日、十日町地域で移動販売車を運行する4業者を「走る防犯広報隊」に任命。『だまされるな十日町、津南町』『振り込むな!儲かりますは危険だよ』の標語、さらに親しみやすさをとご当地キャラの「ネージュ」や「つなっぺ」、県警マスコット「ひかるくん・ひかりちゃん」のイラスト入りレジ袋を配布。中山間地を巡る移動販売車で活用し、特殊詐欺防止を呼びかける。

 防犯意識向上を図るオリジナルレジ袋作成は県内警察署では初の取組み。今回1万8千袋を作成。委嘱を受けたラポート号(コープ中里)、メルシー号(メルシーさとう)、笑味ちゃん号(Aコープ津南)、あんしんお届け便(セブンイレブン中越松代店)に配布。利用者の多くが高齢者な点に着目し、新たな防犯広報活動に協力を要請した。さらに高齢者の死亡事故が増加傾向にあるため事故防止の声かけも依頼。廣瀬署長は「移動販売車は山間部の方々を守ってくれている。十日町地域からの発信で、各署にも詐欺防止の防犯PRとして広めたい」と激励した。

 同隊のアイデアは同署職員が考案、6月頃から準備を進めてきた。委嘱式は22日に同署で実施。メルシーさとうの移動販売車担当の登坂優治さん(37)は「お客様のため、食だけでなく防犯意識でも安心安全を呼びかけたい」と早速配られた防犯レジ袋を使い、高齢者の常連客に声かけした。
 なお同署管内の特殊詐欺被害は現在2件1900万円(昨年10件3512万円)、70代女性が1350万円を騙し取られた高額被害が発生。県内は先月末付で112件5億6000万円(同105件5億7000万円)と多発傾向だ。

ヴァイオリン教室の子たち、初ステージで熱演  10月25日号
 ○…津南町の芦ヶ崎小児童13人と一般5人で構成するバイオリングループ「ひまわり音楽教室」(木内昌子代表、会員18人)。今年12月に活動2年目を迎えるが、20日に町文化センターで開いた第29回町芸能フェスティバルに出場しステージデビュー。きらきら星やメリーさんの羊のメドレーなど15分間余熱演し、大きな拍手を受けていた。同教室は来月10日、芦ヶ崎小文化祭でも演奏する予定だ。

 ○…同教室は2年前に「津南でもバイオリン教室を作り、輪を広げ将来はオーケストラを」とスタート。元津南中音楽教諭で音楽家の池田芳幸氏(十日町市)を講師に月2回余の練習を行っている。初ステージ発表を飾った6年の木内妙さんは「すごく緊張しましたが、うまく弾けたよ。次も友だちと一緒に良い演奏をしたい」と満面の笑み。

振袖姿で茶会、十日町小学校  10月25日号
 十日町小学校とふれあいの丘支援学校の文化祭「城ケ丘ふれあいフェスティバル」が20日開かれ、新校舎で初の茶席を設け「わかむらさきの会」の6年生女子17人が振袖を着てお茶を振る舞った。
 わかむらさきの会は児童に着物を通じて和の文化に親しみをと16年前発足。きものの集いの会が着付けや立ち居振る舞いを指導し保護者も支援。新校舎には15畳ほどの作法室を新設。十日町おおまつりや百人一首に参加したり、お月見茶会などの活動を行っている。

 当日は華やかな振袖姿をひと目見ようと保護者や児童が参集。緊張の面持ちの児童は始めに茶菓をお客に配り、頃合いを見てお茶を運んだ。大島詩音さんは「初めての振袖は嬉しい。休み時間にも運ぶ練習をした。緊張したが楽しかった」と話した。

五大不動明王が揃う、見玉不動尊、来月3日「火渡り大祭」で一般公開  10月18日号
 厄除けの守護神として県内外から厚い信仰を受ける津南町見玉の「見玉不動尊(金玉山正宝院)」。織田信長・比叡山焼き討ちの際に持ち出され、災難を逃れた五大不動明王のうち現存する2体が昨年、関係者の尽力で安置されたが、さらに今秋までに3体の不動明王が安置された。五大不動明王が揃うのは県内では珍しい。来月3日の火渡り大祭で開眼法要を行う計画だ。 開山8百年の見玉不動尊。1760年建立の「仁王門」、文治元年(1185年)に守護神・不動明王を奉った奥の院に通じる清冽な滝の流れなど、地域の信仰の場、さらに観光名所でもある。

 昨年の織田信長ゆかりの不動明王2体は、現住職の第25世・池田明順住職(50)の父で先代住職・乗順氏の前の住職で、現在長野・善光寺の役員、村上光田(こうでん)大僧正(福生院住職)が、比叡山住職を務めた関係などから「古来から不動明王を奉る見玉不動尊に安置されるのが良い」と、五大明王のうち現存する「西方守護神・大威徳明王」と「南方守護神・軍茶利明王」の安置が決まり昨年11月、同所に安置された。

 今回、「中央守護神」に近い同形の不動明王1体が見つかり、これを安置。さらに新たに2体を製造し、五大不動明王が揃った。同院「大黒殿」に安置している。 池田住職は「不動明王様は、喜怒哀楽を表し、厄より守ってくれる。皆様の守護神として御奉りください」と話す。来月3日は、見玉不動尊の「大火小祭(火渡り大祭)」の日。火渡りの前に、五大不動明王の開眼を行う計画だ。
 

妻有リポート「新十日町病院と地域医療」 院内に救急ステーション、県内初、安心感へ  10月18日号
2年後の2015年から新たな医師資格「総合診療医」が認定され、その新臨床研修を新潟県内で初導入する新十日町病院。さらに県内初となる病院内「救急ステーション」を設置する。高規格救急車と救急救命士が常駐し、必要に応じドクターカーが救急出動するなど、病院と消防の救急活動が直結した形になる。十日町地域消防本部では「救急救命がさらに充実し、医師と現場の救急隊員との連絡が密になり、地域の救急救命率が格段に上がる」と話す。雪国のハンディに加え、病院から遠い山間地域を抱える地域医療にあり、新十日町病院の医療充実と共に、救急救命分野でも県内先駆けのモデルが、新十日町病院に誕生する。

 先月27日の十日町地域広域事務組合議会で、消防本部は『十日町地域救急ステーション』を説明した。山間地が多い十日町・津南地域。地域医療は「命を守る」救急医療でもある。
 5年前、地元医師会や行政機関で「十日町地域メディカルコントロール協議会」を設立。救急医療を支える「地域ワークステーション」構造を提案。3年後、第2次十日町地域消防再編計画に盛り込まれ、今年2月「十日町地域救急ステーション」計画が決まり、全面改築する十日町病院内への設置が決まった。

