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2013年09月の津南新聞「トピックス」

過去の津南新聞トピックス
秋山郷405号、10月5日、仮復旧で通行可能に  9月27日号
 台風18号の影響で大赤沢―小赤沢間で続く国道405号線の通行止め区間で、急ピッチで復旧工事が進んでいる。県は20日に萌木の里で住民説明会を開き、来月5日に同線を片側交互通行で開通させる方針を発表。紅葉シーズン本番に向け工事を急ぐ。すでに数件の宿泊キャンセルが栄村側で発生しており、観光関係者は「最大の入込前の早期復旧はありがたい。通行可能となった際は秋山郷に行けますと広くアピールしてほしい」と要望している。

 十日町地域振興局地域整備部の本田誠一副部長らが、両県の観光関係者や行政職員、住民ら20人余に事業説明。計画では長さ約50b、幅3bが崩落した県境の「境橋」付近を急ぎ片側交互通行可能に仮復旧。約10b下の硫黄川わきを国土交通省から借用したテトラポット120個で補強、クレーンで土のうを積み上げ崩落部分を埋め、幅員4b道路を来月5日午前8時半の開通をめざす。「応急的な仮復旧工事で、中型バスや除雪車が通行可能な4b幅員で計画した。本工事は雪解け後に行う」(地域整備部)とする。一方、秋山郷最奥部の切明から奥志賀に通ずる林道秋山線の開通メドは立っていない。栄村の斎藤保産業建設課長は「大きく2ヵ所で路肩が壊れている。見通しはまだ立たないが、5日をめがけ早期に片側交互通行ができるよう努力する」と方針を述べた。

 現在、信州秋山郷へ通じる道は前倉‐林道栄線‐屋敷のルート。のよさの里と雄川閣を運営する栄村振興公社の福原洋一事務局長は「バス会社、団体客は通れるかと不安視していたが、早期復旧はありがたい。開通時はすぐに秋山郷は通れるぞ、と積極発信してほしい」。大赤沢の山源木工・石沢哲社長は「毎日引き返す車を20台余見かける。苗場登山の方が多く、迂回路がわからず来ている。両県が連携し、道路の現状を常に発信するのが大事だ」と話している。

10代のまなざし「藤ノ木美咲さん、十日町総合高3年、津南町) メジャーデビューめざし  9月27日号
 「深い意味がある歌詞が好きですね」。8歳違いの姉、5歳違いの兄の影響もあるが、小さい頃から歌が好きだった。その抱き続けてきた思いが、これからの進路を決めた。夏休み前からのAO入試に取り組み、先日、内定通知が届いた。来春から世界的なギターメーカーESPが出資、開校する音楽やアートの専門学校「ESPミュージカルアカデミー」(本校・東京高田馬場)に進学する。専攻はボーカルコース。2年間みっちり声楽を学び、プロへの道を歩む。

 歌が好きという強い思いはあったが、職業としては漠然と抱いていた音楽への思い。高校1年の時、先輩に誘われ、初めてバンド活動に参加。「ステージに立つ前はドキドキでしたが、歌い出すと気持ちよく歌えました。今も同じようにドキドキですが、歌い出すと落ち着きます。ステージライブが好きですね」。3年になり、同級生の女子5人でガールズバンドを組む。「まだ名前はありませんが、文化祭に出たいです」。音楽部に所属する。練習は個々の自宅練習のほか、音合わせでは市内の楽器店のスタジオを借りる。主にガールズバンド『スキャンダル』の曲を演奏。「歌詞が好きです」。

 音楽への進路決めたのは今年の夏前。藤ノ木家の法事で法話した住職の言葉が、音楽をめざす道への背中を押してくれた。『良い出会い、悪い出会い、すべて今の自分になくてはならない出会いです。それがあり、今の自分があります』。住職の言葉を聴き、「人に何かを使えたい」と強く思い、自分の表現手段である歌うこと、音楽への道を決意した。

 人生の転機には、出会う言葉がある、その言葉に出会った。「夏休みのオープンキャンパスで、プロのスタジオマイクで歌いましたが、全然声が響きませんでした。基本が出来ていないことが分かりました。アカデミーでしっかり基本を学び、ガールスバンドでメジャーデビューしたいです」。
 言葉に深みがある歌詞が好きだ。「作詞作曲も手がけてみたいです」。日々の生活の中から、オリジナルを掴んでいる。

中心商店街に活気、旧旅館で「おもしろお化け屋敷」  9月27日号
 津南町中心街の廃旅館を利用した一日限りのお化け屋敷『沈黙のゲストハウス富田屋旅館』。23日に地元活性化グループ・町づくり応援隊(阿部哲也隊長、9人)主幹で開き大人気だった。5分ごとに入場者が入る仕組みだったが客足は途絶えず長蛇の列。中には2度入る子どもたちの姿も。計4時間の開館時間に250人以上が利用し盛況。「また見たい」と継続を望む声が早くも上がっており、今後の中心街活性化に期待が高まっている。

 お化け屋敷事業を同隊は4年前から津南小6学年行事として継続。今回は一般公開要望の高まりと、同日の大割野商協彼岸市に合わせ商店街を歩く仕組み作りをと実施。ウェブ上でボランティアスタッフを募り15人余がお化け役や音響を務め、人のいない廃旅館の大広間や階段など、重い雰囲気を活かした恐怖空間を演出。小学6年の娘と訪れた金澤奈緒美さん(正面)は「暗い階段など入り組んだコースで何処がゴールかわからない怖さがあり、ずっと身構えていました。童心に帰って楽しめたので、また行きたい」と話した。

 予想以上の反響に、同隊メンバーも自信を深める。企画構成を担当した滝沢武士さん(35、大割野)は「小学時代にお化け屋敷を経験した子どもたちも多く来てくれ、4年間の活動の賜物だと感じた。若い世代も力を合わせお化け屋敷を始め、広い分野で商店街や町全体の活性化に繋がる取組みを今後も考えたい」。同隊では次回開催に向け早くも検討中。なお同隊はお化け屋敷を始め、各学校の学年行事企画の支援なども積極展開する方針。連絡は町観光協会まで。

マイタケに舞い上がる、津南町の橋野さん  9月27日号
 ○…「いやぁ、見つけた時本当に舞ったよ」。津南町の橋野義巳さん(70、子種新田)は満面の笑み。20日、栄村の友人と2人で鳥甲山にキノコ採りに出発。山に入り40分余、斜面のミズナラの切り株の周りをびっしりと天然の舞茸が埋め尽くしていたのを発見。2人で30`余をリュックに担ぎ、ほくほく顔で山を下りた。「天ぷらや舞茸しゃぶしゃぶが最高。いい酒が飲めたよ」。親戚などにも配るとみな笑顔がこぼれた。

 ○…舞茸の語源は『舞うほど美味しい』とされ、収穫は9月から約1ヵ月間。地元ではキノコ採りの名人とも呼ばれる橋野さん。今回は4年に一度、舞茸が出る切り株から収穫。大きいものは一株で約4`もあった。橋野さんは、採った時は必ず樹にお礼を言う。「今回は20株余出ており、久しぶりの大量。見つけた時はもう感謝の気持ちしかない。キノコ採りには最高の贈り物だよ」。待望のキノコシーズン、また山に入る回数が増えそうだ。

秋の観光直撃、秋山郷・国道405号が崩落、「早期復旧を」  9月20日号
 台風18号の豪雨で国道405号、秋山郷の津南町と栄村の県境に架かる「堺橋」の津南側道路が約50bに渡り道路片側が崩落し、約10b下の硫黄川まで崩れ、16日午後2時半から通行止めになった。これから秋の紅葉シーズンの観光の最盛期を迎える秋山郷。同国道の通行止めは、観光関係者に大きな衝撃を与えている。「なんとしても紅葉シーズン前に通行再開してほしい。年々入込みが落ちている秋山郷で、紅葉シーズンが最大の観光シーズン。通行再開が遅れたら死活問題だ」と、仮復旧による通行再開を要望している。

 道路崩落現場は、津南町大赤沢の山源木工先の県境に架かる「境橋」の津南側。同橋は8年前に新潟、長野両県が予算を出し合い、架け替えた県境の橋。同時に両端の取り付け道路も整備。崩落は長さ50m、幅3bが崩れ、約10b下を硫黄川が流れる。橋の破損はない。
 崩落は、豪雨災害パトロール中の地元高橋工務所の社員が発見した。16日の午後2時半、現場を通り「道路に2、3aのクラック(割れ目)を見つけ、その報告のために近くに車を停めた直後、道路が崩れた」という。秋山郷では16日正午までの12時間連続雨量154_(切明観測所)の記録し、中津川は赤土色の激流で増水していた。

