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2013年02月の津南新聞「トピックス」

過去の津南新聞トピックス
迫る水利権再更新、試験法流が新たな段階へ、4月から全国初の変動型放流  2月22日号
 ダム取水の不正取水で水利権取消後、5年間の暫定水利権を取得し、放流量を変化させて河川環境を調査する5年間の試験放流に取り組むJR東・宮中取水ダムは、今年試験放流4年目を向かえ、全国初となる「変動型放流(自然流況型放流)」を4月1日から実施する。19日開いた第4回宮中取水ダム試験放流検証委員会(会長・西澤輝泰新潟大名誉教授)で明らかにした。全国初の取り組みで河川環境がどう改善されるか、さらに水利権の再更新を向かえる最終年5年目に向けた取り組みにも大きく影響するため、今年の変動型放流に大きな関心が集まる。

 計画によると、4月1日から11月30日の間、宮中取水ダムの流入量に応じて毎秒50dから100dまで6段階の放流量を定めている。さらに期間中、試験放流では最大値となる法流量120dを4日程度実施するほか、夏季と秋季の各5日間、同期間の試験放流では最少の40d放流を計画している。実施時期は地元行政などと協議して決める方針だ。
 変動型放流は期間中、毎秒40d以上を基本に6段階の放流量を設定。前日のダム流入量が毎秒85dから180d以下の場合は毎秒50d放流。順次、流入量の増加に合わせ6段階を設け、段階ごとに毎秒10d増え、最大値は流入量380d以上で100d放流となる。この放流は、川の自然流入に合わせた放流方法で「自然流況型」ともいわれる。一方、12月1日から3月31日までは前年同様に毎秒40d放流だ。

 19日の検証委員会で新潟大・大熊孝名誉教授は「日本で最初の変動型放流となり、全国が注目している」と今年4年目の放流に大きな関心を寄せる。さらに地元十日町市の関口芳史市長は、4年目の重要性に、さらに言及した。「5年目は、4年目までの調査結果を踏まえてとなっているが、5年目はフリーハンドともいえる。JR東が2年後の平成27年6月に水利権許可申請する時、調査研究の結果を踏まえて申請することになっている。その意味で5年目の決め方は重要であり、その後に大きな影響を与える。今までとは違うステージに入ることになる」。

 迫る水利権の再更新を視野に、地元行政、流域水利権者、住民など含めた大きな地域課題として取り組む姿勢を見せた。
一方、利水権者の中魚漁協・長谷川克一組合長は「あるべき放流量を苦労して研究する姿勢は感じられるが、40dでは少ないという基本的な部分はなんら変わらない。今年の変動型放流は、試験放流最終年の5年目への大きな意味があり、5年間の暫定水利権の最後の年でもあり、この試験放流の成果が重要になる」と変動型放流を見ている。

 水利権取り消し後、5年間の暫定水利権を取得し、その期間、試験放流で河川環境を調査し、「あるべき法流量」を探るJR東。5年目には再度、水利権更新が必要になる。それは流域の水利権者の同意が再度必要になること。十日町市関係では十日町市、十日町土地改良区、中魚漁協の3団体と下流域の小千谷市、長岡市関係の4団体。再度の水利権更新には7団体の利水権者の同意が必要になる。全国初の変動型放流で注目を集める信濃川中流域だが、今年と来年は水利権再更新をめぐり、発電取水と河川環境のあり方をめぐり、再び論議が交わされることになる。

写真・今年4月から全校初の変動型放流を行うJR東・西大滝ダム

地域課題を探る「秋山郷観光の行方」魅力は何か、津南と栄村が交流模索  2月22日号
 日本三大秘境、平家の落人伝説の地などと形容され、秘境ブームや登山ブームでかつて多くの入り込みで賑わった秋山郷。だが最近、観光入り込みは減少傾向で、「自然は全国どこにでもある。自然美だけでは、人は呼べないし、来ない」と、観光関係者は新たな摸索を始めているが、なかなか決め手は見つからない。2年前から長野、新潟の両県出先事務所の橋渡しで、津南町と栄村の秋山郷に関係する観光関係者らが一堂に会し、テーマ別のワークショップなどを開き、秋山郷観光のあり方を探る活動が始っている。「全国的に知られる地名は『秋山郷』という点では一致しているが…」。両町村の秋山郷観光への考え方の差が、そのまま観光活動にも出ており、県境で分断される秋山郷の誘客の決め手は、なかなか見つからない。

 津南町と栄村は昨年、「秋山郷の観光看板を統一」ということで合意し、津南町がネットを使って全国公募し86作品が集まった。だが募集内容が具体化すると、観光看板というより、看板につける「ワンポイントマーク」の募集だったことが判明。応募作品は、観光看板そのものをデザインした作品も多く見られ、地図を全体にデザインした作品など、公募した側の意向とは違う作品が多数あった。
 集まった作品は、今月末までに津南町と栄村の職員、ニュー・グリーンピア津南の職員の約280人の投票形式でトップ10を決め、その中から両行政で1点を選ぶ方針だ。

 津南町が考えている観光看板は「道案内看板」。観光施設や名所を分かりやすく案内する同形の統一看板。その中に、公募した作品をシンボルマークのように載せる方針だ。
だが栄村では、受け取り方が違う。「見せていただいた看板案は、しっかりした支柱がついた恒久的な看板で、デザインも決まっているようだ。栄村は予算がないので、そうした看板はすぐには出来ない。公募の作品も、なかなか選定は難しい」と、当初企画した「秋山郷の統一看板」への認識に差が出ているようだ。

 一方、津南町は今年、秋山郷観光の整備に重点的に取り組む。国際ジオパーク認定をめざす秋山郷入口の見玉地区整備に本腰を入れる。中津川対岸の侵食と隆起で形成された落差2百b余の大断崖(柱状節理)が展望できる場所を整備。中津川が深く蛇行する秋成逆巻では国道405号わきにバス駐車場を設け、歩いて中津川に下りられる遊歩道を新設。見倉地区では風穴周辺を整備。一帯の貴重な植生を保護し、地域文化との関係などを整備する。さらに大赤沢では、蛇渕の滝の展望台を拡張整備するなど、全体で約3454万円を予定している。

 津南町と栄村の両町村の意見交換会はこれまで4回開催。「秋山郷のいいとこ探し」や「秋山郷観光の今後」などをテーマにワークショップ形式で意見を交わしている。参加者は秋山郷の宿泊施設関係者、特産販売店、両町村行政など。来月にさらに2回開く計画だ。

 「主にソフト事業面がテーマで、どう絞り込めるか、それが課題」(津南町地域振興課)、一方、「これから、どう具体的な目標や方向性が出せるかが課題。秋山郷観光への認識の差もあり、統一的な取り組みができるのかどうか」(栄村商工観光課)。両県の橋渡しでスタートしている意見交換の場は、これから秋山郷観光をどう絞り込み、さらに具体的な目標設定ができるかが大きな課題になる。さらに、『秋山郷観光への認識の差』、秋山郷の価値をどう見い出し、何を魅力とするかなど、同一歩調が取れるかどうかも課題だ。両行政の取り組み姿勢と共に秋山郷観光への価値観の問題にもなっている。

写真・津南町結東「石垣田」でのキャンドルイベント(昨年6月)

10代のまなざし「涌井咲笑さん」吹奏楽の楽しさを  2月22日号
「小学校6年の時に出場した東京での発表会が忘れられません。コンクールではなかったので、間違いを恐れることもなく、みんな伸び伸び演奏できたんです。泊りがけだったこともよい思い出になっています。楽しかった」
 新年度には、津南中吹奏楽部を引っ張っていく3年生となる。しかも部員仲間の投票で新部長に決まった。
 「まだまだ技術を高めていかなければなりません。でも、それだけではなく、挨拶がきちんとできるようになるなど、いろんな部分で高めていかなければならないと思っています」