 救急ステーションは2年後の2015年12月完成の外来病棟1階に設置。通信システムなど導入後、翌年4月から運用開始する。
 ステーションには高規格救急車と3人の救急救命士が常駐。昼間は管理担当1人を配置。24時間3交代制で9人の救急救命士が担当、2ヵ月単位で交代する。 現在、十日町地域消防には114人の消防士がおり救急救命士資格者は23人。同ステーションは救急隊員の実施研修の場にもなる。特に医師との関連が密になり、十日町地域消防本部では「臨床現場に直結する重要な研修の場になる」と救急救命士育成に期待する。

 さらに『医療情報ネットワークシステム』が地域医療を充実する。魚沼医療圏で今年から試験的に実施。
県立十日町病院・塚田芳久院長は、医療情報の共有が安心度を増すという。「医療情報の共有で、どこで、どんな発症をしても、その場の医師が医療情報を見て適切な対応ができる。地域にとって大きな安心に結びつくはず」。さらに「マイナンバー制」「電子カルテ」の導入も視野に入れる。救急車にタブレット端末を常備し、救急患者の情報が瞬時に分かり治療に役立つ。

十日町市中魚沼郡医師会・富田浩会長も医療情報共有の必要性を力説する。「医療情報ネットワークは12月から試験的に始まる。薬情報を含めるとさらに充実し地域の安心度が増す」。医療情報ネットワーク化個人情報との関係で当事者の承諾が前提だ。

 十日町地域消防本部・警防課長・田村信二消防指令長は、救急ステーション院内設置の意義の大きさを語る。「これまで消防署から出動した救急車が、病院と直結する救急ステーションから出動する。救急救命士と医師の密接な連携ができ、救急救命活動が充実する。雪国立地を考えると院内設置で機動性もアップする。地域医療における救急救命の一つのモデルになるのではないか」と話す。

 院内救急ステーションの設置は新潟県内初。新潟市の市民病院にもあるが病院との併設。新十日町病院が地域医療の拠点になることは間違いないが、「総合診療医」の新臨床研修の県初導入、さらに院内救急ステーションの県内初設置など、山間地域を抱える地域医療の拠点である病院の「あるべき姿」のモデルになることも、間違いない。
(連載・新十日町病院と地域医療は恩田昌美が担当しました)

写真・24時間体制で救急を受ける十日町病院。新体制に期待があつまる

ソチ五輪に挑む「バイアスロン・中島由貴、有基」 五輪候補に選定、W杯で最終決定  10月18日号
 ソチ五輪、さらには次の韓国・ピョンチャン五輪をも見据えてバイアスロン競技に取り組む自衛隊冬戦教の中島有基(25、中里中―十日町総合高)由貴(23、同)兄妹。今月上旬に開かれたソチ五輪に向けた第1次選考会・サマーバイアスロン日本選手権で中島兄弟は「代表候補」に選ばれ、大きな一歩を踏み出した。
     ○
 ソチ五輪に王手をかけた女子の由貴。昨年の世界選手権日本代表のメンバーで、国内勢ではバンクーバー五輪出場の鈴木芙由子選手らとのトップ3に付ける。今月上旬に開かれた日本選手権で「第1次女子代表候補6人」の中に選ばれた。が、これからが正念場。11月下旬からヨーロッパなどで開かれるワールドカップの成績で正式に決定するからだ。
 由貴選手は「ワンランクアップしたい」と今年9月、海外遠征を蹴って国内で陸上トレーニングに励んだ。「冬の選考レースに向け、まずは基礎体力を付けること」。3年前に体調を崩して入院したこともあったが、今は絶好調で目標もはっきりしている。「自分に勝つこと。そこに道は開ける。ソチ五輪でメダル獲得」。
     ○
 ソチ五輪代表枠「1」と厳しい男子。有基は今月上旬までのサマーバイアスロン・インディビジュアルで優勝、パシュートでも3位と健闘。俄然、注目される存在となった。これまで代表を牽引してきた「経験組」が引退し、世代交代が進んだのも好影響した。
 熾烈なソチ五輪選考を兼ねた男子の海外派遣組は4人。この中からふるいにかけられ「1」が決定する。「もちろん今回も狙っていく。ただ、次の韓国・ピョンチャン五輪こそが正念場だ」。
     ○
ソチ五輪バイアスロン出場枠=五輪開催前2年間の世界選手権の成績で各国の代表枠が決定。日本は男子「1」、女子「4」と「リレー」(出場3選手)を獲得。しかし、最終的な出場人数と選手はJОCが判断、12月28日に正式発表される予定。

10代のまなざし「根津瞳さん、六日町高3年、17歳」 夢はアナウンサー  10月18日号
先月8日、AO入試を受け希望していた大学に合格。来春、新たに開校する、淑徳大学人文学部。選んだ専攻は『表現学科』。本の読み方や文章の書き方、日本語の発音など技術を学ぶ。
 「2年時に文芸、編集、放送のコースが選べるんです。小学生の頃からずっとアナウンサーになるのが夢。新しい学部の1期生、プレッシャーはありますが一生懸命やるしかありません」。

 小学時代は放送委員会に所属。お昼の音楽を決めたり、運動会の司会など担当。
 「人に自分の言葉で伝えるのが楽しくって。高校を選ぶときには将来はアナウンサーになりたい、と考えていました」。

 夏のオープンキャンパス時は台本を渡され、全国から訪れた20人余の学生の前でセリフを読む体験授業を経験。指導教授は元日本テレビアナウンサーの松永二三男氏だった。
 「その時『聞きやすいね』と元プロの教授に言われたんです。中学のバレー部時代に声を出し過ぎたせいかハスキーボイスに声変わりしたのですが、聞き取りにくい分、普段の生活でいつも発音には気を付けていたんです。嬉しかったですね」。
 アナウンサー試験の倍率は1千倍を超える超難関。だが、諦めるつもりはない。
 「なれるかどうか、挑戦あるのみです」。

少子化で統合再編進む、津南・外丸保育園休園へ  10月18日号
 津南町では、子どもの減少が保育園や小学校の統廃合を加速させている。先月の町議会9月定例会で中津小と外丸小の2年後の統廃合が決まったが、今度は保護者の強い要望で外丸保育園の休園が決まり、事実上の廃園となることが決まった。町は現在、町立保育園の将来像を検討しており、来年3月には段階的に町内保育園を2園にする再編整備計画を立てる方針だ。

 外丸保育園の休園は、園字数の激減が大きな要因。昨年までは全園児20人前後を推移してきたが、今年度当初、11人に激減。さらに来年度以降も10人前後のため、保護者や現場の保育園から「あまりにも少なすぎ、小学校に上がる年長児は、友だちが多い中で育ってほしい」などの意見が町に寄せられた。このため町は急きょ、先月30日と今月2日、地元説明会を開き、現状と今後の推移などを説明し、「新年度は休園」として園児募集を行わない方針を説明した。
 保護者からは、募集停止に対する反対の意見はなかったが、地元住民からは「子どもの声が聞かれなくなり、寂しくなる」などの意見が出た。