 17日午前に現地調査した十日町地域振興局・地域整備部では「重要ルートである事は認識しており、早急に仮復旧に取り組む」として、国土交通省から仮設基礎となるブロックの借用を決め、早急に復旧作業に入る方針だ。
 同地の山源木工社長で前津南町観光協会長の石沢哲さん(61)は、観光への打撃を心配する。「一日も早い開通を望む。紅葉シーズンが秋山郷の一番の入り込み時期。開通の遅れで経済的な影響が心配される」と観光客の入込みへの影響を話す。さらに「もうすでに紅葉状況の問合せが観光会社などから入り、道路状況を聞かれている。開通時期が分かれば観光業者はルート変更せず秋山郷に来てくれるだろうが、見通し立たずではルートを変更する。仮復旧の具体的な見通しを早く知らせてほしい」と切実感を話している。

 17日午前、現場調査した上村憲司町長は「早急な復旧を県に要請した。晴天が続けば復旧工事は進むが天気が心配。なんとか紅葉シーズンには間に合わせたい」と話し、県には『10月5日の仮復旧』を要請している。県では中型バス(30人乗)が通行できる仮復旧をめざす方針だ。
 今回の405号通行止めで栄村では「津南町前倉―林道栄線―屋敷」ルートを村内外に情報発信し、秋山郷観光への影響を最小限におさえる対応に乗り出している。さらに住民の交通確保のためジャンボタクシーの運行を行い、秋山診療所も従来通りの診察活動を行っている。

写真・道路が大きく崩落した秋山郷・国道405号の現場(17日朝、津南町大赤沢で)

土石流、森組事務所直撃、栄村中条の震災崩落現場で  9月20日号
 2年半前の長野新潟県境地震で大規模な土石流が発生した栄村・中条川で16日午後、河川護岸工事中の同川上流の地震でできた「土砂ダム」が流失する大規模な土石流が発生。約1・2`下流の栄村森林組合事務所を直撃し、河川護岸に置かれたコンクリートブロックが同事務所1階を破壊するなど、建物が大きく損傷した。休業日のため職員は不在で負傷者はなかったが、1階部分の半分がえぐり取られ、無残な姿をさらし、土石流のすさまじい破壊力を見せつけている。中条川は3年後に震災による河川改修を完了する計画だったが、今回の大規模な土石流で、これまで建設した砂防ダムがすべて埋まり、河川の護岸整備は振り出しに戻った形だ。特に地震で崩落した山肌の法面保護、さらに今回の土石流の原因となった土砂ダムの処理など、中条川対策は抜本的な練り直しに迫られている。

 土石流は2回発生した。最初の発生の瞬間を、中条川上流にある温泉施設トマトの国の従業員が見ている。広瀬春美支配人(55)によると、午後2時半頃、女性従業員の『鉄砲水が来た』の声で川を見ると、普段より多い真っ黒な水が流れ、ゴォーという大きな音がしたという。
 この日、同館には地元青倉と横倉の敬老式の人たち約65人と日帰り入浴客8人がいた。広瀬支配人は豪雨の様子を見て、一般客には帰るように促し、敬老式参加者も2時半前にバスで送り出した。そのすぐ後、最初の土石流が発生。当日の雨量は村役場観測所で16日午前零時からの17時間連続雨量が137_を記録。村は対策本部を設置し1回目の土石流後、村は午後3時に下流域の中条6世帯19人、青倉北向の15世帯40人に避難勧告を出し、うち20世帯54人が公民館などに避難した。

 大規模な土石流の直撃を受けた栄村森林組合・久保田道一(50)総務課長は、最初の土石流発生を聞き、休業日だったが事務所に来て周囲を点検し異常ないことを確認。午後4時50分、事務所を後にした。だがこの直後、午後5時5分頃、大規模な土石流が発生。久保田課長はすぐに事務所に戻ったが、土石流の直撃を受けた事務所は無残な姿を晒していた。中条川のすぐ脇に立つ同事務所。「現場を見ると、事務所の対岸に乗り上げた土石流が、いっきに事務所を直撃したようだ。事業化するペレット材800袋がすべて流失し、今夏8月に購入した除雪用のタイヤロータリーも流失した。5月に購入したワゴン車も破損。大きな被害が出た。ただ、休業日で職員(8人)がいなくて幸いだった」と話している。一方、桑原重雄組合長は「あの震災後、事務所を移転し、その年の12月、この村有施設に移った。まさか再び被害を受けるとは。二度も被災したが、職員と組合員と共に再び復興に向けて取り組みたい」と話している。

 この中条川は、2年前の震災後、長野県事業で河川整備や護岸改修に取り組み、これまでに直径12bの円筒形の鋼板3本で作る土石流減勢工(鋼板セルダム)を含む砂防ダム3基を建設。さらに川の流れを変える流路工整備、崩落した山肌の法面工事を行い3年後の完了をめざしていた。

 今回の大規模の土石流は、2年前の地震で崩落、川に堆積した土砂ダムが崩落した。推定量約120万立方bの半分以上が土石流となって約2`下流の千曲川まで流れ下った。土砂ダムから直撃受けた栄村森林組合事務所までは約1・2`。土砂はかなりのスピードで流れ下ったようで、河川内に置かれたコンクリートブロック(テトラポット)がオモチャのように各所に散乱している。

 同河川には、昨年11月末まで土石流センサーが設置されていた。例年、降雪前に撤去し、翌年春に再び設置していた。だが、今春は「上部の工事の見通しがついた」としてセンサーは設置されなかった。栄村では、今回の大規模な土石流被害を受け、中条川の改修工事を抜本的に見直す必要性を県に要請している。

写真・土石流が直撃し、事務所1階がもぎ取られた(17日朝、栄村中条で)

ファミリーマートの「津南の天然水」、いよいよ来年1月誕生  9月20日号
 上信越国立公園・小松原湿原が水源の上質な津南町・見玉湧水を取水し「津南の自然水」(仮称)として全国販売するコンビニ大手「ファミリーマート」のペットボトル飲料水工場の地鎮祭が8日、津南町見玉地区の現地で行われ、来年1月の生産稼動に向け工場の建設に着手した。操業に合わせ地元から高卒者を含め従業員12人程度を採用、さらに事業の拡大で10人ほど増員する予定で、町では「雇用拡大につながる」と期待している。

 操業するのは今年3月に設立した現地法人「クリアーウォーター津南」(社長・本多利範ファミリーマート常務、資本金1億5千万円)。総事業費約15億円をかけて工場を建設、見玉地区の湧水の源泉を熱処理し「ナチュラル・ミネラルウォーター」として販売する。当初予定より50_g増量し、550_g入りのボトルで年間最大2千万本を出荷する計画だ。

 ファミリーマートは全国にコンビニ9764店舗、海外12680店舗を持つ。ミネラルウォーターは約20種類を販売しているが、プライベートブランドとして販売するのは津南の自然水が初めて。地鎮祭で本多社長は「上信越国立公園苗場山系と日本一の河岸段丘の津南で最高の水に出会った。津南のおいしい水を、たくさんのお客さんから飲んでもらえるものと思う」と話し、上村町長は「町の発展、新しい明日に向かっての出発の日でもある」と期待感を語った。

写真・年内に完成し、来年総合開始予定の津南工場完成図
 

豪雨災害で幹線道相次ぎストップ、危機管理急務  9月20日号
 台風18号による豪雨災害が各所で発生し、16日には十日町市・津南町地域の流通動脈である国道353号、同253号、主要地方道・大沢峠線などが土砂崩れで日中5時間余りに渡り通行止めになった。2年前の豪雨災害でも同様な事態になり、建設中の地域高規格道・八箇峠道路の早期開通が望まれると同時に、国道252号もストップした場合の最悪ケースを想定した危機管理への対応が迫られている。

 今回の豪雨災害では、16日午前11時10分、大沢峠・当間―野中で土砂崩れでストップ。同11時20分には353号・倉下―東田尻(中里エリア)の土砂崩れ発生で通行止め。同11時30分に十日町―塩沢線・辰ヶ平で土砂崩れで通行止め。さらに同11時34分、253号の八箇トンネル手間で土砂崩れでストップ。いずれも午後5時前後までに開通したが、約5時間に渡り、十日町・津南エリアでは関越高速とのルートは252号だけの状態になった。

