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2013年05月の津南新聞「トピックス」

過去の津南新聞トピックス
陸上競技場完成、津南からアスリートを  5月31日号
 トップアスリート育成をめざす津南町のランナークラブ・心友懸走会が、マラソンやニューイヤー駅伝などで活躍している津南町出身の涌井圭介選手(28・ヤクルト)を招き25日、ランニング交流会「涌井圭介選手と走ろう」をオープンしたばかりの中津川運動公園陸上競技場で開いた。交流会には地元の小学生から津南中、津南中等、中里中、栄中、松之山中の陸上選手ら80人余りが参集、全天候型のトラックを涌井選手と一緒に走り汗を流した。

 涌井選手は津南中3年の時に全国中学陸上の1500bと3000bで決勝に進出。高校2、3年には3000b障害でインターハイ出場、都道府県駅伝の県代表選手にも選ばれた。拓殖大4年の時は五輪選手の登竜門・箱根駅伝に関東学連選抜チームの主将として出場。その後、ヤクルト陸上競技部でマラソンやニューイヤー駅伝に出場し、4年前の延岡西日本マラソンは2位の成績をあげている。

 同交流会には涌井選手はじめ、県高校女子3000bの記録保持者で国体優勝経験を持つ村山麻衣子選手(31)も参加。トラックを一緒に走り、タイムトライアルなど行いながら「しっかり走ってタイムを伸ばそう」などと参加した選手たちにアドバイス。涌井選手は「ぜひ全国大会をめざし、夢に向ってがんばってほしい」と呼びかけた。

 練習後の質問タイムでは参加者から「苦しい時、どうやって乗り越えればいいのですか」と聞かれ、涌井選手は「ボクも陸上をやっていて弱い部分が出てきたことがある。でも、本番よりきつい練習をしているからこそ本番で粘れる、走れるんです」などと答えていた。練習に参加した樋口蒼生選手(津南中3年)は「トップ選手と走れると聞いて楽しみにしていました。練習では涌井選手についていけてよかったです。今日学んだことを胸に、県大会めざして頑張ります」と話していた。

 涌井選手の今後の目標は「実業団駅伝でメンバー入りし、ニューイヤー駅伝に出場すること」と意欲を燃やしており、今後の活躍が楽しみだ。

月の光が演出、「田毎の月」、十日町市三ツ山で  5月31日号
 ○…満月が棚田に次々と映る「田毎の月」の観月会が25日と26日夜、十日町市飛渡・三ツ山地区で開かれた。初日は薄曇り、2日目は月の角度の関係で両日とも「田毎」として映らなかったが、それでも月の光が棚田に反射すると「きれい」と歓声が上がっていた。

 ○…同観月会は昭和61年から毎年続けられていたが、平成16年の中越地震で山道が崩れて中断。昨年ようやく再開されたが厚い雲に覆われて月は見られず、今年は中断してから9年ぶり。2日間で2百人余りの見物人で賑わった。地元カメラマンのひとりは「ちゃんと見られるのは4〜5年に1回という。仕方ない、来年に期待したい」と少し残念そうだった。

津南のアスパラ、最高だね、北野大さん来町  5月31日号
 ◎…津南の自然と人をこよなく愛するグループ「ほのぼの会」の一行が26日、アスパラ収穫に訪れた。20年以上前から毎年訪れ、昼食交流には上村町長も参加。北野大教授や照内日銀支店長など多彩な顔ぶれと新鮮アスパラや山菜料理、地酒などで歓談。毎年、町内相吉の涌井九八郎さん方を訪れ、この日も多種多様の手作り料理を囲み、津南談義を交わしていた。

 ◎…前町長の小林三喜男さんの時代から続く交流は、新潟薬科大・及川紀久雄名誉教授との交友が発端。当初は「津南で田舎する会」でスタートし、メンバーの北野教授や俳優で亡き竹脇無我さんらが成人式や「津南田舎大学」などで講演。さらに環境問題、特に水資源や農薬分野などの研究者、及川教授が津南の自然環境について講演するなど交流。今は「津南町をこよなく愛する・ほのぼの会」として毎年、アスパラ収穫などに来町し、交流している。

 ◎…今回も多彩なメンバーが来町。鍋茶屋女将、富山・高岡市長夫人、共同通信新潟支局長夫人、元NHkアナウンサー、学習院大講師、ホテルオークラ新潟などの関係者30人余が参加。2年ぶりの参加の淑徳大・北野教授は「津南はいいね。ここのアスパラは本当にうまい。津南の酒が外国で金賞を取ったんだね。すごいね」などアスパラ収穫しながら話していた。

ニュー・グリーンピア津南に新施設・モノレールで展望を  5月31日号
 ニュー・グリーンピア津南に新たな魅力が加わった。25日、ホテル棟前から標高8百b余の山頂サブセンターまで繋ぐ全長7百bの「乗用モノレール」を新設。標高差は146b、スノボクロス大会用ゲレンデの急斜面をゆっくり登る新アトラクションだ。同センターからは日本一の河岸段丘地形、好天時は八海山など眺望できる。今後は山菜採りや自然観察体験などに活用する方針だ。

 モノレールは6人乗り。主に建設作業に使用する機材で、観光用に使うのは珍しいと言う。片道20分余の道のりをゆっくり走り、四季の移り変わりが楽しむのがねらい。今期約530万円でリース契約し試験導入。好評ならば機材購入を検討する。樋口明総支配人は「自然とのふれあいは年々ニーズが高まっている。四季豊かな津南の自然体験で、一日外で遊べるツールの一環としてアピールしたい」と話す。料金は片道8百円、往復1500円。11月4日まで運行。同津南пi765)4611。

明日へ「佐藤知也さん・新規就農者」 有機農業をめざす  5月24日号
 標高6百bの畑。真っ青な空。ウグイスやホトトギス、カッコウなど野鳥の声が、静寂の開発畑に響き渡る。今年から津南町農業公社が管理する1fの耕地を借り、野菜づくりに取り組む佐藤知也さん(35)。「先ずは、いろいろ作ってみます。すべてはそれからです」。  
 言葉にすれば『持続可能な農業』。その具体的な営農計画は、まだ白紙だ。だが、「自然に良い影響を与えない農薬や化学肥料は使わない」。この方針は明確だ。

 1950年代、「効率第一主義」に反旗を掲げ、農業を主体に自給自足的な集団生活を通してコミュニティづくりに取り組む「ヤマギシズム」(ヤマギシ会)。幼児部から大学部までの教育機関「ヤマギシズム学園」を持つ。両親が同会の農産物を購入していた関係で、中学2年の時、月に一回体験入学。同3年で同学園に入学。高校1年までの2年間、農業体験など「生きる力」を自給自足的な共同生活の中で学んだ。
 新潟市生まれ。都市部で育ったが、同学園での共同生活は、多様な価値観と共に農業への関心を植えつける契機になった。
津南町が募集する新規就農者への応募も、あの経験が伏線になっている。『田舎で暮らしたい』。その思いの実現に、津南を選び応募。津南に長年、有機農業を実践している事業家がいることも、津南志向に結びついた。

 昨年4月から、有機農業の全国組織役員などを長年務める鶴巻義雄さん(津南高原農産)や尾池紀一さんの所で研修。1年の研修後、2年目の今年は自分の畑を求め、来年の独立への道を探っている。
 1fの畑。毎年、種が取れる『固定種・在来種』の種を専門業者から求め、30種ほどを蒔いた。トマト・ナス・キュウリは当然として、オカノリ、あしたば、そんぶり、バナナピーマン、カバネロ、ニラなど。「すべて試験的です」。
 一方で、農業技術の習得と共に、生活のための農作物も模索する。販売目的の品目を蒔いた。『エゴマ、白ごま、黒ごま、サツマイモ』を選び、畑に作付けし、収穫後、販売をめざす。