 町は、急激な減少に対応するため、新年度の募集停止を決め、外丸保育園を新年度から休園することを今月の町広報を通じて町内に周知した。
 外丸保育園の休園により、新年度からは同園の園児は、「原則的には町中央部の『ひまわり保育園』に行っていただくが、家庭事情や勤務状況など各家の要望に対応したい」(町福祉保健課・桑原司課長)としている。一定距離以上の通園児には、他園と同様、町から通園助成が支給される。桑原課長は「昨年から試験的に町内すべての保育園年長児を一堂に集め、交流する場を年3回ほど開き、子どもたちが生き生きと遊ぶ姿が見られる」などと、園児数減少が大きな課題という。

 津南町は、2年前から保育園の将来のあるべき姿を検討し、今春答申を受け、7月に「津南町保育園等整備委員会」(野ア建児委員長・委員15人)を作り、来年3月には具体的な保育園再編整備計画を示すことになっている。委員は保育園長、小学校長、保護者代表、PTA代表、商工会、老人クラブ、教育長、学識経験者などで構成する。
 今年4月時点の津南町内の保育園児童数は外丸11人、上郷23、わかば30、中津31、北部33、町中央部のこばと49、ひまわり72となっている。

写真・来年度から救援する外丸保育園

津南を交流の場に、相模女子大がそば交流4年目  10月18日号
 ◎…社会体験、自然体験が少ない学生の現場実習の機会を提供している津南町のNPOかねさま蕎麦会(滝沢元一郎理事長)。今秋も神奈川・相模女子大の学生12人が訪れ、標高7百bの津南原高原そば畑を見学し、実際に新そばの手打ちに挑戦。初体験の女子大生が大部分で、滝沢さんの指導を受け、こね、打ち、切る工程に取り組み、自分で打ったそばを食べ、「うまーい」と歓声を上げた。

 ◎…付属小学校からある同大の学生の多くが神奈川エリアからで、自然や農業体験が乏しい状態。同大関係者を通じて出会ったNPOかねさま蕎麦会。相模女子大との交流は4年前から。同大では人間社会学部・社会マネジメント学科の1年生の学外実習として和歌山・熊野、鳥取、静岡・焼津、福島などで実施し、津南は8月の「そば蒔き」、10月のそば収穫体験に訪れ、自然や農業体験する。

 ◎…同大の竹本庚博教授は「社会体験が少ない学生が多く、特に都市と農村山間地との関係など、実際に訪れ実感できる場が必要で、津南町は自然豊かで体験実習には最適」と評価。学生には「なぜそばを作るか、考えてほしい。高齢化で荒廃地や耕作放棄地が増えている。そば作りは農地保全にためでもあり、自然環境を活用した特産作りでもある」などと女子大生に説明していた。一行は同蕎麦会の工房で新そばの手打ちに挑戦。慣れない手つきながら、なんとかそばを打ち、打ちたて、ゆでたて、あげたての新そばを味わった。来月3日の同大学園祭「相生祭」にNPO蕎麦会が出店し、津南特産品などを販売する計画だ。

十日町市展、写真市展賞は津南町・冨沢さん「里帰りの娘たち」  10月18日号
 第46回十日町市美術展の審査が16日に行われ、8部門59点の入賞が決まった。全体の出品者は241人、出品点数は299点だった。市展作品は19〜22日まで市民体育館で展示される。

 入賞者は次の通り(十日町市は地区名のみ、一部で住所未公表)。
 日本画▼市展賞=「雲洞庵」新保正文(小千谷市)▼奨励賞=板橋ツギ(中条島)▼佳作賞=瀬沼哲夫(小千谷市)
 洋画▼市展賞=「ジェニーと高田の桜ふぶき」橋守(稲荷町)▼奨励賞=小林幸一(津南町割野)大淵利夫(小千谷市)水落孝子(梅沢)▼新潟日報美術振興賞=高橋文子(天水島)▼佳作賞=井上美代子(下川原町)原進(稲荷町)関口耕二(袋町)小林徳夫(中屋敷)丸山京子(千歳町)
 版画▼市展賞=「千樹、淡墨桜」阿部松三(大黒沢)▼奨励賞=室橋浩一(長岡市)▼新潟日報美術振興賞=細貝昭平(同)▼佳作賞=清水好和(津南町田中)
 現代美術▼市展賞=「ヒソ、ヒソ」保坂さつき(姿)▼奨励賞=小林佳奈子(十日町総合高)中豊和(稲葉)▼新潟日報美術振興賞=村山三智男(高田町)▼佳作賞=今成玲央(十日町総合高)廣田桜(同)柳健一(高島)
 彫刻▼市展賞=「馬」中林賢次郎(学校町)▼奨励賞=曽根知子(新座)小林実(城之古)
 工芸▼市展賞=「とけあう心」小宮山令子(上原)▼奨励賞=春日一星(樽沢)▼新潟日報美術振興賞=南雲敏美(本屋敷)▼佳作賞=五十嵐江美子(小荒戸)
 書道▼市展賞=「湖中對酒作」中林喜子(西寺町)▼奨励賞=山口典子(高山)波形純子(中条中町)▼新潟日報美術振興賞=山岸繁雄(松之山)▼佳作賞=根津美鈴(十日町総合高)富沢美代子(水野町)樋口ゆかり(上川町)須藤智美(仁田)
 写真▼市展賞=「娘たちの里帰り」冨澤俊久(津南町宮野原)▼奨励賞=須田作太郎(魚沼市)村山晴好(群馬県)須藤功(下町)小野塚久(田中町本通り)阿部清(本町4)小坂幸平(稲荷町西)▼新潟日報美術振興賞=橋由香里(津南町大割野)▼佳作賞=古徳一郎(桔梗原)山本貴一(中町)岩田信之(中条上町)村山栄一(新座)根津健一郎(稲荷町)南雲徳栄(関根)鈴木耕治(津南町相吉)風間栄光(長里)田口正樹(木落)内山和徳(津南町正面)山本孝好(同)中町一久(蟹沢)

写真・市展賞の冨澤さんの写真「娘たちの里帰り」

桜21本植樹、中津川運動公園、「協力し公園化を」、津南町の小林さん  10月18日号
 ◎…リニューアルした津南町の「中津川運動公園」に、来春には開花する桜の苗木21人本が植えられた。地元の割野きのこ組合(小林一男組合長)が3年前、同運動公園が新しくなる計画を前に、「地域の人たちが気軽に集え、楽しめる場所になれば」と願いを込めて桜の苗木植樹費用として100万円を町に寄付。今春、運動公園が完成したのを受け、今月13日、同組合の従業員らが記念植樹を行った。「来春にはここで花見をしようね」と、植樹後に「御力水」を与えた。

 ◎…苗木は、樹高5bの12年生もの20本と直径15a余りの20年生を1本植樹。苗木は染井吉野、彼岸桜、枝垂桜、紅葉桜、紅山桜の5種。地元の志賀庭花園が協力し、13日に同組合従業員ら13人が記念植樹した。小林組合長は「この運動公園の斜面の法面などにも花や芝を植えたいね。町民1人ひとりが1枚の芝や芝桜を植えたら、見事な公園になるだろう」と、芝や芝桜を町民ぐるみでの植樹運動を呼びかける。同運動公園では、町内の少年野球チームがボランティアで草取りなどを行っており、芝や芝桜の植樹運動の取り組みも実現可能だ。