 一時的ではあるが主要幹線道路が同時にストップする事態は、危機管理面からも多くの課題を残した。関口市長は、「2年前の豪雨災害で教訓として残ったことで、この地域の道路網の弱さであり、本質的な問題であり課題である。大事なルートが通行できなくなるのは重要な問題であり、その意味でも高規格道路の早期開通が重要な課題だ」と、

 さらに早期開通の必要性が高まっていることを強調。さらに「前回の豪雨災害でも思ったが、トンネル出口付近での災害発生が多く、このエリアはそうした脆弱性を持っている。こうした課題をしっかり整理し、国や県に現状を理解していただき、早急な開通を要請したい」と豪雨災害の教訓を早期開通につなげたい方針だ。

 一方、市防災計画との今後の関係では「地震の時など含めこれまでにも危機があった。できる限りのシミュレーションを行い、精度を高める必要があり、防災計画などにきちっと結び付けていくことが大事だ」と話し、今回の豪雨災害で一時的ながら孤立集落が発生した事態も含め、災害時対応の精度をあげる取り組む方針を示した。

写真・大沢峠線で発生した土砂流失(16日午後)

外丸・中津が2年後、津南小に統合決まる、津南町小学校統合問題  9月20日号
 子ども数の減少に伴い小学校の再編を進める津南町は、2年後の2015年4月に中津小学校と外丸小学校を町中央部の津南小学校に統合する条例改正案を町議会に提案し、13日の本会議で賛成多数で可決した。両小学校の統合問題は、町教委が5年前に答申した「津南町小中学校適正規模検討委員会」の方針に基づくもので、計画から2年経過しての統合が決まった。だが地元では「子どもたちのためにも、地域の活性化のためにも小学校を残してほしい」とする校区民からの要望は強い。議案審議の本会議の前夜、外丸小校区で議員との懇談会が初めて開かれ、校区民からは「140年続く小学校であり、子どもたちの多くは今の小学校が大好きだ。子どもたちのためにも、外丸小学校のあり方を考えるうえでも、もう少し時間がほしい」と、9月議会での統合議案の審議延期の要望を出したが、議会は「住民の声は聞いた」として統合案を採決し、11対4で統合を決めた。

 今回の統合案は、地元の校区民の声をどう判断するかが焦点になった。子を持つ親たち、小学校PTA、さらに保育園保護者会は両校区とも「平成27年4月、外丸小と中津小が一緒に津南小に統合してほしい」とする要望書を町教育委会に提出している。
 一方、地元校区民は、地域を活性化するグループや考える会を作り、「地域の将来にとって小学校の存在は欠かせない」と、小学校を残すための方策を研究し、町教委や校区民に具体的な提案をしてきた。

 両論が並存する中で町教委は、校区の集落ごとに「総意」をまとめるよう要請した。中津校区、外丸校区ともに8月の盆前をリミットに、各区長や学校後援会に総意とりまとめを要請。この間、地元民は再三の意見交換の場を設けたが、この場に町教委、さらに町議会の参加はなかった。

 このため外丸校区では、有志が町教委の取りまとめ方法や地元の取り組み手法に問題があるとして町議会に要望書を提出。町議会は統合議案審議の前夜、外丸校区民と初めての懇談会を開いた。
懇談会では、議員から「初めて地元の皆さんの意見を聞きました。もっと早く来るべきでした」と語る議員もいたが、今回の両小学校の統合問題は、放置してきた議会の問題も同時に浮上している。
 
 両小学校が統合問題に取り組んだのは6年前。以降、地元懇談や町教委との意見交換会を重ねてきたが、この間、議会は一度も地元懇談や意見交換の場を開いていない。議員からは「議会は提案された議案を粛々と審議するだけ」との声も聞くが、住民代表の議会の役割とは何か、今回の統合問題が突きつけた形だ。議員定数問題が協議中だが、「議員の質」、「議員活動」のあり方にも影響するものと見られる。

「ものづくり日本大賞」、きものブレインが産経大臣表彰  9月20日号
 「第5回ものづくり日本大賞」に入賞―。きもの総合加工など国内外で事業を展開している「きものブレイン」(岡元松男社長)の納涼パーティーが13日、ラポート十日町で開かれ、岡元社長は社員ら250人を前に、ものづくり日本大賞・経済産業大臣賞の受賞を報告。「大変うれしい。これも従業員はじめ多くの協力があってのこと。心から感謝したい」と話した。
 
 ものづくり日本大賞は国内の産業・文化の発展を支え、着実に継承していく企業や人材を顕彰するもので、経済産業省などが主催。今回は、全国2500件余りの応募の中から内閣総理大臣表彰24件や経済産業省表彰62件などを今月13日に決定した。きものブレインの受賞は伝統技術応用部門で、独自技術で開発した「ドリームケア加工」に特殊防縮技術や法制技術を加えて水で洗える正絹長襦袢やきものの「ふるるん」を製品化したことが高く評価された。岡本社長は「非常に審査のハードルが高く、受賞するとは思えなかった。海外からの引き合いも多く、少なからず産地活性化に貢献できたと思う」と語った。

 また、同社では毎年2%の成長をめざしており、岡元社長は「今期の売上は前期比105%。計画通りゆるやかな成長をさせていただいた。障害者雇用や若い人たちの雇用など、企業の社会的責任を負う気持ちでチャレンジしている」と企業家としての信念を語った。

手作り逸品に魅かれ、津南で妻有クラフトフエア  9月20日号
 ○…思わず欲しくなる手作りの逸品が集う「第6回越後妻有クラフトフェア」は14、15日、ニュー・グリーンピア津南で開催。初秋の津南高原に染織、紙製品、ガラス、革製品、わら、ヤマブドウツル細工など多彩な107工房が25都府県から参集。自慢の手作り工芸品(クラフト)を並べ、作家と来場者が顔を合わせ交流。毎年訪れる中沢京子さん(見玉)は「いつも陶器や服を買っています。この場にしかない一点物が多いのが良いですね」と嬉しそう。2日間で昨年並みの1万1千人余(前年1万2千人)が来場し賑った。

 ○…ロケーションの良さが人気の同フェア。河岸段丘の絶景、駐車場の広さなど、大規模展に最適な環境が作家や来場者に好評で定着。再遠方地の山口から出展する「手吹きガラス工房透きや」の徳永隆治さん(39)は参加3回目。「ゆったりした広い空間で気持ちがいい。津南でのフェアでリピーターの方も来てくれるようになりました。継続して来たい」と満足そう。一方、主催の高野秋規実行委員長(61、清津陶房七ツ釜)は「初開催から6年。作家と顔を合わせ交流する魅力が浸透し、人も作家も集まるよいフェアに育ちつつある」。今後も地元有志と実行委を組み、継続する方針だ。

中央商店街の賑わいに一役、旧旅館で一日限りの「お化け屋敷」 9月13日号
 津南町中心街の空施設を使ったお化け屋敷が23日、1日限りオープンする。大割野商協組合の彼岸市に合わせ、大割野の旧富田屋旅館を舞台に地元活性化グループ・町づくり応援隊(阿部哲也隊長、9人)を主幹に行う。同隊は「彼岸市と同時開催で商店街を歩くきっかけにしたい」。地元商店も協力、お化けスィーツなどオリジナル商品を開発し提供。空施設を活用した中心街活性化に関心が集まる。

 テーマは『沈黙のゲストハウス富田屋旅館〜季節外れのお化け屋敷』。物語設定は『かつて観光客で賑った館が現在は全国からお化け観光客が殺到し賑っている噂が広がるが、その真実は…』というもの。計画ではふれあいセンターわきの彼岸市会場でチケット(一般5百円、中学生以下3百円、ファミリー券千円)を販売。商店街を歩くよう仕掛ける。お化け屋敷滞在時間は10分余を想定。参加者には彼岸市で使える割引券を進呈、また彼岸市で買物するとお化け屋敷が割引となる相互特典も。開場時間は第一部午後2〜4時、第二部5〜7時を予定している。

 同隊は4年前から津南小6学年行事としてお化け屋敷「夜の課外授業」を継続し行い、毎年好評。参加者から「一般公開もしてほしい」と要望もあり、今夏に中心街での実現に向け動いていた。6年前に廃業した同旅館の家族や現所有者の了承を受け、今回有料で初の一般公開お化け屋敷に挑戦。阿部隊長(37、大割野)は「全国ではシャッター街でお化け屋敷や関連グッズを作り成功している地域がある。町を歩いて貰うのが一番の目的だが、4年間の経験を活かしたお化け屋敷にどう反応があるかも楽しみ。地域活性化に繋げたい」。ボランティアスタッフを募集中。町観光協会рO25(765)5585まで。

