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2010年01月の津南新聞「トピックス」

過去の津南新聞トピックス
新企画「むらたび」、栄村NPOが「あるがままの暮らしを」
 『むらたび』。初めて聞く言葉だ。「村民が自分たちの暮らしや村の良さを再発見し、あるがままの暮らしに訪れた人を受け入れる」―。日本の里100選に選ばれた栄村で、新たな旅企画への取り組みが始まっている。同村を大学カリキュラムに組む京都精華大教授や地元農業者、団体職員らで作るNPO栄村ネットワーク(樋口利行理事長)は、村の暮らしそのものを資源に、今の生活ぶりや自然、伝統文化などを、村民がガイド役となり訪れた人たちを案内、あるいは我が家に受け入れるなど新たな旅企画「むらたび」の実現に取り組んでいる。今月23日、その準備研修として村民が我が村自慢をする「むらの暮らし、知恵、技を語る人大集合」を村民会館ホールで開き、50人余が参加し、むら自慢を出し合った。


 「30年前の千曲川でのヤス漁自慢を話せる」、「昭和20年の785aの大雪の時の話ができる」、「白鳥に百歳の元気なばあちゃんがいる」、「昔の遊びができる」、「ワラ細工ができる」、「イワナがほとんどの川にいる」、「名前より屋号で呼び合う」、「景色がいい所を案内できる」など。


 参加者が我が自慢やむらの暮らしを次々に上げた。昨年夏に開いた「日本の里100選・栄村ツアー」は、この村民にとって当たり前の村体験などをメニューに行い、関東圏からの参加者の好評を得た。 大集合で進行役を務めた同NPOメンバーである京都精華大の前学長で作家でもある中尾ハジメ氏。「あの柳田邦雄は、むらにおけるよそ者の役割を力強く書いている。よそ者がいないと村は活性化しない。前の高橋村長の言葉を通じて、このむらの人々の面白さを知るようになった。もはや都会は崩壊する以外ない。このむらは人をひきつける魅力がある」などと語った。
 

 参加者があげた自慢や村の暮らしが、実は同NPOが実現をめざす『むらたび』のメニューになる。同メンバーで栄村に3年前から定住し、同村から京都精華大の授業に通う松尾眞教授。
 「次の一手が重要。今回出てきた一つひとつをさらに具体化していく。できれば集落単位でさらに具体化できれば、さらに面白いものが出てくる。例えば屋号を聞きながら一日中、むらを歩き回るのも面白い。そこにお茶のみを入れて、むらの人と話す。ありのままのむらの生活に受け入れる」などと『むらたび』のイメージを話す。
 

 村内白鳥の鈴木英子さん(65)は夫・誠一さん(67)と参加。『山菜の絵が描ける。若い人を泊めてもいい』などと意見を書いた。「おもしろいと思いますね。自分が動かなければ、何も変わらないと思いますね。何ができるか分かりませんが」と『むらたび』に関心を抱いた。同NPOの樋口利幸理事長は「我々の所(小滝)では、古道復活に取り組み、その活動が地域の人たちの交流を深めている。自分たちが動けば、むらに活力が生まれていく。こんな雰囲気がむらに広まっていけば、もっと面白くなるはず」と期待感を話している。

雪国修学旅行、熊本から高校生、誘客アップのニューGP津南  1月29日号
 ホテルとゲレンデが一体、東京からバスで3時間の立地条件を活かし、九州の高校からのスキー修学旅行誘客に力を入れるニュー・グリーンピア津南。5年前から積極営業し、今冬は過去最高の10校が来場。今月22日から4日間、熊本県立南稜高2年184人が滞在。さらに内容充実をと農業系学科を持つ同高の要望を受け、津南の農産会社やJA津南町施設などの職場研修を初実施。「スキーだけでなく多彩な体験ができる合宿地」への取組みに注目が集まる。
 

 津南は初来場の同高。最終日に視察研修を行った。引率の松本弥教頭は「南国の農業との違いを知るいい機会、要望に答えてくれ感謝したい。この雪があるだけで生徒は感動するが、さらに雪国農業や生活を学べるのは大きな魅力」と高評価している。
 