旅する一冊、十日町の特産満載、ギフトカタログ19日発売  10月11日号
 「遠く離れていても、この本で始まるストーリーや風を感じてほしいです」―。今春大学を卒業した女性が十日町市の特産や温泉、農業体験などを取材してまとめたカタログギフト『本で旅する十日町』が完成し、19日の十日町産業フェスタ会場で発売される。掲載商品には、オリンピック金メダル選手を誕生させた十日町市にある全日本女子レスリング練習場「桜花道場」の練習見学ツアーもギフト商品にあり、「さらに十日町に興味と関心を持っていただけるギフトカタログになっています」。今春、東京農工大を卒業したばかりの担当者・杉山弘美さん(23)は自信を持ってアピールする。

 昨秋の「十日町市ビジネスコンテスト(トオコン)」で東京農工大メンバー4人と共に発表したのがギフトカタログ。杉山さんは市が発表案の事業化を決めたことで今春から同市に移住、事業主体のクロス10に籍を置き、専任担当で企業周りを行い、ギフトカタログ作成に取り組んだ。
 「本を読むように、この一冊を読むと、十日町を旅しているような気分になれる、そんなカタログをめざし、イメージ通りの一冊が出来ました」。A5版ハンディタイプ、全50ページに市内29社、34品のギフト商品が載る。

 タイトル『本で旅する十日町』は杉山さんのネーミング。前半16nは十日町市の自然・人・歴史・風景などを写真と紀行文で紹介。掲載ギフトは商品と送料込みですべて4千円。さらに温泉施設キナーレ利用券2枚が付く。「各企業がコストパフォーマンスしていただき割安です」という。商品はきもの関係の十日町小唄タペストリー、有機栽培農産品、どぶろく・納豆セット、体験ではワラ納豆作り、農業体験、さらに十日町の伝統食「年越し・鱒寿司」もよみがえった。編集は月刊「自遊人」発行の同社が協力した。

 来年3月で同委託業務が終了する広島生れの杉山さん。「十日町にはアピールできるものが多くあります。今回、以外な特産品もたくさん載っています。『本で旅する十日町』の通り、これを読むと十日町を旅している気分になり、十日町への興味が増すと思います」と話す。
 十日町市カタログギフト「本で旅する十日町」は1冊4千円。19日、産業フェスタやクロス10で発売。限定2千冊。来年以降、第2弾、第3弾と継続発行する計画だ。 

新十日町病院と地域医療A 住民安心の「かかりつけ医」  10月11日号
「総合診療医」。地域の医師は、どう受け止めているのか。町立津南病院に勤務し、25年になる石川眞一郎院長(64)。東京慈恵会医大から院長に就き、循環器が専門。血液研究の第一人者であり、同医大の客員教授を務める。

 「新しくできる十日町病院が新臨床研修プログラムを導入し、医師確保に取り組むのは賛成である。専門医化が進み、地域医療で総合診療医のニーズは高いと思うが、一方で総合診療医をめざす希望者が少ないのが現状」と課題を話す。それは、「(学会内で)総合診療医の評価が低いため。大学の中でもその傾向にあり、専門医をめざす傾向はいぜん強い」と現状を話す。

 だが、地域医療を受ける住民にとって、いちばん頼りになるのは「かかりつけ医」。つまり「なんでも診てくれる先生」。総合診療医は、地域医療のその分野を担う医師。「地域の人たちは、なんでも診察できる先生を高く評価するし、そういう医師が地域医療には望まれる。新しくできる十日町病院は、そうした総合診療医を育成するということで、大きな期待感がある」。25年の町立津南病院勤務の経験から、住民が求める医師像は、痛いほどよく分かる。
 同様の思いは、十日町市・中魚沼郡医師会の富田浩会長(53)も実感している。

 同医師会は、これまで新十日町病院の検討委員会などで意見している。特に「医師不足」への懸念が強く、2015年開業の魚沼基幹病院との同時開業が望ましいとしてきた。それは、医師の流出が防げるから。富田会長は、新臨床研修導に期待する。
 同医師会は毎年、地域研修医を年間5、6人受入れている実績があり、「総合診療医の臨床研修が実現すれば、地元医師会も協力し、臨床研修に連携できる」と、地域の医療機関が臨床研修の場として連携できると見ている。

 だが課題もある。「診療研修の指導医の確保が課題になる。先に魚沼基幹病院が開業することで、長年十日町病院にいた先生が、魚沼基幹病院に引っ張られる懸念がある」と指摘。同時開業が実現できなかった後遺症を心配する。ただ、「医療実績がない魚沼基幹病院は、地域診療医の研修プログラムが作れず、それを県立十日町病院が先取りする。新潟県のモデル地域医療になるだろう」。
 さらに、両医師が指摘するのが運営形態。東京慈恵会医大の客員教授でもあり、医局体質を熟知する石川院長は、運営形態が公立と民間では対応が違うという。

 「新臨床研修プログラムは良いが、経営母体の問題が出てくる。県立でないと医師を派遣しないという大学も多い」と話す。これは富田会長も同じだ。「医師不足の中、やはり公立病院という運営母体が重要になってくる」と多くの医師会の意見を代弁している。
 だが、県立十日町病院の塚田院長は、明確だ。「今回の40年ぶりの病院改築は、大きなチャンス。魚沼基幹病院がどんな医療の中身になるかは未知数。地域がどう育て、作り上げるかが重要。新十日町病院も同様。地域が育てることで重要な拠点病院になる。そのためには、地域医療ビジョンを立てることが求められる。それによって病院は公立、私立問わず、再編されて行く時代になる。その意味でも新十日町病院の改築は大きなチャンスだ」。  

10代なまなざし「宮澤健さん、松之山分校3年、津南町」 松高に来てよかった   10月11日号
ダンプ、タイヤドーザー、ロータリーなど、昔から重機に憧れがあった。地元の建設会社の内定を貰い、重機と触れる仕事に来春就く。「ダンプカーの運転手など、重機に乗る職をめざしていました。大型免許は普通免許を取得後3年過ぎないと取れないのですが、今から待ち遠しいですね」。

 3人兄弟の末っ子だが、地元の津南を離れる気持ちは最初からなかった。「都会が苦手なんです。あと雪がなぜか好きなんですよね。除雪機が格好いいせいかな」。趣味は海釣り。7つ違いの兄・祥成さんによく糸魚川に連れて行って貰った。「秋に40a余のイナダを釣ったこともあります。釣れた瞬間の喜びが大きいのが好きです」。

 勉強は苦手だが、文化祭などイベントには積極参加。皆が楽しめる空間を作る、祭の準備が面白い。「小規模校には少人数の良さがあります。イベント準備など、学年は関係なく協力し合うのもそう。中学の時は不登校気味だった仲間も『松高に来てよかった』と言います。大人数の学校ではダメだったと思いますね。先生も一生懸命で、自分を一番出せる高校です」。