「見た目問題」、自然そのままの人たち、十日町で写真展  9月13日号
 病気や事故、あるいは薬害などで顔や手足にアザや白皮などの見た目の症状を持つ人たちを、日常生活の中で自然の表情を撮った写真展『ただ、自分らしく』が十日町情報館で開かれ、大きな関心を呼んでいる。新潟県内では初、全国でも4会場目という写真展に登場する10歳の少年が十日町市に居る。写真展開幕の10日、小学5年の別府倫太郎君は、5歳からの原因不明の全身脱毛で、今も投薬に頼る生活。この日開かれた同市養護教諭研修会に招かれた倫太郎くん。「見た目問題は、皆さんの目に見えないところに本質がある」と語った。

 先天的に色素がない白皮症(アルビノ)や成長ホルモンの異常で発症する手足の先端肥大など、「奇異な目」に晒され、差別や偏見を受ける人たちの「見た目問題」をサポート、支援するNPO法人「マイフエイス・マイスタイル(MFMS)」(本部・東京)が今回、写真のモデルになっている倫太郎君が暮らす地で写真展を開いた。これまで東京で2会場、栃木・宇都宮、十日町は4会場目。来月は島根で開くことが決まっている。

 倫太郎君と共に研修会に招かれた同NPOの外川浩子代表(46)は、慶応大時代、赤アザがあるボーフレンドとの交際など自身の体験を語り、12年前に見た目問題に取り組む団体と出会い、5年後に現在の団体を立ち上げる。

 外川さんは「見た目にこだわるのは人間の本能。防衛本能でもある。自分と違うものに出会った時、人間は自分を守ろうとする」。さらに障がい者支援は国政策であるが、「見た目症状がある人に対する国のサポートはゼロ。対応する窓口すらない」と現状を指摘。今回の写真展は「日常の中、本当に自然体で生きる姿があり、当事者は差別や偏見への怒りを生きるエネルギーに代えている。特別な人たちではなく、可哀想な人たちでもない。自分らしく生きている人たち」と写真展のねらいを話す。

 今回の写真展には、様々な症状を持つ25人が大型写真パネルで登場している。同NPO理事で写真家・富樫東正氏が撮影。結婚式当日、ウェディングドレスを着て振り向くアルビノの女性や先端肥大ながらジョギングする男性など、日常をさりげなく見せる。

別府倫太郎さん、「見た目問題の本質は見えない所にある」 9月13日号   9月13日号
 5歳で原因不明の円形脱毛症を発症し、3ヵ月で全身が脱毛した倫太郎君。「次々と抜けていく状態は今も憶えていますが、怖かったという思いだけ今はあります」。7歳で小児性ネフローゼを発症し、以来、投薬に頼る生活。薬の副作用もあり、太ったり、やせたり。「ムーンフェイスになっちゃいました」。さらに、『見た目なんか気にするな、病気に負けるな』と励まされると、「僕はだめなんだ」と感じたという。

 だが、2年前に同じ症状の人たちのグループと出会い、「自分は自分なんだ。自分に正直でいいんだ」と思うようになった。研修会のこの日も、「ニューヨークではスキンヘッドが流行っています。先日、インド料理店に行ったら、シェフが握手を求めてきました。修行中のお坊さんに間違われます」などジョークも飛び出した。
「見た目は良くも悪くも僕の一部。ただ、自分らしくと思っています。目に見えないものが本質だと思います。見た目問題は常に皆さんと一緒にあると思います」。10歳の小学生の言葉は、参加者の心に響いた。

 倫太郎君は小学3年から小学校に行ってないが、地域内外に多くの友人がいて津南町にもよく来ている。インターネット上に『別府新聞』を開く。趣味のカメラで日常の風景を撮り、短文を寄せている。この写真展は16日まで。入場無料。

晩酌大好き100歳の山本丑太郎さん  9月13日号
 ○…「耳も目も悪くなったが、テレビで相撲や高校野球を観るのは好きだよ」。大正2年10月生まれ。10月の誕生日を迎えると満百歳。家の中に取り付けた手すりにつかまりながらも、自分で歩いて居間や食堂に行ったり用も足す。「90過ぎまでゲートボールを楽しんだが、今はダメだ。たまにオセロをしたりするが」。妻のハクさんは95歳。夫婦そろって長寿だが、ハクさんは車イス生活で週3日、ディサービスに通う。

 ○…若いときは井戸掘り職人だった。70歳まで続けたという。体力を必要とする仕事が、健康につながったのかも知れない。「酒はいっぱい飲んだな。よく胃が悪くならなかったもんだよ」。今でも梅酒などたしなむ。「これが楽しみなんだ」。ただ、何を食べてもまずく感じるそうで、「これが困ったこと」と話す。それでも長男夫婦から面倒を見てもらい、不自由のない生活。「戦争に行ったが、弾に当たらなかった。だから今の俺がいる」、記憶は今も鮮明だ。

10代のまなざし「神戸隆太さん、津南中等校5学年」 何でもできる医師めざす  9月13日号
「中学の時からずっと、医師をめざしています」。
 医大合格のため毎日4時間余、机に座り勉学に励む。新潟大や栃木の自治医科大のオープンキャンパスにも出向き、現役医大生らの話を聞いた。
 「先月末の企業訪問では、東大医学部付属病院の外科医の話を聞きました。大変な世界ですが、誇りを持って職務に当たる姿が印象に残っています」。

 医師不足が叫ばれる現代。病弱だった幼少期、ひとつの出来事が頭に残る。
 「やんちゃ坊主でしたが、結構入院が多かったんです。ただ中学に入る時、近くの病院の小児科がなくなってしまいました。医師が足りないんだと、身を持って実感しました」。
 専攻は決めていないが地域医療への思いがある。
 「都会はあまり好きではないので人との距離が近い田舎で住民の方を診るのが夢です。専門医も大切ですが、地域では何でもできるお医者さんが大事だと思います」。

 得意科目は数学。中2の時に数学選手権、昨年は数学オリンピック予選に挑戦。今春3月は書類選考とレポート審査で全国から50人しか選ばれない、未来の数学者を育成するコンテスト『数学の森in京都』に合格。京大教授による模擬授業、フィールズ賞受賞の森重文教授の講演を聞くなど、同世代と数学漬けの3日間を過ごした。大きな刺激となり帰宅後、机に向かう時間が自然と増えた。
 「周りは開成や灘など、全国有数の名門高ばかり。まだまだ及ばないと感じましたが、結構負けず嫌いなんですよ」。
 ただ国語、特に現代文が少し苦手。受験に向け新聞の1面下コラムを毎日読むなどし、弱点克服を図る。
 「受験前に必死に勉強するのではなく、日々の積み重ねの貯金が大事だと思っています。あと、将棋の面は欠かさず読んでいますね。昔から好きなんです」。

 ただ勉強漬けの日々ではない。友だちの家でゲームしたり、カラオケに行くなど普通の学生と同じだ。
 「夏休みは独りでいる時間が長かったので、早く学校行きたいな、と思っちゃいましたね」。
 同級生には医療系をめざす仲間が多く、互いに切磋琢磨する毎日は楽しい。
 「医師は国家試験を通り初めてスタートラインに立てます。一生学び続ける職ですが、人と関わり、役に立つ仕事をしたい」。
                    (石沢修一)

拉致問題、蓮池薫さん津南で語る  9月b13日号  
 北朝鮮による拉致被害者で平成14年に帰国し、現在は新潟産業大准教授を務める翻訳家の蓮池薫さんが8日、津南町文化センターで講演。「拉致問題を考える〜家族の絆と夢〜」と題して、工作員により拉致された時の様子、北朝鮮での暮らし、日本に残るに際しての苦悩などを語り、今も残る被害者の思いを「帰れないと割り切って暮らしていた時の何倍も辛い」と代弁。拉致問題解決に向け国民あげて活動していくことの重要性を語った。会場には5百人余りが詰めかけ、関心の高さを示した。

