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2010年05月の津南新聞「トピックス」

過去の津南新聞トピックス
雪の苗場山、1日山開き、ヘリで荷揚げ  5月28日号
 ◎…苗場が呼んでいる。来月1日山開きを迎える日本百名山・苗場山(2145b)。国内有数の山頂地形には無数の地塘が点在。360度の眺望からは来たアルプスの連山。山頂の宿泊施設「苗場山自然体験交流センター」(苗場山観光経営)への荷揚げを25日行った。東邦航空ヘリをチャターし、水や食料、燃料など約25dを運び上げた。山頂の積雪は2b余、例年より1bも多く、山小屋入口の半分が雪に埋まる。ヘリで上げた投雪機で除雪し、シーズンに向け準備した。
 

 ◎…昨年は3千2百人余(前年約5百人増)は宿泊。クラブツーリズム利用の登山者が多く、50代以上のグループが増加。一方で昨年8月、山小屋宿の60代男性が急性心筋梗塞で亡くなる事故も。今季、同センターに栄村の支援でAEDを設置、さらに自家発電・太陽光パネル設置など施設整備を行う計画。安心の宿泊施設作りに重点を置く。今月13日の株主総会で新社長就任の中沢茂さん(61、小赤沢)は「児童生徒の登山が減ったが50代以上の女性が増え、傾向が変わってきている。安全に登山できる環境を整え、苗場山の魅力を楽しめるようにアピールしたい」と話す。宿泊予約、問合せは秋山郷観光協会рO25(767)2202。

「自分の生きている姿を」、横浜国大付属鎌倉小が来月2日から三箇校舎活用  5月28日号
 今春閉校した津南町の旧三箇小校舎を来月2日から活用する神奈川・鎌倉市の横浜国大付属鎌倉小学校の副校長らが26日、三箇地区を訪れ、活用計画を説明した。甘利修副校長は「この自然の中で子どもたちは自分が生きている姿を実感するはず」と同地区の環境の良さを話し、利用を受け入れた地元に感謝した。
 

 計画では2日から5年生40人が3泊4日間、8日から6年生が同期間、三箇校舎で寝泊り、自炊する生活体験をする。
同校は、1年生の1泊(学校泊)から6年生の3泊まで学年に応じて同体験を、大学施設がある神奈川・真鶴や千葉・千倉、八ヶ岳山麓の清里などで年2回を行い、同体験は30年余続く伝統行事。甘利副校長は「不自由な中で自分たちが生きている姿を実感し、足元を見つめることになる」と宿泊生活体験のねらいを話す。
同校と津南は2年前から交流し、昨冬は津南から雪を同校に運び雪体験。今冬は津南を訪れ、大雪の雪国体験をした。
 

 三箇校舎での宿泊生活はすべて自分でする生活。マキを集め、石でカマを作り、飯ごうでご飯を炊く。食材も自分で見つける。5年担任の中田智規教諭は「この環境の中で自分に何ができるのか、子どもたちは逆に自分の生きる力のなさを感じ、大人の力がないと生きていけないことを感じるだろう。何でもある生活が当たり前の今の子たち、家族への感謝、人との関わりの大切に気がつくはず」と話す。5年生は田植え、6年生はサツマイモ植えを行い、秋には収穫に来る。さらに2月には120人が三箇校舎で冬の宿泊体験をする。

信濃川問題、5年間の試験放流の検証委を設置  5月28日号
 JR東の不正取水で水利権取消しにより発電取水が停止され、地元十日町市や中魚漁協が再申請同意した宮中取水ダムの再開時期に関心が集まる一方で、今後の5年間の試験放流を監視、検証する委員会が設置された。さらに市民グループが新たに5年後の水利権再協議に向って「放流量は50%以上に」などとする要求を掲げた団体を結成するなど、5年後の再協議に向けた取り組みが、官民で始まっている。信濃川水問題は、5年後に向け、新たな段階に入っている。
 

 26日、第21回信濃川中流域水環境改善検討委員会を十日町クロス10で開いた。今回から新たに下流域の長岡市、小千谷市、信州大教授が加わり、さらにJR東日本・信濃川発電所業務改善推進部長も委員に入った。協議会では今後行う5年間の試験放流内容などについて協議した。流域の関心は、この5年間の試験放流の監視と検証の場。同協議会では新たに「宮中取水ダム試験放流検証委員会」(会長・西澤新大名誉教授・同協議会会長)の設置を決めた。メンバーは同協議会員の大学研究者と流域市町村、県、北陸地整、さらに中魚漁協、魚野漁協、そして試験放流の各種調査を行うJR東日本もメンバーに入った。
 

 この検証委員会について中魚漁協・長谷川克一組合長は「試験放流の調査主体はJRであるが、それを監視する意味でも、メンバー入りには意味がある。しっかり検証していきたい」と話している。調査は河川形態、水温、藻類、魚類、水質、底生、景観など8項目。同調査はJR東を行う。

 
 一方、25日夜、十日町市民会館で、JR東の取水水利権の再申請同意を疑問視する市民40人余により「信濃川を愛するみんなの会」(会長・樋熊清治、前信濃川をよみがえらせる会長)を結成した。JR再申請で「最大取水量毎秒317d」の同意は、「河川環境を破壊するもの。新河川法の趣旨からも到底認められない」と『上限取水量は信濃川流量の50%以下』などを要求し、翌26日に関口市長に要望書提出し、来月には国土交通省・前原大臣宛の提出する方針だ。
 

 同日の結成会では、「再申請同意前に、なぜ市は環境アセスメントを行わなかったのか。5年間の試験放流の内容は、これが既成事実になってしまう可能性があり、極めて危険な内容」、あるいは「今は水を守る『守水』の時代。人に水をやる時代ではない」など地元行政やJR東への厳しい意見が続出した。

写真・市民グループが結成した「みんなの会」代表に就いた樋熊清治氏

春味ふき味噌、「山菜朝まんま」提供、松之山温泉  5月28日号
 ○…「美味しい朝ごはんをどうぞ」。松之山温泉合同会社・まんま(柳一成代表社員・16人)は春の新メニュー「山菜朝まんま」の提供を開始。松之山に伝わる発酵食品を合わせたオリジナル味噌「まんまの味(み)」に春を代表する味覚フキノトウを混ぜ、朝食を食べる直前にあぶり、地元産コシヒカリと共に食べる山の恵みを活かした一品。7月中旬まで宿泊者に提供する。