 現在の1、2年の部員は総勢16人。吹奏楽コンクールは昨年から20人以下の「小編成の部」がなくなり、30人以下編成の「中学B部」に統合された。
 「やはり人数が少ないというのは大きなハンディです。30人とその半分の16人じゃ迫力も違うし、間違いの音がすぐに分かってしまいますから。でも、それだけ厳しい中で挑戦するということに、大きな意義があると思います」
ひとつの曲をみんなで仕上げること。吹奏楽部の最大の魅力は、その「音楽を創る」ことの素晴らしさ、楽しさを、部員仲間と一緒に分かち合えるということだ。
 「部員が少ないというのは仕方ないこと。でも、音を合わすことができれば迫力だって出せるんです。目標は中越地区コンクールで金賞を取って県大会に出場することです」

 普段、聞いている音楽は若い女の子と変わりない人気アイドルのポップス系。
 「もうKポップが大好き。周りの友だちは『えー、嫌だぁ』っていうんですけど、何で嫌なのか分かりません。歌もいいんですけど、プロになっても毎日6時間も練習しているということも聞き、すごいなあって感動しちゃいます。もちろん、部屋にはKポップグループのポスターを貼っています」
 Kポップグループの影響もあるが、将来は通訳の仕事をしたいという。
 「大好きなKポップの韓国語はもちろん、中国語や英語も会話できるようになりたいです。まだどれもこれからの勉強になるけど、例えば中国など世界の中心みたいになっているし、これから外国語を話せることは役に立つと思っているからです」
 小学4年からの津南小音楽サークル。音楽から大きな影響を受けてきた。

 「高校に進学してからも、何らかの形で音楽には接していきたいです。例えば吹奏楽部でなく軽音楽部とか。でも、先ずは現在の目標をめざしていくことです」
 新吹奏楽部長としての思いがある。
 「吹奏楽部が歴史をつないでいってもらうためにも、部員が増えてほしいということです。新1年生からは吹奏楽で音楽の魅力をぜひ体験してほしいと思います。ぜひ入部して下さい」

米検査競う、全校大会で4位入賞、津南の福原浩太郎さん  2月22日
 津南町のコメ検査員が全国4位に―。第7回全集連全国農産物鑑定競技会が15日、東京・日本橋の東京証券会館で開かれ、県予選を勝ち抜いた全国22集荷組合の代表36人が参加、日本一をめざし鑑定技能を競った。この中で新潟県代表として出場した津南町・大阪屋商店の福原浩太郎さん(44)が4位に入り、優秀賞を受賞した。福原さんは「本当にうれしい。地元はじめ県全体の信用度アップにさらに貢献していきたい」と話している。

 同競技会はJAを除く民間集荷組合の農産物検査員を対象として開催。新潟県ブロックは今年1月下旬に上、中、下越地区で総勢76人が参加して予選を行い、今月7日に上位6人による県代表決定戦を行って2人の代表を選出。福原さんはその中の1人に入った。

 全国競技会では、あらかじめ1〜3等と規格外を用意した新潟・コシヒカリや宮城・ひとめぼれ、岡山・ヒノヒカリ、佐賀・ヒヨクモチなどもち米を含む全国40品種の等級を、容器に触れてはならない「見た目」のみでいかに早く正確に鑑定するかを競った。正解は1点10点の四百点満点。この結果、優勝者は390点で次点は福原さんを含む5人が360点となり、タイム差で福原さんは4位となった。

 福原さんは今年で同検査員8年目。昨年は検査員10年の津端喜重さんが全国出場しており、同社では2年連続の全国出場となった。

活動30周年お東京栄村会、今年記念誌発刊  2月22日号
 ふるさとの人口の10%、約2百人の会員で活動する東京栄村会(広瀬俊夫会長)の新年の集いは16日、東京北区「北とぴあ」で開き、会員ら百人余が集い、栄村特産販売の「田舎工房」出店も行われ、参加者は久々に会う同郷の仲間たちとふさると談義で盛り上がった。

 2年前の県境地震で被災した栄村。同会はこれまでに約460万円の義援金を村に贈っている。広瀬会長は「順調な復旧、復興と聞いている。ふるさとにはいつも感謝の気持ちを抱いている。この会は先ず自分たちが楽しむ、そしてふるさと栄村の役に立つ、これが活動目標。今年もふるさとを盛り上げたい」と出席会員に呼びかけた。今年東京栄村会は創立30周年を向かえ、記念誌発刊を計画している。

 栄村から赤津安正議長と共に出席した島田茂樹村長は、震災で村全戸の97%が被災し、住宅再建や農地災害など90%余が復旧し、全国から10億円を超える義援金、寄付金が寄せられているなどを紹介し、「今年は復旧から復興へと本格的に取り組む年となり、45億円(例年25億円規模)の当初予算で取り組む」と復興への取り組み姿勢を見せた。

 総会では姉妹校流する東京・武蔵村山市の藤野勝市長の代理、宮下清佳体育協会長が、「栄村をさらに応援し、交流を充実したい」とメッセージを読み、大きな拍手を受けた。集いには東京栄村会の生みの親である元村長、高橋彦芳さんも出席。昭和58年11月に会員2百人余で設立。「開かれた村に変えたいと、当時全村1200世帯に出身者情報の提供を求めた。今は2千世帯ほどが首都圏にいるのではないか。多くの人と向か合い、交流することが元気の源になるはず。さらに交流を」と期待感を述べた。

 同会には、「絵手紙のむら栄村」活動を起こした絵手紙作家・山路智恵さんと日本絵手紙協会事務局長を長年務めた島田幸吉さんも出席。山路さんは今年4月から毎月数日間、栄村滞在し、絵手紙で栄村を描く活動に取り組み計画の述べると、参加者からさらに大きな拍手が寄せられた。

きもの女王3人、十日町観光親善大使に  2月22日号
 ○…きもの姿の美しさを競う「きもの女王コンテスト」が十日町雪まつり最終日の17日、クロス10で開かれ、第2代きもの女王3人が決まった。それぞれ「とてもうれしい。十日町の親善大使として地域をアピールしていきたい」と語った。

 ○…きもの女王に選ばれたのは、十日町市松代の2児の母・室岡真衣さん(33、松代保育園保育士)と新潟市出身の大学生・小山葵さん(22、富山大薬学部5年)、昨年9月から同市寿町在住の主婦・庄司亜美さん(32)。室岡さんは水泳が得意というスポーツマンで、小山さんはバイオリンやチェロを弾くオーケストラの一員。庄司さんは音楽関係でイギリス留学の経験を持ち、茶道歴は4年。3人は観光親善大使として同市のアピールに務める。

写真・きもの女王の庄司さん、小山さん、室岡さん(左から)

今年着工の新十日町病院、「医師の意向を経営j形態に」  2月15日号
 今年着工予定の新十日町病院の在り方を考える地域医療シンポジウム「新十日町病院を安心の拠点に」が9日、十日町クロス10で開かれた。塚田芳久院長は「誇りを傷つけられれば医師は地域から去っていく。医師たちの考えを反映しない経営形態の変更は医療を崩壊させかねない危険性がある」と警鐘を鳴らし、医師の立場に立った病院経営の在り方を強調した。