 蓮池さんは「暗くなりかけていた時、家内と海岸に座って話をしていると、1人の男が近づいてきて『タバコの火を貸してくれ』と言った。おそらく、そのライターの火が合図だったと思う。ライターに気をとられている間に、後から3、4人の戦闘員が襲いかかってきた。私は頭越しに目を殴られ、ものすごい力で抑えつけられた。殴られた目は見る見るうちに腫れて視界が狭くなっていった」などと拉致された時の模様を克明に語り、北朝鮮で隔離されての生活環境も話した。また五輪開催に触れ「オリンピック選手になりたいという大きな夢を持った人もいるだろう。誰もが自分の可能性を信じて生きたいと思っている」と拉致により自分の夢や家族との絆を断たれたことへの憤りを語った。

 さらに「今も北朝鮮に残っている人たちがいる。今残っている方々は、我々が帰ってからさらに11年経っている。その間に、我々が帰ったということが耳に入らないわけがない。帰れる日を待っている人たちがいる」と語り、「だからこそ早く、一刻も早く解決しなければならない。政府、政治家が本気でやればできないことではない。政府を動かすためにも、ぜひ皆さんから拉致問題解決のために総理大臣宛に手紙を出してほしい」と呼びかけた。

レスリング、五輪種目に、子どもたちも歓声  9月13日号
 「やったー。オリンピックに決まったよ」―。2020年夏季五輪が東京開催に決まったのに続き、実施競技の最後の1枠にレスリングが入った。五輪開催を求め4万6225人の署名活動を展開した、女子レスリング日本代表が合宿する「桜花レスリング道場」がある十日町市の桜花レスリングクラブでは「よかった。大好きな吉田沙保里選手を応援します」と喜びの声が上がった。

 全日本女子レスリング連盟会長を務める丸山秀二・十日町商工会議所会頭は「興奮気味。心身ともに鍛える桜花レスリング道場の重要性は益々高まった」と語り、「十日町地域は中越地震や豪雨、豪雪に見舞われ、その都度選手たちが市民と交流し学校を訪問してくれた」と市民との交流の意義を強調。馬場文之・全日本女子レスリング十日町後援会長は「『僕たちの夢をなくさないで』と一生懸命署名活動をした子どもたちの夢がつながった。後援会員を増やし雪国から五輪を盛り上げたい」と語り、関口市長は「桜花レスリング道場でより充実した強化合宿を行い、東京五輪で素晴らしい成績をあげられるよう祈念します」とコメントしている。

 旧六箇保育園で小中学生らが練習に励む桜花レスリングクラブの児玉栞奈さん(吉田小5年)は「みんなで署名活動をして頑張った甲斐がありました。私もオリンピックに出てメダルをとりたいです」と興奮気味に話した。

「まるごと苗場山」に挑む、津南中等校・科学部、ボランティア登山も  9月6日号
 「この自然をフィールドに、もっと感性を磨こう」。サイエンスの科学分野から地質、植生、さらに天文まで幅広い活動に取り組む学生たちが、『まるごと苗場山プロジェクト』に取り組んでいる。県立津南中等教育学校の科学部は、日本百名山・苗場山に1日、晴れ間をぬって登った。単なる登山ではなく、「目の前に最高の研究対象がある。苗場山をまるごと体感する」活動。さらに今回、登山道清掃や湿原内の木道修繕を行う「ボランティア登山」にも挑んだ。木道直しの木材や釘、ハンマーなどを背負い挙げた10人の部員たち。「苗場山は身近な山。科学的なあらゆる分野があり、まるごと苗場山をもっと体感したい。ちょっと自信がつきました」、科学部の吉楽雄大部長(17・5学年)は話す。秋には山小屋泊で、満天の星空を体感する計画だ。

 「研究室での研究も大切だが、これだけの自然に恵まれている。この津南の自然をまるごと体感できないか」。同校5年目、科学部顧問の村山一之教諭(46)は、昨年の創部から思っていた。担当教科は化学。週2回の部活は、なるべく野外活動を行う。昨年11月、近くの中津川で採取した魚「カジカ」の飼育を続けるなど、地域の自然すべてをフィールドに活動。昨年からの『苗場山プロジェクト』もその一つ。今回はさらに踏み込み、ボランティア活動に生徒主体で取り組んだ。

 津南町が進める「ジオパーク構想」とも関係し、苗場山を科学部独自の視点でアプローチ。サイエンスの科学分野にとどまらず気象、植生、地質、地形など自然に関わる全てが対象。 『夏は自然のフィールドで、冬は研修室で』。男子だけの部員13人は、この自然に魅かれている。
 今回、活動の幅を広げボランティア登山に取り組んだ。昨年の登山経験の先輩などの意見を聞き、「老朽化する木道の横木の修繕が必要」や「登山道には笹や小枝、雨による落葉や流木があり清掃が必要」など、今回のプロジェクト内容を決めた。

 当初計画は8月1日。だが雨で延期。再チャレンジの1日、雨模様のなか朝8時半、登山口3合目で部員メンバーで相談。学校の登山経験者や地域の山岳関係者のアドバイスを受け、生徒判断で登山を決定。部員10人、顧問の先生2人で登り、7合目付近から登山道清掃しながら正午半に登頂。午後は山頂交流センター付近から木道修繕を約2時間半行う。木道修繕は長野県が今年から5年計画で実施する予定だが、山小屋付近は最終年になるため今回整備した。厚さ3a、長さ40aの横木を長さ9aの釘で打ちつける作業は、想像以上に大変。部員は約100本の横木を木道に打ちつけ、老朽化した登山道の木道のすべり止め横木を整備した。

 小学1年からボーイスカウトに入る小宮山歩夢くん(15・4学年)は苗場山は4回目。「朽ちた横木が多く、雨の時など滑り危険です。苗場山には野生のブルーベリーもあり、自然の植生にも興味がわきました。体力的にもちょっと自信がつきました」と話す。

 今回のボランティア登山、今年から木道整備する長野県も関心を示し、活動を県ホームページや関係誌に掲載する方針。吉楽部長は「一度雨で延期になりましたが、あきらめないとチャンスが巡ってくるんですね。達成感が気持ち良いです。自分たちの自信にもつながりました」と語る。
 顧問の村山教諭はさらに企てている。「苗場山頂の満天の星空を生徒たちに見せたい。人工的な光に邪魔されない星空。生徒たちの人生の中で、相当なインパクトになるはず」。山小屋宿泊の苗場山、10月に計画している。
                   (恩田昌美)

小学校統合問題、津南町教委、統合案を議会提案、どうする議会審議  9月6日号 
 津南町教育委員会は10日開会の町議会9月定例会に、中津小学校と外丸小学校の2校を2年後の平成27年4月、町中央部の津南小学校に統合する条例改正案を提案する。町教委・桑原正教育長は「小学校の存続を願う人たち、一日も早く統合を願う人たち、それぞれの意見を聞く一方で、集落の意見をまとめてもらった結果、7、8割の地区が統合賛成、あるいは統合はやむをえないという方針を出していただいた。この結果を受け、当初の統合方針より遅れたが、27年4月の統合を進めたい」と統合を進める考えを示す。町教委と地元との懇談会は何度か開かれているが、統合の議案審議する町議会は一度も地元校区民と懇談していない。町議会、さらに議員は何を判断材料に統合案を審議するのか、校区民は注視している。
 
 町教委が両小学校区に要請した地区意見の取りまとめによると、外丸小校区は4集落のうち3集落が統合賛成、統合やむなしの方針。だが一方、校区戸数の過半数以上の外丸本村は、住民アンケート結果を町教委に提出、「地区総意」はまとめていない。特に「外丸本村は4区あり、外丸本村を1とカウントするのは疑問」とする声がある。特に外丸本村アンケート結果は、賛成55%余りで、賛否が拮抗する状態を表している。

 地元外丸小後援会・福原喜世司会長は「当事者の親たちの大分部の意向が早期の統合を求めている。それが地域の思いではないか」と話す。一方で外丸小を考える会・滝沢秀行さんは「アンケート結果で結論を出さないと言っているのに、町教委にその結果を提出したのは問題だ。なぜ外丸本村が結論を出せなかったか、考えてほしい。これから子を持つ世代の大部分が統合には疑問を抱いている。次代を担う人たちの声こそ大事にすべきだ」と話す。同校区では2回以上の校区懇談会を開いているが、出席した町議員は数人。「地元事情が分からないで、統合提案をどう審議するのか。採決の判断材料は何なのか聞きたい」との声も多数上がっている。