 「どれだけ取れるか、どんなものが取れるか、まだ全くの未知数ですが、地元の農家の方々などから教えていただいています。友だちが友だちを紹介してくれ、いろいろな人たちとも知り合いになりました。独立後は自分独りやるわけですが、まだ具体的なイメージはわきませんが、続ける中で、何かが見えてくるでしょう」
農の魅力を、『いのちの大切さ』と語る35歳。またひとり、頼もしい人材が育ちつつある。
                 (恩田昌美)

10代のまさざし「樋口優さん・津南中等3年・中里」 親子バンド、最高です  5月24日号
 人気バンド「BUMP OF CHICKEN(バンプ・オブ・チキン)」のボーカル&ギターの藤原基央に夢中だ。特にギターの弾き方に魅かれる。小学5年で出会ったギター。毎日ギターを抱え、好きなフレーズを演奏している。
 「でも、決めているんです。学校の課題を終わらせてから、と親と約束しています」

 小学5年の秋。友人との酒宴に行った父が、友だちからもらったという小さなギターを持ち帰った。爪弾くと、なんともいい音色がした。すっかり魅せられた。正月のお年玉で、ついに自分のギターを手に入れた。それもエレキ・ギター。
 「あまり音楽に興味がなったお父さんが、そのギターに興味を持ち、自分が居ない時、そのギターを弾き、すっかり夢中になって、結局ふたりでギターを習い始めたんです」。なんと、親子もギターに魅せられた。昨年、父の友人を含め3人でバンドを結成した。
理系の大学に進みたいと進学した県立津南中等校。登校は父の車で。車中、お気に入りの曲を流し、親子会話で盛り上がる。3人で作ったバンドは、BUMP OF CHICKENの好きな曲、『HAPPY』をそのまま名づけた。

「先日、ライブステージに出演できるかどうか、音楽関係の人から演奏を聴いてもらいました。出場しても良いことになりました。やったーです」
 この夏、7月14日。津南町文化センターホールで中学生から一般まで6バンドが出演する入場無料のライブがある。そのステージに立つ。演奏曲はバンド名の曲など3曲を予定。デビューライブだ。
学校の課題を終え、夜9時までの約束で父と自宅2階で練習する。母や家族が聴き、評価してくれる。
 「いいんじゃない、なんてお母さんが言ってくれます。お父さんとギターを一緒にできるなんて面白いです。ギターを始めて集中力がついたようです」。学業にも好影響している。親バンド、初ステージを家族みんなが楽しみにしている。
                     (恩田昌美)

改選後の初議会、栄村議長に51歳・福原和人氏、副は南雲成一氏  5月24日号
 栄村議員改選後、初の臨時議会は21日開き、同日正副議長を選出。議長は連続4期当選の福原和人氏(51)、連続2期目の副議長に南雲成一氏(62)が決まった。同議会は立候補制だが、正副議長共に他に立候補者はなかった。投票は無記名で行い、正副議長とも全12議員全員一致で選出。共産党の独自候補擁立はなかった。

 県境地震から2年が過ぎ、昨秋震災復興計画を策定した栄村。正副議長共に復興推進を第一に掲げる。長野県町村課長会(58自治体)で3番目の若さとなる福原議長は「元気な村作りのためこれまでの行政主導型から住民参加型の転換を図る中、地方自治体は性格的にも財政的にも自立することが必要。村民目線で改革・活性化を図る」と方針。一方、南雲副議長は「復興計画には具体的なスケジュールが記されている。この4年間をかけ、新しい栄村を構築する使命がある」と想いを述べた。
 
 福原和人(ふくはら・かずひと)=昭和37年3月16日生まれ。長野県立飯山北高卒。平成13年村議初当選。産業社会常任委員長など歴任。民宿経営、栄村小赤沢、51歳。

 南雲成一(なぐも・せいいち)=昭和26年4月21日生まれ。鯉渕学園卒。栄村農協、北信州みゆき農協勤務など得て平成21年村議初当選。前村監査委員。農業、栄村月岡、62歳。

栄村議会構成 正副委員長
 栄村議会の議会構成は21日の臨時議会中に開いた、全員協議会で互選により決まった。各委員会の正副委員長は次の通り(マル数字は当選回数)。
 ◆総務文教常任委員会=委員長・相沢博文(C、65)▽副委員長・阿部伸治(A、50)◆産業社会常任委員会=委員長・鈴木敏彦(C、66)▽副委員長・桑原一富(A、58)◆議会運営委員会=委員長・石沢正(A、72)▽副委員長=相沢博文◆議会報編集委員会=委員長・山本千津子(A、64)▽副委員長・樋口武夫(A、61)

写真・51歳議長の福原和人氏(右)、副議長の南雲成一氏

全国新酒鑑評会、津南醸造3年連続で金賞  5月24日号
 ○…霧の塔が連続受賞―。酒造りの技術と品質を競う唯一の全国規模の清酒鑑評会の第101回「全国新酒鑑評会」(酒類総合研究所主催)の審査結果は17日発表。津南町の津南醸造「霧の塔」(滝沢昌哉杜氏)が最優秀の金賞を獲得。3年連続、通算4回目の受賞。同社の滝沢杜氏は先月の越後流酒造技術選手権で最優秀の県知事賞を獲得。40歳の若き杜氏として注目を集めるなかでの連続受賞を「最高の結果。安定し良い酒を作り続け、津南の地酒を広めたい」と喜んでいる。

 ○…同鑑評会は全国864(県内77)蔵元が出品。うち入賞酒426(同19)、金賞酒233(同24)だった。大吟醸を作る酒米は山田錦が主流のなか、津南醸造は地元産五百万石を使う珍しい蔵元。今冬は昨年の倍の630石(1升瓶約6万3千本分)を仕込み、全国金賞と県知事賞のダブル受賞を追い風に全国PRし、経営改善につなげる意向だ。滝沢杜氏は「旨口で後味がきれいな酒が理想の味。昨年の酒米は夏の猛暑のせいか固いものが多く発酵が難しく、県内どの蔵元も苦戦していたなかでの連続受賞は嬉しい。若い人にも津南の地酒をぜひ飲んでほしい」と語った。金賞受賞酒は来月に販売開始予定だ。

JR東・宮中ダム魚道、土木学会の環境賞を  5月24日号
 環境保全や創造的な技術開発など先進的な土木工学研究や、環境保全への画期的なプロジェクト実績を評価、表彰する「土木学会」環境賞を、JR東・宮中取水ダムで実施した魚道改善と、それに伴う魚類など河川環境モニタリング調査活動が受賞した。同環境賞はJR東では初受賞。この活動成果は土木学会報2012年版に掲載され、ダム魚道や河川環境保全の全国モデルとして紹介される。

 宮中取水ダム魚道は、従来の単純な階段式魚道を大幅に改善。魚類調査データをもとに、流れを安定させ魚が休息できるアイスハーバー型を導入し、大型魚、小型魚の魚道を設け、さらに底生魚類用「せせらぎ魚道」も設置。この3タイプで全長約2百b〜約260bの魚道に一新した。さらに継続的なモニタリングにより、ダムゲートの開閉や流れ方向の改善に取り組み、放流量の安定化による河川環境保全などに取り組んだ実績が大きく評価された。この改善でサケ遡上は平成23年146尾、昨年は297尾が遡上し、新魚道の調査では22種1万8千尾の魚類を確認している。

