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2013年08月の津南新聞「トピックス」

過去の津南新聞トピックス
アレルギー対対応の製菓を、JR工場で来秋操業  8月30日号
 地元産米の米粉や大豆を使い、食物アレルギー対応のケーキや菓子類を製造する製菓工場が来年秋、十日町市で操業する。JR東が地域貢献事業で開設する同工場が23日起工し、来年秋操業で年末には食物アレルギー対応したオリジナルのクリスマスケーキが製造、販売される計画だ。

 同工場は妻有大橋の左岸、JR東・千手発電所わきの敷地約8千平方bに鉄骨平屋1266平方bの工場を建設。運営はJR東の子会社「日本レストランエンタプライズ」(本社・東京)。稼動当初は工場長、製造技術指導員を本社から派遣し、地元採用の正社員3人程度、パート・アルバイト20人前後の経営体制でスタートする方針。総事業費は約6億円を見込む。

 製造する菓子類は、小麦など食物アレルギー対応の地元産米の米粉を使ったケーキやクッキーなど焼き菓子。同工場で作るアレルギー対応菓子は、同分野の先進企業「タカキベーカリー」(本社・広島)ですでに研究開発に入っており、十日町工場に派遣される社員が同社ですでに研修に入っている。計画では来年秋に操業し、年末のクリスマスにはアレルギー対応クリスマスケーキを製造。米粉でスポンジケーキを作り、クリームは大豆で製造するなどオリジナル性を打ち出す方針だ。販路は首都圏のJR東系列店で行う方針だ。

 起工式に来市したJR東・森本雄司常務は「昨年秋に発表したグループ経営構想の理念は『地域に生きる、世界に伸びる』。その典型の一つがこの食品工場。首都圏で営業販売し、事業拡大をはかっていきたい」と積極姿勢を見せる。一方、関口市長は「若者の就労の場として工場の発展を期待している」と事業拡大への期待感を話した。従業員は10月採用し、タカキベーカリー広島本社で半年ほど研修、来年夏頃から新工場で試験操業する計画だ。

写真・手前が食品工場建設場所。前方は妻有大橋、JR千手発電所は左側。

信濃川の活用を、カヌークラブ結成  8月30日号
 JR東日本の不正取水問題で信濃川中流域における河川環境改善の関心が高まっているなか、十日町地域のカヌー愛好者が集い28日、「十日町カヌー倶楽部」(山田努会長、会員23人)を発足した。今後、月1回程度、信濃川でリバーツーリングなどを実施しながら、川下りを安定して楽しめる流量なども提言していきたい方針だ。

 同倶楽部設立総会はラポート十日町で開き、役員や規約などを決めた。山田会長は、信濃川中流域で維持流量7d時代に川下りをした体験などを話しながら「信濃川は水量も増え、ラフティングなども盛んになってきている。水量がさらに増えれば、川下りとして全国に誇れる場所になると思う」と話し、後世につなげる活動をしていきたいと思いを語った。また来賓出席した中魚漁協組合長の長谷川克一・信濃川をよみがえらせる会長は「これまで川下りと漁業関係者とトラブルが相次いだが、ルールを設けることで以後、トラブルは起きていない。川への関心を高めるためにも会員が50人、百人と増えることを期待したい」と語った。

 同倶楽部では、9月15日に信濃川水なしサミット実行委員会が開く「信濃川みんなで川ごったく2013」で、前日イベントとして川口までの信濃川カヌーツアーを実施するほか、当日は子どもたちや初心者を対象にした川下り体験も開く予定だ。

農家直撃、今年産米、仮渡金2300円源、津南で3億円余の減収か  8月23日号
JA全農県本部が19日、平成25年産米の60`当たりの仮渡し金を発表。魚沼産コシヒカリは前年比2300円減の1万6700円。魚沼産コシの仮渡し金減額は3年振りで、過去10年で最低の平成22年産米の2200円減の下げ幅を上回った。コメ消費落ち込み、肥料代や燃料代の高騰による原価負担増のなか、大幅値下げに生産者から「これ以上安くなると経営が難しくなる」と不安視する声が高まっている。

 農家への打撃は大きい。津南町農家の平均作付面積である水稲1・1f(10e当たりの収量535`)で見ると、1f当たり20万円余の減収に。町のコシ作付面積は約1368fで、単純計算すると3億円余の減収となる。生産者は苦しい。肥料代の値上がり傾向、燃料費高騰など生産原価は上がっている。さらに関税ゼロが原則のTPP問題も絡み、先行きに不透明感が漂う。若手農業者で約4fを栽培する36歳男性は「あくまで仮渡し金で精算時はどうなるかはわからないが、栽培に使う資材は変わらないのでこう一気に下がると厳しい。コストをかけず品質を維持する技術を高めていくしかないが、これ以上下がると作る意欲も減ってしまう」と不安感を語る。

 今回の減額は、消費不振で昨年産米の在庫量が多いのが理由。全国的に昨年産米が売れ残り、過剰在庫が今年産米の仮渡し金減に影響。県全農は昨年、安定集荷をねらいに仮渡し金を2年連続で引き上げ6年振りに集荷増を達成したが、同時に販売価格も高止まりし売上は低迷。仮渡し金削減で販売促進を図る見通し。長引く不況で消費者が割安なコメに流れ、さらに全国的なコメ消費量落ち込みが続く情勢も影響している。

 JA津南町によると、昨年産米の販売契約はほぼ百%を達成。だが流通段階で販売が伸びず、倉庫に1割弱が未だに残るという。 風巻一文営農部長は「想像以上に厳しい減額。魚沼コシは日本一高いコメで簡単に価格を下げればブランド力は落ちる。価格の下げ幅を圧縮し売り切る努力がいる」と話す。加えて昨年産津南米は猛暑の影響で胴割れ米が多く一等比率が74%(前年84%)と低下したのを上げ「値段も高いが品質も高いコメとして、これ以上の減額にならないよう一等比率百%をめざす必要がある。全農も県も力を入れており、安定品質のコメ提供が大切だ」とする。 今年も好天続きで登熟が早まる見込みで、適期刈り入れを呼びかける。日本一のブランドを維持できるか、正念場を迎えている。

写真・実りを待つ水田(8月21日、津南町正面で)

真夏の成人式、震災復興を誓う、栄村  8月23日号
 ◎…震度6強の長野新潟県境地震の激震で大きな被害を受けた栄村。あれから2年半が過ぎるなか、村の次代を担う世代が集い15日、成人式を開いた。該当者21人ほぼ全員が出席し、中学3年間、副担任を務めた恩師から感動の挨拶を受けるなど、新成人のスタートに相応しい祝いの集いとなった。

 ◎…式典には女性はゆかた姿など軽装、男性はスーツ出席が多く、夏らしい成人式となった。島田村長は「震災から2年半が過ぎ、90%以上は復旧し、中条橋と道路の一部の復旧工事が進んでいる。あの震災を忘れず、次代への防災に役立ててもらうために記録集を発刊した。ぜひ見てほしい」と村の現状を話し、「平坦な道ではないが、夢と志を失わず、目標に向って勇気を持って歩んでほしい」と激励。福原議長も「いま栄村は足腰の強い村づくりに全村あげて取り組んでいる。栄村魂をしっかり持ち続けてほしい」、さらに中学時代の恩師、新井美季教諭は「良い事も悪い事も自分の手の中にある。何を選び、自分の道を歩んでいくかです」と、言葉を贈った。

 ◎…新成人を代表し、阿部隼人さんは「今日は区切りとしても第一歩。社会貢献できるように、小さな事から力を尽くしていきたい」と述べ、村が用意したノンアルコールで友と笑顔で乾杯していた。

10代のまなざし「松縄天央さん、名古屋代1年」 いま、世界を感じる  8月23日号
 十日町高を卒業し、名古屋大に進学。人口1万人余の津南から、226万が住む大都市での独り暮らしが今春スタート。
 「修学旅行で京都や大阪など関西に行った経験はありますが、中京圏は行ったことがなく、大学を決める時思い切って一気に環境を変えたかったんです」。
 進学は当初から考えていたが、センター試験は756点と自身最高の結果に。教諭の勧めもあり希望以上の難関大学に挑戦し合格。
 「ただ実は、将来の明確な目標をまだ持っていないんです。自分のやりたいことを探すため、幅広く社会に対応できる法学部を選びました。法律は普段の生活にも影響していますから」。