 実は中学卒業後すぐの就職を考えていたが、家族や先生に説得された。「今は学校が楽しくて仕方ないです。残り半年、仲間たちとたくさん思い出を作りたい」。

ソチ五輪に挑む「クロカン・小林由貴選手」国内ナンバー2、五輪出場基準に挑戦  10月11日号
 国内女子ナンバー2に成長した小林由貴(25、津南中ー十日町高ー早稲田大―岐阜日野自動車)。6日までJOCナショナルチームでイタリアで雪上合宿。来月、ワールドカップ(W杯)に参戦する。
 クロカンの五輪出場基準が決まった。狙う大会を決めている。その出場基準は『個人戦=W杯8位以内1回か10位以内2回、または15位以内3回』。

 小林は、今年3月のノルウェー・W杯オスロ大会で自己最高19位に入り自信をつけている。五輪出場を狙う大会は『クーサモ(来月下旬、フィンランド)10`フリー、ダボス(12月中旬、スイス)15`フリー』の2大会。「得意なフリーで狙います」。女子リレーは12月初旬、一発勝負をかけるリレハンメル(ノルウェー)W杯がある。
 W杯はほぼ1週間ごとに国を転戦し大会がある。ハードスケジュールに耐えるため小林は今夏、意図的にハード日程を組んだ。
8月初め、ニュージーランドでFIS(国際スキー連盟)大会に出場後、13日に帰国。17、18日は秋田・鹿角市で全日本ローラースキー大会、1週間後、日本男子の第一人者・恩田祐一も出場した「つなんローラースキー大会」と、移動距離・時間を含めW杯並みのスケジュールを自分に課した。「うまく自己管理できたと思います」。
 
 毎週大会のW杯。体調管理が重要になる。ナショナルチームコーチから練習メニューや栄養指導があるが、中高時代から小林を見守る地元関係者からもアドバイスを受ける。津南に帰ると自然の練習場、起伏に富んだ河岸段丘で走り込み、黙々と走る中で自己管理の鍛錬を積んだ。
 「辛い時に思い出します。中学や高校時代、皆で苦しさを乗り越え『負けるもんか』と競い合ったことを。0・1秒差でも負けは負け。仲間たちとの競い合いが自信をつけてくれました。それが世界への自信につながっています」。
世界に挑む小林、その原点は出身の地、津南にある。  
「好きなスキーをやらせていただいている、そのありがたさに感謝し、五輪出場で恩返ししたい」。その集大成がソチ五輪。小林の挑戦は続く。   (敬称略)

被災地の中学生とタッグ、信州プロレス「もっと元気に」、27日、栄村でイベント  10月11日号
 県境地震の被災地・栄村をさらに元気にと、お笑いエンターテイメント集団「信州プロレス」と地元中学生がタッグを組み、今月27日、同村で行うプロレスに合わせ、村特産「あんぼ」の、この日限定オリジナルあんぼを作り、販売する。すでに試作品も作り、ネーミングも決定。27日の本番の準備を進めている。信州プロレスでは「震災を乗り越え頑張っている栄村をもっと元気にしたい」と、地元中学生との連携プレーをアピール。当日は人気レスラーでタレント・藤波辰爾さんも熱戦を見せてくれる。

 信州プロレスは『明るく、楽しく、安全なプロレスごっこを通じて、夢と元気を提供』するアマチュア集団。長野県内外で活動し、市町村イベントを応援するプロジェクトにも取り組む人気グループ。5年前、栄村の雪まつり「雪ん子まつり」での雪上プロレスが縁で、以降ほぼ毎年開催。2年半前の長野新潟県境地震では地震発生2週間後、すぐに栄村に入り救援活動。半年後には「元気を出してもらおう」と笑いたっぷりのプロレスを行うなど、支援活動で関係を深めている。

 今回は、信州プロレス代表「グレート☆無茶」がプロデュースする『無茶フェス』を栄村で行う。地元の栄中学生6人が加わり、村をさらにアピールするため当日限定「特製オリジナルあんぼ」を作るプロジェクトに取り組む。

 5日夜、4回目の打ち合わせ会であんぼ試作品を試食した。同プロレスから「タイガー☆チョッとチン」も参加し試食。「これはうまい」「これは売れるぞ」などと高評価。商品名も中学生が決め、2種類のあんぼの総称は、季節感を出し「紅葉あんぼ」に決定。だが「中身は当日のお楽しみ。あっと驚く美味しさですよ」。当日リング上で2種の名前を中学生が発表する。

 栄中3年の宮川雄太君は「信州プロレスの皆さんの協力で面白いイベントになりそうです。まったく新しい味のあんぼが出来ました」と話す。小学3年から書に取り組む宮川君が商品名の書す。信州プロレス・グレート☆無茶代表は「5年前から交流し、関わりがさらに深まり、我々の思い入れも増している。もっと元気になってほしいと思うし、その手伝いが出来ればと思う」と話す。

 27日は栄中学体育館が会場。午後1時からのオープニングアクトでアイドルユニット「あっぷる学園応援部」「放課後☆たんてい団」のリングライブ後、メインのプロレス試合。藤波辰爾、天龍源一郎など特別ゲストはじめ信州プロレスの個性派、信州ガールズなど総勢40人余が続々と登場。中学生の特製あんぼ発表は試合の合間に行い、限定2百食を用意する計画。入場は無料。問合せは栄村0269| 87|3111。

全国の農村景観100選・津南町結東「石垣田」を散策ツアー  10月11日号
 植物の北限と南限が同居、鮮明に残る鳥甲山と苗場山の溶岩流、マタギ文化など残る秋山郷を学ぶ「秘境の學校」は5、6日に開かれ、町内外15人余が参加。かたくりの宿を拠点に日本農村景観百選の石垣田散策や屋敷の柱状節理など巡るバスツアー、さらに町教委・佐藤雅一文化財専門員による座学など実施。中津川渓谷の歴史を学んだ。
 石垣田散策では地元結東の滝沢政則さん(75)がガイド役。「2`先の前倉から水を引き種もみの年貢を払っていた」や「昔はムラの青年団で田を作り、その売り上げで忘年会などの資金にした」などと昔語りに参加者は興味深そう。町内船山新田の月岡スギさん(76)は「初めて石垣田に来たけど、本当に見事な石垣に驚きました。紅葉の時また来ます」と感嘆。

 同学校は4年前に移住したかたくりの宿・渡邊泰成さん(32)の企画。2年前から秋山郷PRの一環にと構想し実現。渡邊さんは「古い歴史を持ち、植生や民俗文化も豊かで魅力あふれる秋山郷を知るプログラムを作りたかった。積極的に発信し来客者を増やしたい」と継続したツアー開催を検討している。

森林セラピー、津南町樽田のブナ林、ツアー人気  10月11日号
 ○…リラックス効果などで注目を集める森林浴。5年前に全国セラピー基地認定を受けた津南町樽田ブナ林で5日、森林ウォーキング会を開催。18人が参加し、全周約4`のコースを2時間余かけゆっくり巡り、ブナ林のなかで横になるなどし心地よい時間を過ごした。