 ○…昨秋の「棚田鍋」、今年1月の「とろろ朝まんま」に続く地域限定メニュー第3弾。27日に千歳で試食会。「まんまの味」は松之山の女性らで作る山鳩グループ(尾身美晴代表)の手作り山鳩味噌と塩の子、醤油の実、酒粕を調合し作成。これをベースに各旅館がフキノトウを混ぜアレンジ。ヨモギや豆ふ、山筍なども入れ独自色を出す。指導の元コンラッド東京料理長・斎藤章雄さんは「伝統食は一見地味だが地域に根ざしたもの。旬の素材、知恵が活かされ大きな魅力」と話す。今後、秋に向け天然ナラタケ(あまんだれ)など使った「深山きのこ朝まんま」も開発中。問合せはまんま(千歳内)рO25‐596‐2525。

津南、応援してますよ、北野大さんらアスパラ収穫交流  5月28日号
 ◎…今が旬のグリーンアスパラ。「津南町応援団」の一行が今年も23日、東京や新潟から訪れ、津南の高原地でアスパラ収穫を行った。小林町長と20年来の交友を持つ大学教授や日銀支店長、観光会社役員など20人余が町内相吉の農家の畑でスクッと伸びたアスパラを収穫。畑を開放する栽培農家・涌井九八郎さん方では旬の山菜料理などを囲み、年に一度のアスパラ・山菜交流を行った。
 

 ◎…新潟薬科大名誉教授の及川紀久雄さんらの呼びかけで15年余り前から続く交流会。「津南で田舎する会」でスタートし、今回は「ほのぼの会」。映画の北野武監督の実兄、明治大教授・北野大さん夫婦、日銀の前新潟支店長、藤田観光副社長、新潟市長夫人、JR東新潟支社長など多彩な顔ぶれ。今年7月で退任する小林町長も交流会から合流。津南の成人式講師を3度も務めた北野大さんは「15年来の付き合い。小林町長は硬骨の人。合併論議の時にそれが出た。ポロシーをしっかり持っている人」と話し、呼びかけ人の及川さんは「津南とは石沢町長時代からの付き合い。小林さんは7月で退任するが、NPOでも作り、ぜひ地域貢献してほしい。これまで築いた広い人脈を地域のために役立ててほしい。大きな力になるだろう」と期待感を寄せている。

「命の授業」、ヤギ飼育通じて、芦ヶ崎小  5月28日号
 ◎…新しい仲間が入学した。津南町の芦ヶ崎小(内山恵子校長・50人)に21日、可愛いヤギが仲間入りした。今年のひな祭り生まれの「リボンちゃん」。真っ白な体に赤い首輪、「かわいいー」と、子どもたちは大歓声。全国やぎネットワーク会長で津南にある県立妙法育成牧場長を務めた今井明夫さんが連れてきた。「しっかり眼を見て話して下さい。可愛がって下さい」などリボンを膝に載せ、子供たちに語った。
 

 ◎…「命の大切さを感じてほしい」。内山校長の思いに応えた今井さん。今春生まれた赤ちゃんを育て、この日、子どもたちが待つ芦ヶ崎小にやって来た。実はこの子ヤギ、内山校長が5年前に教頭で勤務した清津峡小で飼っていたヤギの子。閉校で飼えなくなったヤギは、芦ヶ崎小近くの赤沢、関谷今朝次さんが引き取り飼育。今年3月3日、3頭を出産。その1匹がリボン。リボンは津南生まれ。「このヤギはペットではありません。育てる大切さを体験し、それが命の大切さを感じるはずです」と内山校長。ヤギ飼育を通じて『命の授業』を全校で体験するねらい。
 

 ◎…リボン飼育担当は1、2年15人。2人1組で毎に世話する。2年の滝沢唯香さんは「名前は全校アンケートで決めました。可愛いです」と何度も撫でていた。新潟県内はじめ全国の小学校などにヤギ飼育活動を進める今井さん。「ヤギも皆と仲良くなりたいを思っています。脅かしたり、叩いたりは絶対しない。たくさん草を食べて大きくなります。仲良くしてね」などと呼びかけ、命の大切さを語った。ヤギは来春には出産をするよう飼育する計画だ。

菜の花畑に歓声、中津保育園  5月28日号
 ○…「うわーい、菜の花ってきれいだな」。中津保育園(桑原悦子園長、園児22人)のでは25日、「秋山郷菜の花街道」に取り組む同園近くの菜の花畑で、かくれんぼなどをして楽しんだ。黄色の菜の花が春の風に揺れるなか、園児たちは「お花畑のなかは気持ちいい」と大喜びだった。
 

 ○…秋山郷につながる津南町反里口地区は、住民らが中心になって国道沿いや休耕田に菜の花を植えており今、まぶしいほどの黄色の花が咲き誇っている。その菜の花を楽しもうと、園児たちが畑に訪れた。活動に取り組む桑原加代子さんは「子どもたちからも楽しんでもらえる花街道にしていきたい」と話している。

県立十日町病院、耐震強度不足   5月21日号
 県立十日町病院の中核病院化による改築問題が地域の大きな関心となり、建設場所を決める検討委員会が地元十日町市、津南町、医師会さらに新潟県も加わり、協議を進めている。一方、県病院局は昨年、十日町病院など県立病院の耐震診断を行った。「数値の積極的な発表は考えていない」(県病院局)というが、3月16日の県会厚生環境委員会で村松二郎副議長が、この耐震診断結果と十日町病院改築、松代病院の今後などについて県病院局の考えを質問している。
 
  この中で村松県議は「十日町病院の立替えが議論さている中で、耐震強度が不足している、少なくともIS値(横揺れ耐震指標)で不足している状況を踏まえ、今後どう対応するのか」と病院局の取り組み姿勢を求めた。これに対し、関川憲司業務課長は「十日町病院が強度不足となれば、改築計画の論議が進んでいるので、改築計画も視野に入れ検討したい」と、耐震強度の状況により改築論議の熟度が高まる以降を示唆している。
 今回補の県病院局の耐震診断は、昭和56年の建築基準法以前の建物を主体に行った。十日町病院は同43年建設の病棟部分の耐震診断を実施。県病院局によると、今回の耐震診断を行った病院のほぼすべてで強度不足の箇所があるという。
 

 十日町病院については、6年前の中越地震(十日町で震度6強)で被害が出た部分は補強を行っている。今回の耐震診断は、病棟全体の耐震診断で、震度6強から7程度の地震で耐震指標を出すIS値で、安全とされる基準値(0・6以上)を下回る数値が部分的に出ているようだ。
 