 キャンパスライフでは学問に加え、海外インターンシップ(企業体験)プログラムを運営する学生ボランティア組織で国際団体の『AIESEC』(アイセック)に参加。世界各国の学生を受入れ国内企業へ、また日本人学生の海外派遣を取りまとめるNPO法人。現在は世界113の国と地域で事業展開。国内では25大学で運営委員会がある。
 「今は海外学生の受入れを企業にお願いする仕事をしています。営業ですね。貿易会社や海外進出を狙う企業がリサーチや社員の語学力アップに海外学生を受け入れるケースが多いのですが、学生でありながら意欲ある社長や部長と直接交渉できる機会を貰っています。大学にいるだけでは絶対にできない経験です」。

 自身も世界に行くのが夢。海外企業体験にはTOEIC730点以上が必要だが、6月の試験で目標点を突破。世界へ飛び立つ準備を整えている。
 「元々洋楽が好きだったので英語は得意なんです。ただ先日研修合宿があり海外でアイセックの活動に取り組む学生が講師だったのですが、英語のみの研修でちょっと大変でした。まだ会話より読み書きの方が得意ですね」。
 一緒に活動に参加する学生仲間の意識は高く、大きな刺激を受けている。
 「みんな明確に自分の意見を語れ、将来の夢を持っています。しっかり自分を持つ仲間を見ると、僕も負けないように夢を持たなければと焦っています」。

 自分の可能性を探す新天地での生活は充実している。
 「ネットや本だけでは分からないものが世界にはあると思います。一度海外に行き、自分の視野をさらに広げたい」。
                       (石沢修一)

自由な発想で「海絵巻」、津南の学童保育の子たち  8月23日号
 ○…夏らしい、子どもたちが共同作業で作った大作が完成した。津南町の学童保育に通う小学1〜3年生たちが19、20日の2日間の3時間余かけ、「海の中」をテーマに長さ10b×高さ150aの絵を作成。青い海に泳ぐタコやクラゲ、クジラ、さらに潜水艦や人魚が楽しそうに遊ぶなど自由な発想で描いた絵物語。津南小3年の江村鷹杜くんは「まあまあ上手くできたかな」とにっこり。学童保育会場の町総合センター職業指導室に26日まで飾る。

 ○…町学童保育は開始10年目。夏休み期間は午前8時〜午後6時まで、町内5小学校の低学年児童50人余が利用。勉強に加え、自然素材を使った工作や運動などの時間も取る。今回の海絵巻は「みんなで大きな絵を描こう」と子どもたちの声で始まり、年齢が上の子が下の子をサポートしながら製作。指導員の河田サキ子町保育士は「低学年の縦割りでの共同作業は珍しく、校区は関係なく絆ができています。子どもたちの力作、ぜひ見に来て下さい」と話している。

津南出身・俳優の花島勇一郎さん、地元で映画ロケ  8月23日号
 ○…ふるさとでロケ―。津南中3年の1年間、津南町で学び現在、俳優やモデルとして活躍している花島勇一郎さん(31)が16〜18日までの3日間、中里地域などを映画の収録で訪れた。花島さんは「津南、十日町地域は僕のふるさと。ここでロケができてうれしい。今後、さらに活躍していきたい」と話している。

 ○…花島さんは高卒直後、東京・表参道でスカウトされて芸能界デビュー。現在、pyxisに所属している。出演する映画は、ホラー漫画などで著名な御茶漬海苔氏が監督を努める「東京探偵」(仮題)。30分ほどの映画で、花島さんは探偵助手として登場する。完成後は国内映画祭に出品されるほか、全国でビデオレンタルされる。中里地域でのロケは、以前に映画関係者らが訪れた際、ロケーションの良さにひかれて今回の撮影場所が決まったという。花島さんは「発売されたら、ぜひ見て下さい。応援、よろしくお願いします」と話している。

震災の家、交流の場に、栄村「あんぼの家」  8月23日号
 ◎…県境地震で被災し、原型復旧がようやく終了した栄村青倉の「あんぼの家」がギャラリーと体験交流の場に生まれ変わった。同家は県境地震の震度6強の激震で2階部分の床が落ちるなど大きな被害を受けた。その後の復旧で2階吹き抜けの内部をそのままギャラリーに模様替え。同時に部屋を体験交流の場にするなどして、家全体が体験工房的なギャラリーに生まれ変わった。

 ◎…同家でお盆期間中、同地出身のイラストレーターでライターの前川由美子さん(作家名ゆきつぼ)の個展を開催。前川さんの青倉の実家に残る「セナカチ」や「キセル」、「ワラ手袋」などを独特のあったかいタッチで描いた作品と、その民具にまつわる思い出などを寄せている。「こういう場が出来たのは良いことですね。栄村の文化発信になりますね」と前川さん。同家の住人だった渡辺加奈子さんは「皆さんのご協力で復旧し感謝しています。ギャラリーやあんぼ作り体験など、皆さんから活用していただけたらと思います」と話している。連絡先090・4495・4263(渡辺さん)。 

写真・出身の栄村青倉・あんぼの家で個展を開いた前川さん

夏に魅せる、和の女子会、純和風屋敷で  8月14日号
 ◎…真夏に、涼感たっぷりのきもので集う。着る機会が少ない「きもの」を着て、年に一度集いを開くグループがある。『ゆかた女子会』、昨年から開く。純和風家屋で知られる津南町の「芳流閣」が会場。呼びかけ人の波間みえさん。「とても雰囲気あるお屋敷で、きものにぴったりです。集い、食べ、話すだけですが、女子だけですから、楽しいですよ」。きものの街、十日町の波間さん。この日は白を基調にした伝統の「明石ちぢみ」の夏もの。着付けアドバイスも行い、雰囲気を盛り上げる。

 ◎…集まった25人余の女性たちは、日頃のフェイスブック仲間。「いつもネットで会話していますが、会うのはこの日が初めてという方もいます。仲間作りの場にもなっています」。呼びかけ人でもある津南町の小林美津代さん。薄紫をベースに桜花をアレンジしたゆかたで、女子会を盛り上げる。この日に合わせて帰省した女性も。津端元子さんは東京から。「着物が好きですが、着る機会が少ないです。この女子会、楽しみにしています」。長岡市からの金山晴美さんもフェイスブック仲間。「この純和風の屋敷が素敵です。女子だけの気楽さんが、またいいですね」。参加者にはプロカメラマン撮影の個々の写真ブックをプレゼント。きもの姿の女性たち、「日本の夏」を感じる。      (恩田昌美)

新十日町病院の基本設計、医師確保に県初の臨床研修導入  8月14日号
 地域中核病院として改築される県立十日町病院の基本設計を8日、県病院局改革室が発表した。新病院建設は今年度から着手し、来年度に新病院・外来診療棟の建設に取りかかり、2015年12月に外来診療棟は部分開院する。その後に入院病棟など建設し、改築全体の開院は2017年12月の予定だ。建物は免震構造を採用し、雪国立地に対応し、県立病院では初の地下駐車場を設ける。災害時対応のために1階に講堂を設け、災害時や大規模な救急時に、救急救命・救急医療の拠点に活用する計画だ。病室は従来の6床室を廃止し、4床室を中心に整備するなど、地域医療の拠点病院として整備充実をはかる計画だ。注目の屋上リポートは同設計に記載はないが、ヘリ発着に耐える強度構造にする方針だ。

 新病院の診療科は4科新設(総合診療科、漢方内科、心療内科、歯科口腔外科)する。従来の13科(内科、神経内科、外科、整形外科、脳神経外科、小児科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、麻酔科)を加え17科体制となる。 
 
 診療体制では、入院患者の段階に応じた病棟整備を行い、集中的なリハビリを行う「回復期リハビリテーション病棟」を設け、一方で末期ガン患者対応の「緩和ケア病棟」を新設する。
救急救命では、高規格救急車と救急救命士が同病院に常駐する「救急ステーション」を設置し、十日町地域消防本部と連携し、迅速な対応をする。
 さらに新潟県内では初となる「新臨床研修プログラム」を導入する。従来の医師研修に加え、「総合医や家庭医を志す医師確保」を目的に、初期研修に加え、家庭医をめざす後期研修プログラムを導入し、家庭医の養成に取り組む。同プログラムは日本プライマリ・ケア連合学会認定で、導入は県内初となる。
病室は従来の6床室をなくし、4床室(47室)を中心に整備し、室内のレイアウトで個室感を抱ける病室になる。ベット数は一般222床、回復期リハ33床、緩和ケア20床の合計275床と現病院と同じ。