 ○…森林セラピー認定地は全国53ヵ所。毎秋「全国一斉ウォーキングデー」と題し散策会を行う。森林に入ると感じる爽やかな香りはフィトンチッドと呼ばれ、心身のリフレッシュ、抗菌、消臭など様々な効果がある。津南町小島の高橋哲夫さん(62)は夫婦で参加。「樽田を歩くのは初めて。森のなかは気持ちがいい。近くにこんないい場所があるのは嬉しいね」と森林の癒しを実感していた。(本紙ホームページで動画公開中。撮影・石沢修一)

黒沢くり園、年々人気、サルナシ加工にも  10月11日号
 開園50年の十日町市伊達の「黒沢観光くり園」がシーズン最盛期で人気だ。20fの2千本の観光栗園では、ぱっかり口を開けたイガ栗から黒光りの栗が顔をのぞかせ連日、家族連れなどで賑わっている。経営する黒沢栗生産組合(宮澤健一理事長)は加工事業にも乗り出し、新たな特産化に取り組んでいるのが山野に自生する「サルナシ」(キウイフルーツの原種)。栽培化に取り組み、果実を加工し地元ホテルや菓子店に供給する事業にも乗り出している。
 収穫シーズンを迎え、上越や長岡、新潟、さらに関東圏から来園するなど人気スポットになっている。同組合ではサツマイモ堀りもでき、園内の「マロンハウス」では、栗おこわ、けんちん汁、手打ちそばなども提供する。

 同組合が栗と共に取り組む「サルナシ」は、ワイングラッセやジャムなど開発し、園内や協力店で販売中。栽培化するサルナシは果実をペースト状に加工、地元レストランやホテルに食材供給、地域化をめざす。商品開発は津南町の好月や天然酵母パン店などに依頼しサルナシ商品開発にも取り組む。同園の宮澤八州男副組合長は「サルナシは栄養の宝庫で、花粉症などアレルギーにも効果があるという。十日町の特産にしたい」と話す。

 

サケが帰ってきた、JR宮中取水ダム、4日までに40尾余  10月4日号
 サケが帰ってきた―。信濃川のJR東・宮中ダム魚道で先月28日からサケが続々と遡上している。今月3日までに30尾以上を捕獲。昨年は10月8日が初捕獲だっただけに、10日余り早い遡上確認となっている。サケの稚魚放流に取り組んでいる中魚漁協の長谷川克一組合長は「うれしい。目標の3百尾に届いてほしい」と期待している。

 宮中ダム魚道のサケ遡上調査は、平成13年からJR東日本が毎年9月11日から11月10日までの間実施。昨年は調査最高の297尾を捕獲した。現在の同ダムからの放流量は70d前後。今年は台風の影響で魚道に土砂が入り、先月17〜28日まで調査が出来なかったが、再開した29日から連日、遡上を確認している。体調は50〜75a余り、体重は3〜4`程度で、捕獲したサケは国交省信濃川河川事務所が標識を付けて上流に放流、追跡調査を行っている。同漁協では「遡上はこれからが本番。かなり数の遡上が期待できるのでは」としている。

写真・採捕したサケは測定し、上流に放す(3日朝、宮中ダムで)

連載「新・十日町病院」、県初の新臨床研修で医師確保を  10月4日号
 暮らしの安心感で最も大切なのは何か? 多くが「安心して暮らせる地域医療の充実」だろう。県立十日町病院が40年ぶりに改築される。現在地での改築が決まり、近く現施設の一部解体工事が始まる。新病院の7階建て屋上には、ドクターヘリが飛来できるスペースもできる。診療科は現在より4科増え17科体制。2015年に外来病棟が部分開業し、2017年に全体が完成。新十日町病院の改築で、地域医療はどう変わるか、課題の医師確保はどうなるか。3回連載で新十日町病院をめぐる動きをリポートする。

 長身の塚田芳久院長が病院内を歩くと、目立つ。赴任9年目。「当時、十日町病院は急性期に特化していた。今も救急はすべて受入れているが、新病院は新たに亜急性期を含む医療体制、さらに在宅福祉へのつなぎ役も担い、医療と福祉の橋渡し役となる」。全面改築の県立十日町病院の新しい医療体制の姿は、すでに頭に描かれている。

「ほぼ100%、イメージ通り」という新十日町病院。最大の課題、「医師や看護師など医療スタッフの確保」にも、自信を見せる。新潟県の医療機関では初の「新臨床研修プログラム」が、それだ。長身の塚田院長は、地域中核病院のシンボルになっている。
『総合診療医』。聞きなれない言葉だが、医療界では以前から、その必要性が言われてきた。「行政用語で言えば、家庭医療専門医であり、要は『かかりつけ医』のこと」。そのかかりつけ医を国が制度化する。専門医の細分化が進み、地域医療を支える医師不足が全国的な課題で、国は「かかりつけ医」育成に乗り出す。

 国は2017年制度改正で「総合診療医」を創設。「これまで専門医科は18医科あり19番目の医科で『総合診療医』を作る。専門医は学会が独自認定していたが、今後は第三者機関が行う動きもある」。
 その背景は何か。「専門医科が進み過ぎ、専門を越えた総合診療科が求められ、その専門医・総合診療医が資格認定される。一般社団法人『日本フライマリ・ケア連合学会』が取り組み、今春からスタートの事業で、新潟県は十日町病院が認可申請を行い、今月中に認可が下りるだろう」。新十日町病院には「総合診療科」を新設する。

 その総合診療医を育成する「新臨床研修プログラム」を十日町病院主体で8月に申請。県内の県立病院を系列に塚田院長が代表申請者。新潟県内では初の申請、そして初導入となる。
臨床研修プログラムを実施するには「指導医」が必要で、十日町病院はすでに指導医を確保している。
塚田院長は、この研修プログラムが医師確保の決め手になると見ている。

 総合診療医の臨床プログラムは来年からスタート。3年間の臨床研修後、2017年に初の資格試験を行う。ただ初期研修2年間の終了が前提だ。
地域の実情から「総合診療医」の必要性を説く。それは、「地域の病院の方向性は、地域自身が考えていくべきこと。高齢化・人口減少がこの先続くなか、地域医療の拠点病院はどうあるべきか、それが地域医療の方向性でもある」。
                    (恩田昌美)

ソチ五輪に挑む「クロスカントリースキー・宮沢大志選手」 リレーメンバーは濃厚、個人戦も狙う  10月4日号
 早稲田大2年からワールドカップに出場する宮沢大志(21)。短距離(1`)で競うスプリントで飛躍的にスピードを増している。大学1年時に比べ10秒以上、タイムを縮める。スプリントの1秒は距離で約10b。1年の自分に百b余の差をつける走力だ。
 「筋力、特に持久力とスピードがついている実感はあります」。早大は専任コーチはおらず、練習メニューなどすべて「自己管理」。現在、JOC日本オリンピック連盟のナショナルチームメンバーで、外国合宿はチームで行うが、他にも大学や個人的に雪を求めて外国での合宿を重ねる。

