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2012年12月の津南新聞「トピックス」

過去の津南新聞トピックス
地酒で津南ブランド作りを、老舗の瀧澤酒造、新戦略の津南醸造  12月28日号
 創業105年の伝統の酒蔵、醸造工場開設16年の新進の酒蔵、津南町には2つの蔵元があり、新たな杜氏、新たな社長を迎え、それぞれ特色ある路線を歩みだしている。その特性が、そのまま雪が育てる津南町のオリジナル性を出し、「津南ブランド」を作り出している。伝統の「瀧澤酒蔵」、新進の「津南醸造」、2つの蔵元が津南の個性を作り出している。 

 津南町の中央部、国道117号と同405号が交わる地に創業明治40年の瀧澤酒蔵(瀧澤敬一社長)がある。伝統の蔵元は、土蔵の醸造場で蔵人が毎冬、寒仕込みで酒造りに取り組む。その寒造りそのままを提供するこの時期限定の「しぼりたて」は、同蔵の人気商品の一つ。商標「苗場山」は、関東はじめ全国に愛飲者を作り、日本百名山の同名と共に、全国ブランドに育っている。

 関東信越酒類鑑評会で通算22回、優秀賞を受賞する伝統蔵元。今期から、長年蔵人を務めた中澤修一氏(津南町中深見)が杜氏に就き、伝統の酒造りを引き継いでいる。苗場山系から流れ込む中津川の良質な伏流水が湧く蔵元内の井戸水を使い、地元産の酒米・五百万石で、伝統のコクを作り出している。同蔵では「受け継がれている伝統の酒造りに取り組み、これからも変わらない瀧澤酒蔵の酒を皆さんに提供したい」と、伝統の蔵元酒造りの方針だ。
 
 一方、津南に醸造工場を16年前に開設した「津南醸造」(古澤有三社長)。今年11月に社長就任の古澤氏は、業界で知られる存在。国内外で酒売買する「越路商事」(本社・十日町市)の社長でもある。就任後、営業戦略を大胆に打ち出し、人気の女性歌手「コキア」を起用した酒ブランドやビンラベルや箱デザインを一新するなど、「売れる酒造り」に取り組んでいる。

 その成果が早くも出たのが昨年8月の「第1回ロンドン酒チャレンジ」。世界16ヵ国28人の酒ソムリエが審査する同チャレンジで、同社出品の3品すべてが金銀銅の3賞を獲得。特に、大胆なピンク色をデザイン使用した吟醸酒「ユキモノガタリ」は、世界が認める金賞を受賞。他の純米酒「TSUNA」が銀賞、本醸造「津南」が銅賞と出品すべてが入賞評価された。杜氏は県内最年少の滝沢昌哉氏(津南町外丸)

 津南醸造は、JA津南町(出資金7千8百万円、出資比率25・4%)、津南町(同5千万円、同16・3%)、さらに酒米生産農家、地元事業所などが出資し株主は313人。今月8日、第59期株主総会を開き収支報告。前年比19%売上増だったが、「戦略的な経費」を要したため収支は約千7百万円の欠損決算。やはり地元産の五百万石を使用し、古澤社長は「2年後の黒字化をめざすには、今期はさらなる頑張りが必要だ。皆さんのご支援をお願いします」と、出席の株主らに呼びかけた。社長就任後、3年計画で黒字会社にする目標を掲げている。

ひだまり「26年7ヶ月、夫に感謝」  12月28日号
 それは、突然の事故だった。国道353号十二峠。トンネルを抜け、妻が待つ我が家に向う途中だった。下りの大きなカーブ。そのカーブを膨らんで上ってきた車と正面衝突。仕事仲間が運転する車の助手席に乗っていた夫は、衝突の衝撃で身体を激しく前後に揺らされた。外傷はなかったが、頚椎損傷。首の神経をやられた。首から下がすべて麻痺。全く動かない。夫、58歳の春だった。

 「これからようやく楽しめる、という矢先の事故だった」。あの時、あの瞬間と、寝たきりの夫を介護しながら、何度も何度も妻は思い返した。だが、時は戻らない。
 
 夫婦で民謡を習い、発表会にも出場した。事故の年の秋には、夫は民謡大会出場が決まっていた。朗々と民謡を唄う夫の声が好きだった。今も耳に残る。

 首から下が麻痺してからも、夫は気持ちだけは元気だった。ディサービスではカラオケマイクに向かい、十八番の「最上川舟歌」を歌い、施設で人気を集めた。「近所みんなで、民謡を習っていた頃が懐かしいね」。寝たきりになってから、夫は民謡の名取を取った。

 介護は、家族総がかりだった。事故の翌年、息子が結婚。「こんな寝たきりが居る家に、よく嫁に来てくれた。ありがたい」。息子夫婦と3人での夫の入浴。家族の生活は夫の介護を中心に動いた。
孫の誕生は、夫に張り合いを与えた。またひとり、またひとりと孫3人に恵まれた。その孫娘が今年6月に結婚。歳月の流れを感じた。孫の花嫁姿の写真を夫は笑顔で見た。祖父の姿から感じていたのか、孫たちは福祉関係の道に進んでいる。

 12月17日。あの事故から26年7ヵ月。夫は安らかに眼を閉じた。「とにかく、悔いが残らないようにしてきた」。妻は、眠るように逝った夫に感謝した。

 毎朝、事故前に撮った若い夫の遺影と向かい合い、ふたりで歩んだ55年を振り返り、語りかけている。「とうちゃん、今日も雪が降っているよ」。

新ライフスタイル「上海から津南へ、姚倉湧さん」、中国に津南の米を  12月28日号
 日本に来て15年。3年前から妻の出身地、津南にやってきた。予想もしなかった雪国での生活。「何も問題ない。子ども中心の生活。家族と一緒に暮らせること、それが一番」。姚倉湧(ももくら・いさむ、39)は妻・大島沙織の父が経営する米生産・加工販売の「株式会社ごはん」で忙しく立ち回りながら仕事に汗を流している。出身は上海。「いつか中国本土に津南の農産物を届けたい。それが夢だ」。(敬称略)

 父は大学教授という家庭の次男として生まれた。興味があった日本語を学びたいと東京の日本語学校に入学したのが来日のきっかけ。その後、勤めていた赤坂の高級中国料理店で、バイトに来ていた沙織と知り合った。
 日本語はペラペラだ。「日本語は学校より嫁のお陰ですね」。結婚して8年。子どもは8歳の長女、3歳の長男の2人。「以前は仕事の時間で子どもと一緒に夕飯を食べることは出来なかったけど、今はそれができる。家族と一緒に過ごす時間があること、それが一番いい」。

 身長は186aと背が高い。学生時代は水泳を行っていたという。上海の気候は「東京と同じ。だから雪は降っても余り積もらない」。当然、スキーの経験はなかったが、日本でスキーも体験した。「遊びのスキーはいいけど、生活の中での雪には慣れなくて、東京に戻りたいと思ったこともあった。雪かき嫌だね。でも今は慣れてきた」。

 台湾企業と合弁会社を設立、海外進出に乗り出しているごはん。「通訳係をしただけで、経営関係はノータッチ。でも少しは役に立てたと思う」。
同社の海外進出が刺激になった。「出身地の上海、つまり中国本土に津南の農産物を届けたい。それが夢。価格的にはまだまだ高いけど、それが課題でもあり、高くても買う人は中国にはいます」。とくに市場の大きさの違いを強調する。「台湾の人口は2300万人。これは上海の人口とほぼ同じ。ひとつの都市と同じ程度です。中国の人口は13億人。やはり人の多さが違う。市場は一番大きい」。