 土木学会は3万6千人の会員を擁し、今回のJR東の活動実績は同会報に実践例として掲載され、ダム魚道と河川環境への取り組みの全国モデルとして関心を集めることになる。JR東では「今後とも水力発電と河川環境との調和を図ることに誠心誠意、取り組んでいきます」としている。

地域観光を担い40年、森宮交通が記念式  5月24日号
 名勝旧跡巡りからコンサートなど多彩な旅行プランが好評の森宮交通(山岸博之社長、職員18人)は今年で40周年。記念式を19日、吉楽旅館で開催。上村津南町長、島田栄村長、橋政徳町商工会長ら30人余が出席。節目の年を迎え3代目の山岸社長(42)は「2年前の地震時、車両は一台も壊れることがなく、翌日には被災された方の足となれた。何かの力に守れていると感じた。改めて皆様の力にならなければと決意している」と感謝した。

 40周年記念の新旅行プランをこの日発表。足腰の不自由な高齢者など対象に、自宅玄関先まで送迎、歩く距離が少ない観光施設めぐりなど「長寿の旅」を7月からスタート。現在の「ゆうあいツアー」と合わせメイン商品としてPRする。 山岸社長は「生涯現役で楽しめる旅行を提案したい。今後は都会と田舎の交流の架け橋になれる会社をめざす。地域に貢献したい」と話す。記念誌を百部を発刊。希望者に進呈する。
    ◎◎
 同社は昭和47年、初代社長・広瀬昭二氏、2代目・山岸吉信氏の義兄弟でタクシー2台で創業。現在、栄村森に本社、大割野に観光案内所、バス6台、タクシー4台の体制。平成11年ゆうあいツアー開始。栄村、津南町のデマンド交通委託運行など地域交通の担い手。記念式で島田村長は「2014年北陸新幹線が通る。飯山で降りて貰うためにも協力を得たい」、上村町長は「今年は先代社長の10周忌。県議時代、私を見る度に『おかげさまで』と言ってくれた方。志を引き継ぎ、前進を期待している」と激励した。

2年ぶりの放牧、県営妙法牧場   5月24日号
 県内最大級の総面積約376fの県営妙法育成牧場(佐藤義弘場長)は今シーズンの放牧を22日に開始。県内酪農家から預託された乳牛81頭を放した。同牧場は福島第一原発事故の影響で2年前に牧草からセシウムが検出された影響で放牧を一時中止。昨年末にようやく全牧区で不検出を確認。2年振りの春放牧に「ようやく本格再開できた」と胸をなでおろしている。

 同牧場では平成23年10月、サイロ保管の冬用乾燥牧草や放牧区の牧草からセシウムを検出。乾燥牧草は1`当たり最大194ベクレル(当時の国暫定基準値は5百ベクレル、現在の基準値は百ベクレル)を検出。乳牛への影響を懸念し、放牧と預託牛受入れを中止。昨年8月、全40牧区のうち放射性物質不検出となった25牧区で一部再開。昨年12月の検査で全牧区が不検出となり、念願の全面再開となった。

 31年前に設置の同牧場。生後1年余のホルスタイン雌牛の預託を受け、標高630〜950bの高地差を活用し例年5月から11月の降雪前まで放牧。冬季は牛舎で育成。1年間で約3百`の乳牛を5百`余に育て、人工授精し県内の酪農家に帰している。2年前のセシウム検出の影響で県内酪農家は岩手や北海道の遠方地まで預託せざるを得なくなり負担が増え、再開を待ち望む声が上がっていた。今期は180頭の預託牛受入れをめざす。なお地元小学生などの見学受け入れも再開する方針。佐藤場長は「高低差がある地での放牧で足腰が強く、酪農家に帰っても活躍してくれる。県内の生乳生産は減少傾向にあるが、再開を望んでいた声に答え、県内の酪農振興に貢献したい」と話した。

 なお同牧場のサイロには未だにセシウムが検出された乾燥牧草を保管され、処分に頭を悩ませている。県が放射性物質の処分方法を決定するまで現状維持する方針だ。

大地の爆走、全国規模のモトクロス大会  5月24日号
 ○…42年余りの歴史を誇る川西モトクロス場が今シーズンもオープン。19日に県モトクロス大会第1戦が開かれたのをはじめ、来月9日には関東選手県大会第4戦、さらに29、30日には4輪バギーの全日本スーパーオフロードATV選手権レース第4戦、7月7日には全日本エンデューロ選手権など10月まで相次いでビッグ大会が企画されている。

 ○…会場は魚沼三山を一望できる十日町市中屋敷地内の山林に整備された標高差41b、1周1・8`の難コース。大ジャンプ、テーブルトップ、30度傾斜など起伏に富んだコースで、これまで毎年のようにモトクロスの関東大会や県大会などが開催されている。出場した十日町市の保坂豊さん(50)は「川西会場は自然の山を使っての起伏に富んだコースで最高。地元の自慢でもあり、いつでも仲間を求めています」と話し、レースに挑んでいた。

新十日町病院にヘリポート必要、現場から声が  5月17日号
 新十日町病院にドクターヘリ用のヘリポートの必要性が高まっている。2次医療の地域中核病院として改築の県立十日町病院の新病院建築は今年中に事業着工するなか、昨年10月末から運用開始し、半年経過のドクターヘリ・ヘリポートを「新十日町病院への整備が必要」と現場から声が上がっている。十日町地域消防署管内では連休期間中、心臓疾患などでドクターヘリ要請が4件あり、2件は十日町病院で診察後、ヘリで長岡市内の病院へ搬送、一命を取りとめた。ただ同病院のランデブーポイント(ヘリと救急車の接続場所)は最も近い所で信濃川河川敷「つまりっ子ひろば」で、地域からは「一刻を争うのがドクターヘリ。ぜひ新十日町病院にヘリポートを」と声が強まっている。

 ドクターヘリは、医師と看護師、医療機器を乗せて救急現場まで飛び、現場で処置して近くの医療機関に運ぶ。新潟市の新潟大学医歯学総合病院に1台常駐。昨年10月末の運用開始以来、十日町消防署管内では今月15日までに55件要請、うち15件患者搬送した。
連休中にも2件のドクターヘリ搬送があった。いずれも心臓疾患によるもの。5日には十日町市内の86歳の男性、6日にはベルナティオでゴルフ中の60歳の男性が共に「胸が苦しい」と訴え、十日町消防署はドクターヘリ要請すると共に救急車で十日町病院に搬送、専門病院へ移送の必要からドクターヘリが待機する「つまりっ子ひろば」で患者を乗せ、長岡日赤や長岡中央病院に搬送した。ヘリ搬送の所要時間は約15分。
だが、十日町病院から約3`離れた同ひろばまで搬送準備を含め救急車で5分程度かかるほか、冬季はランデブーポイントが限られ、消防本部前の雪原を踏み固め、ヘリポートに活用するケースもあり、「病院屋上」が最短時間であることは明らかだ。

 新十日町病院は来春、外来棟建設し2年後に完成、入院棟は平成30年完成。地域医療の充実、特に救急医療の安心度の向上のためにも新病院改築に合わせたヘリポート整備の必要が高まっている。
 十日町地域消防本部の関谷嘉聖署長は「患者を一刻も早く搬送する立場からすれば、十日町病院にヘリポートを設けることは最善策。県でも検討しているといわれ、新病院建設での実現に期待したい」と話している。