◇◆◇◇◆

 新病院は、敷地面積2万2千平方bに「プレキャスト・プレストレストコンクリート構造」という通常のコンクリート構造より強度が高い構造で建設し、これにより工期も短縮される。建物は7階建て、建築面積は4千百平方b(延べ床面積2万2千平方b)。
病棟内部は、外来棟は1、2階に診察科、検査部門などを配置し、3階が手術室など。入院病棟の最上階7階にはラウンジ・厚生施設のスペースが設けられ、テナントによる食事施設なども構想に上がっている。1階から2階にはエスカレーターが整備され、利便性をはかる。

 手狭の駐車場は、県立病院では初となる地下駐車場を設置し、全体で約288台(現164台)駐車が可能だ。
建設工事は、今年度に厚生糖を解体し、来年から現在の高田町通りからの入口付近に新病院外来棟を建設。2016年には現在の外来棟を解体し、翌年から入院病棟を建設し、2019年にはすべて完了し、同年12月に全体開院となる。建設事業費は約100億円を見込んでおり、運営母体は全体開院までに具体化する方針だ。この基本設計は、12日、十日町市議会、津南町議会に説明された。

10代のまなざし「板場優さん・十日町高2年」 音楽関係も捨てがたい  8月14日号
 将来に向けての道を真剣に考える時期を迎えている。多感な高校時代。高卒後どうするか、志望先を徐々に絞ってきた。
 「スポーツ系の大学か、それとも音楽マネジメント系の専門学校か、いずれにしてもそのどちらかの学校に進みたい」
 高校で取り組んでいるスポーツは、走幅跳と3段跳。中学では野球部に所属していたが、小学6年の時、郡市陸上大会の走幅跳で優勝、その思いが高校に入ってからふくらんだ。

 選んだのは陸上部だった。走幅跳のベスト記録は今年6月にマークした6b14。県大会5位の記録もある。3段跳は12b75。更なるベスト記録をめざし、今月7日から10日まで妙高で県内各校の陸上部員が一堂に参加した合同合宿中だ。
 「高校時代に走幅跳は7bを出したいし、3段跳は14bを出さないとトップレベルに並べない。いまはやるだけ、と思っています」
 音楽マネジメントをめざしたいと思うきっかけになったのは、新潟市で行われたポルノグラフティーのライブを観たのに始まる。高校1年の時だった。すごい衝撃を受けた。すぐにファンクラブにも入った。中でも特に好きな曲は「ハネウマライダー」という。
 「迫力があったし盛り上げ方もすごかった。こんな世界に入ってサポートできたらいいなあ」

 ミュージシャンをめざすというのではなく、あくまでも企画運営する立場だ。出演者を舞台で盛り上げていく黒子役だが、音楽を聴くたびに、その思いは日ごと高まっている。
 「東京にマネジメントの専門学校があるんです。スポーツ以外なら、この学校に行こうと思っています」
 津南中で生徒会長を務めた。8月。暑い夏を迎えると、あの時の体験が脳裏に浮かんでくる。それは、広島平和記念式典派遣使節団のひとりとして参加してきたことだ。その時の強烈な印象は忘れない。
 「被爆体験したおばあちゃんの話を聞いたんです。すごく怖い話でした。まだ小学生の時だったということでした。爆心から近くにいて、友だちがどんどん死んで行く姿を見、その場所からやっと逃げ出したそうです。戦争は絶対にだめだと強く思いました」
 中学、高校時代の様々な体験。その一つひとつが次へのステップになっている。     

赤澤城と赤澤館の関係に注目、初の発掘調査  8月14日号
 南北朝時代の中世。街道が交わる要所にあり、歴史的な城跡といわれる津南町の「赤沢城」史跡。だがこれまで一度も本格的な調査をしたことがなく、圃場整備に伴い今回初めて発掘調査を行い、3日、中間報告的な現地説明会を開いた。 

 県内外から百人余が参加し、石を敷き詰めた大規模な堀跡や屋敷柱穴多数が見つかり、発掘担当の津南町教委委員会・佐藤雅一文化財専門員は「言われていた南北朝時代を証明する資料は今のところ見つかっていない。15世紀から16世頃と見られが、戦時用と共に日常的な人の暮らしがあったと見られる」と10棟余の屋敷跡などを説明。調査は22日まで行い、今後の調査で年代や城主の手がかりとなる『木札』など書き物資料が見つかるか期待される。さらに段丘の突端部分にある同城跡「本丸」の調査、同城跡から東に7百bの場所にある「赤澤館」との関係など、全容解明の調査の必要性が高まっている。

 赤澤城跡は、信濃川と中津川が交わる段丘地、沖ノ原台地の信濃川突端部にあり現在は水田。今回の調査は約8千平方bエリアで実施。これまでの調査で幅約4b、深さ1・5〜2・5bの堀が屋敷跡を囲むように現れ、その堀を渡る橋の橋台跡も見つかった。その橋台付近には屋敷に入る「門」り、脇には門番の建屋柱穴がある。門を入ると南北方向に揃った10棟余りの屋敷跡の柱穴を多数見つかり、今後の調査で屋敷群がさらに広がる可能性が出ている。
 一方、屋敷群エリアを囲むように伸びる堀跡は、幅広い堀と狭い堀の二重構造で、要所ではカギ型で、要塞の機能を高めている。堀は部分的に石を敷き詰めた箇所もあるなど興味深い史跡になっている。

 中世などに関心がある町内押付の村山洋一郎さん(63)は「赤澤台地は津南の歴史のメインと聞いているので関心があったが、これほどの屋敷跡や堀跡が出るとは驚きだ。できれば突端部の本丸の調査もしてほしい」と興味を深める。
 調査を主導する町教委・佐藤文化財専門員は「南北朝時代と言われていたが、その時代の資料は今のところ出ていないが、今後の調査でさらに解明が進むと思うが、木札など書き物資料が見つかれば、さらに解明される」と期待感を寄せる。現地調査は22日まで行う計画だ。 

1200年の高橋家のルーツ探る、当代55代が記録集  8月14日号
 十日町市の旧川西・仙田郷の庄屋「橋家(屋号・入本)」は1200年前の平安時代、801年(延暦20年)から始まる史実を探り、地域の歴史資料として後世に伝えたいと同家55代にあたる橋淳司さん、政子さんは、記録集『仙田地区の起こり、1200年の歴史―御先祖様の思いをつなぐー入本・橋家起源』をこのほど発刊し、「地域のもう一つの歴史資料として活用して下さい」と十日町情報館と同博物館に寄贈した。当時、全国でも稀と言われた川の流れるを変える「瀬替え(瀬違い)」工事を、地元・渋海川で行い、多額の私財を投じ、地域の食糧事情を救済する活動を行ったなど、貴重な地域の歴史が記録されている。

 橋家は801年、仙田郷に住み始めたといわれ、初代から15代までの名を記した古文書があり、同地の「室島城」築城に関わり、以降の赤谷城、節黒城にも関係したと見られる。同家は1600年前後、それまでの「門徒宗」から全国に広がった「曹洞宗」に宗派替えを行い、同宗になり淳司さんが17代となる。
同家には1592年(文禄2年)制作とある「仏壇」が代々伝わり、1610年の火災時、真っ先に持ち出されたといわれ、現在もこの仏壇は橋家にある。幅1・8b、総欅造り、精巧な彫刻が施され、文化財級と見られる。

 歴史的な偉業は1625年から取り組んだ「渋海川の瀬違い(瀬替え)」。仙田郷岩瀬と室島で始め、川の流れを替え、農地を作り出す事業。工事費に私財600両、人員2千人余を出した。同事業をその後3百年余り続き、農地を作り出したなど貴重な仙田郷の歴史を記録している。
 17代・淳司さんの妻で元小学校長の橋政子さん(61)は「川西町史などに記載されていない地域の歴史が今回の調査で分かりました。橋家だけでなく、地域の史実として後世に伝え、地域への関心、愛着が高まることを期待しています」と話す。橋家の家紋は『竹に陣笠』。京都の都に通じる家紋といわれ、今もこの家紋だ。同記録集は旧川西郷土史に詳しい金子幸作氏(旧川西町教育委員長)が協力した。
 同著表紙は、明治43年4月撮影とある橋家。1610年の火災後に新築した茅葺家で、これも貴重な写真資料になっている。同記録集の希望者、問合わせは十日町情報館025・750・5100(斎木館長まで)。