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 一方、中津小校区の14集落は、地区総意を出した11集落が統合賛成、統合やむなしの結論。一方、大集落の船山新田、船山、中深見では、住民アンケート結果を報告しただけで、地区総意は出していない。
 3地区の結果は、船山新田は賛成36戸(87・8%)、反対3戸(7・3%)。船山は賛成54戸(63・5%)、反対30戸(35・3%)、中深見は賛成30戸(93・75%)、反対2戸(6・25%)。地区総会を開いた集落、アンケート実施の集落ともに統合を支持する意見が多数を占めている。

 3年前、中津小を考える会を立ち上げ、独自に地域を活性化する活動に取り組むグループ「中津んしょ」事務局の鈴木淳博さんは、町議会への統合提案を「残念だ。我々が3年前、町や町教委に地域人口の増加対応など要望提出したことへの説明は、これまでいっさいなかった。これに応えてから次に進むべきで、町の取り組み姿勢に大きな疑問を抱く」。
 さらに「津南町はこの先、今のやり方でこのまま存続できるわけではないだろう。どこかで反転攻勢に出なければ先細りのままだ。その反転に出るための大切な財産、アピールできるものを、自ら切り捨てているように感じる。この町は旧村単位に小学校がある。これは大きな財産。都市部などからの移住を求める時、そこに小学校があることは、ある意味、絶対条件でもある。そういう大切な財産を、単なる数の論理や当事者の一時的な思い、これは仕方ないことだが、この町の将来を考えれば、この大切な財産を切り捨てていくことは大きな損失だ」と、統合問題の基本部分を話す。

 中津小校区は、小学校PTA、保育園保護者会のほぼ全員が統合を求め、このため校区民は今回の地区総意の中でも、当事者の思いを尊重すると、多くの集落が統合支持を出している。
だが、統合を支持する集落内では意見が多数出ている。秋山郷・大赤沢地区からは「通学は路線バスではなく、独自の通学手段をお願いしたい。冬季は休校中の大赤沢分校を再開」など。町教委は「2校の統合が決まったら、町内の交通運行を再検討し、通学への影響が出ないように取り組む」としている。

 一方、今回の統合には関係しないが、今後課題が浮上する芦ヶ崎小学校、上郷小学校については「地元の取り組みを見守っていきたい。ただ上郷小学校は、保育園の再編の時期を迎えるなか、小学校だけが残る形となり、課題になるだろう」と見ており、地元の取り組みを見守る考えだ。
                  (恩田昌美)

写真・町教委による統合説明会に参加する校区民(6月19日、中津小で)

10代のまなざし「高橋愛さん、十日町高3年」 「この家に生まれたから」  9月6日号
 「えー、こんなにかかっているの、数字の桁が違うよね」。夏休み前の家庭科の授業で、こんな課題が出た。『自分が生きてきた18年間。親が自分にかけてくれたお金の総額はどのくらいか』。この課題が出た時、数百万円くらいかな、と友だちと話していた。だが、実際に計算して出た数字は3千万円ほど。多少はあるが、友だちも同じような数字だった。「親が自分に、こんなにお金をかけてくれたなんて、想像もできませんでした。友だちと話しました、『親孝行しなくちゃね』と」。

 その親孝行の実践の一つが公立大学への進学。受験生の夏休みは、時間との戦い。「高校最後の夏休み。勉強が最優先ですが、高校の友だちとの最後の夏休みでもありますから」。塾に通う一方で、貴重な時間をさいて、夏休み終盤から高校最後の『南陵祭』への取り組みにも集中する。
 ステージで踊る姉の姿を憧れと羨望のまなざしで見ていた思いを、ずっと抱いてきた。「これが最初で最後」。自分で決めた最後のステージが南陵祭のステージ。3年生の仲間や後輩の2年生と13人でダンスチームを作り練習に取り組む。2週間余りの短期決戦で本番のステージに臨む。

 「ずっと姉ちゃんのかっこいい姿を見てきて、自分もと思ってきましたが、今回の南陵祭でその思いをすべて出したいです」。ダンスに取り組み、自分がこれほど夢中になるとは、ちょっと驚いている。それだけに、「この集中力は、勉強に必ず役立つと思います。熱中すればするほど、すっきり切り替えることができますから」。文化祭・南陵祭は8日の日曜。午前の最初のステージに、最高の仲間たちと立つ。

 8日のステージ後は、受験モードに切り替える。目標の保育士になるため、公立の4大をめざす。「できれば、大好きな津南で子どもたちのために働きたいです」。東京など都市部は、どうも合わないと感じている。「都会は便利ですが、暮らす所ではないと感じています。この地が好きになったのも、両親や祖父母のおかげだと思っています。小さい頃、本当によく遊びましたから」。
 なぜ、それほどまでにこの地が好きになったのか。「この家に生れたからでしょう」。さらりと言える言葉に、感じ入ってしまった。              (恩田昌美)

津南女性長寿、全国22位に  9月6日号
 全国の長寿ベスト30に名乗り―。厚生労働省がまとめた2010年時点の市区町村別・平均寿命で、津南町の女性は県内トップの89・7歳で全国22位、栄村の男性は81・5歳で21位と上位にランク。全国平均は女性が86・4歳、男性は79・6歳だった。国勢調査などをもとに5年に1度、同省が全国市区町村別の平均寿命を推計、このほど発表した。

 津南町は平成13年から「寝たきりゼロ運動」の一環として、60歳以上の高齢者を対象にクアハウス津南での水中運動と、指導員が各集落を巡回しての健骨体操を実践。両運動とも毎年2百人余りが参加している。同運動参加者は非参加者に比べ「介護保険の利用が少ない」などの効果も出ているほか、アンケート調査から「腰痛、肩痛が楽になった」「外出が増えた」などの効果も出ている。しかし、水中運動の男性参加者は1割程度と少なく、このため男女同じ程度参加している健骨体操で男性の健康づくりにもつなげたい考えだ。町保健班の藤ノ木恵美子班長は「寝たきりゼロ運動が長寿につながっているようでありがたい。今後、さらに健康長寿をめざしていきたい」と話している。

 一方、栄村の男性長寿について住民福祉課の石沢清人課長は「高齢化率が高いので平均寿命も高いのでは。畑作業や自分たちで作った新鮮な野菜など食べ、健康につながっていると思う」と話している。

写真・水中運動で健康づくりする女性たち(クアハウス津南で)

泉田知事「雪国にデータセンター誘致を」、津南で語る  9月6日号
 「雪国にデータセンターの誘致を考えている」。泉田裕彦県知事は構想を述べた。4日、津南町では初開催のタウンミーティングで来町。『雪の恵み〜新しい資源として活かすには』をテーマに地元住民らとパネル討議を行い、雪の利活用の可能性に言及。インターネット通信の基幹となるデータセンター誘致構想を話し、排熱に現在都市部では電気冷房が使われている事例を示し「都市ではなく、元々冷えた場所にあれば無駄がない。雪を使った排熱には膨大な量が必要だが津南や十日町なら集まる。普段排雪で捨てるものを有効活用すればいい」などと持続可能エネルギーとしての雪活用を参集の3百人余に語った。

 パネル討議で泉田知事は「昔は普段から雪冷房を使っていたが、今は使い方を忘れた。現代にもう1回甦らせたい」と強調。データセンターが東京・大井町のKDDIビルにある一例を示し、雪国誘致の可能性を「排熱に必用な膨大な雪がこの地域にはある。今はダンプで雪捨て場に持って行くだけだが、これには特別な交付税措置や補助金がある。元々捨てていたものを一ヵ所に、追加コスト無しで雪を集められる仕組みがある。有効利用しない手はない」。

 一方、県が実験に入っている店舗併設型植物工場での雪活用を組み合わせ「減熱、排熱、データセンター、雪室倉庫もセットになると厄介者の雪、お金を使うだけの除雪が宝の山に変わる。雪国を夢のある地域として大きく飛躍させていきたい」と話した。
なおパネル討議は津南町観光協会長で農家民宿サンベリーの尾池三佐子(65)、前JA津南町営農部長の内山優(58)、上越市の雪だるま財団チーフの伊藤親臣(41)の3氏と行った。

地震、豪雨、教訓を防災に、県参加で防災訓練  9月6日号
 中越大震災や長野・新潟県境地震、新潟・福島豪雨など十日町市や津南町で大きな被害が相次いだなか「防災の日」の1日、県と十日町市の主催で震度6強の地震を想定した総合防災訓練が同市総合体育館周辺を中心に開かれた。自衛隊航空ヘリや県の消防防災ヘリによる救助活動はじめ、テレビ会議システムつかった情報通信訓練、また地元消防署・消防団による放水訓練など行政や警察、消防、医療など74機関・団体と一般市民ら3千人余りが参加、本番さながらに取り組んだ。