 なお、県福祉保健部ではドクターヘリの出動要請が重なる場合がこれまで10件余りあったことから、今夏から山形、福島両県と広域連携を始める方針だ。

写真・昨年11月、津南町から急患を運ぶドクターヘリ(中津小グラウンドで)

明日へ「栄村・樋口正幸さん」 300年前の思い、300年後に引き継ぐ  5月17日号
 年度末の3月30日、春総会。久々に歌が出た。区画整理された棚田が千曲川まで広がる栄村小滝。「みんなが集まると、小滝では必ず歌が出るんだ」。だがあの震災以降、この2年間、集まっても歌は出なかった。前年度区長が歌い、それ受け4月からの新区長が歌った。震災の年に区長だった樋口正幸さん(55)も、今年は歌った。歌は手拍子だけ。カラオケは使わない。「昨年までは笑うことさえできなかった。やっとだよ」。

 2年前の長野新潟県境地震。小滝は一時孤立した。集落から対岸の国道117号に通じる唯一の村道が、震度6強の激震で発生した大規模な雪崩と土砂崩れで通行止め。救援のヘリで対岸の横倉に避難。震災前17戸あった家並みは、この2年間で13戸に減った。
震災から1年後の2012年の春総会。出席したのは8人だった。「あの出席数を見て愕然とした。決定的に人がいなくなった、そう感じたし、地域の力が落ちてしまう、そう感じたんだ」。  
その年の秋の共同作業も集まったのは8人。「これまで通りは、どう考えても無理と感じた。危機感をひしひしと感じたんだよ」。

 今年3月末、公務員を辞めた。栄村職員36年に終止符を打った。実は前から考えていた。「震災の年に辞めようと思ったが、震災復旧の担当になり、途中で投げ出せないと思ったんだけどね」。退職者挨拶で、若い職員を見て話した。「子育てはすごく楽しい。地域づくりも、これほど面白いものはない」。伝わってほしいと、念じて話した。
 兼業農家の村職員時代。約60eの田を耕作。震災後、作り手がいなくなった田を集落で受け、自分も受けた。昨年は3倍の1・8fに。村職員の業務が終わる夜9時、10時頃から田んぼ仕事に取りかかり、朝は4時起き、出勤まで田で働いた。今年はさらに不耕作田が増え集落で分配。『小滝の田を守る』ために今期は2・3fに。19年前に作った「小滝農業改善組合」で田植えは共同化で行う。
集落から千曲川に広がる約7fの田。震災でほぼすべてが被害を受け、今期、ようやく全面積が作付けできるようになった。

 「実は、小滝は3百年前、一度、村人皆がこの地を捨てて越後へ逃げ出したことがある」。生活用水がなく、住人たちは苦労に踏ん切りをつけた。だが当時の庄屋が『水路を作るから戻ってほしい』と私財を投じ、水路を作る。それが今の『小滝せぎ』。
大雪が続いた59豪雪後の昭和63年、別の水路を引き集落内の各戸に雪消し用の水を回し、平成4年には集落内に除雪車を入れるために道路を拡幅した。
 先人たちは節目、節目に『この地に暮らす、この地で生きていく』という事業に取り組んだ。「今回の震災も同じだ。ここでまた生きるための事業を作り出せば、これから3百年後も小滝はあるはず。そうやってつないで行く、それが今を生きる俺たちの役目だし、やりがいに通じるはす」。

 樋口家には「マサユキイズム」なるものがある。子育てを存分に楽しむ、小滝の自然をまるごと体感し遊びまわる。男3人兄弟。父親と遊んだ小滝の自然が、たっぷり身に沁み込んだ。「自分の子も、こっちで育てたい。親父がやってくれたように自分の子を育てたい、と言ってくれたんだよ」。息子の言葉に『よしっ』と思わず叫びそうになった。「ちゃんと感じて、見ていてくれていたんだなぁ…」。 
 「小滝米」ブランドが震災以降、首都圏などで評判になっている。『小滝の米はうまいね、山菜もうまいね、人もいいね』、決まって答える。「そうでしょう。みんな雪のおかげだよ」。

 震災後、独自に小滝復興プロジェクトチームを立ち上げ、すべての世代が加わり、復興計画作りに取り組む。信州大・木村和弘名誉教授のアドバイスも受ける。だが、不安もある。作った計画を行政がしっかり受けとめられるのか。栄村震災復興計画には、同計画を実現するための基幹組織として『復興推進委員会』の設置を求めている。だが設置の動きはまだ見られない。
 毎年8月16日が夏祭り。「毎年、大勢の人たちが集まる。300年後につながる小滝の姿でもあるよね」。

10代のまなざし「服部充希くん・津南小6年・11歳) 走るのが楽しい
 タッタッタッと走る。風になったような気分。じわっと汗が流れ出てくる。走ることが好きでたまらない。
 「どうしてって聞かれると分からないけど、走るのが好き。走っている時は何も考えていません」

 高村光太郎の詩『若いのはいい、若いのはいい。…疲れるといふ事か疲労でなくて休息であるほど、若いのはいい…』の一節のよう。走る契機になったのは、小学1年の時。校内マラソン大会で新記録を出した。特に運動をしていたわけでもなかった。
「うれしかったことは覚えています。なんでそんなに早いのと聞かれたけど、何もしてなかったし…」
 同級生らから『すごい』と言われ、いやがうえにも走ることに関心が高まった。2年生の時には津南のマラソン・ジョギングクラブ「心友懸走会ジュニア」が誕生。すぐに門を叩いた。
 「毎週金曜日が練習です。とっても楽しい。早く金曜日が来てほしいと思っています」

 心友懸走会ジュニアへの参加でメキメキと力がついてきた。4年生の時、校内マラソン大会3`で上級生を抑え全校トップの記録をマーク。5年生の時には十日町市津南町小学生陸上大会1500bで優勝した。
 「郡市陸上大会では0・7秒差で新記録を出せなかったので、今年は新記録を出したいです。でも、遊んでいてちょっと左足首を傷めてしまったので、この冬は走っていませんでした」
 毎年、新年を迎えると家族が素知らぬ顔でテレビを付ける。番組は箱根駅伝。本音は充希くんに見せたいためだ。画面には、沿道いっぱいの声援を受けながら、歯を食いしばって走る大学生の姿。
 「ぼくも箱根駅伝に出て走りたいな」
 そんな声を聞いて、家族は『してやったり』。走るほかに楽しみは海釣りという。父・清高さん(37)とよく行く。柿崎方面が多い。時には車の中に泊まって早朝3時頃から釣り始めることもある。

 「全然釣れなかったので面白くなかったんだけど、初めてヒラメを釣ってから面白くなりました。お父さんにとってはストレス発散だと思うよ」
 昨年、心友懸走会ジュニアの指導者・江村大輔さんから大会直前にアドバイスを受けた言葉を忘れない。
 「大ちゃんから『最周回にペースを上げて走れば記録が出るよ』と言われたんです。その通りに走ったら結果が出ました。もっともっと早い人を目標にしていこうと思っています」