 県病院局は、「今回の耐震診断をもとに、平成27年までに耐震補強を行う計画。ただ強度はIS値だけではなく、強度指標や靭性指標など相対的評価を行い、その建物の強度が出る。一般論ではあるが、改築が具体化している建物は、その協議の進捗に合わせることになる」(佐久間義幸総務課長)と、改築スケジュールが決まっている病院建物の耐震補強をその前に行うことは常識的ではないとの認識を示している。
 
 十日町病院の改築問題について質問した村松副議長は「県は余分な財源はない。これから建設する魚沼の基幹病院も十日町の中核病院も、どちらも借金で建てる。そうなると敷地内での収まるように建てる。敷地外では導入道路、下水道、上水道などインフラ整備財源は別の所から出さなくてはならない。これを地元自治体などがやってくれるなら別だ。だから県は自分で場所を決めたくない」と話し、建設候補地は現在地が有力と見ている。

写真左正面が入院病棟の十日町病院

津南拠点に世界へ、「静心」で、小林由貴選手(早大卒、日野自動車)  5月21日号
 今季の世界大会で4位入賞の津南町大割野出身、小林由貴選手(22)。今春、早稲田大を卒業、岐阜日野自動車スキークラブに所属。津南を練習拠点に4年後のロシア・ソチ五輪をめざす。小学時代からの練習場、マウンテンパーク津南や十日町・吉田クロカンコースなどで自己管理で練習メニューをこなす。早大3年時に日本ナショナルチーム入りし、バンクーバー五輪を狙った。だが選外。「一番の目標としたことが達成できず悔しいです。その悔しさが今の原動力になっています」。4年後のソチ五輪をめざす小林選手に聞いた。


 今年3月初め、突然のアクシデント。大会前日の練習でコース脇支柱に激突、肋骨を骨折。「3月の大会はすべてキャンセル。連休後、ようやくローラーで走れるようになった」。岐阜日野自動車には五輪選手や十日町高の先輩、井川純一選手もいる。2012年岐阜国体を視野に、以前から同社より誘いを受けていた。「どこで練習しても良いと理解を示していただき、津南をベースに練習します」。同社スキークラブは8人。
 
 全国高校、全国大学、国体、全日本など国内主要大会すべてで、個人種目の頂点に立っている。得意はフリースタイルの長い距離。
 津南中時代、夏は駅伝、冬はクロカン。3年間、山内京子コーチ(現在羽鳥)の指導を受け全中駅伝に。十高ではクロカンに絞り、佐藤昭則コーチ(十日町地域消防)の山岳トレーニングで心肺機能が強化され、3年で全国制覇。早稲田大へ。強豪チームメイトにもまれ3年でナショナルチームのメンバー入り。国際大会出場の機会が増え、4年の今季、2月にドイツで開催のU23(23歳以下)で国際大会自己最高の4位入賞。バンクーバー五輪の選考メンバーに入るが、シーズン初めの成績が振るわず選外。悔しい思いをした。
 
 「環境の変化に弱い自分があります。精神状態が乱れると、やはり走りにも影響します」。そんな時、津南中時代にチーム理念に掲げた言葉を思い出す。『静心』。「今も京子先生に精神面などアドバイスをいただいています。静心の言葉の深みを噛み締めています」。
 

 社会人となり、これまで以上に自己管理の重要性を感じる。「一日を練習にフル活用できます。恵まれた環境ですが、この中で自分がどれだけ練習でき、伸びるかです」と常に課題を課している。学生時代に全国大会などでアドバイスを受けた高橋哲也監督(津南高ー八海高)から練習メニューなどアドバイスを受ける。
 
 岐阜日野自動車は契約社員。練習費用、遠征費などとても足りない。今月末まで地元の食事処でアルバイト。「環境的にも指導コーチ、仲間たちにも恵まれてきました。目標実現のためにも、自分に負けずに練習を積みたい」。今月末から標高2400bの立山・室堂で合宿。海外合宿を経て11月から大会、2月の世界選手権(ノルウェー・オスロ)、ユニバーシアード(トルコ)へ出場、常に表彰台をめざす。

「ビジョンなき島田村政」、栄村・島田村長が任期折り返し  5月21日号
 栄村の島田茂樹村長(69)は今月10日で、村長就任2年を迎えた。折り返しを過ぎ、後半の2年間が始まっている。2年前の村長選投票日の夜、初当選が決まり、島田氏は「ゆいの心で、村民本意の村政をめざします。村民一人ひとりの心を大切に、栄村の舵取り役を果たしたい」とこれから向う4年間への決意と政治姿勢を述べた。その島田村政、スタートして2年経過し、村民からは「そろそろ島田カラーを出してほしい。元気が出る栄村にしてほしい」など声が聞こえる。「村民提案制度」、「村民自治条例」、「定住基金創設」、「栄村振興公社の経営改善」など公約を掲げている。任期折り返しを迎えた島田村政の今を見る。

 
 昨年1月から今年1月までの村長出席の公務日程の資料がある。どの月も空白日は2日か3日程度。連日、フットワークよく公務をこなしている。18日には宮崎・西米良町議会が視察。朝9時、村の概要説明。すぐに次の公務へ。
 

 前村長・高橋彦芳氏の5期20年の長期政権後の島田村政。高橋村政を収入役、助役、副村長として間近で見て来た。「住民自治」の村づくりを継承するが、機会あるごとに高橋村政と比較される。
 
 島田村政を支える後援会も、そこは良く承知している。関澤榮市・後援会長は「比較されるのはしょうがない。だが手堅くやっているのではないか」と評価。昨年9月の新型インフルエンザ流行の時、村長自ら有線で予防接種を呼びかけた。「なかなかできることではない。長い行政経験を基に着実に実務型村政を行っている。島田カラーが出ていないという声もあるが、急激な改革は難しい。行政は一歩一歩着実な歩みが大切」とじっくり構える。
 

 その島田村長。任期半ばを過ぎた自己評価は。「あっという間の2年だ。選挙の公約は7割ぐらい実現できているのではないか。行政課題の一つ、振興公社は抜本改革が必要で見直しプランに取り組む。村民自治条例はすでに草案はできており、最後の検討に入っている。財政的には公債費(借金返済)が減少し、新規事業への取り組みができる財政状況になってきた。少子化による学校統合は、地域の人たちの理解を得て進めており、来年4月には新しい小学校が誕生する。特養ホームが増床され、雇用の増加も望める。後半の2年、一つずつ公約実現に取り組みたい」と話す。どんな新規事業を打ち出すのか、関心が集まる。