 同市では県との合同防災訓練は16年ぶり。中越地方を震源とするマグニチュード6・7の地震が発生、同市と津南町で大きな被害が出たことを想定。会場では東日本大震災の教訓から、県警による「多数遺体取扱い訓練」やペットを連れた被災者を避難所で受入れる訓練も初めて実施。西小グラウンドでは遠隔操縦による大型重機での「道路啓開訓練」や十日町災害救助犬や陸上自衛隊バイク隊も参加した倒壊家屋からの救助・救出活動、さらに土砂崩れに巻き込まれた車両を想定してのドライバー救出、県消防防災ヘリが出動しての孤立集落からの救出訓練など22項目に上る防災訓練を行った。   
 講評で泉田県知事は「実際の災害を経験した十日町でスムースに実行できた。ただ確認が取れない孤立集落の問題はさらに対応の課題を残した。自分の命を守る意味から、今後は救助する側の消防も避難者になることも必要だ」と語り、関口市長は「今回の訓練で学んだことを実際に各地域に伝えていってほしい」と参加者に呼びかけた。
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 総合防災訓練会場では「災害時を生き抜く食事の工夫を」と、県食生活改善推進委員協議会十日町支部などによる「サバイバルクッキング体験」が開かれた。
 万一の災害を想定し、ポリ袋で炊くごはんや混ぜるだけの切り干し大根サラダ、サバじゃがの3品を調理実習。参加した親子づれらは「こんなに簡単にできるなんて。災害時に役立ちます」などと真剣な表情で取り組んでいた。食推会員の大関和子さん(津南町)は「電気がなくても簡単に作れるので、ぜひ多くの人から知ってほしいです」と話している。
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 一方、昨年4月に結成した津南町外丸地区の笹沢少年消防クラブ(涌井夏輝代表、50人)でも、このほど災害に強い安全安心な地域づくりに協力して行こうと外丸小周辺で「防災ドキドキキャンプ」を開いた。小中学生のクラブ員25人が参加し、災害救助犬の訓練見学やふれあい体験も行った。子どもたちの中には「わたしも災害救助犬を飼いたいな」と話す子どもも見られていた。

戦中、戦後、苦楽を共に、外丸中学第2回卒業生  9月6日号
 ◎…昭和8年、9年生まれの元気な「竹馬の友」が集まった。終戦の混乱が色濃く残る同23年、24年の3月、旧外丸村立外丸中学校の第2回卒業生の「最後の同級会」が4日、ニュー・グリーンピア津南で開かれた。小学校高等科で卒業と新制中学3年卒業という時代に影響された世代の同級生は79人。すでに22人が他界し、この日は19人の懐かしい顔が揃った。1年おきに開く同級会。「今回が最後の同級会です」の案内文だが、懐かしい思い出話で盛り上がり、「また開こうぜ」と、次回の再開を約束した。

 ◎…木造校舎の外丸中学校は、現在の外丸小学校の敷地内にあった。広いグラウンドは戦時中、畑になり、食糧難に役立った思い出深い場所。木造校舎はすでにないが、同級生らは、あの思い出深い木造校舎の写真を大切に保存している。今回の幹事役、地元外丸本村の福原貞治さんは「確かに戦中、終戦という大変な時代を子どもの頃、経験した仲間たちだ。大変さが当たり前というか、そういう時代だったな」と感慨深そうに仲間たちの顔を見た。愛知・四日市市からの旧姓篠原・宮田チカ子さんは同24年に外丸を離れた。「もう何十年になるんでしょうね。大変な時代だったけど、楽しい思い出も多いよ。皆の顔を見ると嬉しくなるね」と仲良し仲間と話し込んでいた。旧外丸村・辰ノ口にセカンドハウスを持つ江村菊男さんは「仲間たちはいいね。これが最後になるかどうか、きっとまた顔を合わせると思うよ。かけがえのない仲間たちだからね」と話している。

「移住女子」、地域取材でフリペ「ちゅくる」発刊、「生き生き、キラキラ生きる人たちがいる」  8月30日号
 「生き生きとキラキラ生きている人たちがいるんです」。編集長の坂下可奈子さん(26)は、出来上がったばかりの季刊誌「ChuClu(ちゅくる)」を手に話した。都会などから十日町市や小千谷市、あるいは長野・栄村などの中山間地に移り住んだいわゆる『移住女子』4人が、今春から発刊に取り組んだフリーペーパー的な季刊誌が28日、発刊された。「移住する女子が増えたらいいですね」、4人の共通の思い。2千部発刊の同誌は首都圏6大学や六本木のレストラン、地元十日町市や小千谷市、長岡市、さらに津南町や栄村の関係所に置かれる一方、発刊に資金協力した全国150人余を通じて配布される。「大変さを含めて私たちが楽しく生活していることを発信していきたい」と、すでに秋号の発刊に向け、取材活動を始めている。

 3年前、戸数9世帯の十日町市池谷に移住した坂下さんは香川生まれ。大学卒業後、中越地震の支援活動を契機に移住。同地震を機に立ち上がった「中越防災安全推進機構」の活動を通じ、県内外の「移住女子」と出会う。同防災機構関係者との懇談の中から「移住女子の視点で地域を見た季刊誌を出さない」となり、「面白そう」「そうだね、そうだね」と集まった4人。

 同じ名前で、同じように中山間地・栄村に5年前に移住した渡邊加奈子さん(31)は大阪出身。中山間地へインターンシップで入り移住生活する大学院生の五味希さん(23)は小千谷市塩谷に昨年移住。一方で結婚を機に長岡市川口に移住した栗原里奈さん(27)は、東京・六本木のレストランとの橋渡し役になっている。
 同誌名「ChuClu(ちゅくる)」は、「中山間地へ来る」を略語化。創刊の夏号では「中山間地は何かが生れる『つくる』場です。山から与えられるものがほとんどですが、それに寄り添うことで、人も地域も仕事も時代も、育まれてきました。この地域が1000年先まで、目に見えるもの、見えないもの全てを、かけがいのないバトンに乗せて繋いでいきたい」と思いを述べる。

 創刊は、ずばり「移住女子」の編集スタッフ4人にスポットをあて、個々のフィールド活動や思いを特集。企画連載では、中山間地という視点から「下界におりて」で、今回は湯沢散策をリポート。飲食店や温泉など、移住女子ならではの視点でリポートする。
地域の「キラキラ」を連載する『まな板リレー』では伝統料理の作り手を紹介。地域の男性にもスポットをあてる『会いたいせがれ』は農業後継者など気になる「せがれ」を載せる。
 移住女子の本音にも迫る。『既婚女性が語る、結婚は移住のカナメ』のタイトルで、移住既婚女性に結婚へのプロセスや今の生活ぶりなど、移住女子の「最大課題」である結婚をテーマに対談している。

 編集長の坂下さん。「なぜ女子ばかり?、ですか。男性がいなかったんです。女性は身軽です。男性は自分が稼がなくてはならないなど使命感を感じるようで、不確定なものに対し動きにくいと思います」。さらに「生き生きとキラキラ生活している大人が居ることが、この地での生活が続いていくことに繋がっていくと思います。そのためにも、私たちが苦労も含めて楽しく暮らしていることを発信することが大切と考えます」。 
 すでに11月発刊の秋号の取材に入り、次号では「ちゅくる」初のオリジナル商品となる「NORAGI(野良着)」の特集など、地域の元気を発信する方針だ。        
 「ChuClu(ちゅくる)」の問合せは0258・39・5525(長岡震災アーカイブセンター内)。  (恩田昌美)

写真・季刊誌「くるちゅ」を発刊した「移住女子4人」(坂下編集長は手前左)

国道405号、歩道整備計画を説明、まず津南中等までの316bを  8月30日号
 学生の通学路として危険性が指摘され、早期の歩道設置が望まれる国道405号の歩道改良の住民説明会が23日夜、地元津南町の大割野区民会館で開かれ、沿線住民など40人余が出席。示された片側歩道の整備計画に対し住民から、歩道整備の必要性には賛同するものの、これまでの進め方や代替地対応などに疑義が出され、今後再度、地権者など関係者対象の説明会を開き、早期の事業実施に取り組む方針だ。