小林由貴選手、ソチ五輪の有力候補に  5月17日号
 来年2月のロシア・ソチ五輪に向け、津南・十日町出身選手の出場が有力になっている。津南町の小林由貴選手(27・十日町高―早稲田大―岐阜日野自動車)は、今期の活躍実績から来期(8月以降)のナショナルチーム入りがほぼ確定し、オリンピック選手選考の有力候補になっている。地元津南町で小林選手を支援する後援会「ユキんこクラブ」(小林三喜男会長)は11日、町内大勝で定期総会を開き、今期の活動報告を行い、支援金を贈った。小林選手はこれに応え、オリンピックイヤーを迎えるにあたり、「期待はとても嬉しいですが、余り意識せずに、前のシーズンよりさらに強くなるシーズンにするという姿勢で臨みたい」と、静かな意欲を見せている。

 同後援会は3年前に発足。現在会員は78人。年会費で運営し、遠征費用などを支援している。来期はオリンピックイヤーのため、来月に集中的な支援金集めを行う計画。会員の増強と共に企業協賛を要請する計画。事務局では「目標は100万円」としており、オリンピック出場をめざし後援会も総力戦で臨む方針だ。小林選手は7、8月はイタリア、フランスなどで遠征合宿し、標高の高いアルプスなどで雪上トレーニングを積む計画だ。

 小林選手は、今期はワールドカップに4大会、世界選手権にも出場し、シーズン後半の3月17日のノルウェー・W杯オスロ大会では自己最高19位に入るなど実績を上げてsいる。今後の計画は今月下旬まで北海道で雪上合宿、6月中旬〜8月初旬、9月〜10月、雪を求めてヨーロッパ各国で合宿し、11月からW杯大会に出場。オリンピック最終選考は1月になる見込みだ。
     ▼▽▽
 小林選手は、今期の活動を振り返り、時期への思いを語った。
「W杯や世界選手権では体幹の弱さ、体幹の安定が課題と感じた。一方でボデイバランスが良くなっており、コンディションが悪くても大きく落ちることがなくなった」と基礎力アップに自信を見せる。オリンピックイヤーの今年。「周りの期待はとても嬉しいです。自分を見失わないようにしたい。オリンピックに出るというより、前のシーズンよりさらに強くなるという姿勢で臨んでいく。その意味でも周囲の環境に左右されない『静心』をいつも保てるように心がけたい」。津南中学時代、駅伝やクロカンスキーにチームで取り組んだ時の心構え『静心』を今もしっかり選手活動の理念として胸に秘めている。

写真・イタリアでの世界選手権で力走する小林選手(小林選手提供、共同通信撮影)

わさび栽培成功、北野で初収穫、鈴木丑三さん指導  5月17日号
 「良いわさびが採れた。本場の伊豆と同格のできだ」。豊かな湧水活用し、津南町・栄村・十日町市の関係者が連携、わさび栽培の特産化をめざし、2年前に作った栄村北野湧水を利用した試験田。15日に初収穫を行い、15a余に成長した良質なわさびを収穫。指導する農水省認定の全国わさびマイスター・鈴木丑三さん(81・伊豆市・津南町相吉出身)は「思った以上に素晴らしい出来。市場でも十分に通じる」と生育状況を高評価している。

 2年前の秋、栄村の協力を得て始まったわさび試験田。約14平方bに北野湧水を活用した流水田を作り、鈴木さんが持参したわさび品種250本を植えた。通常は春に植えるのを、秋に植える変則栽培のため未成育もあったが順調に生育。太さ3a余、長さ15a余に育ったわさび。鈴木さんは「秋植えのわさびがここまで成長するのは水の力がある証拠。わさびの色がよく驚いた。私が伊豆で作るものと同格だ」と太鼓判。 さらに「わさびは葉、茎も利用でき、捨てる所がない。小ぶりのわさびをまるごと一本求めるそば屋が増え、ニーズは高まっている。今回の結果は津南でも通じるデータ。持っている技術はすべて伝えたいし、故郷に恩返ししたい」と想いを話す。この日、新たに苗2百本を植栽。1年半後の来秋9月に収穫予定。春植えの生育状況に関心が集まる。なお今回収穫のわさびは地元業者を通して市場評価してもらう方針だ。

写真・初収穫する鈴木丑三さん(15日、栄村北野で)

ジオパークを体感、見玉断崖を前に昼食会  5月17日号
 「すごーい、崖がよく見えるよ」。溶岩が作り出す柱状節理が一望できる地として、津南ジオパーク構想や町観光の目玉として注目を集める見玉地区の大久保公園で遊ぶ中津小(星名哲也校長、39人)の「親子仲良し遠足」は13日開催。親子70人余が同小から公園まで6`余を歩き、約2時間かけ到着。中津川が作り出した河岸段丘の絶壁を眺めながらお弁当を広げ、新緑の薫風のなかランチタイムを楽しんだ。

 住民有志で6年前から整備を続ける約5fの同公園。中津小も協力し昨年児童がオオヤマザクラ30本を植樹。今回初企画の親子遠足は地元を歩き親子の絆を深めて桜の成長も確かめようと開いた。5年の瀧澤友佳さんは「すごく景色がいい場所。去年植えた桜が早く大きくなるといいな」と友だちと公園を走り回り満面の笑み。

 なお町は今年、国道405号から同公園入口まで約4百bを大型バスが入るよう道路を舗装。親水をねらいに池を作り、大型看板を設置するなど約2500万円で景観整備する方針。同地は崖側に安全柵など未設置のため、集落の許可がないと立入りはできない。

水利権の期間更新「20年」か、JR東・宮中取水ダム  5月10日号
 不正取水で水利権取り消し後、5年間の試験放流に取り組むJR東・宮中取水ダム。4年目の試験放流に臨むなか、最終年に向けた計画策定、さらにその後の水利権の期間更新に向け、JR東は地元と定期的な意見交換の場を設け、4月から毎月1回、地元十日町市、中魚漁協などと今後の取り組み方針について意見交換を始めている。
 この意見交換を担当するJR東・信濃川発電所業務改善事務所(佐坂秀俊所長)によると、毎月のメンバーは市建設部、中魚漁協、十日町土地改良区、信濃川をよみがえらせる会、JR東の代表者で先月25日からスタートしている。

 5年間の試験放流は、不正取水後に取り消された水利権を、関係利水権者の同意を得て5年間の水利権を取得、発電事業を再開している。この水利権を期間更新するには、宮中ダム放流量の決める必要があり、そのデータ収集、さらには河川環境の研究のために試験放流を実施している。

 特に4年目の今年は、全国的に稀な「流況型変動放流」に取り組む。河川の自然の流量に応じてダム放流量を決める。今回は自然流量に応じて毎秒50dから100dを規定。さらに試験的に夏の渇水期(8月16日〜20日)、サケ遡上期(10月15日〜19日)に毎秒40d放流を試みる。

 毎月1回の意見交換の場では、変動放流のデータや河川環境の変化などについてJRが説明し、意見を交わしている。

 注目は、水利権の期間更新。JRでは河川法に従い、ダム建設後100年以上経過の場合は「期間更新10年以内」、100年以内は「20年以内」の規定に沿い、今回2015年6月30日に期限を迎える水利権の期間更新は「20年」とする方針だ。このため、1年後の来年2014年12月には期間更新の申請をする必要があり、今年の変動型法流の成果が大きく影響するものと見られる。

写真・ワイドになった魚道観察室の窓。6月にはアユ遡上が見られる(宮中ダムで)

明日へ「平木結さん・地域おこし協力隊」、運命的ですね。  5月10日号
 『結(ゆい)』という名前。「運命的なものを感じます」。地域おこし協力隊として入った地域は、結という文字が入る集落「秋山郷・結東(けっとう)」。それも、初めての地ではない。昨年の第5回大地の芸術祭で津南・十日町地域を訪れ、結東にある温泉宿「かたくりの宿」に宿泊している。「私が、この地に呼ばれているようにも感じています」。