 一方、移住4年目で山村カレッジや古道プロジェクトなど、栄村の資源活用に取り組む京都精華大・松尾眞准教授。10年以上前から前高橋村長と交友し、島田村長誕生に立会い、これまでの島田村政を見ている。
「ビジョンなき村政は、村民にとっての悲劇だ。村長も村職員も含めて『忙しい』と言う。村民から見て、何がそんなに忙しいのかと疑問が出る。その忙しさは、村民と苦楽を共にしての忙しさなのか、ここをよく考えてほしい。国と県に振り回されているのではないか」。社会学専攻の視点は厳しいが、実態でもある。


 さらに「3月にまとめた総合振興計画。島田カラーを出す絶好に場なのに、そこには何も島田村政のメッセージはない。行政と政治は違う。政治は、そこにある困難性に、一歩でも二歩でも近づく努力、これが政治だ。島田村長は人間性はとても良い人だが、今の島田茂樹さんは行政の人であり、政治家ではない。自分の長所を生かしながら、自分の足らざる部分を補い、改めていく、その自覚が必要だ」。来月14日、6月村議会が始まる。村民へのメッセージが聞かれるのか。

全国注視、閉校後の校舎活用、三箇校舎で「移動学校」  5月21日号
 全国的に小学校などの閉校校舎の活用策が課題になるなか、津南町の閉校小学校を都市部の小学校が、『移動学校』として活用する取り組みが来月2日から始まる。今春で閉校した三箇小校舎を活用するのは神奈川県鎌倉市の横浜国大付属鎌倉小学校。来月2日、同校5、6年80人が教諭と共に来校し、鎌倉での授業と同様に授業を行う一方、同校一体での自然散策や地元農家の協力で田植え体験などを行う。今月26日には地元説明会を開く。同取り組みは全国の先駆的な実践例をなり、教育学会で発表される見込みだ。 
 

 鎌倉小との出会いは、大地の芸術際アーティスト・景山健氏との交流から発展。昨冬、津南から雪を運び、今冬初めて同小の子たちが津南の雪体験に来た。同行した副校長や教諭が「三箇地域は最高の自然環境で、都市部の子たちに不足する生きる力を育む最適な場になる。ぜひ活用したい」と地元などを通じて町に要請。地元の要望を受け、校舎を管理する町も快諾した。
 

 計画では、まず5年生40人が3泊4日で校舎に滞在。その後、8日に6年生40人が来校。午前は鎌倉での授業どおりに三箇校舎で行い、午後は一帯の自然散策や田植えを行う計画だ。
 
 地元受入れ窓口の町議の恩田稔さん(58)は「まずは地域で何が協力できるか、皆で考えたい。校舎を今後どう活用するかなどさらに協議する必要はあるが、すべてはこれから。今回の受入れは津南にとって大きなプラス要素で、地元の子どもたちにも良い刺激になるはず。鎌倉の子たちを歓迎したい」と今後、受入れの地元グループ組織を立ち上げる方針だ。

日本食研HD・大沢会長、津南の子たちのために、今年も100万円を  5月21日号
 津南の子たちの教育のためにと3年前から図書費寄贈を続ける日本食研ホールディングス・大沢一彦会長は今月12日、愛媛・今治市の本社を訪れた津南町・小林町長に3回目の図書費100万円を贈った。小林町長は「大変ありがたいこと。津南の子どもたちは、ますます本好きになるでしょう」と感謝した。
 

 図書費寄贈は3年前、提携を深める津南町森林組合との取引高10億円突破を契機に、大沢会長が毎年、津南町に100万円寄贈している。今回も事前に町教育委員会が町内小中学に希望図書を求め、100万円相当の図書目録を持参。大沢会長は「今回で3回目。これまでで3百万円相当の寄贈になる。小林町長が今期で勇退されるので、早めに贈った。来期からは未定あるが…」と7月誕生の新町長のパートナーシップを見ている。
 

 今回の寄贈は、町内小中学が選書し、日本食研が購入して各小中学校に贈る。総数520冊になる。昨年は555冊、初年度も5百冊余りでこれまでに1500冊を越える寄贈となっている。先月、津南町森林組合の新工場完成祝いで来町した大沢会長。図書寄贈を受けた小中学生から感謝の写真パネルやメッセージを受けた。そのパネルは今治の本社の一番目立つエレベーターロビーに展示している。

自分にできるボランティア、献血150回越える、太田夕子さん  5月21日号
 23年間に渡り献血を150回以上行い、今も献血活動を行う津南町森林組合職員、太田夕子さん(52・十日町市)が20日、クロス10で開いた十日町献血友の会総会で表彰を受けた。


 「献血は誰でもできるボランティア」、二十歳を過ぎて間もなく、この言葉に目が留まった。同市保育士だった21歳の時、初めて献血へ。だが、「比重が軽すぎて断られました」。以来8年間、毎年献血検査を受けるが、結果は同じ。痩身から少し体系変化した29歳で初めて適正比重となり、発献血を行う。「献血は誰でも…」の言葉通り、以来毎月1、2回、不足気味の成分献血(血小板)を行う。最寄りの献血センターは長岡市の日赤きたまち献血ルームに通う。
 
 「自分にできることをする、それだけです。私の献血がどこかの誰かを助けることにつながればです」。多い時は年間24回行ったことも。15年ほど前、父がクモ真下で倒れ、2年後、帰らぬ人となった。
 
 毎回の献血で同所担当者から誉められる。「私の血液はサラサラのようです。ほぼ3食、タマネギを食べていますよ」。酢着けタマネギを常備菜として保存。血小板の形が合い、長岡日赤から協力要請の電話が2度来たこともある。「自分にできるボランティアです」。今月下旬にも長岡へ行き、154回目の献血を行う。

地域を知り誇りに、上郷中学で地域学研究  5月21日号
 津南・上郷をよく知り、魅力と誇りにと、上郷中(中川久男校長、生徒28人)では、総合学習で「自然の恵み」や「歴史・伝統」「名産品」などをテーマに「地域を知る」活動を行い、その発表会を18日、同校で開いた。インタビューした地元住民らも招待、発表態度など厳しい審査も行った。同校では1、2年生を中心に、総合学習の第一弾として「地域をよく知ろう」活動に取り組んだ。3〜4人を1班に6班に分かれ、班ごとにテーマを設定して調査。内容は「ひまわり畑、津南雪まつり」や「河岸段丘、大地の芸術祭」「今井城、善光寺街道」「つなんポーク、涌井せんべい」など多岐にわたった。
 

 2班の「河岸段丘」では「40万年かけてできた9段の段丘を現在見られるのがすごいこと」とし、「河岸段丘駅伝やマラソン大会を開いてはどうか」など提案。また5班の「今井城」では「赤沢城の監視役として倉庫の様な2階建てだった。燃えた時、灰が雨のように降って来たので灰雨の地名がついた」などと解説、善光寺街道では「街道ウォークを開いてアピールを」などアイデアを出した。
 