恒例「流しそば」、今年も大盛況  8月14日号
 ○…ツルツルーっと120b―。飯山線・越後田沢駅前を盛り上げ夏の名物イベントにしようと10日、長さ百bにわたる『流しそば』が行われた。昨年に続き2回目。真夏の太陽が照りつけるなか親子連れらで賑わい、竹に流れるそばに舌鼓を打った。

 ○…企画したのは中里地域協議会の田沢第2地区協議会。「坂道大作戦」と名付け、そばのマチ・十日町のPRも兼ねて実施。昨年は予想以上の人が集まり、流すそばが間に合わなかった反省から、今年はうどんも加えて3百人分を用意。参加した小林凛子(田沢小3年)さんは「とっても楽しい。もっとそばが流れてこないかなあ」とハシを水の流れに入れていた。

ピクニック気分でクラシックライブを  8月14日号
 ◎…ピクニック気分でクラシック音楽を野外で楽しむコンサートが10日、中里・清津スキー場ゲレンデで開かれ、家族連れなど2千人余がライトチェアやシートに座り、リラックスして世界で活躍する音楽家たちの名演奏に聞き入った。主催の実行委員会によると「ヨーロッパなどでは毎年開かれているが、国内では初の開催」という今回の「清津ピクニックコンサート」。地元中里中学吹奏楽部の25人も共演し、ウクライナ国立首席指揮者を務めた草川幸雄氏によりベートーベンやモーツァルトなどの名曲から、「ラブソディー・イン・ ブルー」などジャズナンバーも演奏され、ピクニックライブの通りお弁当を広げたり、生ビールを乾杯し合うなど、リラックスして60人のフルオーケストラ演奏を楽しんだ。地元参加者からは「来年もぜひ開いてほしい。冬の雪原カーニバル、夏のピクニックコンサートと、清津スキー場の活用の幅が広がる」と期待の声が聞かれる。
 
 ◎…十日町市が首都圏や県内の大学生対象に毎年行う「トウコン」(十日町ビジネスコンテスト)の昨年の優秀賞に選ばれたアイデアが今回のコンサート。開催にはJRなどが協力し、スキー場ゲレンデに特設ステージを設営。3歳の長男ら家族と来場した市内の20代女性は「リラックスして音楽が聴かれ、いい雰囲気です。子どもも自由に動けるし、ぜひ来年も」と木陰にシートを広げていた。協賛のJRでは、「1年前に開催が決まっていれば、『びゅう商品』としてPRできる」としており、来年開催の場合、JR東の協力がさらに期待できるようだ。

「津南の水」、来年1月全校発売、ファミマと地元見玉、津南町が取水協定締結  8月9日号
 コンビニ大手・ファミリーマート(本社・東京池袋)は、津南町の清冽な湧水を使った飲料水事業を行うため3日、湧水源の見玉地区で町を含む関係4者で協定調印を行い、いよいよ『津南の水』が全国販売されることになる。協定は水源地の見玉地区、津南町、製造工場を経営する現地法人クリアウォーター津南(ファミマ70%出資)、ファミリーマートの4者で行い、使用水量や地元に支払う環境保全協力金、湧水路などの維持管理費などの金額を明記した協定書に調印。協定期間は1年ごとの更新で、使用水量の変更など1年単位で変更できることになっている。

 協定書調印は、上村町長、地元見玉総代・高橋孝男氏、フアミマ執行役員・藤森正美総合企画部長(現地法人監査役)が、地元の見玉用水検討委員や役員らが見守るなか協定調印を交わした。ファミマによると工場敷地造成後、工場建設に着手、年末に稼動開始し、「年明けには商品を店頭に並べたい」(藤森部長)と方針。新年には『津南の水』(仮称、津南の天然水も候補)が全国9600店の店頭で販売されることになる。
 製造計画では年間1万dの湧水を使用し、年間千2百万本(5百_g換算)の製造からスタート。使用水量1万dは最大2千万本の製造が可能だ。今回導入する製造機械は最大4千6百万本の製造能力があり、同製造には年間2万3千dの水が必要になる。このため協定書期間は1年単位で更新でき、使用水量の変更ができる。

 地元見玉地区代表、高橋孝男氏は「この大切な水を守ってきた先人に感謝したい。この水が社会貢献でき、役立つならばと地元は思っている。事業者との信頼関係を築きながら、この地域の発展に結び付けたい」と期待感と共に事業者への契約厳守を促した。一方、ファミマ・藤森部長は「水をはじめ津南の農産物などをファミマで販売するなど協力化に取り組みたい。信頼関係を大切にしながら、この提携が生きていくように協力したい」と応えた。

 工場は敷地面積約1万平方bに一部2階延べ面積3107平方bの工場建設。製造機器は外国から導入する最新機器で年間4千6百万本製造でき、5百_gから2gボトルまで一貫製造できる能力を持つ。工場建設事業費は約15億円を見込み、ペットボトル製造機器が約7億円の計画だ。設計施工は加賀田組で敷地造成は地元の高橋工務所・上村建設工業の共同企業体(JV)が行う。
 注目の商品名は『津南の水』あるいは『津南の天然水』が有力。部類は湧水源から空気に触れないでボトル詰めする「ナチュラル・ミネラルウォーター」で販売する。「ファミマ・コレクション」の厳選ブランドで販売する方針だ。

 ファミマの湧水利用は『津南町公共物管理条例』に基づき、事業者が津南町に使用申請、町許可を受け使用する。これに伴い、湧水源を管理する見玉地区に環境保全協力金として5百_g1本当たり0・3円を事業者が支払う。さらに水源からの導水管の維持管理費で年間百万円を見玉地区に支払う契約。これにより年間2千万本製造の場合、見玉地区には年間7百万円の協力金が支払われる。上村町長は「若い人が希望と夢が持てる町づくりの契機になることを期待したい。今日は新たな一歩であり、そのスタートを見玉地区の協力でできる」と同地区の理解に感謝し、フアミマへの期待感を述べた。
 取水管理は水源に水量計を設置し、使用水量を管理。なお工場の従業員体制は当初は15人(ファミマから5人前後含む)を予定し、製造の熟練度により地元採用を増やす方針だ。

写真・協定締結した地元見玉代表・高橋孝男氏(左から)、上村町長、ファミマ藤森執行役員(3日、津南町見玉公民館で)

カラス踊りに集う、東京上野でふるさと会、100人が輪に  8月9日号
 ◎…懐かしい盆踊りの雰囲気を都会でも味わおうと東京松之山会、東京津南郷会、東京栄村会、さらに新潟県人会のふるさと会4団体が一堂に会し、「カラス踊り」など盆踊りの定番を、音頭取り名調子に乗って踊る「カラス踊りと田舎のお盆を楽しむ会」を4日、東京上野の新潟県人会館で開いた。24年目を迎える今回、これまでで最多の百人余が参加。音頭取りの東京津南郷会・藤ノ木辰三郎さんの名調子で会場いっぱいに踊りの輪ができ、あの頃の思い出に浸りながら手拍子を合わせた。集いでは『ああ上野駅』など参加者世代にとって思い出深い曲も飛び出し、会場全体が郷愁感に包まれた。
  
 ◎…「からす踊りの集い」は、東京松之山会・橋秀夫会長と当時の東京津南郷会長で亡き篠原武一さんの「意気投合」で始まった。高橋会長は松之山・中尾出身、篠原会長は樽田出身と山一つ隔てた隣り同士。青年時代、村祭りで行き来していた仲で「東京でもやるか」となり以来、東京栄村会も加わり24年の歴史を重ねる。当初は参加者の手料理持ち寄りだったが、今は松之山出身「吉池」に依頼し、郷土料理などを囲み歓談に花を咲かせる。
 
 ◎…からす踊りは、長野・千曲川から新潟・信濃川に名を変える付近、栄村・津南町・松之山の限られた地域の旧盆祭礼などで踊られる伝統の民衆芸能。11年前に初参加し、以来毎回、「音頭取り」を務める藤ノ木辰三郎(74)さんは津南・秋山郷出身。「この唄は地域によって違うが80番以上ある。最高でしょ、この雰囲気。こういう伝統、なんとかつなぎたいね」。親が同じ秋山郷出身で千葉生れ、舞台俳優で活躍の坪井久代さん(47・藤ノ木ゆい)は「皆さんのパワー、すごいですね。ここに来ると自分も元気になります」。坪井さんは来年2月に明治座、3月は大阪・新歌舞伎座に出演する。