 新潟県と津南町は昨年11月、「一般国道405号大割野地内(旭町通り)道路整備検討会」の初会合を開き、県十日町地域振興局、津南町、地元期成同盟会などのメンバーで取り組み、今年3月には整備方法などを協議し、国道117号の交差点から約7百bを歩道整備区間とした。23日の説明会では、同区間を3工区に分け、小中学生、特に津南中等校生が通う316bを第一工区として歩道整備に取り組む方針を示した。

 県が示した方針では、一期工区は町役場わき通りと国道405号の接点の「かねと商店」付近から津南中等校前の除雪センター前までの316b。歩道は役場寄りに3・5bの片側歩道を設置する計画。残る国道117号交差点までと、津南中等校から東京電力総合制御所前までは「第一期の見通しがついてから相談していきたい」(十日町地域振興局)としている。 

 説明会に参加した住民からは、現在の歩道(約50a)の危険性を指摘し、歩道整備の必要性を話す意見が聞かれる一方、「地元への事前説明がないなか、一方的にこうした説明は納得いかない」、あるいは「代替地に、津南ふれあいセンターわきの旧農政局官舎跡地を使うというが、町中央部に残った唯一の広場。あの土地は大切に活用すべきだ」など防災対策的にも重要な土地として、代替地化に反対する意見も聞かれた。

 県では、「歩道設置のイメージが共有できればと今回説明した。ゴリ押しするつもりはない。整備計画の7百bは長い距離であり、地元理解を得ながら進めたい」と話した。県では国の公共事業申請をめざしている。今回示した片側歩道の関係者の多くは整備に賛同しており、県と町、さらに地元期成同盟会では新年度の事業化をめざす方針だ。

写真・50a余りの歩道で通学する津南中等校の学生。道路右側に歩道を設置する計画だ(津南中等校前で)

10代のまなざし「桑原瑠奈さん 津南中等校2年」 書道・英語、そして和太鼓  8月30日号
 背筋をピンと張る。墨をつけた筆を持ち、白い和紙に向き合う。緊張の一瞬。
 「あの緊張感が好きです」
 正しい姿勢をとることで視野が広がる。紙面全体がよく見えるため、大きな筆の運びで伸び伸びとした表情豊かな文字を書くことができる。姿勢は書道に対する心と体の構えだという。
 「集中して書くので、時間の経つのが早く感じるほどです。2時間などあっという間です」

 学校で習った書道に興味を持ち、小学2年から津南町公民館で開かれていた宮苑書道会の門を叩いた。月2回の練習ペースで今も続けている。毎年1月には新興書道展に応募し毎回、金賞レベルの特別賞を受賞している。
 「学校ではバレーボールの部活動に取り組んでいるので、練習と重なったりして行けない時もありますが、でも字がうまくなりたいので、今後も続けていきます」
 書道とは異質とも思える英語も興味の対象。保育園時代に、近くに住んでいた中学校の外国語指導助手(ALT)から遊びを通じて週1回程度学ぶようになり、小学校を卒業するまで続いた。現在、英語検定4級を取得。
「英語は好き。来年は3級取得をめざします。外国の人と話せるのって、やっぱりいいですよね」

 小学校時代から続けているのは、もうひとつ。栄ふるさと太鼓だ。体中に響き渡る太鼓の音。そして独特なリズム。難しいだけにやりがいもある。
 「津南を含め、いろんな地域のまつりに呼ばれています。来月には東京や長野市などのデパートにも行くことになっています。笑顔で拍手を受けた時、すごくうれしいです」
 『地打ち』と呼ばれるベースのリズムを刻む事が多い締太鼓、長胴とも呼ばれるごく一般的な宮太鼓など、大きさの違う太鼓が並ぶ。
 「今はひとつの太鼓でなく、いろんな太鼓を叩いています。人数も増えているんですよ。太鼓を通して、いろんな所に行けるのが楽しいです」
 書道、英語、和太鼓、そして学校での部活動と休む暇がないほど。でも、どれも楽しいと思い、やめられない。
                       (村山栄一)

夢を子どもたちに、Michiruさん、中津小でエアリアルショー  8月30日号
 弾力性ある帯状の布(ティシュ―)を吊るし高さ8b余まで命綱なしで登り空中で舞う「エアリアル」アーティスト・Michiruさん(東宝芸能所属、津南町正面出身)。国内でもまだ少ない演者として全国で公演するなか来月5日、中津小(星名哲也校長、42人)に登場する。本公演に向け19〜30日に津南滞在し練習。Michiruさんは「雰囲気すべてを楽しんでほしい。地方でもエンターテイメントは身近にあると伝え、子どもたちの夢を広げたい」と想いを語る。

 津南公演は昨秋の津南小創立30周年記念式典以来2回目。今回、中津小PTA文化部が年1回行う文化行事に合わせ、部員にMichiruさんの津南中時代の同級生がいることから出演を依頼。同級生の蜻佐恵子さん(反里口)は「津南小では子どもたちが演技を見て感激していました。津南出身のプロによる、本物を見るのは大切なこと。皆の世界が広がると思います」と話す。今回はMichiruさんの演舞、さらに天井に吊るす布設置など会場設営に協力するクライマー・福原吉重さん(外丸)によるクライミング体験も実施。活躍する地域の先輩の姿を見せる計画だ。

 津南高時代から舞台俳優をめざし東京のバレエ教室に通い、進学先の昭和音楽芸術学院在学中の18歳から芸能事務所に入り活動を続けるMichiruさん。エアリアルアーティストとしてソロデビューし今年は10年目の節目。今回は辻井伸行氏作曲『ロックフェラーの天使の羽』を使った演舞など披露する予定だ。「昨年、子どもたちの顔が見える近い距離で初めて演技し、私も刺激を受けました。エアリアルを通し、将来の職にはこういうのもあるというのを知ってほしい。子どもたちの夢や世界を広げる契機にしたい」。公演は5日午後2時40分から。

松之山温泉でジャズストリート、温泉旅館7館が連携、7、8日にライブ  8月30日号
 温泉街にジャズが響き渡るー。「お客様にもっと楽しんでいただきたい」。日本三大薬湯・松之山温泉に7、8日、JAZZストリートが出現する。「湯の街でスイング」をと温泉旅館が連携し、2日間に渡り温泉街の各所でジャズライブが行われる。すでに問い合わせが相次ぎ、各旅館オリジナルの宿泊プランも人気で、主催者側では「初秋の松之山温泉の定番にしたい」とJAZZ効果に期待を寄せる。

 松之山温泉のファンで新潟市の万代ジャズフェスを総合プロデュースする稲川実氏(イナジーパーソナルオフィッス代表)の提案で実現する今回の「松之山温泉JAZZストリート」。温泉旅館街がコンパクトにまとまる松之山温泉の魅力をさらにアップすると共に、誘客効果も期待できると温泉旅館7館が連携。さらに温泉で食文化や伝統行祭事を企画・主導する「松之山温泉合資会社まんま」が主体となり、十日町市観光協会やNPO新潟ジャズストリート実行委員会、さらに岩室・カーブドッチワイナリーなどの協力を受け実行委員会を作り開催する。

 今回は『中秋のデキシーランド・スイングジャンボリー』として、デキシージャズで人気の「戸山喜雄とデキシーセインツ」や「渡辺正典とキングクレオール」、「福島道夫とニューオリンズ・ジュビリー」や新潟県内のバンドなどが出演。特別ゲストは国内外で演奏活動するトランペットの「牧原正洋」。

 計画では、7日午後1時半から温泉街を演奏家が演奏しながらストリートパレードし、同3時40分、温泉街中央の特設ステージで野外ライブ。午後7時半から温泉旅館7館でそれぞれのバンドがライブ。8日も朝10時40分からサンキューパレードを行い、前日同様に午後1時から野外ライブ、午後3時40分からは特別編成のジャムセッションの野外ライブ。8日は温泉街に飲食店が出店し、音楽と食を楽しめる。

 実行委員会の「まんま」柳明美さん(ちとせ若女将)は「松之山温泉をもっと楽しく、訪れるお客様の楽しみになるような定番イベントにしたいです。そのためにも私たちが楽しくなることも大切。一過性の温泉街にしないような、オリジナルなもてなしの一つの契機に、今回のジャズストリートをしていきたいです」と話している。         (恩田昌美)

 参加費は温泉入浴付(ワンドリンク付)で日帰り3千円。宿泊プラン(一泊2食付)は2日間のチケット付(ワンドリンク付)で1万5850円。問合せは事務局025・595・8533、ウエブサイトhttp://manma.be/jazz.html


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