 尖閣列島の領土問題などで中国と日本は今、ぎくしゃくした関係にある。「仲のいい友だちになることが一番」、そのために市民レベルの交流も大切だと思っている。「仲良く経済活動ができるようになってもらいたい。津南の米は本当においしい。ぜひ中国の人たちから食べてもらいたい」。思いは募る一方だ。そのためにも両国の友好関係の高まりに期待している。「チャンスを待ちたい」。
夢は広がる一方だが、その前に先ず、仕事をしっかり覚えること。すでにフォークリフトの運転などお手のもので、袋詰めした米や箱詰めした野菜の運搬などではスイスイと動かし、トラックなどに乗せる。

 上海育ちから見た津南。「何といっても人口だ。人を多くすること、それが経済活動を活発にさせる。十日町を含め、商店街ではシャッターを閉める店が増えている。それは人口が少なくなっているから。人を増やすための策をしていかなければならない」。
 地元民ならずとも春から秋は最高の地と感じている。「やはり問題は冬。細かなところまで除雪をやるような仕組みがほしい。それが住みやすい地域にもなる。人口を増やしましょう」。

ビジネスチャンスを研究発表、十日町で大学6校が企画発表  12月28日号
 最優秀は「カタログギフト革命・コレクト十日町」に―。『十日町を全国ブレイクさせるビジネス』や『過疎を逆手にとるビジネス』をテーマに、大学生がビジネスプランを提案する「トオコン」の本選会が15日、クロス10で開かれ、出場11チームの中から予選を勝ち抜いた6チームが挑み、東京農工大のHighFIVEチームが提案した「コレクト十日町」が1位に選ばれ、賞金7万円を獲得した。

 トオコンは、大学生の提案プランと地元事業者とのマッチングによるビジネス化をめざすもので、一昨年から実施し、今回が3回目。過去2回の開催で「十菓町スイーツグランプリ」や「着物ドレスの販売・リメイクサービス事業」「首都圏大学情報拡散事業」の3提案が事業化されている。
 今回、10月に実施した予選会では新潟会場と東京会場に合わせて16団体が出場、うち6団体が予選を通過して本選会に臨んだ。審査には関口市長はじめ行政、民間団体からの6人と、提案と関わりのある事業者ら20人が会場審査員として発表に耳を傾けた。

 東京農工大はメンバー4人。「十日町から発信するカタログギフト革命」と銘打ち、出身者らを中心に、ふるさと密着型のカタログギフトを提案。千円や3千円、5千円、1万円のコースを設け、大地の芸術祭関連グッズなども企画。また商品ハイライトとして「おしゃれなもの偏」や「体験できるもの偏」なども盛り込んだ。実際に模擬カタログを作成し、大手百貨店に提案したところ「面白い。事業化し新潟物産展開催時に協力します」とのお墨付きも得ることが出来た。
 関口市長は「発表もよく、特に実際に実際に取り組んでみたことで現実性が高く評価された。これら提案を地元業者からビジネスにつなげていただきたい」と期待感を話した。

学園祭で募金活動、長野の7大学が栄村に寄付  12月28日号
 ○…「復興のお役にたてれば」。長野県内の8大学で構成、ネットを通した授業や学生交流など進める「高等教育コンソーシアム信州」に加盟する7大学の学園祭実行委員会メンバーが21日、県境地震被災地の栄村に義援金約37万5千円を寄贈。20代の学生9人が島田村長を訪問し「復興に使って下さい」と手渡した。

 ○…学生発案で復興支援をと『AID to SAKAE(栄村を手伝おう)〜信州の絆をみせよう』とスローガンを設定。信州大、長野県看護大、佐久大、諏訪東京理科大、清泉女学院大、長野大、松本大の学園祭時に募金を求めた。まとめ役の諏訪東京理科大3年の片貝悠さん(21)は「同じ県内で酷い被害を受けた栄村に何かしたかった。復興の一助になれば嬉しい」と想いを話した。

新十日町病院に看護師養成校を併設を、地元自治体が強力要望  12月21日号
 中核病院・新十日町病院の建設、開業が待たれるが、併設要望が強い看護師養成所の開設に対し、新病院の地元自治体である十日町市議会と津南町議会で、この看護師養成所設置に関する質疑が行われ、両市町長とも設置の必要を強調した。

 10日の市議会一般質問。山賀子平氏の質問に対し関口市長は、地元自治体の対応が求められる「緊急ワークステーション」、「ドクターカー」、「1次応急診療所」の設置について言及。ワークステーションは新病院内への合築を要望し、休日診療の対応では地元医師会と研究し、院内の「センター化」を求める方針を示した。さらに人材育成が求められる看護師養成所は、「運営主体に養成所設置を求める」と地元自治体として要望する方針だ。
 新病院は、新たに総合診療科、漢方内科、心療内科、口腔外科の4科を加え17診療科目、275床の構想で整備基本計画がまとまっている。付帯施設として「緊急ワークステーション、ドクターカー、1次応急進診療所」は、地元自治体に対応を求めている。関口市長は緊急ワークステーションは、「病院内に救急救命士や看護師が待機し、救急対応するもので、待機中は院内で研修や実習を行うため、病院内における救急救命士の有効な体制作りのためにも、ドクターカーと共に病院内に合築するようお願いしている」と方針を述べた。

 一方、看護師養成所は、「地元自治体が主体となり取り組む」となっており、同市長は「病院施設の活用、さらに講師には医師や看護師が必要で、運営主体に養成所設置を求めていくが、運営主体が具体化してから協議を進めたい」と、運営主体の具体化を受け、具体的に動く方針を示した。


 この問題は津南町議会12月定例会でも取り上げられた。藤ノ木浩子氏は「看護師不足のためにも、県に看護師養成所の開設を求めてほしい。津南町議会は十日町市議会と連携し、県や国に要望していく方針だ。国は40人学級では、十日町地域では経営が成り立たないと見解を示しているが、6年生養成もあると話していた。町や地域上げて看護師養成が必要で、ぜひ県に看護師養成所を作るよう強く要望してほしい」と求めた。

 上村町長は、看護師養成所の必要性を述べ、町立津南病院での看護師確保、さらに医師確保への取り組みを述べるなかで「医師をめざす学生を支援する津南町の奨学金制度は全国的にもトップの制度と思う。医療システムの充実は、医師確保と同様に看護師養成も重要なこと。もっと国や県の力で人材育成してほしいと強く要望する。今年2人の津南中等校の卒業生が、看護師をめざす奨学金を活用している。心強い人材が育っている」と話し、新十日町病院への看護師養成所の開校への取り組み強化を話した。

写真・全室に灯が付く県立十日町病院。地域の命のより所だ(19日午後7時過ぎ)

新ライフスタイル「紙粘土で『おとぐの国」、福崎礼子さん」  12月21日号
 真っ白な紙粘土を手にしてから30年余りが過ぎた。「趣味が高じてここまで来たような感じ」。昨年、高さ15a余りの千体のお地蔵さんを完成させた。3年かけた大作だった。これから向かおうとしているのは戦国武将たち。「甲冑など細かで非常に難しい。でも、それだけにやりがいがありますね」。十日町市の「おとぎの国美術館」に作品を展示する福崎礼子さん(55、十日町市中条上原)。新しい年からは、高さ50aほどの大きな人形にもチャレンジしてく。

 子どもの頃から絵を描くのが好きで、青年時代は陶芸や手芸など手づくりにのめり込んだこともある。紙粘土の出会いは結婚した26歳過ぎから。「とにかく、何か手にしたかった。そんな時、雑誌で見た紙粘土人形に惹かれたんです」。すぐにのめり込んだ。

 転機は30歳になった時。夫が勤める織物会社の社長が紙粘土人形づくりに取り組んでいることを聞きつけ、「会社のウインドーに飾ってみたら」と進言。それならばと、連続して作って飾ることができるように作品のテーマを決め、季節ごとに展示内容を代えていくことにした。「他人に見てもらえるなんて初めてだったので、もう必死で作りました」。どんどん作品が増え、一堂に展示できる場をと平成13年11月の「おとぎの国美術館」(同市内寿町、吉沢織物・吉彩館2号館)開館につながった。「源氏物語」「百人一首」などをモチーフに、紙粘土人形千体以上が並ぶギャラリーとなっている。