 同シンポには関心の高さを反映して6百人余りが参集。県病院局の関川憲司業務課長は「診療科は17科で、県立では初となる緩和ケアの病床を設け、家庭医後期プログラムも設けた。建物は現在地の南側に7階建て、コンパクトに建て駐車場を広く確保したい。地下駐車場も計画している」などスライドを用いて整備基本計画の概要を説明。「中規模病院では充実した病院になる」と話した。これを受け十日町病院の塚田院長は「東京医科歯科大から医師の派遣を受けているが、だんだん医局の医師数が減っている。定年を迎える医師や眼科、耳鼻咽喉科では医局での医師数が少なく、医局頼みの医師確保は難しくなっている」などと医師確保の難しさを説明。「20年後に評価される病院にと緩和ケアの病床も入れた。かかりつけ医との連携も深めたい。十日町に住居を移し生活してもらえるよう医師を大事にしていただきたい。病院を皆さんとともに作っていきたい」と呼びかけた。

 また「まちの病院をなくさないために必要なこと」をテーマに城西大経営学部の伊関友伸教授が講演。「医師に余裕ができれば良い医療が実現し、早期退職の防止にもつながる。それには地域住民の意識改革が必要」などと訴えていた。

 会場から「運営主体の見通しについて」の質問に対し、関川業務課長は「平成27年度を目標に運営主体を決定したい。ドクターや職員がいなくなっては困る。人材供給システムがうまくまわるよう十分検討していきたい」と答えた。
    ○
 一方、休日救急医療のセンター化をめざし4月から十日町市立国民健康保険川西診療所に開設する「休日一次救急診療所」について十日町市中魚沼郡医師会の富田浩会長が説明した。これまでの在宅当番医制度との併用として実施するもので、冨田会長は十日町病院が地域の一次・二次救急医療の大部分を担っている現状を説明しながら「十日町病院への救急患者の集中を減らすことができれば、二次救急が円滑に行われる手助けになる」と指摘。「いずれは十日町病院の近くに開設し、医師を招聘して平日の夜間診療も実施したい」と意向を語った。
 新年度の休日救急は、日曜と年末年始は川西診療所で対応し、それ以外の祝日は在宅当番医が診療する。ただ12〜3月の繁忙期は川西診療所と在宅当番医の2箇所で診療する計画だ。

写真・新潟県病院局が示した新十日町病院の想定イメージ図

2013地域課題を探る「栄村震災復興計画のその後」、総合サポートセンターは村社協に設置  2月15日号
 あれからまもなく2年。震度6強の激震に襲われた長野県・栄村。3月11日の東日本大震災の翌日、長野・新潟県境を襲った県境地震。栄村は住宅の全半壊、一部損壊は694棟におよび、農地など農業災害は全村1002ヵ所に及んだ。栄村の農業を長年研究する信州大農学部・木村和弘名誉教授が全面的に協力し、これを契機に信州大農学部は、その後の震災復興への取り組みの連携協定を結んでいる。震災復興の屋台骨となる「栄村震災復興計画」は昨年10月、策定している。復興計画策定委員会の最終会合、第6回委員会は昨年の9月6日。あれから5ヵ月余り。栄村は、どう動き出したのか。震災復興のポイントとなると復興計画にある「総合サポートセンター」。今日15日、村議会との3回目の協議を行い、方針を出す。

 『被災者の総合的な生活支援を行う「総合サポートセンター」の設置』。栄村震災復興計画の40ページに、明記している。なぜ、サポートセンターが必要か。その前ページの「現状と課題」の中で明確に述べている。
 「各戸の被害は、多様な種類の被害が重なって生じており極めて複合的。例えば農家の被害は住宅だけでなく、農地や農業用施設など多岐に渡っている。…被害の窓口対応が対象ごとでは、被害の把握や対応を十分に行うことはできない。…複合災害に対し、個別対応では、どうしても『たらい回し』的な状況が生じる。スムースに対応するためには、統一した総合的な窓口の設置が求められる」。その拠点として、総合サポートセンター設置を求める。

 栄村は、昨年12月13日、先月25日とこれまで2回、同センター設置について議会側に説明している。だが、設置場所や委託先などをめぐり、二転三転し、ようやく今日15日、村社会福祉協議会に設置する方針が具体化。同時に、国事業の震災復興支援員を3人程度、設置する方針だ。同支援員
設置の費用は100%国助成。その人材・復興支援員を村は公募する方針だ。
 復興計画策定委員会で委員長を務めた信州大・木村和弘名誉教授は、その人材に『地域コーディネーター』としての役割を求める。「総合サポートセンターは、村職員だけではカバーできない複合的な支援を総合的に行うことが求められる。そのためには地域と行政を結ぶ地域コーディネーター的な人材が必要」。公募の場合、その人材を見極める人、組織が重要という。

 復興計画策定委員会の最終委員会からすでに5ヵ月が過ぎた。「震災復興は、震災復旧ではない」、この認識が村当局には薄いと見られる。阪神淡路大震災、さらに中越大震災など、震災被災地の復興に関わる木村教授は、今回の長野新潟県境地震でも、復旧と復興を、当事者である地元行政がどう考えているのか、気にかけていた。「復旧だけでは、元には戻らない。被災により耕作放棄地が増え、住宅被害で地域外移住が進む」と、震災普及は目の前の被害を治すだけで、震災前に戻ることはないと指摘。「復興とは、震災前以上に良くするために取り組むこと」と明言する。

 村は、千ヵ所を越える農地、農業施設被害の復旧に今も取り組む。一方で、住宅新築、改築が進み、仮設住宅は村内横倉に2世帯3人が暮らすだけとなり、震災公営住宅の完成で、被災民は新たな生活を始めている。だが、目に見える震災復旧工事が進む一方で、被災者・栄村民の復興へに取り組みには、地域差が出始めている。
ほぼすべての農地が被災し、集落の全戸が被害を受けた千曲川右岸、小滝地区。独自にプロジェクトチームを作り、水田の復旧、小滝米の独自販売、さらに村外との交流事業などを進め、震災前以上の集落の再生に取り組む。復興計画委員の務めた同地区の加藤彰紀さん(66)は提案する。「村でもいろいろな事業が始まっている。もっと村民の力を結集するような取り組みを村はすべきだ。専門的な知恵や技術は外部から積極的に入れるべきだが、村民が持つ力をもっと活用する仕組みを作ってほしい。例えば『村民委員会』のようなものを」。
 
 同様な思いは、村行政の中にもある。「まず一歩前に進むことでしょう。そのためには、枝葉的な論議より、まず全方位的な取り組みを行い、活動する中で、あの地域やあの事業を重点的になどと、絞込みができる。入口で足踏みしていては、前に進みようがない」。来月1日開会の栄村3月議会での、島田茂樹村長の施政方針に関心が集まる。

写真・昨年8月の復興計画策定委員会。最終委員会から5ヶ月が過ぎた

10代のまなざし「風巻隼郎さん」甲子園めざす  2月15日号
 白球を打ち、投げ、そして捕球する。冬は屋内体育館が練習場だ。汗だくになって取り組む毎日。自主練習後、自宅に着くのは夜9時過ぎだ。
 「チームとしての目標は甲子園出場。自分が正選手に選ばれることより、もちろん正選手に選ばれたいけど、先ずはチームのことを第一に考えたい。いま頭にあるのは野球のことばかりです」

 十日町高2年の野球部員。『もう一度甲子園に』がチームの合言葉。今シーズンの主力メンバーのひとりであることは間違いないが、チーム内の競争も激しい。
 「3年生が引退してからはずっと試合に出ていたんだけど、今は控え組になっています。もっともっと努力してうまくならないと試合に出られないと気持ちを新たにしています。簡単にはいかないことですが頑張ります」