 ◎…集いには出身者以外で3町村に関係する人も多数参加。グリーンピア津南の元総支配人で津南ファンの川野修行さん(73)もそのひとり。今回初参加。「楽しいね。津南の話や懐かしい人にも会えた。この会はふるさと文化発信の場になるね」。新潟県人会からも多数が参加。県内浦佐出身の山本美子さん(61)は今回で6回目。「私たちも大和会というふるさと会がありますが、この雰囲気をすごいですね。カラス踊りはここで憶えましたが、なかなか哀愁がある唄と踊りですね」。6回目の参加の東京栄村会の上辻旦泰さん(70)は「いやぁー懐かしいね。年々参加者が増えて、ますます雰囲気が盛り上がっていますよ」と踊りに加わった。集いがスタートした頃の東京栄村会長、石沢秀信さん(85)は「この気楽さがいいんだよ。今度はちょっと若い世代を連れてくるかな」と、吊りバンドにジーンズ姿で手拍子を合わせていた。

 ◎…カラス踊り集いの会の育ての親である東京松之会の橋秀夫さん(79)。「あの頃は樽田炭鉱があり、松之山からも大勢が働きに行っていた。だから樽田とは交流深い。自分たちの思いがこういう形で広がり、年々その輪が広がっていることは嬉しいね。来年は25回目。もっと盛り上げたい」。集い最後の挨拶では「来年の8月第1日曜日、今からカレンダーに丸を付けておいてください」と参加に呼びかけた。集いには今回、民謡の第一人者で栄村出身、月岡翁笙さんも出席。尺八や笛を披露し、集いを盛り上げた。(恩田昌美)

写真・カラス踊りに集う津南や松之山、栄村出身者(4日、東京上野・新潟県人会館で)

10代のまなざし「村山美咲さん、津南中等校6学年、18歳」 都市空間論、交通論に魅かれる  8月9日号
 自分でも、自分の変化に驚いた。「東京の人は、冷たそうな感じで嫌だな」、そんな思いを一蹴する出来事に、昨年7月1日に出遭った。
 2歳違いの姉と大好きなバンド・GRANRODEO(グランロデオ)ライブに行った。東京から高速バスで帰る予定だったが、財布を落としてしまった。「もう泣きながら、次のバスに乗りました。料金は姉が出してくれました」。
 バス出発から1時間、まだ埼玉県内を走っている時、姉から携帯に電話が。「財布、見つかったよ」。駅構内で拾った方が届けてくれたようだ。「東京にも良い人がいるんだ、と思いました」。
 この出来事が進路を決定づけた。都市生活と交通網の成り立ち、その発展経過などへの関心が沸き起こった。なかでも昨年の大学オープンキャンパス訪問でも使った「地下鉄」。その中でも『東京メトロ』に魅かれる。だが、一般にいわれる『鉄女』ではない。

 「都市生活と交通機関の発達や、交通網整備による地域づくり政策など、都市空間論と交通論にとても興味を感じます。世界でも有数の交通体系を持つのが日本です。その都市空間論と交通論をもっと勉強したいです」。
 
 進む大学は決めている。地下鉄でも行ける23区内にある大学の政経学部。さらに学ぶべき教授も決めている。『山手線に新駅ができる本当の理由』の著者、市川宏雄氏が教授の大学をめざす。
英語が得意だ。昨年、準1級にチャレンジしたが「2級とは雲泥の差でした」。10月に再チェレンジ。英語辞書を自分だけのオリジナル辞書にする。「辞書に愛着が持てるように、単語やセンテンスにマーカーを引きますが、先生から学んだ言葉などを辞書の余白に書きます。そうすると辞書を見るのが楽しくなりますよ」。後輩へのアドバイスだ。最近、漢文も好きになった。「最初は漢字ばかりが並んだ文でしたが、分かるようになり、漢文が物語りに見えるようになりました」。
 学習時間1日10時間の津南中等校の恒例、志賀高原5日間合宿に参加。受験生の夏休みは厳しいが、その厳しさは苦にならない。『夢の実現』が目の前にあるから。「大好きなGRANRODEOは、いつも聴いています」。実は、東京メトロの運転もしてみたい、のだ。            (恩田昌美)
 

閉校校舎を演劇練習場に、大地の芸術祭を視野に  8月9日号
 少子化に伴う小中学校の統廃合で閉校となった校舎のあり方が課題となっているなか、津南町の旧上郷中で大地の芸術祭と連携した新しい動きが出ている。同芸術祭の総合ディレクター・北川フラム氏は2年後の大地の芸術祭に向け「旧上郷中校舎は演劇のメッカにしていきたい」と方針を示唆。具体的な活動として今月10日にまつだい農舞台で公演する劇団サンプルが先月29日から今月11日まで滞在制作、ワークショップで地元住民と交流も行った。上郷地区振興協議会の島田福男会長は「地域にとっても刺激になる。校舎活用、大いに歓迎したい」と話している。『演劇の上郷中』が現実味を帯びてきた。

 「この校舎を使うことができれば、本当にありがたい。ふだんの練習場のほか、劇場としても使える」とサンプルを主宰する松井周氏(40)。今回のサンプル滞在制作は「大地の芸術祭の里・越後妻有2013夏」で今月10日にまつだい農舞台で公演する「遠足の練習」に向けたもの。メンバー20人余りが空き家となっている旧上郷中教職員住宅などに宿泊、校舎で練習に励んでいる。
 主宰の松井氏は校舎活用について「自然環境もすばらしいし、近所から新鮮な野菜をもらうなど、住民の温かさにも感激。演劇の練習場として最高の環境だ」と印象を話す。また同公演を主催しサンプルと津南町の橋渡し役を務めるNPО法人越後妻有里山協働機構の高橋園子さんは「ぜひこの計画が進み、サンプルも上郷地区住民も共によい関係になってもらえれば」と期待感を話している。

 「演劇の校舎活用」は、上村津南町長が2年後に開く第6回の大地芸術祭に向け「閉校となった旧上郷中校舎を活用してほしい」と北川総合ディレクターに要望したのがきっかけ。これを受け、北川氏が「演劇のメッカにしたい」と方針を示した。今回のサンプル合宿はその第一弾。今後、サンプルを校舎活用の専属にしたい思いもあるようだ。
     ◎
 合宿が始まった上郷宮野原地区。3日にはワークショップが開かれ、小中学生の家族連れら10人余りが参加。特別教室棟の3階教室で「縄なし大縄跳び」など体験。「演劇練習が見られると思って中学生の孫を連れてきた」という上倉セツ子さんはワークショップに少し戸惑ったようだが「若い人も多く、地元が活気付く。何より学校に人がいるというのがいい」と話す。地区の人たちはさっそくキュウリやナスなどを持ち寄るなど歓迎的。島田振興会長も「夜には地元から10人余りが参加しての交流会を持った。いい雰囲気で垣根は感じられなかった。地域の好材料になってもらえば」と話すなど地域住民も好感を持ったようで、今後の校舎活用が注目されている。

 劇団サンプル=若手の自主企画公演活動を経て6年前に旗揚げした東京を中心に活動する劇団。3年前には「自慢の息子」で第55回岸田國士戯曲賞を受賞。昨年の大地の芸術祭では旧清津峡小を会場に「キオク REVERSIBLE」を公演。今回はまつだい農舞台で10日午後7時から「遠足の練習」を公演する。

私の主張、最優秀は中島さん、十日町・津南地区大会  8月9日号
 全国大会につながる「少年の主張」新潟県大会出場をめざす十日町・中魚地区大会「わたしの主張」を6日、十日町市民会館で開き、管内12中学校の代表が出場し、学校生活や家族、友だち、将来の目標などをテーマに思い込めた主張を行った。最優秀賞は昨年優秀賞の十日町3年・中島渓さんが選ばれた。中島さんは全国大会出場をめざし来月23日、柏崎市文化会館で開く県大会に出場する。

 最優秀の中島さんは、クラスや部活動を通じた『団結』というグループ化、仲間意識を問題視し、『冷たい団結』という表現で、中学生の現状を問題提起。「冷たい団結、それは間違っていると言える人になりたい」と自分を見直し、「みなさんも、誰かの光になりませんか」と呼びかけた。好評で審査委員長の庭野三省・十日町市教育委員長は「冷たい団結という表現を初めて聞いた。今日の主張は皆、心が洗われるものばかりで、こういう中学生がどんどん出てくることを期待したい」と評価した。
 受賞の中島さんは「嬉しいです。ちょっと感情が入りすぎた面があり、県大会ではもっと自分の思いを素直に出したいです」と話す。  