 ショッキングな出来事にも見舞われた。平成16年の中越地震。ギャラリーに入って足が震えた。誰かが投げ捨てたように人形が部屋中に散らばり、百人一首の人形はことごとく首がもげるなど、全部の作品に被害を受けた。「3分の1以上は捨てざるを得ませんでした」。修復できるものだけは何とか直したのですが…。

 「これはかわいいなあ。おらにも教えて」。12年ほど前、自宅玄関近に置いた人形を見て、近所の人たちが声をあげた。六箇・田麦から移ったたばかりの頃。移ったといっても中条地区は出身地。嫁いだ先から家族を連れて戻ってきた感じだった。近所との付き合いも大切と、高床式の1階に突貫工事で10畳ほどの部屋を設け「おとぎ工房」と名付けた。会社勤めのお母さんたちも多いので、要望に合わせ週1回、昼の部と夜の部を設けた。いつも15人余りが参加、津南から駆けつける愛好者も。世間話に花を咲かせながらにぎやかな教室となっている。夏休み時期には子どもたちが「教えて」と訪れる。

 長野・飯山市の「高橋まゆみ人形館」。その製作者・高橋さんとは、高橋さんが有名になる前から交流を続けている。「高橋さんはすごい勉強家。すばらしい作品ばかり。とても仲がいいですよ。人形自体は、細かなことを言うと、紙粘土を胴体に使っていない高橋さんと、人形全体に使っている私と、ちょっと違うんです」。年齢も、作り始める動機も、嫁ぎ先が農家という環境も、同じだった。今もお互いに刺激し合っている。

歳末に火災、女性死亡、旧中里・芋川新田  12月21日号
 歳末の中、火災で犠牲者が出た。17日午後8時40分頃、十日町市芋川新田の会社員・大島明さん(51)方が炎上中と通報。全焼した住宅からは1焼死体を発見、出火時から行方不明の大島さんの母・イトさん(86)と見られ、十日町署で身元確認を急いでいる。

 大島さんが会社から帰宅すると、木造トタン葺き2階建の自宅が1階を中心に火に包まれていたという。すぐ近所に駆け込み、消防に通報。住宅約210平方bを全焼し、約3時間半後に鎮火。玄関付近であおむけに倒れていた焼死体を消防署員が発見。十日町署では新潟大で司法解剖し、身元と死因確認を行う方針。出火時は自宅にイトさんが独りで過ごしていた。焼失が激しい1階居間はストーブやファンヒーター、コタツなど暖房器具が多くあり、出火原因は不明。大島さんは煙など吸い込み十日町病院に搬送、気管のやけどなどで軽傷。近所の住民は「ディサービスなど利用していたが元気なおばあちゃんだった。ただ最近は腰を痛め、歩くのが大変そうだった」と話した。

 十日町管内での住宅火災死傷者は2年前も年末に2件発生。18日現在、建物火災は16件発生、全焼5件。うち住宅火災は7件で、全焼2件、部分焼1件。同本部は「暖房器具を使う時期。ストーブの近くに布や服など燃えやすいものはおかないなど、充分な注意を」と呼びかけている。

十日町シネパラ5周年、「映画で感動と出逢いを」  12月21日号
 映画の灯を消したくない。熱き思いで2007年に開館した十日町市の「十日町シネマパラダイス」が5周年を迎え、15日、記念の集いを開き、音楽ライブや危険上映会を開いた。同館の岡元眞弓館長は「この映画館が出会いと感動を共有できる場となるよう頑張りたい」と挨拶し、大きな拍手を受けた。

 中越地震で地域に唯一あった映画館が被災し、閉館を余儀なくされた。映画大好きの岡元館長は「映画館の灯を消したくない」と市内の遊休施設を大改造し、客席126シートの映画館を開館。「皆さんが元気になってくれるようにとの思いだけでしたが、当初は大変でしたが、ようやく十日町松竹さんと業務提携でき、メジャー映画も上映できるようになりました」と5年の歩みを振り返った。
 記念の集いでは、交友するオカリナ奏者・五十嵐正子さんとジャズ演奏家により、懐かしい映画音楽の「明日に向って撃て」や「ひまわり」、さらにクリスマスナンバーなどを演奏し雰囲気を盛り上げた。記念上映は上映中の「天地明察」(岡田准一、宮崎あおい主演)。この日、南魚沼市から初めて訪れた30代の女性は「素敵な映画館ですね。今度、好きな映画を見に来ます」と記念上映を見ていた。 

 同館では上映にあたリ監督を招き、舞台トークを企画している。これまでに河瀬直美氏(カンヌ国際映画祭グランプリ)、「実録・連合赤軍あさま山荘への道程」「キャタピラー」の若松孝二監督、社会派の阪本順治監督(闇の子供たち)など多数の注目の監督が同館で挨拶している。特に今年10月に死去した若松監督のサインは、同館の貴重な足跡になっている。
 同館の年末年始の上映作品は、人気の「踊る大捜査線」(今月22日から)、前評判が高い「のぼうの城」は1月19日から、話題の大作「北のカナリヤたち」も上映される。詳しくは十日町シネパラрO25・752・7505

東京原宿で米販売、外丸小の子たち  12月21日号
○…「美味しいお米はいかがですか」。東京の青空の下、津南の子どもたちの声が響いた。外丸小(竹内直一校長)の5・6年生13人。今年の総合学習テーマは「食」。地元住民の協力で約10eの水田でコシヒカリを栽培、秋に約120`を収穫。「この米を売り、津南を都会でPRしよう」と話し合い、13日に東京・表参道のネスパス前でお米の販売会を実施。「津南の米です。いかがですか」と児童は大声を張り上げた。
 ○…「栽培から口に入るまで」の学習をさらに一歩掘り下げ「どうしたら売れるか」を実体験。児童はリュックサックに3合入りに小分けした米袋135個を詰め込み、電車と新幹線で東京へ。ネスパスではオリジナルの津南紹介ポスターも貼り販売開始。最初は小さかった声も一袋ずつ米が売れるたびに大きくなり、2時間余で完売。6年の根津俊亮君は「良いお米でも、ただ置いているだけでは売れないんだと初めて知りました。物を売るって大変」と通行者に積極的に声をかけていた。

「おかあさん」、子たちに夢与え25年、読み聞かせや人形劇活動  12月14日号
 子どもたちに25年間に渡り夢をプレゼントしている津南町の読み聞かせ女性グループ「おはなしおかあさん」。年間130回も小学校や保育園に出向き、子どもたちに絵本や人形劇、紙芝居を読み聞かせる。メンバー16人全員が仕事を持つが、「和気あいあい、お互いに協力し合いながら、自分たちも楽しんでいます」と苦にしない。今月9日、

 活動25周年記念パーティーをニュー・グリーンピア津南で開き、メンバー手作りの人形や紙芝居などを展示したなか、あんなこと、こんなことがあったと、会食しながら振り返った。上村町長も出席。「この年末で一番楽しみにしていた会。25年間のボランティア活動に感謝します」。読み聞かせの実演も行い、絵本を読む声が会場に響き、参加者は子どものように聞き入っていた。