 野球は津南小5年の時から。それまで父や祖父が取り組んでいた剣道だった。
 「いま思うと、剣道はやらされていたといっていいのかもしれません。友達から誘われて野球スポ少に入ったんですが、試合は面白かった。特に6年の時、優勝確実といわれた中津を初戦で破ったことがありました。が、気が緩んだのか2回戦で負けてしまったということもありました。忘れられない思い出です」
 下船渡レッドイーグルスで一緒だったメンバー6人。申し合わせたように津南中に入学、野球部に入った。3年生が引退した中学2年の秋。ポジションは小学生の時と同じセカンド。バッターは当初1番。「3年夏、最後の大会。調子がよく打順は3番でした。ここで春の大会で勝っていた相手に負けてしまい、本当に悔しい思いをしました。30分もメンバーみんなで泣きました」

 中学で野球は『卒業』する予定だった。そんな時、新潟市のエコスタジアムで十日町高校の準決勝戦を見た。佐渡高校に惜しくも敗れたがベスト4に。
 「地元選手だけで勝ち上がる十日町高はすごいと思いました。よし、僕も挑戦してみようと思いが強くなったんです。それで野球をするなら十日町高校だと。それからは練習漬けの毎日。でも、これからは自分たちのチームの時代。とにかく上をめざして頑張ります」
 将来は管理栄養士になりたいと考えている。
 「いずれ津南に戻ってきたいという気持ちがあります。それで福祉施設や学校で仕事ができる管理栄養士がいいのではと思ったんです。津南に戻ってきたら、草野球をしたいし、誘われれば少年野球の指導にも携わります」

頼もしき応援団、東京津南郷会新年総会、新会長に野村英夫氏  2月15日号
 首都圏のふるさと会では老舗の創立60年余の東京津南郷会・新年総会を9日日、市ヶ谷のホテルで開き、会員や来賓など50人余が参加、懐かしいふるさと談義で盛り上がった。津南からは高橋政徳商工会長、草津進総文委員長、さらに新潟県人会の春日寛副会長(東京十日町会長)、高橋秀夫・東京松之山会長らも臨席。総会では、任期満了による江村菊男会長の退任に伴い、新会長に野村英夫氏(津南町正面出身)を選出。さらに事業部、会計部、広報部の各部長の若返りを行い、「会員の増強と活動の充実」など活動方針を決めた。

 総会で江村会長は在職4年を振り返り、「故郷の伝統、からす踊り交流で宮古島へ行ったことが思い出深い。これからも故郷を応援したい」とこれまでの協力に感謝。新会長の野村氏は「ふるさととの絆をさらに大事にし、ふるさとを盛り上げたい」と話し、会員らに協力を求めた。

 さらに春日県人会副会長は昨夏の津南訪問にふれ、マウンテンパーク津南からの河岸段丘の眺望の素晴らしさを称え、「あの雄大なスケールは、ヨーロッパの風景に似ている。この景観はもっとPRすべきだろう。飯山線の活用策も考えるべきで『地酒苗場山とそば列車』なども面白い」、一方で最近の若者観として「リスクを背負ってまで、何かをやろうとする若者がいなくなった」と、人材育成の必要を話した。

 総会では、同会常任顧問の中沢光男氏の紹介で、栄村出身の全国的な民謡家・月岡翁笙氏が特別公演を行い、佐渡おけさや「のよさ節」などを披露。最後は出席者全員で「からす踊り」を輪になり踊った。
 新役員体制は次の通り。会長・野村英夫、副会長・滝沢壮治、幹事長・藤ノ木辰三郎、会計部長・石澤政宣、事業部長・恩田政治、広報部長・石澤松義、女性部長・加藤ノイ、監査役・丸山喜英。

写真・江村菊男会長から会旗を受ける新会長・野村英夫氏

インターハイ、十日町高女子リレー、3度目の優勝  2月15日号
 第62回全国高校スキー大会は5〜10日、札幌市で開かれ、女子リレーで十日町が2年連続3回目の優勝を飾った。十日町は昨年と同じメンバーで挑戦。1走で酒井梨奈(2年)が3位の好位置につけると2走・齋木愛里紗(同)は区間1位の力走でトップに躍り出た。アンカー・大平麻生(3年)はナショナルジュニアチームの力を発揮、2位の青森・野辺地に35秒余りの差をつけ連続優勝。また男子リレーでは、十日町総合が3走・小澤幹(2年)の区間4位の力走などで県勢トップの4位入賞と健闘した。

 『男子』▼10`クラシカル(出場187人)N蜻蜥n(十日町2)32分19秒9○28 笠原政人(十日町総合2)32分51秒8○31 小澤幹(同2)32分58秒9○40 宮崎大樹(十日町1)33分13秒8○58 南雲将之(松代3)33分52秒9○59 春日惇(十日町1)○64 服部達暉(十日町総合3)34分8秒2▼15`フリー(出場186人)E小澤幹43分12秒2N羽鳥拓哉(十日町総合3)43分44秒3S尾身勇気(松代3)44分6秒1○26 笠原政人44分33秒7○33 蜻蜥n44分49秒3○50 宮崎大樹45分37秒6○73 太島玲人(十日町2)46分44秒7▼4×10`リレー(出場37チーム)C十日町総合(服部達暉、笠原政人、小澤幹、羽鳥拓哉)1時間53分10秒5M十日町(太島玲人、蜻蜥n、宮崎大樹、春日惇)1時間56分42秒3

 『女子』▼5`クラシカル(出場124人)H佐野涼香(十日町1)16分50秒3I児玉美希(同1)16分51秒4J大平麻生(同3)16分56秒2○45 児玉倫花(十日町総合2)18分13秒5○65 齋木花音(同1)19分39秒6○68 高橋亜希(同2)19分44秒4▼10`フリー(出場121人)D大平麻生31分58秒9F齋木愛里紗(十日町2)32分14秒G児玉美希(同1)32分36秒4○24 児玉倫花34分3秒6○52 高橋亜希36分7秒3○66 齋木花音38分23秒0▼3×5`リレー(出場26チーム)@十日町(酒井梨奈、齋木愛里紗、大平麻生)48分50秒7K十日町総合(児玉倫花、高橋亜希、齋木花音)55分2秒6
 アルペン『男子』▼大回転(出場170人)○74 小泉健太郎(十日町3)

軒下に「大根すだれ」、凍み大根づくり  2月15日号
 ○…軒下にズラリ―。冬の保存食として重宝された「凍み大根」。真冬の厳寒期に大根を家の軒下に干し、寒風と冷気で徐々に乾燥させ、独特な食感に愛好者が多い雪国ならではの郷土食だ。今では作る家は少なくなったが、津南町卯ノ木の大地(宮澤清社長)では、今でも輪切りした大根を工場の軒下などにびっしりと吊るしている。

 ○…同社は昨年に凍み大根を初試作。試供品を湯沢のホテルなどに販売すると「懐かしい味」と大好評。今年は増産し大根2d分を凍み大根に。ただ、乾燥すると80`余にしかならず、希少価値は高い。同社は大根が主力商品のひとつで、新商品を考えた時、昔懐かしい凍み大根が浮かんだ。「最初は地元のおばあちゃんに作り方を習いました。すべて手作りです。懐かしい雪国風景を見に来て下さい」。凍み大根は今月末まで干す。来月には同社直売所で販売する予定だ。

伝統の「十二講」、津南町割野で祈願行事続く  2月15日号
 ○…冬夜にドウロクジンの火が燃え上がった。津南町割野地区(174世帯607人)は12日夜、伝統行事「十二講」を熊野三社境内で開き、合わせてドウロクジン焼を実施。集まった80人余の住民らは火でさっそくスルメをあぶり、無病息災を祈り食べていた。

 ○…山の神を祭り弓と矢を備える十二講と、小正月行事のドウロクジン焼を共に行う同地区。6年前から地区の安泰を祈り、空に向かって矢を打つ「弓引き」を復活。伝統行事を繋いでいる。同神事をまとめる有志グループ・割野友野会の関根弘美会長(50)は「前日は急な大雪で準備は大変だったが無事行えた。十二講とドウロクジンを一緒に夜やる地区は珍しい。残したいね」と燃え上がる火に想いを馳せていた。