 審査役の3年生からは「あなた自身が名産品をどのように大事にしていきたいのか」などと厳しい質問が相次ぎ、「社会人になったら職場の人にアピールしたい」などと応えていた。
 中川校長は「地域に出てコミュニケーションや本物に触れることの大切さが分かったはず。自分たちの目線で考えているのがいい。最後は『人』に行き着くはずで、さらにこうした活動を続けていきたい」と話している。

津南町長選、カギ握る女性の視点、「おかみさんの会」が独自懇談会  5月14日号
 来月15日告示、20日投票の津南町長選。有権者の新たな取り組みが始まっている。これまでは予定者が集落や地区に出向いて、座談会形式で政策を訴えていたが、今回、女性グループが予定者3人を招き、政策を聞き、意見を交わしている。「まず皆さんの話をしっかり聞くことが大切です。あとの判断は個人個人の問題ですから」と女性グループ代表。投票まで1ヶ月余。地区やグループ、団体など、この活動が広がりそうだ。今回の町長選、3氏の懇談会を開く女性グループや後援会女性役員の視点を通じて、その争点を探る。


 国道117号、大割野商店街の女性たちで作る「大割野商店街おかみさんの会」。活動を始めて11年目。先週7日に予定者の半戸哲郎氏(59)、11日に上村憲司氏(61)と懇談し、28日に橋孝男氏(70)と懇談する。
 
 先月の町議補選時の有権者数は9325人。女性4832人と男性を339人も上回る。「おかみさんの会」代表の籠田淑子さん。「半戸さん、上村さんのお話を聞き、違いを感じましたし、高橋さんのお話からも、きっと違いを感じると思います。この違いが大切と思います。後は個々の判断です。間近でお話しを聞き、質問し、意見を交わすことで、その人を直に感じることができ、とても有意義です」。至近距離で交わす言葉の感覚の重みを感じている。


 予定者3人は、集落座談会を開き、政策訴えている。先の町議補選でも、女性票の行方が、大きな焦点となった。「おかみさんの会」メンバーのひとりは、政策論議を違った見方をしている。「これから町政を担う人の政策ですから、その中身は重要ですが、国政を含め、言葉だけの感じがします。一方的に政策を聞かされても、『はい、そうですか』で終りです。今回、おかみさんの会で、3人の方を間近で意見を交わし、その人となりが、とてもよく分かります。女特有の感覚かもしれませんが、町のトップに求められる資質は、いかに私たちの声を聞いてくれるか、と同時に、これまでの町政と変ったという実感ではないでしょうか」。
 
 小林町長の4期の時も、おかみさんの会は町長を囲む会を開いている。月例会を開いている。「私たちは商店経営という同じ立場で、共通の課題や問題意識を持っています。当然、町政に結びつく課題が多いです。今回の町長選は、3人の方が同じスタートラインにいます。同じ環境の中で間近で話を聞ける機会は、とても大切だと思います」。代表の籠田さんは話す。後援会主催の座談会では補えない有権者の選択の場がここにはある。

低温続き農作物が心配、アスパラ下落懸念  5月14日号
 3月下旬なみの寒さとなった今月13日など、連休後はぽかぽか陽気から一転、ストーブが必要なほどの寒さとなった。寒暖の差が激しい今春、例年だと連休後に収穫が始まるアスパラは今月下旬にずれ込む見込みで1週間以上の遅れとなり、JA津南町営農部では「津南より早いはずの長野の出荷はこれから。福島や東北地方の収穫期とも出荷が重なって一気に価格が下落する懸念がある」と心配している。
 

 寒気が入った13日は、最高気温(気象庁津南観測所)がわずか6・7度と3月並み。例年だとアスパラの収穫作業が始まっているが、今年はまだ。津南町生産高は約2億円で主要野菜の中でもトップクラスだ。生産単価は昨年1`795円程度だったが、他県との収穫期の重複で価格が大幅に暴落する懸念もあり、生産者にとっては頭の痛い天候となっている。また加工トマト、葉タバコ、スイートコーンなどすべての作物に影響。葉タバコでは、防寒用の被覆材を暑くなっては取り外し、寒くなってはかけ直すという作業の繰り返しで「作業が大変」と悲鳴をあげる生産者も見られているという。

  加工トマトなど生産している石橋謙一郎さん(相吉)は「工場との契約で、出荷時期が決まっているので心配だ。1週間は遅れている。田植えもしなければならないので何とか天気が回復してほしい」と話している。

秋山郷見倉のカタクリ、見ごろ迎える  5月14日号
 ◎…春の妖精、最盛期―。新緑が日に色濃くなる秋山郷見倉地内に広がるカタクリ群生地が見頃をむかえ、可憐な紫の花を一面に咲き誇る。来訪者は木道を歩き、可憐な「春の妖精」を見ようと散策している。
 

 ◎…2年連続で町観光協会や秋山郷観光協会など有志が、秋に同地の雑草や潅木刈りを行った成果があり、例年より多くのカタクリ群落が広がる。中津川渓谷側に昨秋設置の約70bの木製遊歩道が満開のカタクリを通り、雰囲気ある情景が作り出している。問合せは町観光協会まで。

甲子園への夢再び、十日町高が春季県大会で準優勝  5月14日号
 甲子園への夢、大きく前進―。北信越高校野球新潟県大会の決勝が11日、新発田市五十公野公園野球場で行われ、十日町は新潟明訓に敗れたものの準優勝。高橋雅之監督は「課題は見えた。甲子園をめざして頑張りたい」と9年ぶりの県代表へ意欲を見せた。今大会は甲子園をかけた夏の大会の前哨戦といえるもので、十日町の準優勝は甲子園出場に大きな一歩を踏み出したと期待される。
 
 決勝の前半戦は投手戦の様相を見せた。お互いにヒットを許さず、緊迫した投げ合いが続いたが、4回から根津恒陽投手が相手打線に捕まった。外野へのライナー性の当たりを次々に打ち込まれ、各回1点ながらも8回まで小刻みに点を取られてリードを広げられた。一方、十日町は1安打、11三振で三塁まで進むことができず完封負け。前日の準決勝で日本文理に打ち勝った打線は影を潜めた。

 福崎大輔主将は「打撃の弱さを痛感した。しかしそのことが分かっただけでも大きな収穫。弱点をしっかり練習で克服していきたい」と本番の「夏」を見据える。高橋監督は「決して強いチームでなかったが、1戦1戦、子どもたちは試合を通して成長していった。弱点を自覚することが次へのステップとなる。甲子園をめざしたい」と語った。
    