 栄養士や保育士などへの進路希望が多い同校生活経営科27人は同日、町内上段のふれあい工房(中澤伸子社長)を見学。添加剤など使わず、津南産大豆のオリジナル味噌を年間約16d生産する同社。この日は仕込み真っ最中。蒸し米に麹菌を混ぜる作業を見学し、みそ汁も試飲。横井菜津美さんは「熊本の味噌はいつも味が濃いのですが、これはちょうどいい味。地元じゃ食べられない」と満足そう。山本依李佳さんは「雪が多く信号機が縦なのにまず驚きましたが、食べ物がすべて美味しいのがすごい」と感銘していた。
 同津南の上村光夫営業課長は「ゲレンデとホテルが近接している利点、さらに地元の皆さんの協力を得て農業施設研修などの要望に答え、津南をアピールしたい」と話している。

ファーストレディは「庶民派お母ちゃん」、関口市長の紀子夫人  1月29日号
 ◎…きもの姿の紀子夫人がステージに立つと、十日町クロス10大ホールの女性6百人がドッとわいた。23日開いた関口市長後援会主催の女性の集い。市長夫人で川崎市生まれの紀子さん。最初は緊張ぎみに挨拶していたが、次第に十日町弁へ。「ほんとにねぇ、うちのお父さんは朴訥(ぼくとつ)の人なんですが、笑顔は可愛いんです」。野村證券時代に職場結婚。「普段母ちゃんからは優しくされないので、今日は皆さんから優しくしていただき、皆さんの強力なパワーをいただけたらと思います」。またまたどっと笑いが起った。
 

 ◎…昨年5月の市長就任から9ヶ月。昨年の選挙中、その飾らない「お母ちゃん」ぶりが話題になり、女性支持者を中心に「紀子ファン」が急増。ミニ集会では『ダンナの話しは分かった。奥さんの話を聞きたい』などの声が出たほど。2期目の現職の厚い壁を打ち破った原動力が、この女性パワーだった。23日の女性の集い、紀子夫人が登場するだけで会場の女性たちの顔が和んだ。「皆さん、この雪で大変だと思います。あのおばあさんはどうしているかな、あのおじいさんは元気かななど思い巡らしています。私も毎日毎日、雪堀してるんですが、痩せないんですね。力こぶが出来てしまいました」。またどっと笑い。  


 ◎…関口市長は新年早々、泉田知事と会ったことを披露。「今年は課題解決の年ですね、と言われた」。県立十日町病院問題や信濃川、清津川の水問題など懸案課題への手腕が試される。さらに「(東大時代の)個人的な友人が多く来ている。財務省、産経省、ソニー、日立、イオングループ、IBMなど、この人たちが社長になるんだろうと思う。研究所や工場を作る時は十日町にとお願いしている」と人脈の広さをアピール。紀子夫人も「主人のことを、灯台(東大)下暗し、などと言われていますが、分け隔てなく、こびない、見栄も張らない。正直で少し朴訥としていますが、街で見かけたら気軽に声を掛けてください。本人も喜びます。体は丸いですが、実は笑顔が可愛いんです。皆さんは私たちの大事な宝物です」。会場の50テーブル一つひとつを夫婦で周り挨拶。そのたびに笑いが起った。十日町市のファーストレディは「庶民派お母ちゃん」だ。

大井平和紙で卒業証書、上郷小、伝統受け継ぐ  1月29日号
 ○…伝統の和紙で卒業証書を―。雪国の風土の中で育って来た内山和紙を手づくりの卒業証書に生かしている上郷小(竹内紀夫校長、46人)で26日、今年度卒業生14人が世界で一枚の手すき和紙による証書づくりに挑戦した。子どもたちは「面倒だったけどよくできたよ」と満足そうだった。
 

 ○…同小では、大井平集落に伝わる和紙づくりを学びながら平成20年から卒業証書づくりに取り組んでいる。当初は「大井平和紙」としていたが、地元から「内山紙といわれて来た」などの要望もあり、技術を継ぎながら指導にあたっている山岸祐二さん(35、しなの荘館主)は「これから名称を考えて行きたい」という。
 