2013地域課題を探る「十日町市議選、栄村議選」、津南で20代町議誕生、なぜ隣接市村で出ないのか  2月8日号
 1年4ヵ月前、津南町で25歳の女性町議が誕生した。現役の東京大・大学院生という話題性もあり、全国の関心を集めた。その余波は全国の市町村、さらに県議会や国政へと波及し、各地で20代、あるいは30代で市町村選挙や県政、国政をめざす動きを巻き起こしている。約2ヵ月後、十日町市と栄村で市村議選が行われる。すでに前哨戦が始まり、新人が名乗りをあげ、活動が本格化している。だが、隣接の津南町で起こった「20代町議誕生」現象は、両市村では、今のところ見られない。なぜ、余波が起きないのか。 

 「若い世代が決意し、立ってほしいが、そういう環境にないだろう」。42歳で議員となり、合併前の松代町議を含め連続8期、26年間務める十日町市議会の小堺清司議長(68)は語る。今期限りでの引退を決めている。昨年末、地域の若い世代との懇談会に顔を出した。松代の現状や課題、十日町市行政の課題などについて語り、最後に今期での引退を話し、途中退席した。「あとは自分たちで考えるだろうと、それ以上は何も言わなかった」。その数週間後、40代の男性が市議選への名乗りを上げた。

 26年前、松代町議会では最年少議員だった。「一番若く議席番号1番だった。3期、4期の先輩から『今日の一般質問は良かったぞ』などと誉められたこともあった。そうやって引き上げてやることも、先輩議員の役目だと思う」。
 だが、仕事を持ちながらの「兼業議員」は、思う以上の困難性があった。「会社員など勤務者などは、その職場の理解や就労環境などの影響が大きく、さらに地元地域など住民が仕事持ちの議員をどう見るかがあり、『兼業議員』は難しさがある」。十日町市の現市議で、いわゆる「サラリーマン市議」は現定数30人のうち数人程度。他は事業経営者、農業、退職組などが大半だ。
さらに小堺議長は、生活保障面も指摘する。「年間の議会開会日などの日割り計算では相当額の議員報酬日当になるが、議員は365日、24時間、責任を背負っている。20代、30代を求めるなら、その環境づくりが必要だ」。議員報酬の見直しなど議会改革の必要性を指摘する。

 同世代は、どう考えているのか。十日町市の20代の女性。市議という存在は「やはり地域の名誉職という感じです」。地域行事や会合に来賓出席し挨拶する、そんなイメージが強い。「具体的に、どんな議員活動をしているのか、よく分からないのが実情です。若い世代と言いますが、地域が認めた人でないと出られないという現実も感じています」。

 この受けとめ方は、同時期に改選期を迎える津南と隣接の長野・栄村(定数12)の同世代も感じている。20代、30代から聞こえる意見は、ほぼ同じだ。「ムラの会合には家の代表が出るわけですが、全く世代交代が進んでいないという感じです。そんな環境の中で村議に、とはなるわけがありません」、さらにこんな意見もよく聞く。「出る杭はすぐに打たれます。ムラ社会の典型がまだまだ残っている感じです」。
 
「実践的住民自治」を掲げ、5期20年、栄村の村長を務めた高橋彦芳さん(84)は、今も全国各地から招かれ、講演に出向く。「若い者が地域の課題や問題を考えていないというわけではないが、そういう意識が育っていない現実がある。本人たちのせいより、社会環境に問題がある」。
 社会教育に長年取り組み、栄村公民館活動の基礎を作り上げた高橋さん。今の社会教育は「レクリェーション志向」になっていると指摘。「自分たちの生活課題を共に考えたり、社会問題で意見を交わしたり、あるいは政治的な事などを皆で考える場がなくなっている。そうなると、『今の世の中を動かしている正体は、いったい何なのか』ということさえ、ここの暮らしの中では見えてこないのではないか」。

 ならば、どうすべきか。住民の関わりの場を増やし、地域の課題や問題の共有が必要という。「地域の中に、総会のような一つの組織ではなく、女性が関わる生活委員会や若者や中堅が取り組む産業委員会など、各世代が関わるパート、役割を作ることで地域活動が広がり、集落の意見がまとまっていく。さらには行政への問題意識も育っていく」。高橋さんの世代では、20代村議が何人も誕生していたという。

 その栄村。改選期が迫るなか今期での引退表明はなく、現職の前哨戦が活発で、新人の動きは見えず、無投票ムードが漂いはじめている。一方で十日町市議選は、現状では最少数の1人超過で選挙戦突入の状況だ。

 町議になり1年4ヵ月。26歳になった桑原悠町議は、議員という職をどう考えているのか。「若かろうが、年を取っていようが、地方政治に入るというのは相当の覚悟がいります。またそうでないと、選挙に出てはいけないと思います。
誰かが出て、何票取れるかなどのレベルの話ではなく、公人として、その地域に身を捧げる覚悟をした人が何人いるかで、良くなるか、あるいは衰退していくかが決まっていくのだと思います」。これが実感という。

写真・2011年の津南町議選で初当選した桑原悠町議(2011年10月の町議選で)

 

17歳、世界ジュニア選手権に出場、津南中等5学年・佐藤亜耶選手  2月8日号
 3歳からスノーボードを始めた女の子が、「夢の実現」に向け、世界舞台に挑戦する。津南町の佐藤亜耶さんは、県立津南中等教育学校5学年(高校2年)の17歳。今月28日から来月10日までトルコで開くスノーボードジュニア世界選手権への出場が決まった。種目はハーフパープ。「目標はオリンピックです」と佐藤選手。今週末にはFIS(国際スキー連盟)SAJ(全日本スキー連盟)公認の北海道選手権に出場し、世界選手権に挑む。
 
 佐藤選手は同校1学年でJSBA(日本スノーボード協会)公認大会の一般出場部門で4回優勝し、同年に規定によりプロ登録。現在、国外4社、国内4社の協賛企業がバックアップしている。津南小1年の時、JSBA公認大会で優勝し、以降ほぼ毎年同規模の大会で3位以内の実績を積む。昨年のJOC(日本オリンピック協会)公認の全日本大会では3位入賞し、それまでの全日本国内強化指定選手からジュニアナショナルチームの登録選手(B指定)に認定された。この認定により五輪選手の選考枠に入ることになる。

 「津南中等校は『夢の実現』を掲げています。学業との両立は大変と思っていましたが、夢が叶えれられ活動ができると思い、自分でもその夢に向かって頑張られると思いました。その夢はオリンピック出場です」と佐藤選手。前期課程の中学時代は夏休み、冬休みなどに外国合宿で練習を積んだが、高校の後期課程では週末の土日、父の休日の水曜しかゲレンデ練習ができない状態。それも練習場は石打丸山スキー場。だが自分で決めた「学業との両立」を貫き、昨年は英検2級を取得するなど、トップアスリートをめざすと共に学業にも取り組み、来年は大学進学をめざす。

 佐藤さんには2歳違いの姉がいる。津南中卒後、カナダ留学し、地元高校を卒業。現在カナダやアメリカで知名度が高いスノーボーダーとして活躍。その佐藤夏生さん(19)は種目「スロープスタイル」で今期、日本国内戦に挑んでいる。すでにプロ登録し今月、福島や妙高などでのFISやSAJ公認大会で実績づくりをめざす。妹の亜耶さんは「小学生の頃は比較されるのがとても嫌でしたが、今は私の目標であり、良きアドバイザーです。尊敬という目標になっています」と話す。