※※※

 津南町が初めて全国募集した総務省の「地域おこし協力隊」。この募集を教えてくれたのは5歳違いの姉。東京・三鷹市で生まれ育ち、農山村生活を知らない。だが大学時代(恵泉女学園)に専攻した人間社会学のゼミ活動が契機になった。東京・多摩地域で中山間地の暮らしや地域活動をフィールドワーク。「自分が気づかなかった地域の暮らしや活動があり、そうした活動に取り組む人にとても興味がわきました」。大学の実践活動が、次への目標を示してくれた。
 大学2年の時、TVで「大地の芸術祭」を知る。その地は、母の出身である新潟県。ますます関心が深まった。昨夏、芸術祭スタッフ「こへび隊」に参加し、松代・蓬平の「生花の家」などを担当。その芸術祭の最中、地域おこし協力隊の募集を聞く。「本当に運命的でした」。すぐに応募。面接を受け、採用が決まった。

※※※

 大学の卒論は、地域おこしと食の関係をリポート。甲府の「とりもつ煮」など現地調査を重ね、『日本を元気にする!B級ご当地グルメ』のタイトルでまとめた。
 「地元の人たちが、その地域の活動や食に誇りを持ち、自分たちが暮らす地域を好きになる、これがとても大切と感じました」。それは、地域おこし協力隊への応募動機に通じ、実践家となる自分の姿でもあった。
 4月1日、残雪1bを越える秋山郷結東に初めてマイカーで入った。免許を取って半年。「途中でバスに遭ったです。どうしようと慌てましたが、なんとかなりました。皆さんから言われています。この道を毎日通えば、運転が上手になると。そうかもしれませんね」。
 担当の結東集落は、戸数25世帯60人、高齢化率43・3%の地区。赴任して1ヶ月が過ぎた。「毎日、家めぐりです。『お茶飲んで行かねかい』と誘ってくださり、嬉しいです。漬物が美味しいですね」。この1ヶ月で名刺100枚以上を使った。
今週中には『結東発』のブログを発信する。さらに「結東の人たち向けと共に、津南の皆さんに『かわら版』みたいなものを出す計画です。それに毎月1回、地元の人たちとの親睦会を開き、もっと交流を深めたいです」。地域おこし協力隊の先輩地、十日町市の協力隊とも連携していく方針だ。

 ※※※

 初めての独り暮らし。結東克雪センターの一室に事務所を設け、ここを拠点に活動。今春、嬉しいことがあった。地元の「かたくりの宿」に同世代の女性従業員が入った。大学時代の松村正治教授のゼミのフィールドワークも来てほしいと期待する。中学から大学までバドミントンに取り組み、健康には自信がある。
「3年後の自分が楽しみです。人と人とのつながりを大切にしていきたいです」。    (恩田昌美)

10代のまなざし「早坂菜月さん・十日町高3年」 思いを伝えたい  5月10日号
 『君も伝えたいことがあるのなら/背中を向けてちゃいけないぜ/いつも以上に素直になって/相手の目を見つめて/ちゃんと相手の心に届くよう/大きな声で歌え!』
 いま、はまっているシンガーソングライター・阿部真央の曲の一節。飯山線での通学時間によく聞く。
 「歌詞が心に響くんです。ネットで知り、今はすっかり大ファンです。新潟でのライブ、よかったなぁ」。

 高校3年生。慣れ親しんだ故郷を離れる日が近づいている。明確な進路はまだ決めていないが、志すのは人と直接ふれあう職業。
 「人が喜び、感謝して貰える仕事につきたいんです。『ありがとう』と笑顔で言われるって、すごく素敵なことだから」。
 ふたつの進路で揺れる。一つは看護師。姉は今春から柏崎の看護学校に進学。アドバイスを受けている。

「昔からお年寄りの方とのおしゃべりが大好きなんです。世代が違う方と話すと、自分が意識していない普段の風景の良さを教えてくれたり、新しい発見があります。看護師になれば手に職も付くし、もっといろんな話が聞けるのかなって」。
もう一つは美容関係。小学時代から化粧や髪型のセットに興味があった。「友だちの髪をセットした時、褒められたんです。それ以来ずっと学んでいます。やっぱり人にほめられるともっと上手くなりたいな、と思いますよね」。
 
 高1の時、腰椎分離症の悪化で激しい運動はできなくなり、続けていたバレーを断念。代わりにドラッグストアでのアルバイトをスタート。もう1年半になる。
「もう治らないとお医者さんに言われて、本当にショックでしたね。でも何もしないのも嫌だったので、学校の許可を取り、バイトを始めました」。
週4回、夕方からレジに立つ。顔見知りになったおじいちゃんやおばあちゃんと会うのが楽しい。
「お金を稼ぐ大変さを初めて知りました。自分で働いて生きる、当たり前のことを知らなかったんですね」。

 バイト代は進学時の学費や自動車学校に通うため貯めている。
「母は独りで私たち3姉妹を育てています。将来のためにどうしても必要なお金なので、自分で払える分は払いたい。勉強をしながら、バイトは卒業するまで続けたいです」。
友人からははっきり物事をいう、とよく言われる。
 「ストレートに気持ちをぶつけるのは大事だと思います。本音を言わないと分かり合えませんから。『ちゃんと相手の心に届くよう 大きな声で歌え!』ですね。色んな人のストレートな気持ちを聞いてみたいな」。
     (石沢修一)

ミニバイクレースで総合優勝、十日町・川田竜也さん  5月10日号
 ミニバイクレース・新潟大会で初の総合優勝―。津南町のパン・菓子製造卸・松屋に勤める川田竜也選手(40、十日町市大黒沢)が昨年のライディングスポーツカップ2&4SPNシリーズ2012の中級クラスで総合優勝を飾った。今年は仕事などの関係で参戦できないレースもあり「総合優勝は狙えないが、出場できるレースでトップを狙いたい」と意欲を燃やしている。

 川田選手はバイク愛好者だった父や兄の影響を受け、知人の紹介で高校2年の時から県内で開催のレースに出場、21歳まで参戦した。その後、結婚を契機に大会から遠去かっていたが、再び誘いを受けて3年前にレースに復帰。昨年、第1戦で2位につけるとその後も好調を維持し、ベストラップ1周(約1`)58・242秒をマークするなど5戦のうち優勝1回、準優勝2回を獲得し念願の総合優勝を獲得した。

 大会は4サイクル100tと2サイクル50tバイクが中心の混成レース。新潟会場は胎内市サーキット場で、1周約1`のコースを10〜12周しタイムを競う。コーナーリングでは転倒ぎりぎりにバイクを倒すなどレーサーの体力と技術が必要なスポーツだ。

 仕事場では同僚から「温厚実直」と言われ、一般的なライダーのイメージはないが、レースに臨むと闘志が沸いて来るという。川田選手は「思いっきり走れるのがミニバイクの面白さ。仲間の先輩は60歳を過ぎても大会に出場しているので、同じように歳をとっても続けていきたい」と話し、今季、自身では初戦となる7月のレースに向けトレーニングを積んでいる。