 十日町記者クラブ特別賞の宮内明葉さんは、祖父の突然死に直面し、命の大切さを改めて感じた。「一つの命が誕生することは4億分の1」と命の大切さを訴え、「私の夢は保育士になることです。命のタスキをつないでいきます」と主張。宮内さんは「とっても嬉しいです。今日の発表が一番よかったです」と笑顔で答えた。(最優秀賞・優勝賞1編を4面掲載。次号に優秀賞、特別賞を掲載)

 ▼最優秀賞「誰かの光に」中島渓(十日町3年)▼優秀賞「心の通ったバリアフリーをめざして」池田しずか(下条3年)「人生の道と」村山菜月(中里3年)▼十日町記者クラブ特別賞「命の重さ」宮内明葉(中条2年)▼奨励賞「合同チーム」小口紋炉(松之山3年)「ありがとう」田中伊純(南3年)「本当の城主になるために」佐藤楓(松代2年)「佐平治の生き方に学ぶ」石澤菜穂(津南3年)「黒い涙と絆創膏」桑原成美(川西3年)「全力で生きる」鈴木未来(津南中等校2年)「同情」児玉ゆりか(吉田2年)。

写真・入賞の4人(左から宮内さん、村山さん、中島さん、池田さん)

重量挙げメダリスト、ニューグリーンピア津南で合宿  8月9日号
 3人のメダリストが津南に集結した。昨夏のロンドン五輪女子重量挙げ48`級で銀メダルを獲得した三宅宏実選手(27)ら全日本女子ナショナルチーム8人は先月30日から今月10日まで、ニュー・グリーンピア津南で強化合宿。同チーム監督は宏実選手の父・三宅義行氏(68、メキシコ五輪銅メダル)が今年2月に就任。さらに5日は義行氏の兄の義信氏(73、東京・メキシコ金・ローマ銀メダル)が激励に駆け付け来町。兄弟、父娘のメダリスト3人が津南の地に揃い、いつも以上に熱の入った練習が行われた。

 三宅選手は光善会グループとの交流で法政大時代から津南で合宿。同津南も専用フロアマットを整備するなどし、4年前から全日本女子の合宿地のひとつに定着。今回は10月に行われる中国・東アジア大会、ポーランド・世界選手権に向けたもの。義行氏が監督就任後の全日本津南合宿は初。「リオデジャネイロ五輪の出場枠を駆けた勝負は始まっている。常に選手は自分に目標を課し、厳しいトレーニングを津南で行い、地元の応援に答えたい」と義行氏。一方、宏実選手は「ロンドンの結果より上に行くにはもう一歩新しい、今までと違う練習をしないといけない。リオを視野に、焦らず正しい技術を身に付けたい」と意気込みを語った。

新中津川運動公園オープン、千葉選手ゲストに交流会  8月9日号
 ○…パリ世界選手権のマラソン銅メダリスト・千葉真子さんを招いた中津川運動公園オープン記念式典が4日開かれ、千葉さんは「長距離に取り組んだのは高校に入ってから。でも決して強くなく、高校駅伝では私のせいで優勝を逃した。それでも続けられたのは仲間に負けたくない気持ちがあったから」などと選手誕生秘話を披露。「みなさんも負けずに取り組んでほしい」と呼びかけ、走る姿勢などをアドバイスした。

 ○…当日は雨が降ったり止んだりの天候だったが、予定通りのイベントを実施。式典で上村町長は「この競技場を使い、全国大会やオリンピック選手が誕生してほしい」と期待。1周400bの全天候型トラックでは、42・195`を1人200bでつなぐリレーマラソンが行われ、千葉選手が子どもたちと一緒に走るシーンもあり会場を沸かせていた。またゲートボールやバスケット、サッカー、野球など各団体が趣向を凝らしたゲームコーナーなど開き、家族づれらが楽しんでいた。

北信越大会、初の準優勝、津南中等校野球部  8月9日号
 初の夏大会準優勝を津南中等校野球部(庭野倖主将、16人)が達成した。第58回全国高校軟式野球選手権北信越大会(出場7校)は3〜5日、新潟市で開催。県王者の津南中等校はシードで4日の準決勝、松本工業(長野)と対戦。9回裏に1点をもぎ取る3対2のサヨナラ勝ちで決勝進出。翌5日は松商(同)と全国大会出場権をかけ決戦。0対3で惜しくも敗れたが、夏の北信越大会では初の準優勝。6学年(高3)の5人は今大会で引退したが「夢の全国まで一歩届かなかった。あとは任せる」と後輩にバトンを託した。

 3年前にメンバーが揃い高野連に加盟した同校野球部。チームワークで繋ぐ野球で県大会優勝の常連校となるが、北信越大会は2年前の秋大会準優勝が最高成績。「今年こそ夏大会で初優勝し初の全国に」と週3回の部活に汗を流したが、届かなかった。庭野主将は「打線を繋ぐ意識は守備にも活かされ、一体感が生まれた。準優勝と言う結果は正直悔しい。新チームには今まで以上の一体感で優勝を必ず実現してほしい」と後輩に想いを託す。赴任2年目の阿部茂雄監督は「全国を目標にしていたので、悔しさはある。だが主将を中心にまとまり、1点を全員で取りに行く野球で一つにまとまった。最高のチームだ」とねぎらった。
 メンバーは次の通り。
◆6学年=大島翔太、鈴木諭、高野真宏、庭野倖成、古淵雄也◆5年=井ノ川誠、大島恭兵、滋野義臣、反り目直史、橋大生、田山太一、滝沢悠斗、村山一裕◆4年=橋佑太、根津嘉大、山本雄大◆マネージャー=繻エ友美、橋比呂子、橋さつき。

インサイドリポート「中学で下がる学力、対応策は」「地元高校のレベルアップを」  8月2日号
 基礎学力の蓄積が求められる中学生段階の学力低下、特に市町村立中学の低下が顕著で、教育行政の大きな課題になっている。毎年4月実施の全国標準学力検査(NRT)の結果からも明らかで、小学6年までの全国水準を上回る学力を、中学生段階でさらにどう伸ばすかが教育現場、さらに地元教育委員会に突きつけられている課題だ。今春実施のNRT結果が先月26日、十日町市議会全員協議会に示された。小学段階では全国標準の「50」を上回っているが、中学2・3年では50以下となり、市教委によると魚沼エリア全域で見られる傾向という。津南町でも同様な傾向だ。一方、開校8年目の県立津南中等教育学校は、昨年から中学2学以上のNRTを実施せず、難易度が高いベネッセ模試を年2回実施し、全国状況と比較している。市町村立の中学校で何が起こっているのか、関係者に聞いた。

 NRTは全国標準の学力検査で毎年4月実施。導入しない自治体もある。検査は前年度に学んだ内容から出題され、例えば中学1年4月実施の検査は、前年度小学6年で学んだ内容から出題される。教科は国語・社会・数学・理科で中学2年・3年で英語を検査する。
 十日町市教育員会が市議会に示した資料では、小学2年から6年までは、すべて全国標準(偏差値50)を上回っている。だが中学1年(50・9)、中学2年(48・7)、中学3年(47・7)と学年が進むにつれ、全国標準を下回る。この傾向は津南町も同様で、小学6年まではほぼ全国標準を上回り、中学で下回り、3年生でさらに下がっている。

 十日町市教委と津南町教委が、その要因の一つに同じ事項を上げている。それは『県立津南中等教育学校へ、成績の上位の子たちが進んでいる』という見方。つまり小学校段階で学力上位の児童が、地元中学ではなく中高一貫校・津南中等校に進んでいるため、NRT平均数値が下がっているという見方だ。
市教委によると、市内小学6年のうち毎年約40人余が、同様に津南町教委によると小学6年の3割程度が津南中等校に進んでいる現状があるという。