 「小学校の夏休みプール開放の後、子どもたちに絵本や紙芝居を読み聞かせできませんか」。保育園保護者への呼びかけに応えたお母さんたちにより「おはなしおかあさん」活動がスタートしたのは1987年。小学校へ出向き、読み聞かせを行う中で紙芝居も、人形劇もと活動が広がり、町公民館がバックアップし、活動が本格的に始まった。
 現在メンバーは16人。これまで語り部の川島保徳さん、東京おはなしがご・大竹れい子さんらを招き、研修をかねたお話し会を開き、メンバーで経験を積んだ。「夏休みお化け屋敷」、「小学校朝読書ボランティア」、初めて絵本と出会う4ヵ月検診の時に行う「ブックスタート・ボランティア」など活動エリアが広がった。
メンバーは30代〜60代、全員が働く女性たち。活動が認められ2007年に全国優良読書グループ表彰、09年には子どもの読書活動優秀実践団体で文部科学大臣表彰を受けている。

 記念パーティーで今年の代表、大倉光子さんは「元気な子どもたちと出会えるのが、私たちの心の糧となり、自分たちの成長の糧になっています。皆さんが仕事を持つ中で協力し合い、何よりも自分たちも楽しむという思いが、25年続いているのでしょうか」と。初代代表の橋野眞佐子さんは「皆、和気あいあいです。子どもの笑顔がなによりの源です。街で『あっ、おはなしおかあさんだ』と言われるのが、とっても嬉しいですね」と話している。

 活動の歴史は、展示された人形などが物語る。子どもたちに人気のエプロンシアターの「はらぺこかいじゅう」、「お風呂に入ろう」などすべて手作り品。さらに地元民話が題材の手作り紙芝居、大型絵本など、子どもたちの笑い声が聞こえそうな絵本ばかり。活動資金は学校ボランティア費用やメンバー負担で行う。今では長野の「飯山素語りの会」などと交流し、町内外へ活動が広がっている。

「婚活」、思いが交錯、悩む行政、津南町が出逢いの場セット  12月14日号
 結婚できない、結婚したくない、「婚活」という言葉で表現される適齢期を迎えている男女の結婚問題。高齢化、少子化に直面する地域にとって、将来の地域の存続に影響する問題にもなっている。かつて、結婚は個人的なことだったが、独身者の増加で、地域の大きな課題となり、いまでは社会問題化になっている。さて、その当事者はどう考えているのか。津南町が取り組む「婚活」活動の現状を見た。

 ふるさとに帰り3度目の冬を迎えているが、ちょっと気分が変わってきた。女性が多い職場に勤務の29歳の女性は、年齢が気になりだしている。『婚活』。そんな言葉を雑誌やテレビで見ると、気になりだしている。「そろそろ、自分でも感じています。いい出会いがあればと、初めて参加しました」。女性は先月30日、出会いを期待し、津南町が主催した出会いパーティー会場のスナックのドアを開けた。
 津南町結婚相談員会議(山田泰会長、委員12人)は、毎年3回、独身男女の出会いの場となる交流パーティーを開く。30日は、ちょっと早いクリスマスパーティー。20代から40歳までの男女43人が参加した。だが、男性28人の参加に対し、女性は15人と半数程度。その多くは、「相談員の方々に進められました」と、自主参加した人は少ない。「限られた地域のため顔見知りが多く、参加を渋る人が多いのかもしれません」などと相談員は見ている。

 交流会は、対面式で時間を決めて席を変わり、自由に会話する時間をたっぷり取った。29歳の女性は、何人かの男性から話しかけられた。「地元にいる方と知り合えて良かったし、男性の方から話しかけてくれ、とても楽しかったですね」。その後、何度か連絡を取り合っているという。
 一方、数回、こうした出会いパーティーに出席した26歳の女性は、積極性のない男性を見て、感じている。「連絡先を交換しても、その後の誘いがないんです。世間話しも良いけど、出会った機会をうまく使って、デートの誘いを男性からしてほしいですね。女性は、誘われて嫌な人なら一緒に出かけたりしません」。女性心理への理解不足を指摘する。

 ところで、当の男性たちは、こうした交流会をどう受けとめているのか。津南まつりなどイベント好きの28歳男性。この日は友人に誘われて参加した。「結婚願望はありますが、女性との飲み会を企画する人が少なく、機会がないので、こうした企画はありがたいです。なんとか30歳ぐらいまでには、良い人を見つけたいですね」。この交流会で知り合った女性と、その後もメール交遊している。 
  「ほとんど顔見知りでした。やはり、知った顔がいると、なんとなくやりにくく、動きにくいです」と話す31歳の男性は、こうした交流会によく参加する。「結局、男は選ばれる側です。男が主導権を取れる企画があってもいいのでは」と、出会い企画の見直しを求める声もある。

▽▽◆◆

 「津南町の未婚率41%」。こんな数字がある。適齢期とされる25歳〜45歳の1983人の独身者の割合だ。2・5人に1人が独身者という数字。津南の将来を考えると深刻な割合だ。 
詳しいデータは 男性1038人で未婚率49%、実に2人に1人が独身。女性945人で同41%。

 今回の出会い交流パーテイーを開いた津南町結婚相談員協議会の山田会長は、以前から指摘される消極性を指摘する。「こうした交流会に、自分から参加を申し出るのは恥ずかしいという意識があり、誘われるのを男女共に待っている。普段でも、飲み会や合コンなどを企画する若者が少ない。結婚したくない人は少ないはず。一歩踏み出す勇気と、どう作り出し、こうした交流の場を多く開くことで、いい結果に結びつくのでは」。
 古くて新しい結婚問題。個人の課題が、地域の課題となり、高齢化する津南町にとって、大きな行政課題になっている。

写真・津南町が開いた交流パーティー(先月30日、写真は加工)

「18年豪雪に似ている」、早くも積雪1b   12月14日号
 ◎…最高積雪362aを記録した「18年豪雪」を思わせる降雪が今月初めから続いている。10日から本格的に降り始めた今冬。13日までの4日間の累計降雪は85a、同日朝の津南町役場観測点での積雪は62a(前年セロa)となり、屋根には湿り気の多い雪が50a以上積もり、早くも雪下しをする家も見られた。18年豪雪では、同様に12月10日から降り始め、13日までの4日間の累計降雪は284aで、年内に津南原アメダスでは3bを超える積雪となった。

 ◎…今回の雪で地域は、早くも1月の雪景色だ。スキー場は今週末15日からオープンし、津南町のニュー・グリーンピア津南、マウンテンパーク津南は15日、さかえ倶楽部は22日に開業する。一方で歳末を迎える住民は、早い本格的な降雪で、家の除雪や取り残した野菜の収穫など、あわただしく野外仕事に取り組んでいる。雪は14日から止み、平年並みの気温に戻ってきているが、「これだけ降ると、もう根雪になるだろうな」と住民は見ている。子どもたちは本格的な雪に大喜び。雪玉と作り、投げ合っていた。今冬の雪の降り具合が気になる。

写真・いっきに積もった今冬の雪(11日、津南町正面で)

関口市長、2選出馬表明  12月14日号
 来年4月30日任期満了を迎える十日町市の関口芳史市長(53)は、市議会12月定例会一般質問の初日10日の一番手、阿部晃一氏が市長選への態度表明を求めたのに対し、「次期4年間も市政運営を担わせていただきたい」と来年4月予定の市長選への出馬を表明した。

 阿部氏は、「5ヵ年計画を前倒して市政課題に取り組む関口市長は有言実行の人と思う。信濃川の水問題、新十日町病院問題、さらに市役所改革など、まだ取り組みの最中。市政運営の継続への熱き思いを聞きたい」と次期出馬を促した。

 関口市長は、就任当初に掲げた4本の市政運営の方針を改めて示し、その具体的な取り組みと共に、「完全に達成できたわけではないので、できれば、選ばれて住み続ける町づくりのためにも、次の4年間も市政運営を担わせていただきたい」と、来年4月の市長選への出馬を表明した。
 市長選は、来年4月14日告示、21日投票の日程が決まっている。今のところ他に出馬表明はないが、新人擁立の動きがある。