 「9年前の再現を」と甲子園出場以来の決勝進出に十高野球部のトレードマーク・トンボをプリントしたジャージやTシャツを着た地元応援団百人余りが1塁側スタンドに集まった。しかし、中盤からの新潟明訓打線の攻勢と、逆に十日町の凡打や三振の連続に「うーん、相手のペースになっている」とスタンドからため息が洩れ、試合が終わると「夏の大会では優勝して再び甲子園に連れて行ってほしい」と期待する声が次々に飛んでいた。

新たな誘客スポット、釣堀整備、ワカサギ放流、ニューGP津南  5月14日号
 ○…新たな誘客要素にとニュー・グリーンピア津南は13日、敷地内の約50eの釣堀にワカサギふ化器を設置。約1千万匹の卵を入れ、今後放流する。卵は10日間ほどでふ化し、夏に6a、秋には10a余に成長する。本場の長野・諏訪湖漁業協同組合から購入。同漁協の吉澤忍代表監事は「きれいな水があり、加えて土に接している池なのでミジンコやプランクトンが豊富。栄養が高い雪解け水も流れ込み絶好の環境」と生育環境に太鼓判。さらに同津南は入口ゲート付近に新たな釣堀を建設中で、今後さらに1千万匹を放流しアウトドアの充実を図る。
 

 ○…同津南は自然環境学習や里山の魅力アップをと、ビオトープやホタルの里作りなど里山活性計画・水辺の再生事業に取組み、昨年6月に釣堀をオープン。家族連れに好評のニジマス、ヤマメ、イワナに加え、手配客にも愛好者が多いワカサギ釣りも人気を呼びそう。松崎和秋社長は「ワカサギは春から紅葉後の観光オフ期も釣れ、オールシーズンの誘客に繋がる。さらに夕食などに川の幸として提供を考えている。豊かな自然環境を活用していきたい」と期待。なお釣堀は6月にオープンする予定だ。

残雪の春、津南名物「池越え」、ビキニで挑戦も 5月7日号
 ○…爆笑パフォーマンスに歓声―。ニュー・グリーンピア津南で2日、スノーボーダーが特設池を滑り渡るイベント「池越え」が開かれた。バニーやビキニ姿の女性、全身タイツに身を包んだ男性など出場し、特設池に落ちると笑いの渦が沸き起こった。ソリで出場の渡邉麻衣子さん(29、小千谷市)は「近場ではこうしたイベントがないので来ました。やっぱりおもしろいですね」と豪快に池に落ち、参集の約120人余から大きな声援を受けていた。
 

 ○…池越えはヨーロッパなどで人気の競技。仮装や滑りで観衆を盛上げた者が優勝。同津南の残雪は40a余で、特設池は長さ20b、水深70aと県内最大級の大きさ。出場者は埼玉や千葉、神奈川から40人余と関東を中心に参集。企画のプロスノーボーダー・清水太志さん(32、田中)は「昨年からの継続開催で、津南の池越えが評判となり、人が集まりつつある。春を楽しむお祭として定着させたい」と来年も開く予定だ。

普天間問題、九条の会が十日町でアンケート  5月7日号
 ○…無条件撤去が58%―。十日町「九条の会」は憲法記念日の3日、同市のきものまつりで賑わう高田町で、大きな社会問題となっている沖縄・普天間基地について、投票形式でアンケート調査を行った。その結果、投票者456人のうち58・1%にあたる265人が「無条件撤去」を選んだ。
 

 ○…同会のアピール活動として、一昨年から市のきものまつりに合わせて活動している。街頭にボードを設け、沖縄普天間基地移設問題について「無条件で撤去すべき」「日本国外・沖縄県外に移設すべき」「沖縄県内に移設すべき」の3つの解答に対して印を付けてもらった。結果は「無条件撤去」が265人、「国外・県外移設」が135人、「県内移設」が56人だった。事務局の吉楽正巳さんは「判断を迷っている人が比較的に多くびっくりした。このアンケートで一人でも多く社会問題に関心を持ってもらえれば」と話している。

憲法記念日に成人式、津南で初の5月開催  5月7日号
 ◎…対象者アンケートにより、初の5月3日の連休中に開催の津南町成人式。会場のニュー・グリーンピア津南には該当135人のうち、109人が出席。女性の多くはあでやかな着物で身を包み、男性も10人余がはかま姿で参列。「久しぶり、元気だった」と旧友たちとの再会を喜んでいた。町内反里口の桑原紀代美さん(21)は「成長したみんなと会う機会、成人式らしく着物で迎えられて嬉しい」とにっこり。法政大に通う高橋雄哉さん(20、十二ノ木出身)は「高校は十日町だったので、同じ日の式典で多くの友人と集りやすくなった。5月の方が帰りやすく、気温もちょうど良いので助かる」と話した。
 

 ◎…「友だち同士でゆっくり語り合いたい」と新成人の強い要望で式典は30分余と短くし、立食パーティを1時間半と長めに。さらに津南、上郷両中の3年時の担任も初めて招待。津南中3年1組担任だった上村みほ教諭は「神様は、その人に合った試練しか与えない、と言います。みなさんも大変なことがあっても、自分を信じて乗り越えて欲しい」と新成人にメッセージをおくり、6年ぶりに再会した教え子たちと思い出話に華を咲かせていた。

茅葺き技術を伝承、「奥越後茅屋」、津南民家を茅葺き  5月7日号
 ◎…茅葺き屋根の保存と技術伝承に取り組む職人グループ「奥越後茅な屋根保存・茅屋KAYAYA」による茅葺き屋根修復が先月29日から津南町相吉で行われ、6ひまでに終了し、葺き替えした屋根が五月晴れに映えている。築後100年余の同地の民家、中熊隆弘さん(56)方の屋根に取り組んだ。群馬県出身でプロカメラマンだった木暮茂夫さん(51・松之山)が主宰する茅屋。地元職人を含む4人で、各地の神社、現存する民家などの修復に取り組む。津南町民俗資料館の保存民家も手がける。
 

 ◎…茅葺き屋根の葺き替えの最大課題は茅の確保。茅屋グループは、東京のNPO花咲村と連携し、毎年茅刈りを行っている。花咲村は森林整備や茅刈りなどをボランティア化活動しているグループ。津南には5年前から毎年晩秋、茅刈りに訪れている。今回は茅屋メンバーである東京出身の中熊さん方を葺き替え。移住して16年目。今回は南東向きの屋根面を修復。5年前には北側を行った。3年分の茅約4百束を使った。「全国に茅屋根は多くあるが、雪国の茅葺きは独特の技法を使っている。その技術がしっかり伝わっていないことは残念だ」と木暮さん。この道8年。「まだまだだ。だが、屋根のかど、こつら、はふ、ぐし、などをしっかりできる職人がいなくなった。技術を知っている人はいるが、棟梁としてすべてができる人がいない」と話す。