 地元津南のスノーボード関係者は、佐藤姉妹を応援する後援会を今月中にも設立する計画だ。会長にはSAJの本部役員で女性スノーボーダーのさきがけ、高橋一美さん(旧姓五十嵐)が就くことなどが決まっている。今月13日、後援会準備会を開き、設立総会など今後のスケジュールを決める方針だ。

金融詐欺に要注意、「必ず儲かるは100%詐欺」  2月8日号
 「必ず儲かる」と誘い現金をだまし取る詐欺被害が増えている。県内では昨年、振り込め詐欺や金融商品詐欺など特殊詐欺が151件、被害額約8億5千万円(前年88件約1億8500万円)と大幅増。十日町署(廣瀬卓署長)管内では10件3512万円(同1件96万円)、うち7件2840万円が「儲かる」と誘う金融商品詐欺。高齢者が1660万円を騙し取られる高額被害も。十日町署は「電話で持ちかけ、振込みを急がせる場合は百%詐欺。不審電話、利益が出ると謳うパンフレットやハガキは要注意」と警戒を強める。

 昨年末に詐欺事件が管内で2件連続発生、金融機関職員の機転で被害を免れた。今回のケースは市内在住の70代男性方に利殖を誘うパンフレットが届き、さらに電話が入った。『アフガニスタンの金を今買えば儲かる。パンフが届いた人限定』などと現金2百万円を東京の私書箱宛にレターパックで送るよう誘導。なおアフガニスタン通貨は日本の銀行では取扱いはない。男性はJA十日町水沢支店(柳明美支店長)に訪れ「今日中にお金がいる」と急いで保険を解約しようとしたのを職員が不審に思い説得。男性は信じ切っていたが、家族や警察に連絡し、思い留まらせた。

 もうひとつは第四銀行十日町支店(柴山圭一支店長)で発覚。市内在住の60代女性方に高額アルバイトを誘うハガキが届き、電話で『お店で遊んでいるだけでお金が入るアルバイトをしませんか』と勧誘。さらに『斡旋料、保険料に百万円が必要』といい、女性が断ると『とりあえず50万円貸すので、残り50万円を振り込め』と誘導、女性は信用し同銀行に来訪。メモを持ち窓口で振り込もうとしたのを職員が不審視。警察と連携し未然に防いだ。

 同署は本日8日、特殊詐欺を防いだ功労でJA十日町水沢支店、第四銀行とその窓口職員の春日希さんに感謝状を贈呈。山本克志生活安全課長は「利殖詐欺は他人に知られたくないと思う方が多く、独りで話を進め被害に会うケースが多い。レターパックで現金を送らせるのは間違いなく詐欺。銀行は最後の砦。連携し防ぎたい」と話している。

写真・大割野郵便局で行った金融詐欺の訓練

10代のまさざし「湯澤史さん・15歳 津南中3年」  2月8日号
 狩猟を生業とするハンターのひとりとなり、武器や罠のアイテムの収集や、モンスターの狩猟、討伐といった依頼をこなしていく狩猟アクションゲーム『モンスター・ハンター』。中学2年の時に手にした、そのゲームにのめり込んだ。
 「ゲームばかりしてるな、と親から怒られました。でも、本当に魅せられてしまったんです」

 中学時代なら、だれもがのめり込む、そんなバーチャル世界のゲーム。しかし、ただゲームを楽しむだけに終わらなかった。将来の夢、それはゲーム・クリエイターになること。その気持ちを抑えようとしても、次から次に思いが湧き上がってきた。
 「高校を卒業したらコンピューター・プログラミングなどゲームに関係する専門学校で学んで、ゲーム会社で働きたい。そこで実際にゲームを作りたい」

 小学校時代、竜ヶ窪の池をモチーフに空き缶とリングプルを使って竜を作り発明工夫模型展の模型の部で県教育長賞を受けるなど4年生から連続で特別賞に選ばれた。また小学5、6年には町水泳大会の平泳ぎでいずれも優勝した経験も。
 「一緒に模型を作ったり、水泳教室に通ったりと、親のお陰だと思っています。そうした経験と関係ないかも知れないけど、ちょっとしたことにピンと来ることがあるんです。例えば、テレビや扇風機などではリモコンがありますよね。これがファンヒーターなどにもあったらいいんじゃないかと。どうでしょう」
 モンスター・ハンターの最新版づくりが夢だが、その一方で、新たなゲームの活用の考えもある。
 「福祉や医療に活用してはどうだろうと思うんです。ボケ防止にバーチャルな瀬世界で友だちをつくるとか、健康相談や治療などについてキャラクターから悩み相談や激励を受けられるようにすることです。ゲームだからよくない、バーチャル世界なんてだめなんて決めつけないで、活用方法を広げた方がいいと思うのですが」

 受験が間近。ため息が漏れる毎日。
 「あーあ、中学1年の時からきちんと勉強しておけばよかったなあ。受験が近づいてくるとそんなことばかり思ってしまいます。あとの祭りですが。でも中学時代は楽しかった。特に体育祭は楽しかった。いい思い出になっています」
 高校に進学したら、これだけはしたいという目標がある。
 「やっぱりゲームになっちゃうけど、ゲームの企画、構造を作れるようになりたいです。このアイテムを手にしたらああなる、こうなる、そして話はこう進んでいくといったことです。早く受験が終わってくれないかな」

「名水とうふ」、お母さんたちから地元温泉施設にバトンタッチ  2月8日号
 名物の味を継ぐ―。全国名水百選の竜ヶ窪の水と津南産大豆使用の「名水とうふ」。この津南名物を製造するのは地元お母さんらで作る「ひまわりグループ」(石橋かずい代表)。だがメンバーの高齢化などで活動継続が困難に。新たな生産者を探していたが「津南の味を残したい」と竜ヶ窪温泉・竜神の館(涌井九八郎社長)が製造を引き継ぎ、今月からとうふ作りを本格化している。

 平成8年の同館開業で「地元農産物を使い、地産地消の特産品を」と上段地区の女性らが同館研修室でとうふ作りをスタート。転作田大豆や兵庫の天然にがり、竜ヶ窪の水を活用し製造販売。「香りと甘味が最高」と津南名物に。だがメンバーの高齢化や週2回製造など人員確保が難しくなり昨夏、同館に製造引き継ぎを申し出た。石橋代表(63)は「タンパク値など研究を重ねた自信作。高齢になり継続が難しくなり残念です。地元で開発した特産品、地元の竜神の館が引き継いでくれ本当にありがたいです」。同グループは先月末、関係者で解散懇親会を開き、開発の苦労談を語り合った。

 同グループは年間4千個製造し、同館も同程度製造の方針。町内保育園や小学校などで活用している。製造を引き継ぐ同館調理担当の涌井絹子さん(62)は「豆乳を絞るタイミング、形の整え方などすべて直伝。味を守り、アレンジも加え、新メニューも食堂スタッフと考えたい。さらに名物として定着させたい」と話す。同館では来月、食堂にサラダバーを試験的に設置予定。トッピングに名水とうふのクルトンなど検討。伝統の味を守り、さらに新たな魅力作りに挑戦する方針だ。

JR踏切事故から2年、冨田JR社長が現場で献花  2月8日号
 故障中の踏切で現場作業員の誤った誘導で車と列車が衝突し、車を運転していた男性が死亡したJR飯山線、津南町寺石の大根原踏切で事故から2年目の1日、JR東・冨田哲郎社長らが現場の踏切で事故発生の正午過ぎ、献花し、事故の再発防止を誓った。