県勢初の入賞めざし、吉田中学が全国駅伝へ  12月14日号
 県駅伝大会で2年ぶりアベック優勝した吉田中(斎木勝紀監督)は山口市で16日に開く第20回全国中学校駅伝教大会に出場する。激励壮行会は6日、十日町市保健センターで開き、部員17人が決意表明。男子は第3回大会で津南中が記録した全国9位を上回る県勢初入賞、女子は20位を目標に掲げる。

 男子は3回目の全国挑戦。中越、県大会は「チーム一丸で、絶対1位になる」と願をかけ全員が1分の丸刈りで挑み、圧勝で県を征した今チームは「史上最強」(斎木監督)と期待が高い。関口恭主将(3年)は「全国では一人ひとりが練習の成果を発揮し頑張りたい」と燃える。一方、女子は絶対的エースはいないが繋ぐリレーで県大会を劇的な逆転勝利で制覇。勢いに乗り2度目の全国舞台を駆ける。大熊百合菜主将(同)は「チーム一丸で最高のレースをします」と語った。吉田中選手団は12日から現地入りし全国の強豪に挑む。
 メンバーは次の通り。
◆男子【3年】関口恭、佐藤勝、佐野裕也、廣田珠樹【2年】相崎有哉、佐藤寛、柳悠、横山徹【1年】中嶋竜之介◆女子【3年】大熊百合菜、斎木美月、濱野郁美【2年】馬場真穂菜、柳妃菜【1年】児玉ゆりか、酒井美咲、濱野愛美。

 

白鳥が来た、津南町の中子の池に   12月14日号
 ◎…冬本番を迎え、北からの使者、白鳥が津南に立ち寄り、話題になっている。津南町「中子の池」に10日、7羽の白鳥が湖面を泳ぎ、雪で覆われた池の端で、翼を休める姿が見られた。家の前に広がる湖面。その湖畔の山本光夫さん(82)によると、2年前にも3羽見られたという。10日午後、ふと窓を見ると、「湖面を一列になって泳いでいたが、きれいだったなぁ。写真に撮ろうと思ったが、手元にカメラがなかった」。7羽はその後、5時間余り、中子の池で休み、夕方近く、飛び立って行った。

 ◎…7羽の中には、今年の幼鳥と見られる濃いグレーの白鳥1羽がいた。新潟県野鳥保護の会メンバーの十日町市の南雲敏夫さんによると、「7羽はおそらく家族でしょう。目的地へ行く途中に休憩したのでは。この近くでは、刈羽村の長峰大池が越冬池になっている。残念ながら、この地域は積雪でエサ場がなく、今回も途中休憩でしょう」と話している。白鳥は、時おり羽ばたき、次なる旅への準備を見せていた。

写真・飛来した白鳥7羽(12月10日午後3時頃、津南町中子の池で)

ファミリーマートと津南町見玉、湧水取水で合意、年内に現地法人設立  12月7日号
 大手コンビニエンス・ストア「ファミリーマート」(本社・東京池袋、以下ファミマ)による津南町での飲料水事業化が決まった。秋山郷入口の見玉集落は2日、臨時総会を開き、同地内の湧水源からの取水同意を決議した。4日には津南町議会で上村町長、地元代表、ファミマ担当常務が同席し、同地から取水し「ナチュラル・ミネラルウォーター(天然水)」として飲料水販売する事業化の基本合意ができたことを報告。議会説明会後の記者会見で同社の本多利範常務は、「この素晴らしい環境で生まれる良質な水を全国の皆さんに届けたい」と見玉湧水の取水同意に感謝し、「ネーミングは『津南の水』、あるいは『津南の天然水』という名称が有力」と、津南を前面に出した商品名を使用する方針を明らかにした。同時に、津南町とファミマは同水事業と平行して、農林業、観光、都市交流事業など相互支援し合う「津南町地域活性化包括連携協定」を交わすことを決めた。

 ファミマはコンビニ業界2位の大手で現在全国に9千2百店を持ち、さらに千店増設の計画。今回の飲料水事業は、見玉水道水源から年間1万d取水し、ペットボトル(550_g予定)を年間千2百万本(最大2千万本)製造、全国店舗で販売。工場は見玉集落の山側約1万平方bに用地を求め、約3千平方bの製造工場を建設。従業員12人余体制で1時間1万2千本製造の計画だ。工場ではベットボトル製造から水充填、ラベル張りまで一貫生産。製造のペットボトルは薄型で形状も自由に変えられるイタリア製機器を導入。敷地内に井戸を掘り、製造ボトルの冷却水に活用する。

 見玉湧水を製品化する現地法人は、ファミマが50%以上出資。同社が宮崎県小林市の霧島山麓で水事業する現地法人などが出資の見込みで津南町は出資しない。計画では年内に現地法人を設立し、工場用地の農業振興地域の解除、農地転用などの諸手続きを進め、来春から建設工事に入り13年度内に稼動の方針だ。

 ファミマでは、「硬度160の良質な霧島の硬水、硬度17の良質な津南の軟水、この2本を並べて販売することで商品価値が高まる」とマーケット戦略を打ち出す。同社は津南町を通じ、全国名水百選「竜ヶ窪」の取水を昨年計画したが地元同意が得られず断念。その後、町から「見玉湧水」を持ちかけられていた。

写真・ファミリーマートが水事業化を行う津南町見玉の湧水源

ファミマと津南町、農産物など地域活性化包括連携協定を締結へ  12月7日号
 4日の議会説明、記者会見で本多利範常務は、商品名について「(会社の)トップは『津南の水』『津南の天然水』を考えており、有力候補」と、津南を商品名に使う意向を明らかにした。特に「3年前、トップシークレットで始まった軟水の事業化。全国を歩き、津南との縁ができた。年間通じて津南を訪れ、自然や風土に接し、知れば知るほど津南を全国の消費者に提供したいと感じた。20代の女性町議誕生も全国的な話題を集め、津南は全国ブランドになりつつある」と津南への強い思いを話している。

 町長就任後、限られた財政規模の津南町の行政力を付けるパートナーを求めていた上村町長。その具体化に一歩近づいた形だ。水事業と平行して『津南町地域活性化包括連携協定』を締結する。「津南の自力をつけたい、そのためにはブランド力のアップが必要。安心安全は当然として、美味しい津南産物を全国展開できる自力を付ける大きなチャンスと考える」と同協定をフル活用し、特に津南農業の自力アップに取り組む方針だ。

 一方、地元見玉地区では、今春以降、この水事業化について検討を重ねた。4月に町説明を受け集落協議を重ね、7月に「見玉用水検討委員会」を設置。9月に現地測量入りに合意、今月2日の臨時総会で賛成多数で湧水取水を決めた。同委員会の高橋孝男委員長は「臨時総会5回、検討委員会10回開き、とにかく地元を二分したくない思いで取り組み、方向性を出した」と、見玉集落条例の遵守、環境保全への協力、冷却水の指定河川への放流など6項目の条件を付し、取水に合意。これに対しファミマは、見玉に環境保全協力金としてペットボトル1本あたり0・25円(年間2000万本製造で500万円)を提供する。

 見玉集落では、生活用水不足を懸念する声が上がり、集落内すべての湧水・用水を調査した。報告によると年間湧水量12万4千d、見玉生活用水年間1万2千d。一方で地域流入の5水系の年間流量294万6千d、農業用水約23万d使用。これに対しファミマ取水の製品水1万d、ボトル製造冷却水5万2千7百dを予定。高橋委員長は「見玉の水不足は心配ないという結論だ。環境保全と共に、見玉地域、さらに津南全体の振興に寄与願いたい」と企業側に要望している。

写真・記者会見で飲料水事業化を話す本多常務(左、4日、津南町役場で、中央は上村町長)