 では、津南中等校の中学1年の数値はどうか。津南中等校1年のNRT結果は昨年(58・7)、今年(57・2)と、開校以来1年生の数値をほぼ同じ。だが同校はその後の2学年・3学年で学力を伸ばし、NRT検査を受けていた3年前の数値は「60」を上回る結果が出ている。
 十日町市教委、津南町教委の指摘について、津南中等校・吉原満校長は、その分析にちょっと驚く。「津南中等は特別な学校ではありません。やるべきことをしっかりやる、これだけです」。言葉での表現はこうなるが勉学を支え、伸ばすシステムを創っているのも事実だ。
 中高一貫・6年間教育の津南中等校には高校受験がない。同校は6年間を1・2年、3・4年、5・6年の3ステージに分ける。「ステージが変わることで、学習の質が変わることを意識させます。例えば3・4年ステージでは、目標への取り組みをより意識させるために、大学受験目前の6学年(高校3年)と一緒に合宿し、大学受験への意識付けを行います。各ステージに進むことで、生徒は自分をリセットしていきます」。
 同校は昨年から2・3学年のNRT検査を止めた。理由は「難易度的に参考にならず、全国の中高一貫校レベルの中で考える必要がある」とベネッセ模試に切り替えた。「常に全国の中の自分の位置を意識させる」取り組みで、大学など進路への自覚を促している。

 さらに市教委と町教委が中学で学力が下がる要因とするのが「教員数の差」。県立学校と市町村立学校では、教師の配置基準が違う。市町村立中学の40人学級の教員数は「2人」、県立学校は「2・3人」。現場の教師数の差が学習密度の差に通じていると指摘する。さらに「教師の多くが3年で交代し、力のある中堅教師の確保が難しい」などの要因もあげる。
 両教委がさらに問題視するのが「生徒の目的意識を希薄さ」。市教委・蔵品泰治教育長は「高校受験が楽になっており、選ばなければ全入時代だ。高校受験への意欲の減退も要因しているのでは」。同様に津南町・桑原正教育長も「高校受験に向け、さらにその先の進路に向け、目的意識を持つのが難しい状況になっている」。

 両教育長はさらに指摘するのが『地元高校の魅力の低下』。それは「高校のレベルを上げることが必要。全入では高校受験への緊張感が希薄になり、それが日頃の学習意欲にも影響しているのでは」と見る。
 同様の指摘は以前からある。『十日町高校に医学部進学コース、あるいは理数系専科を作り、全体のレベルアップを図る必要がある』と地元経済界などから要望が上がった経過があるが、県要望など具体的な動きには至っていない。
    
 津南中等校の吉原校長は話す。「赴任2校目など若い先生方が多く平均年齢は36歳。特別な教え方のテクニックがあるわけはなく、やるべきことを、しっかりやる、特に勉強だけはきちんとやるという習慣付けを行うことで、学校全体に学習することが当たり前の雰囲気ができる。そうした環境、システムを作ることが大切では」。学年に応じた自宅学習の課題、毎朝の10分間テスト、夏休みの学習合宿など、多くの中学で実施する取り組みを話す。

 津南町や十日町市の小学校長を長年務め、今年5月から十日町市教委委員長に就いた庭野三省委員長は話す。「この地域の教育風土はとても良い。これを子どもたちの目的意識作り、目標作りに結び付けたい。その目的作りのためにも地元高校のレベルアップが必要。さらには多くの小中学校で3年で先生が交代する。この辺も課題だ。十日町市は小中一貫教育に取り組む。学校現場が安定していれば、学習に集中できる時間が増える。小中連携は大切」と話す。
 一方、津南町教委は来年度から「保育園・小学校連携」に具体的に動き出す。「教師数の差は、制度改正が必要だが、地元教委として、自治体の財源との関係で教育環境に差が出るのは避けたい」と、町教委として町財源出動などを要請する考えだ。
                        (恩田昌美)

写真・関心が集まる県立津南中等校。オープンスクールには多くが参加する(2012年9月、同校で)

平和を伝える、津南中生がヒロシマへ  8月2日号
 戦争の愚かさと核の悲劇次代に伝える6日の第66回広島平和記念式典に、津南町は中学生4人を派遣する。今年で11回目。使節団は津南中の岡村博史教諭を団長に、3年生の桑原隆太君、藤ノ木寛規君、樋口愛梨さん、鈴木祐理奈さんが原爆被災地を訪ねる。町教委の清水修次長が同行。町民から募った浄財と千羽鶴を届ける。

 派遣団は5日に津南を出発、新幹線で広島へ。平和記念公園で「原爆の子の像」に千羽鶴を捧げ、義援金を贈り、原爆死没者追悼平和祈念館を視察。その後、戦後68年たった今も原爆の後遺症に苦しむ住民が住む原爆養護ホーム・神田山やすらぎを訪問。実体験を直接聞く。6日は式典に参列。平和記念資料館、世界遺産の宮島視察、夜は戦没者慰霊の灯篭流しを見学。7日に帰路に着く。壮行会は1日、町役場で行った。戦争体験者が高齢化で少なくなるなか、未来を担う中学生が今度は語り部となる。

JR東・宮中ダム水利権更新迫る、放流量に関心  8月2日号
 JR東・宮中取水ダムの水利権期間更新に向けた5年間の試験放流に取り組むJR東は、最終年5年目の放流方法について素案をまとめた。4年目の今年実施中の「変動型放流」の有効性を調査で見極めると共に、3年目までの試験放流において、「過年度と比べて大きな変化は見られなかった」と、3年目の試験放流毎秒40dから60d放流を基本に検討する方針を明らかにした。さらに、年間の最多放流量期間の見直しを行い、国が設置の信濃川中流域水環境改善検討協議会の調査期間に合わせたい方針。これにより夏場で11日間、サケ遡上期で21日間の短縮となり、JR東では「水利使用の拡大が目的」としており、調査期間外となる計32日間は「毎秒40d放流」となる。同見直しは4年目の試験放流で同じような結果が出れば、最終年5年目の試験放流で同期間に変更する方針だ。

 試験放流最終年の5年目は、水利権の期間更新期限の2015年6月30日までの15ヶ月間となる。5年目の放流計画は、4年目の今年の春と夏のデータ収集後に開く「信濃川のあり方検討委員会」で調査データを示し、同時に同委員会内の専門部会で協議し、年内に5年目の放流計画をまとめ、1月の宮中ダム試験放流検証委員会に提案する方針だ。ただ、「5年目の放流イコール6年目ではない」(JR東)としている。

 具体的な5年目の放流方針では、春季(4月1日〜7月19日)と冬季(11月1日〜3月31日)は、「3年目の試験放流で大きな変化がなかった」ことから毎秒40dをベースに考える方針。一方、夏の渇水期の夏季高水温期(7月20日〜9月10日)は毎秒60dを基本としながらも、今期実施の「毎秒40d放流」(8月16日から5日間)、さらに50d放流を5年目に実施する方針だ。

 さらに秋季のサケ遡上期(9月11日〜11月10日)は、夏季と同様に毎秒60dをベースに、同様にサケ遡上期中の10月15日から5日間実施の「40d放流」の成果を見ながら、50d放流と共に放流計画を実施する意向だ。一方、ラフティングなどの河川利用面への対応では、9月12日から4日間実施の「毎秒120d放流」でJRが実際にラフティングを行い、これまでデータ収集したラフティング時の流況データと合わせ、5年目の放流に反映する方針だ。9月15日は市主催で「川ごったく」を行い、一般向けのラフティングを行う計画だ。

 今回の5年目の放流計画の方針は今後、信濃川のあり方検討委員会・同専門部会などで研究協議されるが、JR東方針は「40d・50d・60d」放流をベースにしていることが伺え、今月8日開催の第2回専門部会での協議に関心が集まる。  
なお夏季とサケ遡上期の調査は、今期4年目がこれまでの調査結果と大差がない場合、夏季調査期間を11日短縮する7月26日〜9月5日、サケ遡上期の調査を21日短縮する10月1日〜11月10日にする方針だ。この短縮される32日間の放流量は毎秒40dとなる。

 5年目の試験放流、さらに水利権期間更新後の維持流量設定などについて、JR東・信濃川発電所業務改善事務所では、「試験放流のデータに基づく放流量の考え方、川は観光資源という視点、さらに日本のエネルギー政策の中での水力発電の取り扱いなど、いろいろな切り口の中で議論していくことになる」と、大詰めを迎える試験放流のあり方、さらに水利権の期間更新への取り組みへの基本姿勢を示している。


 共生策として取り組む「食品工場」は来月23日、起工式を行い、来年秋操業に向け工場建設が始まる。これに伴う従業員募集を行い、これまでに正社員3人(株式会社日本レストランエンタプライズ)を10月採用し、以降、臨時職・パート職などを募集する方針だ。さらに十日町市と連携して事業化をめざす「宮中親水公園」、「サケ稚魚100万尾放流」、「川遊び場施設整備」などをJR側から提案しており、事業化をめざしている。
 だが一方で、十日町市などが要望する「SL継続運行」に対しては、十日町市側では「対応中」としているが、JR側は「対応済み」としており、JRは「継続運行は経営判断させていただく」と市に回答(7月2日)済みとしているが、市側からは、これに対する返答は今のところJRには届いていないという。