 ○…原料のコウゾ(楮)から学校で栽培し、皮をはぐ「にはぎ」作業や糊の材料・ノリウツギ採取なども手作業で取り組んで来た。当日は、同小の作業場で子どもたちが実際にケタを手に紙を漉いた。児童のひとり、石川実結希さんは「思ったよりよくできました。卒業式が楽しみ」と話している。卒業式は3月25日に開かれる。

台湾から小学生が雪国体験  1月29日号
 日本の原風景を求めて―。平均気温23度の亜熱帯の台湾・台北市の日本語学習塾「元気日語補習塾」の子たちが2年ぶりに雪の津南を訪れた。「日本らしい、四季がはっきりしている津南に行きたい」と9歳から11歳の子ども5人が25日、成田空港から津南へ。秋山郷の萌木の里(山田龍一管理人)に宿泊。雪遊びやスキー体験、さらに中津小(星名哲也校長・64人)での交流会など行い、子たちは自分の背丈よりはるかに高い雪に囲まれた津南体験を今回も満喫した。
 

 台北児童との交流は昨年も企画、だが世界経済不況に伴う円高などで中止。「どうしても子どもたちに日本の原風景を経験させたい」と念願の再来日。中津小との児童交流は28日実施。台湾児童から中国語を習い一緒に復唱。台湾名物を「世界で2番目に高い101タワー」や「臭い豆ふがある」などと紹介すると、子どもたちは興味深そう。レクレーションも行い、笑い声溢れる交流会となった。


 同塾の簡名萱さん(9歳、英語名・エリー)は2回目の津南体験。「また来たかった。雪の道踏みがおもしろいし、日本語を学ぶのは楽しい。いっぱい遊べてよかった」とにっこり。同小6年の渡辺就くんは「みんな日本語がうまくてびっくり。臭い豆ふが気になる。僕ももっといろんな国の人と話したい」と刺激を受けていた。台北児童は30日まで津南に滞在。同小と文通を行いうめ、さらに交流を深める予定だ。
 台北児童を受入れる山田管理人は「交流はまだまだこれから。日本一雪が降る津南を気に入ってくれた気持ちに答えたい。将来は津南から台湾に行けるようにしたい」と話している。

飯山線の雪対策、抜本策が必要、集中降雪で運休相次ぐ  1月22日号
 今月12日からの集中的な降雪で、通勤通学の足となっているJR飯山線は、14日から16日まで途中運転停止を含め、ほぼ3日間運休した。飯山線利用者からは「集中的な雪だったが、いつもの冬よりちょっと多い程度だった。運休が大卓のでは」などの声が上がっている。(記事中の降雪・積雪記録はいずれも津南町役場観測所記録)

 
 集中降雪は年末年始から始まった。新年元日と2日朝までに149aの降雪を記録。このため2日午前10時頃、津南駅で長野行き列車が雪を抱え込み、動けなくなり、津南駅で運転中止となった。沿線の除雪のため、翌3日から17日まで利用者が少ない昼間の列車を運休し、朝夕の通勤通学列車を確保するため計画運休を行い、18日に平常運転に戻っている。
 

 この期間中、13日から16日まで、さらに集中降雪があった。14日朝までの24時間降雪は79a、15日朝までに97a、16日同79aと3日間で255aの集中的降雪を記録。飯山線はこの3日間、ほぼ全面的に運休した。
 

 飯山線の冬対策は、同線が走る地形的な環境による部分が大きい。飯山駅から越後川口駅まで延長96・7`のルートは、千曲川(信濃川)左岸を通り、急峻な段丘地の突端を走り、片側は川、一方は山という地形環境を走る。それだけにロケーションが良く、最近では飯山線に乗る観光企画などが人気を呼んでいる。
 

 同線飯山営業所(山田勝所長)によると、昨年、最新除雪車(ラッセル車・千馬力)を導入。戸狩野沢温泉駅と十日町駅に配備。降雪時には深夜1時から3時の間に出動し、朝の通勤通学列車を確保する。さらに通常運転が難しい降雪が続く場合、利用者が少ない昼間の列車を運休し、十日町駅、津南駅、森宮野原駅に配備するロータリー車で除雪し、夕方の通勤通学列車を確保する体制となっている。今回の運休では、バス代行のほか、タクシー代行も実施。だが国道117号も除雪が間に合わず、地域公共交通全体に影響が出た形となった。
 