 8月29日、十日町市の自宅で取材に応じた宮沢は、2日前に3週間のフィンランド合宿から帰国したばかり。7月にはイタリア2ヵ所で全日本チームで合宿。9月は再びイタリア合宿。10月に大学へ戻り、11月下旬開幕のW杯初戦フィンランド大会から参戦する。
 宮沢は現在、全日本の団体B指定選手。日本団体チーム(リレー)は、昨季の世界選手権で8位入賞したため、JOCが決めた五輪出場基準をクリアしている。そのメンバーに入る宮沢は五輪出場が事実上、内定している。だが「個人戦でもめざしたい。世界でプレッシャーは感じません。むしろ世界選手権やワールドカップで成績を残したい。特にW杯の総合成績30位以内を意識しています」。
   
 ソチ五輪は来年2月7日開幕。クロカンのJOC基準は「8位内1回、10位以内2回、15位以内3回」と厳しい。宮沢は個人戦出場にも意欲を燃やす。スピードと瞬発力を持つ宮沢が狙うのは「スプリント1`クラシカル」。12月末、イタリア・アシアズW杯で8位以内をめざす。「国内は12月からシーズンですが、外国は11月がシーズンイン。そこに自分を仕上げなければならず、この3年間でだいぶ慣れてきたので、今季は狙っていきたい」。

 大学では「スポーツ栄養学」ゼミに入る。選手にとって食は重要な要素。「ゼミの先生や大学院の先輩から教えていただき恵まれた環境にいますが、勉強だけではプロフェショナルにはかないません。さらに上をめざすには、自分の周りにその道のプロ・専門家スタッフが必要です。自分のためになることは、なんでも学ぶようにしています」。
    
 競技中、2つの「苦しい」があるという。「良い苦しさは、辛いけどここが頑張り時と思い何も考えません。悪い苦しさは、負の連鎖を考えてしまいます」。めざす選手像。『あいつは何かやってくれる、と思われる選手になりたい』。

 大学生活最後の最後に待つソチ五輪。その4年後、韓国・ピョンチャン五輪も視野に入れる。「26歳です。一ケタをめざしたい。そのためにもW杯の総合成績のアップをめざします」。
 大学2年のシーズン最後のスウェーデン・ストックホルムW杯で11位に入った実力を上回る力が、確実についている。(恩田昌美)

10代のまなざし「大島翔太さん、津南中等校6学年」 アフリカをめざす  10月4日号
 思いは、すでにアフリカに飛んでいる。「貧困問題に取り組みたい」。なぜ貧富の差が生じるのか、自分はこのままでいいのか。4学年で倫理を学び、関係する政経への関心が向くなか、歴史を作ってきた先人たちへの関心も深まっている。マキャべリの『君主論』、マルクスの文献にも。日々の新聞は必ず目を通す。

 アフリカをめざすためには、国際的に活動する商社に入ることが必要、商社に入るために国立大学に進みたい。国立大学でめざすのは商社系に強い経済学部。自身のシナリオはすでにできあがり、目標に向う自分を鼓舞する日々だ。

 5学年の秋。津南中等校の伝統・夢講演で語った20代の現役商社マンに、大きな刺激を受けた。同時に学校で学ぶ倫理、政経の教科で、社会理念や思想を作り上げてきた先人が歩んだ道にも、関心が向く。

 「貿易関係に進みたい。国際的に働くには英語は必須です。いまは長文を読むようにして、理解力をつけています」。英検は受けない。世界で通用するTOEICやTOEFLに今後チャレンジしていく。

 英語を磨くもう一つの理由がある。思想家たちの本を原書で読みたい。「訳したものではなく、原書で読み、自分がどう受けとめるか、それが楽しみです」。6年間取り組んだ野球。要のキャッチャーで学んだことが、これから生きてくる。

津南町認証米、自治体が品質保証、全国的にも稀  10月4日号
 津南町という自治体名を冠す『津南町認証米』。流通する特別栽培米の中でも、タンパク値や精粒網目の統一基準をクリアした米だけが認証される「選ばれた米」。今期も収穫前の出荷予約は前年を上回る予約数量だ。今期の米仮渡金は2千3百円減額されているが、「津南町認証米」は「自治体が食味を保障する米など全国的にも珍しい。津南町の米作りへの意気込みを感じる」と評価は高い。3年目の津南町認証米。過去2年間はすべて完売。今期も順調な予約状況を推移し、「3年目で市場が認知してくれれば」と関係者は期待する。

 津南町認証米は、特別栽培米の基準を満たし、一等米で「タンパク値5・0〜6・0%」など厳しい条件が付いている。初年度は854・13d、昨年は731・7dが認証された。自治体である津南町が創設したこの認証米。町は初年度から出荷米60`あたり千5百円の奨励金を農家に助成。初年度は総額1423万5千5百円、昨年度は1219万5千円の実績。今期も同額(出荷米60`千5百円)の補助金を出し、農家支援する。

 津南町内の全出荷量の8割を扱うJA津南町。今月1日現在で出荷率3割ほど。うち1等米比率は「95・7%」と高い。「昨年と真逆。例年にない1等米比率」(JA営農部)。ただ、認証米の基準「タンパク値」が少し高め。特別栽培米の35%余りが、タンパク値の基準を少し上回り、認証外になっている。JA津南町・風巻一文営農部長は「梅雨明けの遅れ、出穂時期の長雨が影響している。品質的には近年にない出来だが、認証米の基準値を上回る傾向にある」という。

 ただ、同質の米、同価格の米の場合は「当然、認証米から買い手がつく。その意味で津南町が認証しているという評価が、これから効力が出てくることを期待したい」と話す。町は、3年間の補助事業の継続を検討している。

写真・2013年産米の出荷が最盛期を迎えている(10月3日、JA津南町で)

市教委が学力バックアップ、松之山で放課後寺子屋塾  10月4日号
 小学校の6校で今年5月から市教育センターの協力で学習をバックアップする「寺子屋塾」を開講した十日町市教育委員会は、高校受験の勉強をフォローする「放課後・数学寺子屋塾」を松之山地区で試験的に27日から始めた。中学段階で行政が学習補修をサポートするのは珍しく、同市では 今年度の成果を見て来年度以降、市内各所での導入を検討する方針だ。

 松之山地区は、市教委が実施の小学校・寺子屋塾は行われておらす、さらに市中央部のように学習塾がないため松之山地区を選定し今回の寺子屋塾を開講した。「数学」に特化したのは、中学段階で「自学では解決しにくい教科であり、さらに数学の面白さを教えたい」と、市教育センターの嘱託指導主事が講師。同塾は毎週金曜、学校授業が終了した午後4時20分から1時間開講している。
 松之山中学3年生は22人おり、今回は自主参加の18人が受講。開講式で蔵品泰治教育長は自身の小中学での数学体験を話しながら「問題が解けなくてもあきらめない心がけが大切。数学を解く楽しさを自分の中に溜め込んでください」と激励。受講生代表の佐藤萌里さんは「1から数学を教えていただき、数学でよい成績が取れるようになりたい」と期待感を話した。