 同現場では事故発生後、毎年JR東・社長が訪れ、献花し、犠牲となった男性に献花している。昨年5月には現場踏切のわきに「安全の誓い」を刻んだ石碑を設け、事故再発防止を誓っている。事故発生の1日には午後12時12分に合わせ、富田社長や新潟支社長、担当の整備部社員ら10人余が犠牲になった男性に黙祷し、手を合わせた。冨田社長は取材に対し、「ご冥福をお詫びし、ご遺族にお詫び申し上げます。こうした事故を二度と起こさないように、安全の原点を忘れず、さらに安全教育を徹底し、責任を果たしていきたい」と話し、JR東の全社の社内研修に同事故を取り入れ、現場の安全管理の徹底教育に役立てていることを明らかにした。

 なお事故で規制になった小千谷市の男性(当時59)の遺族は前日31日、現場を訪れ顕花した。遺族とは昨年、JRと示談が成立し、事故当時の現場社員2人は誤誘導などにより業務上過失致死罪などに問われ、有罪判決が出ている。

2013地域課題の探る「小学校統合問題」 数の論理なら「居住者増の政策を」 2月1日号
 子ども数の減少を、小学校と保育園の保護者は、深刻に受け考えている。現在、外丸小(全校38人)は1年、2年が独立、複式3・4年、5・6年の4学級。中津小(同46人)は複式3・4年、他は独立の5学級体制。町教育委員会資料では、外丸小は6年後、全校数が20人を割る。中津小は3年後には30人台になると予想している。
 保護者の思いは、両校とも同じだ。「子どもが少なく、多くの仲間と一緒に学校生活をさせたい」。両校区で開いた町教委の説明会で示した向こう7年間の児童数の推移が、親たちを急かせる要因になっている。
 
 これから保護者になる20代、30代は、どう考えているのか。やはり両論あるようだ。外丸小校区の20代女性。「自分もそれほど同級生が多い中で小学校生活を送ったわけではないですが、少なくて困ったことより、少ないからこそ仲間意識や地元への思い、さらには何にでも挑戦できるなど、思い出いっぱいの小学校生活でした。地域とのつながりがやはり大切だと思います」。
 一方、同じ外丸小校区の20代男性は、ちょっと困惑気味だ。「少ないからこそできる良さはいっぱいありますが、やはりある程度のクラスメイトがいることで切磋琢磨でき、さらに伸びると思います。でも地域との関係では地元に小学校が在る方が良いに決まっています。どちらが良いのか、考えてしまいますね」。
 この傾向は中津小校区も同じだ。町内勤務の20代女性は、「この先も子どもが減るので、やはり少なすぎると思います。地域に学校があることは、それだけでも活動の拠点になると思いますが、学校は教育の場です。子どもたちのことを第一に考えるべきだと思います」と話す。

 一方、小学校は残すべきと明言する20代の男性。「いま、インターネットなどでいつでも世界の情報が手に入る。児童数の少なさは、いろいろな方法で解決できるはず。団体生活も津南小と定期的に合同授業するなどで体験できる。もっと教育の充実に力を入れるべきだろう。少人数でも、出来る教育はいっぱいある。学力を高めることと共に、個性を伸ばす学校教育が必要ではないか」。少人数小学校でも、取り組みにより充分な教育効果が上がると見ている。

 今回の外丸、中津の両小学校統合問題は、校区の保護者が出した方針で、大きく動く気配が出ている。中津小の保護者は昨年末、「平成27年4月、津南小に統合すること」と、年月を明記した統合要望書を町に提出している。一方、外丸小の保護者は今日1日、臨時保護者会を開き、中津小保護者と同様に統合を進める方向性を出す見込みだ。
 この両校区の保護者の意向を受け、町教育委員会は今月、両校区に入り説明会を開く計画だ。桑原正教育長は、その説明会のねらいを話す。「教育委員会は、答申(統合)を推進する立場。今度の説明会では、これまでの経過と現状を説明し、最終的には地域が判断することですと話します」。同時に統合の場合のタイムスケジュールを示し、要望通りの平成27年4月統合の場合、今年夏までに条例改正を町議会に提案する必要があるなども説明する。

 両校区の住民グループは、今のところ動きはないが、関係者は話す。「数の論理がすべてのように感じる。ならば、例えば老朽化する町営住宅を両校区に建て、居住人口を増やすことで、子どもが増える取り組みを町が政策として行ってもいいのではないか。町全体の居住環境を良くするのが、町行政の役割だ。中央にばかり集中するのは、地域格差を生むばかりだ」。
 小学校の統合問題が、地域の居住環境問題へと発展しつつある。『小学校の統合は地域が判断すること』。だが、その地域の振興策も同時進行の課題。先発の三箇、津南原の両小学校が閉校して3年が経過。だが、その活用策は示されていない。統合問題は、地域の問題だが、同時に行政の地域振興策の問題でもある。

写真・伝統を築いている外丸小学校

ジャパンパラ白馬大会出場、津南の石田暖選手  2月1日号
 世界大会につながるSO全国大会(スペシャル・オリンピックス)に昨年、新潟県代表で出場し、リレーで金メダル、個人で銅メダルを獲得した津南町赤沢の石田暖選手(16、県立小出特別支援学校高等部1年)が、来月8日から10日、長野・白馬村で開く2013ジャパンパラ・クロスカントリースキー大会への出場が決まった。同大会は、五輪と同様のパラリンピックや世界選手権に通じる大会で、石田選手の活躍が期待される。

 今回のジャパンパラは、パラリンピック同様、全国都道府県代表の障がい者選手が参加し、クロスカントリースキー種目で競う。開場の白馬スノーハープは、長野五輪が開かれた会場。新潟県からは4選手が出場し、石田選手は9日の個人5`クラシカル、10日の個人10`フリーに出場する。

 新潟選手団のヘッドコーチで、同校教諭の瀧澤慶太コーチ(28)は、石田選手の抜群の身体能力の高さに期待する。「今回、10`というロング競技に初めて挑戦しますが、練習では20`を走っており、スケーティングもうまく、期待できるのでは。屋内練習では、縄跳びの3重飛びを軽々こなす身体能力があり、これからが楽しみです。スキーが好きなことが、とても良いですね」と話す。

 瀧澤コーチは津南町出身。信州大の学生時代から障がい者スキー、特にクロスカントリースキーに取り組み、選手に同行しワールドカップでヨーロッパを転戦するなどの実績を持つ。小出校に赴任し、石田選手と出会い、一緒にクロカンに取り組んでいる。石田選手は16歳。「今回の成績が世界選手権、さらにパラリンピックに通じますが、まだ若いので、ソチの次の韓国でのパラリンピックは、最有力候補になるはず」と大きな期待を寄せている。

写真・全国大会出場の石田暖選手(右)と瀧澤慶太コーチ

ソチ五輪めざす小林由貴選手、「静心」で世界舞台へ  2月1日号
 今月7日、イタリア・バンディフィエメで開くノルディック世界選手権出場のため日本を発つ。2年毎に開催の同大会。前回、ノルウェー・オスロ大会から連続出場する岐阜日野自動車・小林由貴選手(津南中ー十日町高ー早稲田大、25、津南町大割野出身)。世界選手権に向けた最期の国内大会となった全日本選手権は先月末、十日町市吉田クロスカントリースキーコースで開き、2種類の走法で10`を競うパシュートで2位に27秒差をつけ圧勝した。1年後に迫るロシア・ソチ五輪への出場が期待され、思いを聞いた。

 ノルディック全日本選手権は25日から29日、吉田クロスカントリーコースで開き、世界選手権出場の小林由貴選手、男子の五輪選手・恩田祐一選手など国内トップ級が出場。最終日の女子距離複合(10`)で小林選手は、前半のクラシカル、後半のフリー共に安定した強さを見せ、2位に27秒差をつけ優勝。「世界選手権に合わせています。まあまあのすべりが出来ました」。1年後のロシア・ソチ五輪へのステップとなるイタリアでの世界選手権へ、確かな感触をつかんだ。