津南へ「凱旋コント」、出身の金子さん・うしろシテイ  5月10日号
 ○…津南町陣場下出身の金子学さん(32)と阿諏訪泰義さん(30、神奈川出身)のお笑いコンビ「うしろシティ」(松竹芸能所属)。昨秋のコント日本一をめざす「キング・オブ・コント」決勝ラウンド進出、さらにNHK新人芸能大賞受賞で注目を集める若手有望株だ。今月3日、津南町成人式に登場し地元初凱旋ライブ。金子さんは「もっと全国で活躍し、津南の人が出身地を聞かれた時に『うしろシティが生まれた町だ』と言われるくらい有名になりたい」と意欲を話した。

 ○…同コンビは結成4年目。昨年の受賞を契機に4月から県内でも放映中の『バチバチエレキテる』(NST)など、レギュラーテレビ番組3本に出演。人気若手女優の剛力彩芽さんと共演する番組も。津南の新成人の前では飯山線の駅や松屋、伊勢屋旅館など地元ネタを混ぜたコントを披露し笑いを誘った。3年振りの実家帰省となった金子さんは「もっと活躍しテレビに出て、津南のPRもしたい。僕らを津南の観光大使にどうですか。全力で協力しますよ」とにっこり。津南まつりなどのイベントに招待する計画もあり、今後も要注目だ。 (石沢修一)

極めて貴重「緑のカタクリの花」発見  5月3日号
 ○…数万本に1本という白色のカタクリよりさらにめずらしいといわれる緑色のカタクリの花を先月28日、日本自然保護協会会員の南雲敏夫さん(59、十日町市中屋敷)が魚沼地方の山で見つけ写真に収めた。「緑色のカタクリは初めて見た。自然の不思議さに感動しています」と驚いている。

 ○…南雲さんは、植物や鳥類の写真撮影のため魚沼地方の山を登って下山途中で見つけた。カタクリの花は通常は紫色。「まさかと思いましたね。逆を見ていれば気付くこともなかった」と話し、29日にもキョロロの研究員を連れて観察した。植物に詳しい津南町の中沢英正さん写真を見せたところ、「何代も前の先祖がもっていた遺伝上の形質が、突然その子孫のある個体に現れる『先祖帰り』ではないか」と話した。南雲さんは「魚沼全山を探してもここだけだろう。これだから自然観察は面白い」と話している。
                (村山栄一)

明日へ 「自然流のふたり、感謝を伝えたい」、4日挙式のふたり  5月3日号
 ばっさり髪を切り、ショートカットにした2年前。あの時から髪を切っていない丸山菜々子さん(24)。肩まで伸びた髪。子どもたち相手の仕事中は、後ろに束ねている。髪が伸びた時間の長さは、「大ちゃん」と思いを育んだ時間の長さだ。その伸びた髪が、あす4日、『角隠し』でおおわれる。
 
 「菜々の角隠し姿のお嫁さん姿が見たい」。来年80歳を迎える祖母。今冬2月、突然の病に襲われ、以来、リハビリに取り組む。『おばあちゃん子』の菜々子さん。祖母の思いを実現したい、祖母の頑張るリハビリを応援したい、そんな思いで伝統的な嫁入りの『角隠し姿』で生家を出ることを決めた。「おばあちゃんが元気になれば、と思います」。

 津南高校の3年の時、グラウンドを走る「大ちゃん」を見た。
箱根駅伝をめざし、小中高と長距離ランナーで活躍した江村大輔さん(29)。「親に迷惑はかけられない」と大学進学を断念し、トヨタに入る。6万人規模の会社工場の駅伝クラブに入り、走り続ける。4年間の社会人経験を踏まえ、津南に帰っても走り続けた。高校時代の恩師が在職していた関係で、高校グラウンドを使わせてもらった。
 「あっ、今日も走っている、そんな感じでした。小学校の頃から知っていましたから。頑張るなーという感じでした」。菜々子さんは、保育士めざし進学。津南に帰ることは、決めていた。
 
 ふたりの家は、直線で7百bほどしか離れていない。お互いの家族も友だちも良く知る。大輔さんは、走り仲間と「心友懸走会」を作り、県内外の駅伝大会などに出場。個人的にも長距離ランナー活動に取り組む。
 同じように、小中高と駅伝やクロスカントリースキーなど、スポーツに取り組んできた菜々子さん。津南に帰り、ランニング活動するグループを知り、その中に「大ちゃん」がいた。小学時代から良く知る同士。自然に話が始まった。そして、自然に思いが通じた。すべてが自然のなりゆき。

 「ちょっと心配でした。女の子は華々しい挙式にあこがれますから。でも、菜々は、『そうでしょう』でした。嬉しかったですね」。
 昨年3月、「挙式は地元であげよう」、そう決めた2人。ニュー・グリーンピア津南(NGP津南)に出向いた。「ここに暮らす人が、地元で挙式をあげる、自然なことじゃないですか」。そんなふたりの思いに応え、NGP津南は、会場となる6階ホールをリニューアルし、床カーペットや壁などを新装した。
 「津南が好き、という思いですが、これは津南に限らず、どこに暮らしても、その地域を好きになる、これが大切では」。地元にこだわる、そんな固い思いではない。自然流のリラックスするふたりの思いだ。

 友だちが友だちを呼ぶ、そんなふたりだ。挙式披露宴には98人。続く友だち呼び会には120人。それも、ふたりを育ててくれた地元の温泉旅館「雪国」で開く。そんな選択も、ふたりにとっては「別に、普通じゃないですか」と、あくまでもさらりと自然流だ。
マイホームは、地元の空家を求めた。「実は、もう1年以上も前に求めたんです。いやー、友だちが来てはバーベキューだとか、飲み会だとか、たまり場になっています」。総合型スポーツ事業に取り組むNPO事務局長の大輔さんの友だち、菜々子さんの友だち、友だちが友だちをと、ますます広がる「友だちの輪」。友だち呼び会には、心友懸走会が県境地震の震災復興で行った飯山市からの自転車リレーに参加した60代の男性も出席する。

 「来ていただく皆さんに感謝の気持ちを伝えたい、それが私たちの5月4日です」。あす4日、新装されたニュー・グリーンピア津南のホールで、ふたりの新たな歩みが始まる。
                      (恩田昌美)

10代のまなざし「福原麻以さん、津南中等校5学年、津南町」 若き感性、国連へ国防総省へ  5月3日号
 2001年「9・11」。あの映像が、今も鮮明によみがえる。ニューヨークの超高層、世界貿易センタービルに旅客機が突っ込んだテロ。保育園の頃だった。自分の誕生月が訪れ、うきうき気分だった9月。だが、あの映像に大きなショックを受けた。それが「世界」への関心を芽生えさせた。今年の夏、米国の国務省、国防総省、国連などを日本の高校生代表40人の一員として訪れる。
 「質問の時間もあるので、世界には学べない子どもたちがたくさんいます。国連ではどんな対策を立てているのか聞きたいです。国防総省では、9・11から始まった米国のイラク侵攻を聞きたいです。多くの犠牲者を出しているわけですから」

 大手保険会社AIUは毎年、米国と日本の高校生国際交流プログラムを27年前から実施。今年は7月21日〜8月12日。定員40人に全国から840人応募、21倍の難関。書類選考の1次試験では「日米関係について」の設問もあった。
 「私は、ノーと言えない日本を書きました。今の日本は、アメリカが決めたこと、言ってきたことに対してNOといえない場合が多いです。多くの資源を輸入する日本の現状との関係をリポートしました」。