 ◎…茅葺き屋根の魅力で移住した中熊さん。「茅屋根はロウソクが灯るように、茅が少しずつ短くなっていく。だが茅の中は葺いた頃のまま。煤で真っ黒な柱、自然木と縄など、すごい雪国文化だ」。中熊さんは囲炉裏と薪ストーブを使う。春先の風物詩だった茅葺き。消えつつある情景か。「川口や十日町市、栄村に棟梁経験の職人がいる。今はトタン葺きになっているが、その下は茅葺きのはず。この雪国文化を伝えていきたい」と木暮さん。

国境越えアートで縁組、津南の穴山と台湾、作家が橋渡し  5月7日号
「日台文化交流の架け橋にしたい」―。10世帯48人の津南町穴山集落。昨年の第4回大地の芸術祭でアートを同地で展開した台湾の林舜龍さん(51)との交流がきっかけで、台湾東北部の六結村・大忠村と「姉妹芸術村」協定を結んだ。台湾2村の人口は計4千人余。「穴山と人口は違うが、積極交流したい」と同集落で台湾ツアーなど計画し、さらに関係を深める予定だ。大地の芸術祭を通した姉妹芸術村締結は初。
 

 林さんのアートは「国境を越えて」。立派な門を作る台湾の慣習に習い、同集落広場で高さ約2b、幅約8bの門、さらにかまどと青銅製の水牛も作り、台湾世界を津南に再現。「日本と台湾の文化を繋ぐ架け橋に」と願いを込めた。製作期間中は住民と杯を酌み交わすなど親睦。同芸術祭会期終了後、住民が台湾2村で開かれた現代アート祭に招かれ、尺八や手打ちそばを披露。その場で「姉妹交流しよう」と盛り上がり実現。29日に台湾から10人が来町し締結、まさに国境を越えた縁となった。
 

 橋渡し役の林さんは話す。「作品制作よりも、国を越えた交流は大切なこと。提案を受入れてくれた、穴山の人たちの優しい気持ちが嬉しい。両地域の芸術祭にお互い訪ねるなどできればもっと楽しくなる」。同集落で採れた農産物などを台湾のホテルで提供する計画もあり、交流発展に期待。一方、締結書にサインした若井加津美総代(52)。「締結の話を聞いたとき、台湾の人の熱意を感じた。こちらもがんばらなきゃと思う。まずは一度、台湾にみんなで行きたい」と笑顔。現代アートが結ぶ日台交流に関心が高まっている。

再び水問題、東京電力西大滝ダム、魚道改善に地元漁協反発、水利権更新も 4月30日号
 信濃川上流、飯山市の千曲川にある東京電力・西大滝ダムの魚道改善を協議する「第2回西大滝ダム魚道構造検討会」(主査・富所五郎信州大名誉教授、委員9人)を27日飯山市で開き、高水漁協代表などが出席、東電が示した改善案を協議。改善案は従来の一定水深を2タイプの水深に改善、小型魚から大型魚まで遡上できる形状改善案などを示したが、高水漁協・伊東芳治組合長は「我々の改善策も出している。今回の東電案はとても受け入れられない」と話すが、東電は6月開催の第3回協議会で最終改善案をまとめたい方針だ。一方、下流域の河川利用権を持つ中魚沼漁協は「信濃川中流域協議会はダム下流に毎秒20d以上を求めている。今後東電に話し合いを申し入れたい。無理の場合、河川事務所に持ち込む」と強い姿勢を見せている。


 この魚道検討会は昨年12月14日に第1回を開き、「魚道入口」「魚道固定部」「魚道上流ゲート」の改善を提示。東電は、ダム直下流域の流況調査を行い、今回その改善策を示した。
 それによると、「魚道入口付近の流況は、現在の左岸放流を魚道側の右岸放流にすることで改善できる」、魚道本流は「現在の一定水深(約10a)を20〜25aの2タイプに構造改善」、さらに魚道上流ゲートは「形状の問題があり次回までに改善案を示す」方針だ。
 西大滝ダムの魚道は、高低差9・7bに屈折型の188・8bの魚道が造られている。10年間に渡り流域を研究する「信濃川中流域水環境改善検討協議会」(流域自治体、大学教授、漁協など)が昨年3月まとめた報告では、「西大滝ダムの魚道は流れが穏やかすぎ、魚類の遡上、降下の障害になっている。構造改善がおこなわれるべき」としている。
これを受け東電が同魚道検討会を設置した。
 

 今回の改善案について同メンバーの高水漁協・伊東芳治組合長は「第1回から魚道の直線化による全面改修、特にせせらぎなど自然な水の流れの魚道を求め、具体案も出している。あるいは洪水調整機能を持つバイパストンネル化など。東電案は今の魚道がベース。基本的な考えが違う」と話し、3回目の合意は難しいとしている。
魚道改善は下流の十日町市のJR東・宮中ダムでも協議し、すでに改善案が決まり、構造設計に入っている。宮中ダムでの昨秋調査ではサケ遡上が約160匹確認されていたが、西大滝ダムではわずか2匹。同ダムの放流量は、冬場の毎秒0・26dからサケ遡上期の19・71dまで7パターンで流している。ただ、信濃川中流域協議会では「ダム直下流、常時毎秒20d以上」と更なる増量を求めている。県境の宮野原橋から下流の河川利用権を持つ中魚沼漁協・長谷川克一組合長は「中流域は常時毎秒20d以上を求めている。ダム直下流域の渇水状態は深刻だ。東京電力は我々と話し合うつもりはないようだが、近く正式に申し入れたい。応じない場合。河川事務所へ行政指導をお願いする」と今後の取り組み姿勢を見せている。  


 西大滝ダムの発電用水水利権は今年12月31日が更新期日。一般更新のため、新たな同意は必要とされていないが、下流域への放流増量はどう実現するか、下流自治体の栄村、津南町、さらに中魚漁協の動きに関心が集まる。

写真手前が魚道。雪融け水で水量が多い。普段はダム直下は川の底が見える

津南町議会・定数問題、住民懇談で「議員活動が見えない」  4月30日号
 「議員定数」をテーマに臨んだ津南町議会(吉野徹議長)の議会報告会は27、28日、町内8会場で開き、
参加した150人余と意見を交わした。「議員自身はどう思うのか」など逆質問もあり、議員個々が考え方を示した会場もある一方、個々の意見は控えるとした会場もあった。参加者からは「多様な意見を議会に反映するためにも、現状数でいいのでは」、一方で「専門職化し、町のため住民のために専任で働く。報酬も上げる」など、様々な意見が出ている。
 