ありがとう秀一さん、偲ぶ会に70人余  12月7日号
 秋山郷をこよなく愛し、農山村の人々の暮らしに寄り添い、雪国の生活用具を調べ、里山に生かされる人々を訪ね歩き、現場を見て、人の話しを聞く活動を60年余り取り組み、今年5月、94歳で他界した日本民俗学会会員、日本民具学会評議委員の滝沢秀一さん(津南町赤沢)を偲ぶ会を1日、津南町の綿屋旅館で開いた。昭和34年から始まった地域の女性たちとの勉強グループ「お母さんのひろば」のメンバーが中心となり開いた偲ぶ会には、県内外から70人余が出席し、世界的な偉業となっている縄文の布「アンギン」研究の一端も展示。53年間、同ひろばで関わった石橋玲子さん(75)は「津南のお母さんたちの心に、灯火をつけてくれました」と感謝していた。

 偲ぶ会は、同ひろばメンバーや町職員時代、民俗調査活動関係者などで作る実行委員会(滝沢菊三郎代表)が開いた。新潟県民俗学会・駒形覐会長のメッセージも届き、十日町市博物館勤務時代の佐野良吉氏、津南町史編纂事業の関係者の池田亨氏など、幅広い民俗研究者なども出席。さらに昭和30年代から地元赤沢などで発行した文芸誌「生誕」から関わる藤木あやこさん、石澤今朝松さんなど、滝沢さんの人柄そのままの多彩な出席で開いた。

 わら細工の伝承に取り組み、同時にアンギン研究に協力し、福島・昭和村などへ同行した石澤今朝松さん(82)は、「秀一さんの後をくっついて歩き、民俗とは『人の暮らしを見直し、伝えること』の大切さを教わった。週に一回は秀一さんの家に通った。まだ、『おい』と声をかけてもらえそうな気がする。聞きたいことが、まだまだいっぱいあった」と思い出を語った。

 偲ぶ会では、53年間続く「お母さんのひろば」の編集会議の様子が再現され、秀一さん役で調査活動に参加した高橋静男さんが似顔をかぶり、ひろばメンバーが「方言」をテーマに会議。次々と懐かしい方言が飛び出し、会場を温かに包んだ。
 3時間余りの偲ぶ会の最後、次女の由美子さんは「父が残してくれた物から、父が歩いた道を追ってみたいと考えるようになりました。皆さんのおかげです」と感謝していた。

どぶろく人気、東京から直送バス、津南町がどぶろく特区  12月7日号
 ○…どぶろくを名物イベントに―。第2回新潟どぶろく博覧会は1日にニュー・グリーンピア津南で開催。県内10蔵元19銘柄が一堂に集い、満席の150人が堪能。食事も津南牛ステーキ鉄板焼き、野沢菜漬などお酒に合う郷土の味を提供。つなん火焔太鼓、指笛・野火止倶楽部によるステージ演奏もあり盛り上がった。

 ○…昨年に同津南、県どぶろく研究会(上越市ほほえみ荘・佐藤健一会長)、越路商事(古澤有三社長)が連携し初開催。「たくさんの種類のどぶろくが飲める場は他にはない」と評判に。今回は7割が関東圏からで、宿泊で経済効果も生み出している。同津南の長津一郎副支配人は「東京からの直行バスが好評。スキーシーズン前の目玉企画として定着させ、津南をPRしたい」と話している。

 津南町が「どぶろく特区」に認定された。国への特区申請が先月30日、津南町全域が特区となる認可が下りた。これにより、最寄税務署に申請し、製造免許を取得すると、町内での「どぶろく」製造、販売ができる。すでに十日町市と栄村では同特区を取得しており、津南町の宿泊・飲食関係者などから要望が出ていた。
 どぶろく特区は、自分で生産した米を原料に濁酒(どぶろく)を製造、販売できるもの。宿泊施設などの個性化づくりとなり、誘客効果が期待できる。すでに町内の秋山郷・逆巻温泉「川津屋」では、オリジナルどぶろく製造に向け、十日町税務署に酒造免許の申請を行っている。

四重奏と合奏で全国大会へ、十日町・馬場小学校  12月7日号
 17人の部員、2種目で全国大会出場―。第38回新潟県リコーダーコンテストが1日、中之島文化センターで開かれ、重奏や合奏など小学生から社会人まで延べ34団体が参加したなか、十日町市立馬場小(石塚早苗校長、児童63人)が四重奏と合奏の部で金賞を獲得、全国大会出場を決めた。また合奏では貝野小も銀賞ながら連続26回目の県代表に、一般の部では十日町リコーダーアンサンブルが全国大会への出場権を獲得した。

 地元勢で唯一、小学校の部で金賞を受賞した馬場小リコーダー部は、平成16年から3年連続、全国大会で合奏・金賞を受賞している。今年は4年生以上の希望者17人で取り組み、週2〜3日、大会前はほぼ毎日練習に励んできた。

 合奏は金子健治作曲「飛鳥の里へ」を、四重奏は6年生でH・J・テシュナー作曲「バラの香り」を演奏。審査評では「曲想をしっかりとつかんだ名演」と高い評価を受けた反面、「タッカのリズムが甘い」と全国に向けての課題点もあげられた。太田温美部長(6年)は「とってもうれしい。全国でも最高の演奏で金賞を取りたい」と胸を膨らませ、指導に当たっている指揮者の山川みちる教諭は「表情豊かに演奏できるようになってきました。全国ではお客さんにいい演奏をプレゼントしたいです」と話している。全国大会は3月27日、東京・江戸川区総合文化センターで開かれる。

 十日町地域の結果は次の通り。
 『小学校』▼四重奏◎金賞・県代表=馬場◎銀賞・東▼合奏◎金賞・県代表=馬場◎銀賞・県代表=貝野◎銀賞=津南◎銅賞=中条

バスケットbjリーグ・中野社長、被災地支援でオールスター戦招待 12月7日号
 「人柄の温かい津南を応援したい」。20年余前からバスケットボールを通した縁で津南と交流が続くプロバスケ・bjリーグの中野秀光社長(小千谷市出身)は4日に県境地震被災地の津南町、栄村を訪問。1月20日に有明コロシアムで開く同リーグオールスター戦での特産品ブース無償出店を改めて呼びかけ。さらに「両町村の住民も無料で招待したい」と伝えた。これを受け両町村はバスツアーなど検討し、住民参加を呼びかける方針だ。

 中野社長は小千谷青年会議所理事長時代の16年前、小千谷でNBAのOB戦を開き、1万円のチケットを6千枚完売した実績を買われ新潟アルビレックスBB社長に就任。5年前に現職となり日本初のプロバスケリーグ運営に奔走。町バスケ協会(恩田輝次会長)とは毎秋の「津南カップ」を通し交流。先月24日の同大会にも訪れ、特産品ブース無償出店を提案。社内で正式決定し、再び津南に報告に訪れた。

 昨年のオールスター戦は約1万4千人が来場。全国の特産品ブースも並ぶ人気イベント。出店で両町村PRが期待される。中野社長は「bjリーグの理念はスポーツで街を元気にすること。県境地震で被災した縁ある津南、被害の大きかった栄村を応援したい」と話している。

写真・オールスター戦への招待を話す中野社長(右は上村町長)

新魚道で22種1万8千尾を確認、JR東・宮中取水ダム  11月30日号
 発電取水により「水なし川」の代名詞だった大河、信濃川に水が戻り、サケなど魚類の姿が増している報告が26日、長岡市のホテルで開いたJR東・信濃川宮中取水ダム魚道構造改善検討フォローアップ委員会(会長・本間義治名誉教授)で報告された。同魚道改善は2009年の魚道構造改善検討委員会から取り組み、現委員会を含め4年間、9回の委員会を開き、魚道の抜本的な改善に取り組んだ。今年3月、新しい魚道が完成し、サケなど魚類の遡上に関心が集まっていたが、サケは今月10日までの定期捕獲調査では、同ダムが稼動以来、最多と見られる297尾を確認。アユなど他の魚類も22種1万3千尾余り確認され、魚道改善の効果が同委員会で評価された。今後は、5年間の試験放流3年目のなか、2年後の水利権再申請との関係、特に維持流量との関係が大きくクローズアップすることになる。
 