 2次試験は英語力試験とグループ面接、個人面接。応募の動機を聞かれた。英語力をつけるため英語圏で生の英語を体験したい、さらに『夢の実現』のために世界に多くの友を創りたい、と面接官に答えた。その夢とは。
 「世界には学べない子たちが数億人いると聞きます。その子たちのために学ぶ場である学校を建てたい」
 なぜ、そう思ったのか。国際的な仕事に就きたいと進んだ県立津南中等校。だが中1の終り頃、「なぜ勉強しなくてはならないのか」と自問。その頃たまたま手に取った本で、世界には学べない子どもたちがたくさんいることを知る。 
 「ショッキングでした。自分はなんて恵まれているんだと。学ぶ意欲があるのに、学ぶ場がないために学べない。自分にもできることがあると感じました」

 学校のALT(外国人英語助手)と積極的に話し、英語でメール交換、英検にもチャレンジ。中学3年、高校1年と続けて英語スピーチコンテストに出場し、国際紛争の原因などを若い感性で主張するなど、目の前のチャンスに果敢に挑戦し続けている。
 「プログラムでは、向こうでプレゼンテーションの場があります。日本からの5人がチームを組み、自分たちでテーマを決め発表します。私たちは社会問題としてエネルギー問題を取り上げます」
 宮崎、岐阜、神奈川、兵庫の仲間たちと、同時通話できるインターネット電話・スカイプを使い、意見をまとめている。バレーボールでチームプレーの大切さ、生徒会副会長で組織作りを学び、仲間の存在の大切さを感じている。

新十日町病院、いよいよ着工、27年に部分開業  5月3日号
 2次医療の地域中核病院として改築される県立十日町病院は、今年夏に旧看護学校だった厚生棟を解体し、新病院建設工事を今年中に発注し、来春、外来棟建設に着工する見通しが明らかになった。
先月30日、定例会見した尾身孝昭県議によると、外来棟は2年後に完成し、7階建ての入院棟は平成30年に完成し、新十日町病院全体が完成する計画だ。尾身県議は「新病院は県が作るが、周辺の緑化を含めた整備は十日町市が担当してほしい」と、県立新発田病院の周辺緑化整備を市が主導して行った例を挙げ、地元自治体の取り組みを促した。さらに医師、看護師不足に対応するため、県は4月から福祉保健部に「医師・看護職員確保対策課」を新設し、27年開業の魚沼基幹病院、新十日町病院の医療スタッフ確保に専門的に取り組む方針だ。

 県の新年度予算では、新病院の実施設計費と厚生棟解体工事の予算3億530万円を計上している。改築計画は、1期工事として厚生棟を解体し、現在の駐車場に5階建て、一部7階建ての外来棟を建設。2期工事では現在の外来棟と入院病棟を解体し、7階建ての入院棟を建設し、今の入院病棟の場所に駐車場を造成する。新病院棟の地階には駐車場を設け、80台余が収容できる。さらに最上階の7階には、展望レストランを計画し、最近人気の「究極の健康食」などを視野に、テナント営業が期待される。

 関心が集まる運営母体は、泉田知事方針の「公設民営」の通り、県も進める方針だが具体的な方針が示されていない。27年に先発開業する魚沼基幹病院は、新潟大が主体となり、県や関係自治体が出資する「財団法人・新潟県地域医療推進機構」が運営する。新十日町病院も、この財団が運営することも一つの選択肢になっている。
尾身県議は「医師確保に県は専門的に取り組むセクションを作った。医師を確保するためには教育環境の充実が必要。県立津南中等校が実績をあげており、その教育環境の一つになっている」と話し、浦佐の国際情報高には今年度から「海外大学進学コース」を設置し、人材育成に乗り出している。

写真・地図の黄色部分が新病院、青い部分は現在の病院で駐車場になる。説明する尾身県議。

人の魅力で津南ファン誘客を、津南町観光協会  5月3日号
 津南町観光協会(尾池三佐子会長、239会員)総会は25日、町役場で開催。役員改選を行い、尾池会長(2期目)、副会長の宮沢金作(4期目)、小林幸一(2期目)両氏が留任。さらに運営体制充実をねらいに理事を4人増の18人に増員(無報酬)。尾池会長は「津南に元々ある魅力、食べ物や住民の人間性を前面に出し『この人に会いに行きたい』という津南ファンを増やしたい」と方針を語った。

 町が今年度本腰を入れる秋山郷の観光整備。栄村と共同使用するロゴマークは決定。さらに町は見玉地区整備、秋成逆巻地内に中津川に降りる新遊歩道設置、見倉地区風穴周辺整備など約3454万円を組む。町観光協会も歩調を合わせ、好評の「秋山郷やすらぎウォーク」を新緑6月と紅葉10月の年2回開催に増やし、地元ガイド・ふるさと案内人養成などで連携。秋山郷を基盤とした観光振興を図る。総会で上村町長は「津南の一人当たりの客単価はおそらく1万6千円ほど。これを3千円余上げる努力がいる。どう付加価値を付けるか。観光を津南産業の一翼を担う事業とし、町民所得向上に努めたい」と強調した。

 なお町のデータによると、昨年の観光入込は第5回大地の芸術祭効果もあり、前年比約25%増の54万4062人となっている。
 役員は次の通り。
 ▽会長=尾池三佐子(サンベリー)▽副会長=宮沢金作(フジミヤ)小林幸一(共和建設)▽理事=石沢哲(山源木工)樋口明(ニュー・グリーンピア津南)中山弘(町議)山岸博之(森宮交通)樋口チセ(セブンイレブン正面店)高橋政徳(町商工会)石橋優美子(スノーランド)恩田稔(町議)本山佐利(農業)田中ふみ子(農業)高橋誠一郎(町森林組合、新)宮澤嘉孝(JA津南町、新)山岸麗好(しなの荘、新)藤木司(上村建設、新)村山祥吾(町役場商工観光班長兼事務局長、新)▽監事=赤松孝幸(北越銀行)高橋真二(塩沢信用組合、新)

写真・今年観光施設に設置する案内看板の統一デザインと看板イメージ

震災の栄村、歴史資料の保存保護を  5月3日号
 被災した土蔵から救出した古文書から約170年前の善光寺地震の栄村被害を示す新発見史料が見つかるなど、注目を集める栄村の歴史資料。栄村と縁ある研究者の呼びかけで活動する「地域史料保全有志の会」(代表・白水智中央学院大准教授)。連休に合わせ27日から1日の5日間、研究者や住民ら25人余が保管場所の志久見分校に集い、民具や古文書などの整理作業に当たった。栄村では今年度予算に同分校耐震化と展示施設改修設計費約6百万円を計上。研究者らと連携し、初の歴史拠点施設を設置に向け動いている。

 県境地震被災の民具や古文書など、同会が救出した貴重な文化財は3万点余に登る。今回の活動では森地区の廣瀬家土蔵から救出した史料のリスト作成、写真撮影など実施。昭和初期にスキー板に貼付け滑り止めとして使用したアザラシの皮や明治初期の納税領収書、証文などを調べた。整理には地元住民も参加。中村正文さん(70、原向)は「初めて来たが、よくこれだけの民具や古文書が残っていたと思う。栄村の宝だ。活用しなきゃもったいない」と興味深そうに話した。

 同会は6月7〜10日、7月12〜15日、8月16〜20日にも保全活動を予定。住民参加を募る。白水代表(52)は「まだ見ていない絵図や古文書も多く、新たな発見が期待できる。栄村の歴史を間近で見られるチャンス。経験者がしっかり指導するので未経験者でも大丈夫。気軽に参加してほしい」と呼びかける。同会の活動はウェブ「地域史料保全有志の会」で検索。
参加希望は白水代表Eメールven05021@nifty.com   (石沢修一)


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