 町議会では昨年来、月例協議会などの場で、余談の中で議員定数論議が出て、来年11月9日に任期満了となるため、「今年9月議会までに方針を出す」(吉野議長)ことを決めている。今回の議会報告会は、新年度予算議会終了後、毎年行い、今年で3回目。ただ今回は「議員定数」をテーマに置き、参加者の意見を求めた。
 会場によっては、参加者が議員に定数問題への見解を求める場面もあり、議員個々が考え方を述べた。「今の町議は兼業が大部分。それが専業化につながっていない。専任体制にするためにも12人程度でいいのでは」、一方で「多くの町民の声を議会に反映する必要があり、少なくなると届きにくくなる。現状維持でいいのでは」など、議会活動と共に議員個々の資質問題により、削減、現状維持で論点が異なっている。


  一方、一般参加者からは「地域が分かるのはやはり地域の人、安心感がある。議員が少なければ議員本人も多数意見に触れる刺激が少なくなり、やる気が下が下がるのでは」(50代男性)
さらに「ガムを噛みながら町職員と話したり、職員を怒鳴るなど高飛車な姿を見たことがある。勘違いしている議員もいる。ならば削減という声が出てもおかしくないが、定数は今のままがいい。ただ、襟を正してほしい」(60代男性)などの意見が出ている。
 町議会では今回の報告会での意見をまとめ、来月の月例会で協議する方針だ。

「命の授業」、北信小が全校でヤギ出産見守る  4月30日号
 ◎…マリーが子どもを産んだ。栄村の北信小学校(鈴木久男校長)に4月から仲間入りしたヤギのマリーが23日、2匹の子ヤギを生んだ。ちょうど授業中で1匹目の出産には間に合わなかったが、30分後、全校66人と先生が見守る中、2匹目を出産。初めて見る子たちが大部分で、ヤギ飼育の玄関わきピロティーは大歓声に包まれた。出産後、すぐに立ち上がろうとする子ヤギ。だがなかなか立てず、子どもたちから「ガンバレー」と大合唱。出産から40分後、よろよろと立ち上がると子どもたちは「やったー」とまたまた大歓声。最高の「命の授業」となった。


  ◎…地元酪農家の久保田良政さんの協力で昨年夏から飼育を始め、冬越し後、妊娠して再び学校へ。3年担任の齋藤充子先生と同11人が3班に分かれて世話してきた。当初の出産予定は25日。「日曜なので心配しましたが、明日が休みという金曜日、マリーが子どもたちに合わせるように生んでくれました。私も感動して、涙が出ました。言葉はいりませんね。子どもたちはしっかり感じてくれています」と齋藤先生。出産から5日後、初めて親子で散歩に出た。よちよち歩きながら、しっかりお母さんのマリーの後を追う子ヤギたち。「可愛いです。早く名前をつけてやりたいです」と阿部真紘さん。3年生が候補名を考え、全校アンケートして名前を決める方針だ。齋藤先生は「これから親子の別れなど、子どもたちにとっても様々な場面があります。いろいろ感じてくれるでしょう」と話している。

英語を肌で実感、津南中等5学年、外国研修発表  4月30日号
 開校5年を迎える県立津南中等教育学校(本田雄二校長・全校368人)の目標理念「夢の実現」に向けた国際交流教育の一環の海外研修を今年2月、初めて実施した。その研修発表が24日の授業参観で行い、5学年代表4人が10日間のオーストラリア研修をすべて英語で、パワーポイント映像などを使い体験を話した。授業参観に訪れた保護者からは、「すごいねー。充実した体験だったようですね」などと英語授業の成果に感心していた。
 

 同学年は今年2月9日から18日までの10日間、オーストラリアの州立高校4校に分かれた体験入学。ホームスティは各戸に1人づつ滞在。地元高校生と一緒に授業を受けたり、課外活動のダンスなどを行うなどこれまでの英語学習の成果を出し、英語でのコミュニケーションに挑戦した。
 
 州立クリーヴランド高校で体験した南雲咲穂さんは「話すスピードが速く、聞き返すのは失礼だと思いましたが、何度か聞き返しているうちに理解でき、話すことが出来ました。もっと英語を勉強し、将来はアメリカで映画関係の仕事をしたいです」などと感想。英検準1級を持つ藤木大地君は「会話は、言葉だけではなくジョークが大切ということを体験した。とても勉強になった」と話していた。藤木君は工学系の医療関係をめざしている。
 

 5年目を迎えている津南中等。本田校長は24日、保護者3百人余が参加のPTA総会で話した。「今年2月のオーストラリア研修後、先日は韓国へ私と共に学生7人が行き、中国・黒龍江省への4人が行くなど今後も海外研修に行き、外国から本校に招くことも考えたい」と国際的な視野を広めたい方針。さらに「学力だけでは人はついてこない。リーダーには人間性が求められる。同時に体力。この津南の恵まれた自然環境の中、学力、体力、人間性を育んでいきたい」と話した。なお同校では今年度からスクールカウンセラー(臨床心理士)による相談日を毎月2回開設する。

「農に生きる」、移住者を地域が結婚式で祝う  4月30日号
 ○…「大好きな自然を空いてに働き、津南を明るくしていきたい」―。昨秋、東京から農業をするために津南町中子に移り住んだ原田義一さん(30)と彩子さん(28)夫婦のために、地区住民やまちづくりグループらが24日、手づくりの結婚式を開いた。桜の人気スポットとして知られる「中子の池」の脇でふたりは指輪を交換、「みなさんと協力して明るい家庭を築いていきたい」と感激していた。
 

 ○…義一さんは東京・練馬区、彩子さんは十日町市出身。「日本一の豪雪地で農業を」と築84年の古民家に住み、地元で無農薬、無肥料の自然農法に取り組む福原太さん(26)らの指導を受け、ニンジンやアスパラ栽培に取り組んでいる。
 

 ○…ヒョウや雨、日が射すというめまぐるしく変わる天候のなか、ふたりは軽トラックで登場。雪下ニンジンで乾杯した後、指輪を交換、「誓いの言葉」に署名し桜の記念植樹も行った。式を企画した山本光一さんは「とってもよい結婚式ができた。農業は大変だが頑張ってほしい」とエール。義一さんの父・清司さん(60)は「地域の人に温かく迎えられ、本当にありがたい。うまくやっていけるでしょう」と目を細めていた。


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