 同委員会で関心を集めたのが、宮中取水ダム稼動後、最多と見られるサケの遡上数。9月11日から今月10までの採捕調査で297尾を確認。前年は135尾、2年前は146尾。倍増している。委員の地元中魚沼漁協・長谷川克一組合長は「帰っている多くが4年魚。4年前から稚魚を20万尾放流している。水量の変化、魚道の改善効果もあるが、稚魚の大量放流が要因では。10年来の(魚道改善の)要望がようやく実現した」を感慨深く話し、今後は稚魚100万尾放流をめざす計画で、孵化場で新たな湧水の求める方針だ。さらに本間委員長は「今年は、多くの川で遡上数が少ないなか、ここの数は驚きでもある。河口で捕獲しているため、実際には相当数が帰ってきたのでは」と見ている。
 今回の魚道改善は、同委員会を構成する河川や魚類の専門家などのアドバイスで実現した。特に小型魚や底生魚などが上りやすい「せせらぎ魚道」を設置し、魚道の全国モデルとしても感心を集めている。

 新魚道は今年3月完成。6月6日〜7月4日までの魚道での魚類調査では、アユ1万821尾を筆頭にオイカワ803尾、ウグイ485尾など、ウナギからサクラマス、トウヨシノボリ、さらに希少種ウケクチウグイなど22種1万2776尾を確認している。

 この日の委員会では「魚道改善の効果を検証し、所定の成果が認められた」として、同委員会は今回で休会となる。ただ、魚類や洪水期などのモニタリング調査を継続する。同委員会では、新魚道などを学習の場に活用すべきなどの意見が出た。委員のJR東・信濃川発電所業務改善推進部の中井雅彦部長は「魚道だけでなく、信濃川発電所全体を観光資源として地域の活性化につなげたい」と話し、」すでに『駅からハイキング』などの同発電所をめぐる旅プランを実施し、今後、大地の芸術祭との旅行商品化なども検討する意向だ。 なお、魚道内の観察室では観察窓の拡大工事に取り組み、来春のオープンではさらに大きな観察窓で魚類が見られる。

写真・新魚道で多種の魚類が確認された。来シーズンに備え観察室の窓の拡大工事を実施中だ(11月28日、宮中取水ダムで)

新ライフスタイル「藤ノ木正美さん、福を招くコウモリに魅せられ」  11月30日号
 「これほど、人の暮らしの近くにいる野生の哺乳類は、いないでしょう」。家の軒下や壁の割れ目、コンクリート建物の屋上下などに、ひっそりと暮らしている蝙蝠(もうもり)。夜行性のため人の暮らしと正反対。夕暮れ、人が家に入る頃、彼ら、彼女らは動き始める。「きっと、間近で見たこと、あるいは触れたことがある人は少ないはず。よく見ると可愛いですよ」。県内では数少ない「こうもり研究家」の藤ノ木正美(59)。冬を向かえ、彼ら、彼女らは、冬眠に入った。

 12年前の2002年の夏。渓谷美が人気の清津峡に構える土産物店の軒先で見つけた。「毛むくじゃらの、丸いものがぶら下がっていた」、補虫アミで捕まえると、コウモリだった。新潟県自然環境保護員を務めている関係で、すぐに図鑑で調べた。「どうも希少種の仲間のようだったので、写真を撮り、専門家に写真データを送ったんですよ」。これが、コウモリとの本格的な出会いであり、調査活動が、いまに続く。

 全国組織「コウモリの会」は、毎年各地で全国大会を開く。今年は8月、軽井沢で開いた。大会は行楽シーズンの週末が多く、なかなか出席できない。「いろいろな研究者がいる。北海道大学の先生の生態実験の話や、青森の研究者の調査方 法など興味深いですね」。  
 新潟県の研究者は少ない。12年前、自宅の軒先で見つけたコウモリの写真データを送った柏崎市立博物館の箕輪一博学芸員が、県内の第一人者。以来交友する。平成18年3月には、それまで調査研究をまとめた『清津峡地域のモウモリ類についてーヒナコウモリ、カグヤモウモリの新たな記録』を発表。これは、新潟県内では初めて確認された種類の調査研究報告となった。

 コウモリは哺乳類。「えっ、鳥じゃないの」と驚く人がいるだろう。犬や猫などのペット哺乳類以外で、野生哺乳類としては、いちばん人間に近い所で生息する。これまでの調査で日本国内で36種が確認され、新潟県は13種。調査する十日町市内では11種を確認している。「この地域には、コウモリが生息できる環境がある証拠です。モウモリは、人の暮らしのすぐそばで暮らしています」。
使われなくなったトンネルや自然の洞窟、木のムロなどに暮らすコウモリ。1千頭規模のコロニー(飼育地)が、人の暮らしのすぐそばにある。

 その魅力は…。「魅力というより、この地にどれほどのモウモリがいるのか、それさえも分かっていません。保護するにも、どんな種類がいて、何頭ほどいるのか、そのための調査活動です」。平成18年の報告書以降も、毎年、調査活動をまとめ県に報告している。独りでの調査が大部分。「一緒に、と言っても、コウモリに関心がある方は少ないですね」。

 福を呼ぶモウモリ。特に中国では、コウモリは「福を招く象徴」として、お菓子の標章やデザインに使う。日本でも古来から意匠に使っている。「コウモリというと、吸血鬼のイメージがありますが、そのイメージは全く違います。古い家が壊されると、棲んでいたモウモリは追い出されます」。  
 人の近くで暮らすコウモリ。人の暮らしに影響する虫を主食とする。ここにも自然のバロメーターがいる。

栄村震災復興住宅が完成、いぜん4世帯は仮設、1世帯は入居判定が越年  11月30日号
 昨年3月11日の東日本大震災の翌日、12日未明に発生した長野新潟県境地震で民家など全半壊202棟、農地など多大な被害を受けた栄村。震災から1年8ヶ月が過ぎ、ようやく震災復興住宅が完成し、今月末から入居が始まった。村内横倉の仮設住宅から復興住宅に引っ越す世帯は、年末の慌しさのなか、家財道具を運び入れている。一方、仮設住宅では家を再建中など、4世帯がそのまま年を越す見通しだ。その1世帯は、当初、震災住宅に入居が内定していたが、その後の入居基準策定で、入居が保留状態にあり、村では「話し合いを続ける」として、年内に入居判定が出るかどうか、不明だ。

 震災復興住宅は、村内8集落に31世帯分(18棟)を長野県住宅供給公社が建設し、栄村がそのまま買い取る。入居は27日から始まり、12月上旬までに30世帯が入居する予定。現状では、1世帯分が空いている状態。村総務課住宅対策係では「空いた場合は、国へ補助金返還が必要だが、調整していく」と対応を話している。だが、新たな入居希望の世帯は現状ではなく、今後の村の対応に関心が集まる。

 一方、当初、震災復興住宅への入居希望を提出し、その後の入居基準の策定で「入居基準を満たしていない」と、入居断念を迫られた1世帯は、依然として具体的な判定が下されていない。基準を満たしていない理由では、前年所得が基準を上回るため。だが、今回の東日本大震災の被災地では、復興特区により、従来の基準緩和が行われ、所得基準の見直しを行うことが可能になっている。栄村は、今のところ、その特区申請をする意向はないようだ。

 この1世帯について、村住宅対策係は「所得証明は前年収入で決めるのが一般的。村内には自力で住宅再建する人もあり、収入が多い人に対する村民感情もある。今年の収入は来年1月には判明する。それなどを踏まえ協議していく」(定住促進係)と、最終的な入居判定は新年にずれ込む見込みで、震災から1年8ヶ月が過ぎ、行政対応の遅れと被災者視点の欠如を問題視する声が上がっている。
 仮設住宅に残る4世帯は、入居判定が保留の1世帯以外の3世帯は、家新築中で完成は新年以降になる見込みだ。