 初日の1時間を受講した高橋朝陽君は「問題の解き方など分かりやすく、学校で学んだことをもう一度学べるから、理解が深まります」と話している。同教育センターの尾身辰二さんは「市内各所から要望があるが、講師の確保が大きな課題。小学校でも同様で、講師が確保できればさらに広げたい」と課題を話している。講義は学校の授業内容と並行する形で行い、2月には高校入試対策の講座も計画している。なお小学校の寺子屋塾は十日町、中条、水沢、田沢、貝野、倉俣の6小学校で実施している。

「栄」が縁、小学生が友好の旗を共同作成  10月4日号
 21年前から「栄」という名称が同じ縁で交流する栄村と横浜市栄区。来月2日、同区の区民祭りで友好交流の調印を行うことが決まった。その友好の証しとなる「友好の旗」を両区村の子どもたちが共同で作っている。28、29日、栄村を訪れた栄区の「栄村知り隊」の小学生32人は、同村の小学生代表に製作中の友好の旗を手渡し、「11月2日の栄区民祭りに持ってきてください」と最後の仕上げを依頼した。来月2日に出来上がった友好の旗は、5万人以上が集まる区民祭りステージで披露され、友好を誓い合う。

 この友好の旗は、栄区・尾仲富士夫区長が子どもたちに託した特別ミッション。来月の区民祭りのメイン行事で行う栄村との友好交流協定の調印式に添える。旗は両区村の小学生32人がハート型に手形を押して作成。今回の栄村訪問に合わせ、栄区の子たちが先に手形を押し、受けた栄村の小学生がさらに手形を押して完成させる。
 交流は1992年から始まり約10年間、子どもたちが相互訪問し交友を深めた。その後、村内に「栄区と交流する栄村の会」(関谷美彦会長)が誕生し、区民祭りで特産販売などを行い交流を継続している。2年前の長野新潟県境地震では、同区から義援金など多くの支援が寄せられ、交流の密度が再び深まっている。

 仲尾区長からの特別ミッションの伝達式は29日、栄村村民会館ホールで行い、代表が友好の旗を手渡した。栄区の本郷台小学校4年の足立幸成くんは「初めての栄村だったけど、星がすごくきれいで、自然がいっぱいで栄村は素晴らしいです。また来たいです」と旗を手渡した。一方、栄小学校6年の児童会長、山岸拓馬くんは「楽しく交流できたし、来月2日の栄区訪問が楽しみです。友だちを作りたいです」と話している。2日は島田茂樹村長が同区を子どもたちと一緒に訪問し、友好交流の調印をする。

高齢地域の暮らしを支える、あいポート仙田、総務大臣表彰  10月4日号
 高齢者世帯の米づくりを請け負うなど、中山間地域の暮らしを支える活動に取り組む十日町市仙田地区の株式会社「あいポート仙田」(金子澄男社長、資本金約114万円)が総務省の「過疎地域自立活性化優良事例表彰」で総務大臣賞を受賞。10日、長崎市で表彰を受ける。事業に取り組む長谷川東取締役は「評価されてうれしい。高齢化に悩む全国過疎地域の励みになるような活動をしていきたい」と話している。

 273世帯774人(9月1日現在)が暮らす仙田地区。合併前の仙田村時代、人口は5千人余りを数えたが、過疎の波に洗われ大幅に減少した。高齢化は進む一方で、農作業や冬場の屋根除雪などが困難となる高齢者世帯が増え、「何とかムラを守りたい」と地元有志6人が中心となって3年前に同社を設立した。現在、常勤の社員はパートを含め12人。田んぼを中心に40軒余り約10fの米づくりを請負っているほか冬場、約20世帯の屋根除雪も担当。また高齢者支援や地域生活支援の一環として指定管理者となっている仙田体験交流館に昨年7月、地区唯一の小さなスーパー「あいマート」を開店。地元農家の野菜販売所コーナーも設け、農家の収入源や憩いの場にもつなげている。

 今後はハウス栽培による野菜の通年販売などにも取り組む計画で、長谷川取締役は「過疎化対策は全国的にも大きな課題。過疎地でも会社として事業ができ、活性化の核になれるんだという形にしたい」と話している。

狩猟免許者が高齢化、被害防除に影響  9月27日号
 イノシシやクマ、サルなどの野生動物による農作物への被害を防ぐため、新潟県は高齢化し、減少傾向になる「狩猟免許所持者」を確保するため、免許取得や免許更新の費用を補助する事業を始めている。県内で同事業を実施する市町村は13自治体で、魚沼エリアでは津南町、十日町市、魚沼市、南魚沼市が実施する。費用補助は最大5万3千円(新規取得費用約10万円)を助成し、県と市町村が2分1負担し補助する。猟友会関係者からは「補助はありがたいが、銃を持つことの理解がなかなか得られない場合が多く、免許者が年々少なくなっている」と、補助事業の効果を期待している。

 津南町猟友会の大口友一会長(66)によると、30年余り前には新潟県全県で約8千人の免許者がおり、津南町でも猟友会員は百人余りいたが、今年度の会員は25人。「4分の1になっている。それに会員がそのまま年を重ねているので、年々高齢化している。足腰が弱くなると、自主返納する。新しい免許者が入らないため、どこの猟友会も高齢化しているのが現状」。津南町猟友会は40代から70代のメンバーで、多くが60代、70代という。

 有害鳥獣の最近の傾向としては、イノシシ被害が深刻化している。クマやサル被害と違って、イノシシは畑すべてを荒し、水田では稲の倒伏原因にもなっている。同猟友会では、冬の猟期の終了後、春先の2月、イノシシ駆除に乗り出す。雪があるため居場所の特定が容易で、毎年10頭前後を捕獲している。
 だが、事態はさらに進んでいるようだ。大口組合長はイノシシの被害拡大を心配する。「毎年春先、猟友会でほぼすべてを駆除するが、雪消え後、頚城地方や長野、群馬から移動してくるようだ。今年も出没の被害を聞いている。毎年、この繰り返しだ。猟友会メンバーも限られているので、今回の免許取得補助はありがたい」と話している。

 猟友会員にとって必要な射撃練習場が今年新しくなった。「松代射場」の改修を十日町市と津南町が共同を行い、管理は地元猟友会が行っている。大口組合長は「スポーツ種目にもある射撃であり、地域の理解が必要。鳥獣による農作物の被害は年によって異なるが、確実に増えているクマのように、しっかり管理する必要があり、その役割を猟友会が担っている。地域の理解をお願いしたい」と話している。補助事業の申請は、地元市町村で受け付けている。

写真・野生動物の被害を防ぐ狩猟免許が激減している(昨年のクマ捕獲作業で)
 


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