 早稲田大3年の時、五輪候補のナショナルチームに入り現在はC指定。A指定はおらず、B指定は石田正子選手(JR北海道)だけ。C指定には後輩の柏原理子選手(早稲田大4年)がおり、この3人が国内トップ選手で五輪の有力候補になっている。
 小林選手は、岐阜日野自動車に所属するが、オフシーズン練習は出身の津南で行う。7月、8月さらに10月はイタリア、ドイツ、オーストリアなどで雪を求めて合宿。オフトレーニングは、津南の河岸段丘の地形を活用した走り込みやローラースキーでトレーイニング。「中学、高校時代からの知り合いの皆さんから、いろいろアドバイスをいただいています」。

 個人競技であり、自己管理の大切さを感じている。「昨シーズンは思うようにならず、どうしたらいいのか本当に悩みましたが、地元の皆さんの助言などが大きな励みになりました。フィールドは違いますが、スポーツ以外で頑張る友だちの姿などが大きな励みになっています」。中学時代から練習日記をつけ、大学時代は休んだが、社会人になり日記を再開。時々ブログなども書く。「自分の今の状態の確認になりますね」。

 4年前のバンクーバー五輪。惜しくも選考外に。「あの時は、オリンピックへの思いだけが先行してしまった感じです。ソチへの意識は強いですが、そのために何をすべきか、どう取り組むべきか、しっかり見えています。精神的にも強くなり、滑り方も変わり、自分の変化を感じています」。ひと回り成長した姿を、29日の全日本選手権優勝で見せてくれた。

 今月20日、イタリアで開幕のノルディック世界選手権。小林選手は、スキーアスロン(クラシカル7・5`、フリー7・5`の15`)、個人10`フリー、個人30`クラシカルの3種目に出場する。「ソチをめざすには出場だけではだめです。やはり結果を残したい。吉田(全日本選手権)でも地元の皆さんの声援が嬉しかったです。皆さんの声援に応えたいです」。前回オスロの世界選手権では個人30`フリー27位。今回はこれを上回る結果をめざす。津南中学時代から大会に臨む信条にしている言葉『静心』と胸に、世界に再び挑戦する。

10代のまなざし「小林遥奈さん・水泳に励む、母に感謝」  2月1日号
 「彼氏はいないけど、恋愛には憧れちゃう。ネイルなんかも興味あります」
 ちょっと大人びてきた15歳。とはいうものの、水泳で障害者スポーツの世界舞台・パラリンピック出場をめざす15歳でもある。
 「中学の時、吹奏楽やキッズ・ミュージカルなどやったこともあるけど、あれこれすると、どれもうまくいかないような気がして、水泳一本で行こうと決めたんです」
 生まれながら股関節に障害があった。障害者4級。川西地区にひだまりプールがオープンした小学2年の時、母の勧めでリハビリとして水泳教室に参加。翌年から障害者の水泳大会に出場した。現在はひだまりプールの他、母の送迎で入広瀬のスイミングスクールにも通って鍛えている。
 
 「中学2年の時に国体に出場し、自由形25bと50bで優勝したんです。うれしかった。それが自信になりました。先日、車いすマラソンでパラリンピックに出場した樋口政幸選手が高校で講演したんです。すごい励みになりました。私もパラリンピック出場が目標になっています」
 昨年秋、パラリンピック出場への予選ともいえる全日本身体障害者水泳選手権大会で50bの平泳ぎ3位、自由形4位となった。同大会で優勝すればパラリンピック日本代表の可能性が高まる。
 「もっと体力をつけてスピードを上げなくっちゃと毎日、家で腹筋と背筋を百回やっています。やっぱり目標があるからできるんでしょうね。水泳が生きがいになっています」
 自分だけのことだと思っていた水泳。中学から高校へと進むうち、周りに目が向くようになった。

 「もうひとつ夢があるんです。小学5年の弟も障害がありやはり水泳に取り組んでいるんですが、弟が15歳以上になった時、一緒に国体に出場することです。そして、夢以上に送迎してくれ応援してくれる母、そして指導のコーチらに感謝しています。周りの協力と応援があるから今の自分があると思っています。決して自分ひとりの力じゃないんですね」

 小学3年の頃、上級生から「あの子、障害者じゃないか」という声を聞いた。小さいながらもズキン、と胸に響いた。
 「いじめにあったことはないけど、障害者と言われたことで、小学生の時から『他人が嫌がることはしないようにしよう』『優しくしよう』という気を持つようになりました。今はまだ何もやってないけど、福祉やボランティア、手話などに関心を持つようになりました」

宮沢大志選手、世界をめざす  2月1日号
 来年のソチ五輪に向けてステップアップしていきたい―。今月20日にイタリアで開幕するノルディックスキー世界選手権に出場する十日町市出身の宮沢大志選手(21、早稲田大3年)が、ジュニア世界選手権開催のチェコから一時帰国した30日、同市情報館で開かれた壮行会に日本代表ウェアで出席。百人余りの市民らから激励を受け決意を語った。

 同世界選手権には、全日本スキー連盟が昨秋のワールドカップなどの成績を参考に日本代表7人を選出。うち十日町地域から宮沢選手と津南町出身の小林由貴選手(25、岐阜日野自動車)が選ばれた。出場種目は直前に監督、コーチらが決めるが、宮沢選手は「スプリントとチームスプリント、リレーに出場したい」と意欲を見せている。

 壮行会で池田重夫後援会長は「日本を代表選手に育っている。ソチ五輪をめざしさらに努力を」とエール。関口市長は「十日町市から初めてオリンピック選手が誕生するよう、朗報を待っている。市を挙げて応援していきたい」とソチ五輪出場に期待感を語った。これを受け宮沢選手は「世界選手権出場は今シーズン最大の目標だった。自分の滑りをすることだけに集中し、来年のソチ五輪に向けステップアップしていきたい」と決意を述べた。
 会場には、小学時代に練習に励んだ城ヶ丘XCの子どもたちも参加して宮沢選手を激励。花束を贈られた宮沢選手は「うれしい。胸にジンと来ました」と喜んでいた。世界舞台での宮沢、小林両選手の活躍が期待される。

女子レス金・小原選手が小中学生と交流  2月1日号
「夢や好きなことをあきらめないこと。失敗を恐れずに続けていくことが大事。それが夢の実現につながります」―。ロンドン五輪の女子レスリング48`級で金メダルを獲得した小原日登美選手が30日、夫・康司さんとともに十日町市の中条小と南中で講演。小中学生らから歓迎を受けながら、目標を持つことの大切さを呼びかけた。

 中条小(丸山公一校長、児童179人)で小原選手は、児童から花のアーチによる歓迎で体育館に入場。激励の色紙も受けた。ロンドン五輪での決勝をビデオで見た後、マイクを手にした小原選手は「今もずっと守っている五つの約束があります。それは、あいさつははっきりのあ、いじめやけんかはしないのい、うそはつかないのう」などと『あいうえお』の約束を説明しながら「夢や好きなことを見つけて一生懸命取り組んで下さい」と呼びかけた。また児童から「ライバル選手はだれですか」や「練習が嫌な時はどうやって乗り越えているんですか」などの質問に答え、「決勝で戦った相手がライバルですが、今のライバルは旦那です」などと会場を笑わせ、「次の試合で勝ちたいと思ったり、負けた悔しさを思い出すと頑張ろうという気になります」などと話していた。講演を聞いた児童のひとり、岩田美海さん(6年)は「感動しました。やっぱり世界一はすごいなあと感じました」と対面に大喜びだった。


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