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 完成後、入居を開始した被災者のひとりで、震災前に森駅前で薬屋を営んでいた広瀬房子さん(84)。夫・政幸さんに6年前に死去、独り暮らしのなか震度6強の激震。木造自宅は半壊、自力再建は難しく、昨年5月に横倉仮設住宅へ。27日、森地区に完成した震災住宅に引っ越した。「思い出のある家はなくなったけど、また森に戻れて嬉しい。また近所の優しい皆の顔が見られるのが一番嬉しいです」と笑顔を見せた。

 この震災復興住宅は村内8集落(森、青倉、横倉、小滝、月岡、野田沢、大久保、北野)に、1棟1世帯、1棟2世帯の18棟建設。総事業費約6億8900万円。入居30世帯のうち高齢者独居12世帯、高齢者だけ7世帯と高齢化している。なお入居者がいない仮設住宅は来月から解体する。

津南で「水郷水都全国大会」、「海は森の恋人」  11月30日号
 全国の環境学者や自然保護に取り組む活動家が集う「第28回水郷水都全国会議大会」は23日から25日の3日間、津南町で開催。同会議(大熊孝・奥井登美子・保母武彦共同代表)は全国の水環境問題に焦点を当て、現地視察など行い交流、自然環境見直しの提言を続けている。

  津南大会メインテーマは「雪と湧水の縄文の里で水環境を考える」。基調講演は佐藤雅一町文化財専門員、新潟大名誉教授で共同代表の大熊孝氏。このなかで大熊氏はJR東・宮中ダムの放流量増で同ダムで採捕したサケが今年過去最多の297尾と増え、一方東電・西大滝ダムでは12尾に留まる現状を紹介。「ダムは土砂の落葉を貯め込み、7魚の遡上を遮断するなど川に取っては敵対物。だが鮭が戻り、今後が楽しみとなっている」とさらなる河川環境改善の必要を指摘。またサケが遡上することで海のミネラル分を上流に運び、山を豊かにする海外研究を例に「鮭が戻るのはそれだけで価値がある。海は森の恋人だ」と語った。

 JR東の宮中ダム不正取水問題に始まり、東電・西大滝ダムの放流量増を求める声の高まり、津南で大手企業による龍ヶ窪の水販売計画が住民反対で中止となるなど近年「水」への関心が増す奥信越地域。今大会は千曲川・信濃川復権の会(根津東六、矢間秀次郎、大野峰太郎共同代表)のメンバーに同会議会員が在籍する縁で今年5月に打診があり、実行委(中山弘委員長)を組み津南大会が実現。県内開催は第8回以来20年振り。沖縄や福岡、福井、大阪、茨城など14都府県から150人余が参集。名水百選龍ヶ窪、見玉の柱状節理、西大滝ダムなど巡る現地見学会も行い、現状を目と耳で学んだ。中山弘実行委員長(60)は「亡くなった樋熊清治さんが言っていたように、水の半分は人間、もう半分は他の生き物に与えるべきもの。人間だけが水を使っていい訳ではない。大会を水を考える契機とし、水環境が豊かなこの地を守るため、関心ある人を増やしたい」と話す。

 最終日25日は津南大会宣言を決議。『水系一貫の原理にもとづき信濃川の鮭の遡上を強く求める水の復権』『脱原発をめざすネットワークを強め、次世代への責任を果たす努力を続ける』と、豊かな自然環境を未来に繋ぐ決意を表明した。

写真・名水100選の竜ヶ窪を視察する全国大会参加者

新たなに栄村秋山郷観光協会設立、津南との連携を  11月30日号
 観光活動の一本化を進める栄村は15日、これまでの栄村観光協会と秋山郷観光協会を合同した「栄村秋山郷観光協会」を設立した。村内事業者やグループなど43団体が加盟し、秋山郷観光協会長を長年務めた相澤博文氏を会長に、副会長には旅館の女将、吉楽里美氏を選出し、分野別5部会を作り、新体制をスタートした。来月には初めての理事会を開き、部会の活動方針を確認し、動き出す方針だ。

 設立総会には、スタート当初の43会員のうち35人が出席。39年の歴史を持つ秋山郷観光協会は今年5月解散、28年の歴史の栄村観光協会は当日解散し、新観光協会設立を全会一意で決めた。新組織では、活動分野別の5部会を設置。「旅館民民宿部会」「誘客宣伝部会」「ごっつお開発部会」「環境整備部会」「商工品販売部会」。従来の行政主導的な活動から一歩進め、部会活動の充実で、観光協会全体の活動の充実をはかる方針だ。

 さらに会員加入には特別な規定はなく、「趣旨に賛同する個人、団体」として、村内外、広く会員を募る方針だ。初代会長に就任した相澤博文会長は「行政ではできなかったような観光産業、文化観光などの事業を、民の力を結集して、栄村の観光は一つという総合的な取り組みを進めたい。いろいろな人が集まると、いろいろな意見、見方が出る。それが魅力作りにつながるはず」と、個性ある各部会活動を期待する。一方で「津南町との連携がますます求められ、津南町観光協会との連携、交流をさらにはかりたい」と活動方針を話している。

 新体制の役員構成は次の通り。▼会長・相澤博文(ヒユッテひだまり)▼副会長・吉楽里見(吉楽旅館)▼環境整備部会長・福原和人(出口屋)◎副部長・関沢昭一郎(共栄建設)▼ごっつお開発部会長・相澤博文◎副部長・斎藤勝美(かあちゃん家)▼商工品販売部会長・福原初(ワールドエコ)◎副部長・安藤勇(安藤洋服店)▼誘客宣伝部会長・高橋規夫(豪雪の里)◎副部長・石沢一男(田舎工房)▼旅館・民宿部会長・山田孝幸(切明リバーサイドハウス)◎副部長・吉楽里美。

涙あり、笑いあり、素人劇団に声援、かわにし夢きゃらばん  11月30日号
 ○…「スーパー素人劇団がおくる世界の名作」と銘打った、かわにし夢きゃらばん自主公演『三刻の鐘―愛と信の物語―』が23日夜、千手中央コミュニティセンター・千年の森ホールで開かれた。方言豊かに笑いあり涙ありのプロ顔負けの名演技に、詰めかけた4百人余りの観衆から大きな拍手がおくられていた。

 ○…第16弾となる今回の作品は、泉鏡花の『夜叉ヶ池』がモチーフ。オペラ季節館の伊勢谷宣仁、荒木薫両氏らの指導のもと、公演1ヵ月前から毎日、練習に励んで本番にこぎつけた。会場では登場人物が現れるたびに「あれはあこの家のお母さんだがの」などの声も聞かれ、熱演に「うまいぞ」と声が飛んでいた。
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 ○…結成20周年を記念した劇団御の字(二瓶光代表)の記念公演会が17、18日、十日町市中央公民館で開かれた。今年6月に開いたのに次ぐ第2弾。観客と演じる側との一体感をと、会場は講堂を使い観客の目の前で公演した。訪れた人たちからは「演劇の醍醐味を味わえてよかった」と感想が聞かれていた。
 ○…演目はメンバーの創作によるふたり芝居「ベニクラゲの告白と、続々のお話」。演出も舞台、照明もすべて団員による手づくりで行った。中には長岡市から駆けつけた演劇ファンもおり、「市民演劇の火を消さないで」という声が聞かれていた。脚本を担当した藤田芳恵さんは「十日町に劇団御の字ありといわれるよう、今後もがんばっていきたい」と話している。

写真・かわにし夢きゃらばんの第16回公演(川西・千年ホールで)


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