写真・JR宮中ダム魚道わきの広場を親水公園にする計画を十日町市に提案している

10代のまなざし「福原秀斗さん、津南中2年」 NBA選手をめざし  8月2日号
 伝統の津南中バスケットボール部キャプテンを受け継ぎ2ヵ月余が過ぎた。新チームは8月17、18日に開く交流大会が公式戦初戦。
 「自分たちの実力が初めて確かめられる試合。開幕の17日が誕生日なので、最高の結果をめざしたい」。
 バスケ歴は長い。5歳の頃からボールに触り、小学生となり地元スポ少ミニバス・津南Bスリーに所属。ポジションはずっとガード。パスを回しゲームを組み立て、時には敵陣に切り込みシュートを打つ。試合の流れを見すえ、広い視野が常に求められる役割だ。
 「一番ボールを取られてはいけないポジションなので、緊張感があります。その分上手くいった時は気持ちいいです」。

 競技に、よりのめり込む転機。小学4年時、津南・十日町選抜チーム『妻有キッズ』メンバーに選出。十日町地域初の県大会準優勝を勝ち取る原動力となり、その経験が自信に繋がっている。
 「練習をしっかりすれば、県トップにもなれると実感しました。ただ当然、他の人も練習し上手くなる。勝つのが一番楽しいバスケ。怠けちゃ絶対に負ける。楽しむには他チームより練習するしかないんです」。
 現在のバスケ部員は13人。ただ、実は今期の新入部員はゼロ。2年生だけのチームを余儀なくされる。
 「新入生の多くが陸上に行ってしまったのは残念。でも逆に、全員一丸でしっかりチームを作れるチャンスと今は前向きに考えています。一番大事なチームプレイを高めて勝ち進めば、来年は新入部員が入ると思う。そのためには今、頑張らなきゃと思います」。

 津南中チームは平均身長170a未満と他校に比べ低いが、走力やディフェンス中心に練習。自身も身長169a、体重47`と小柄だが、スピードと走り負けない体力が持ち味だ。
 「高さがないのは不利ですが、走り勝ち、シュートやパスの精度を上げることでカバーできます。自主練では試合で当たり負けないよう、体幹トレーニングを毎日続けています。勝つためには練習あるのみです」。
 憧れの選手は世界最高峰のNBA、LAレイカーズのコービー・ブライアント。将来の夢はもちろんNBA選手になることだ。
 「日本人選手はまだ一人しかNBAプレーヤーは出ていません。それだけ高い壁がありますが、あきらめたくない。目標は常に高く、そしてバスケが好きだからトップをめざし続けます」。
                   (石沢修一)

世界基準を所得、津南町・割野きのこ組合、ワールドGAPを  8月2日号
 国際認証で信頼度アップ「GLOBAL GAP」取得 割野きのこ組合 
 世界基準のGLOBAL GAP』(グローバルギャップ)を取得―。津南町の農事組合法人・割野きのこ組合(小林一男組合長)は今年5月に国際規格のグローバルGAP認証を取得。同認証は魚沼エリアでは初で、県内でもまだ取得業者は少ないという。認証には農薬使用量、衛生設備、環境保全、生産工程管理体制、地域貢献活動など、4百項目を越える厳密な審査基準クリアが必須。小林組合長は「安心安全は当たり前の時代。自己判断ではなく、今後第3者が認定する品質基準が大きな意味を持つようになる」と波及効果に期待する。

 『GAP』とは『Good Agricultural Practice』(良い農業の在り方、適正農業規範)の略称。現在は日本基準である『JGAP』(ジェイギャップ)認証があるが、グローバルGAPがその規格の基礎となっている。元々はヨーロッパの小売団体が規格を作り、小売業の国際基準に定着。欧州では農産物流通の8割が認証を受け、それ以外の品はスーパーなどでの流通は難しいという。同組合は2年前にJGAPを取得後、さらに審査の厳しいグローバルGAPに着目。認証による商品の信頼度アップをめざし、ドイツの本部とやり取りを続けていた。

 『同組合はすでに『国産安心きのこリーファース』『JASリーファース』『魚沼きのこGAP』を取得しており、生産物の信頼度を高め続けている。小林組合長は「世界トップレベルの農産物認証を得た。トレーサビリティ(生産流通過程の追跡)の重要性は今後さらに増すだろう。自分たちの作る農産物がどう作られるかを知るのは生産者として当然のこと。信頼性あるモノ作りに今後も取り組む」と話している。

津南中3年・大島武瑠選手、110bハードルで全国へ  8月2日号
 大島武瑠選手(津南中3年)、110bハードルで全国大会出場―。第40回全日本中学校陸上競技選手権大会は19〜22日、名古屋市・瑞穂公園陸上競技場で開催。十日町市・津南町から6選手が出場する。
 大島選手は、先月11日に東北電力ビッグスワンで開かれた通信陸上で、全国出場ラインとなる標準記録15秒0と同タイムを出し、出場権を獲得した。ベストタイムは6月の中越大会でマークした14秒72。『前半勝負型』という大島選手は「スタートからハードル1台目が勝負。そこで波に乗ってベストタイムを出し、決勝まで進みたい」と意欲を燃やしている。

 全中出場選手は次の通り。
 ▽横山徹(吉田3)=1500b▽村山凛太郎(南3)=800b▽丸山泰大(中条3)=棒高跳▽若山陽(川西3)110bハードル▽大島武瑠(津南3)=同▽小泉千秋(下条2)=100bハードル

女優・柳英里沙さん、縁の十日町で舞台挨拶   8月2日号
 ○…主演女優が十日町と縁がある映画「チチを撮りに」(中野量太監督)が先月27日から今月16日まで十日町シネマパラダイスで上映されている。上映初日は満席となった会場で主演女優の柳英里紗さん(23)と中野監督の舞台挨拶があり、柳さんは「大勢の方から来ていただき感激です。挫折したくなった時もあったけど、今日のことを忘れず強い気持ちで歩んでいきたい」と話すと、会場から大きな拍手と声援が飛んでいた。

 ○…英里紗さんは、同市稲荷町4の柳照子さん(85)の三男で横浜在住の会社員・正晴さんの長女。母親が育児雑誌の赤ちゃんモデルに応募したのがきっかけで、テレビドラマやCMに出演。小学6年の時にはNHKの人気番組「週間子どもニュース」にレギュラー出演したほか、ドイツ映画を含め20本近い映画に出演している。祖母の照子さんは孫の活躍に大喜び。この日に合わせ、多くの友人、知人に招待状を送るなど陰で応援した。

 ○…同映画で英里紗さんは、母と妹と力を合わせて父親のいない家族のあり方を必死に模索する長女を好演。舞台挨拶で中野監督は今年2月にベルリン国際映画祭ジェネレーション部門に招待され、英里紗さんと共に参加してきたことを報告。また、この日が中野監督の誕生日ということで花束やバースデイケーキが贈られると「今日は忘れられない日になります」と感動。英里紗さんは「十日町は愛ある町なんだなあと改めて思いました。また出演した映画を持ってきたいです」と話した。

黄色のモリアオガエル見つかる  8月2日号
 ○…これはカエルの金メダルだ―。十日町市川西地域の池で先月上旬、近くの住民が黄色のモリアオガエルを見つけ写真に収めた。知らせを受けた日本自然保護協会会員の南雲敏夫さん(58、十日町市中屋敷)は「こんな色のモリアオガエルは初めて見た。全国初の可能性もある」と話し、両生類などに詳しい広島大・三浦郁夫准教授に写真データを送り、調査などを依頼した。

 ○…モリアオガエルは、その名の通り、背中は濃い青色をしている。今回見つかった黄色のモリアオガエルは、昨年6月に紫色のモリアオガエルを発見したのと同じ池。当時、紫色のモリアオガエルについて三浦准教授は「最下層にある紫色細胞の紫色が前面に出ている。紫細胞の数が異常に多く、その色が出ているのだろう。とても珍しい」と調査結果を話していた。南雲さんは「白いオタマジャクシなどは時々見られるが、黄色のモリアオガエルは初めて。本当にびっくりしている。見方によっては金色にも見え、正にめずらしさといい金メダル級では」と話している。


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