 JR飯山線・山田営業所長は「昨年、新型ラッセル車を導入し、除雪体制はアップし、通勤通学列車の確保に取り組んでいる。今回の集中的な降雪時でも、通勤通学列車の確保に努めたが、短時間での集中降雪で除排雪が追いつかなかった点もある。降雪後には雪崩の危険があり、人力で除排雪を行い、昼間の計画運休を行っている。なによりもお客様の安産が第一。運行状況などの情報提供を随時行っており、ご理解いただきたい」と話している。
 

 最新除雪車導入など、冬の飯山線の運行確保に努めるJRだが、地形環境が大きなネックとなっている。だが、沿線住民のひとりは「以前により運休が増えた印象だ。営業成績が良くないから、すぐに止めるのかとも思う」、また関係者からは「津南駅の待機線廃止が大きいと思う。除雪車は途中に列車がいると、除雪に出られない。待機線路があれば、そこですれ違いだできる。現在、十日町と森宮野原にあるが、その中間の津南にあれば、もっとスムーズに除雪ができ、運休も少なくなるのでは」と抜本対策を提案している。

JR東・宮中ダム魚道改善で「せせらぎ魚道も」 1月22日号
 JR東の違法取水問題に関係し、同社信濃川発電所の宮中取水ダムの魚道を改善、改修を協議する第3回検討委員会(委員長・本間義冶新潟大名誉教授)を21日、長岡市のホテルで開き、JR東が改善案を提案した。サケやアユなどが遡上できる5案が示され、大型魚、小型魚、底生魚の大きさが異なる魚類が遡上できる3タイプの魚道が一体化した改善案が有力となり、3月中に開く第4回でさらに精度を高めた改善プランが提案されることになった。

 この魚道改善案について、検討委員会の委員でもある中魚沼漁協・長谷川克一組合長は「今の魚道を改善するという限られた中での改善、改修と見た場合、大型魚用、小型魚用、カジカなどの底生魚が上れる『せせらぎ魚道』も考えており、魚道改修としては受け入れられる改善案となっている」と今回、JR東提案の魚道改善案に賛意を示している。
 
 JR東が提案した魚道改善は、現在の魚道を生かし、水深8a程度でカジカやヨシノボリ、ウナギなど底生魚や甲殻類が上れる「せせらぎ魚道」、アユやウグイ、オイカワ、イワナなどが遡上できる小型魚用階段式魚道、さらにサケやサクラマス、ニジマスなど大型魚が遡上できる「アイスハーバー型魚道」の3タイプを一体化した魚道に改善する改修案を提案。この案を元に次回の検討委員会では設計プランまで協議し、魚道改善報告書を作成する方針だ。

閉校後も住民交流の場に、三箇小児童が校舎活用プラン発表  1月22日号
 3月末で閉校する津南町の三箇小(高橋しげ子校長・全校19人)で20日、閉校後の校舎の活用を5、6年生が個々に独自に考えたアイデアの発表会を開いた。在校生はじめ地域住民、町や議会関係者なども参加し、5人の発表を聞いた。6年の小野塚栞里さんは「みんなの公民館プロジェクト」を発表し、「玄関に足湯をつくり、来た人たちが楽しく話ができる場を作りたい」などとアイデアを話し、参加者の関心を集めていた。
 

 120年の歴史を持つ三箇小。閉校が決まり、この1年を各学年がテーマを決め取り組んでいる、5、6年は「三箇の歴史をひもとこう」をテーマに総合学習に取り組む。昨年11月15日の閉校式でも、その一部を劇形式で発表し、参列者の感動を呼んでいた。
 この日の発表では、板場優奈さんが「三箇小なかよし公民館プロジェクト」、福原有佑君は「三箇小合宿所改善計画」、樋口愛梨さんは「学校イキイキ自然体験施設計画」、さらに石沢星矢君は「三箇小合宿プロジェクト」を発表した。
 

 この中では、「校舎を取り壊すのはもったいない。三箇小は自然がいっぱいあり、スポーツの合宿所に使え、地元の人たちとの交流もできる」、あるいは「校長室に昔からの三箇の写真をいっぱい飾り、写真館にしたい」、さらに「図書館をそのままに残し、三箇の人が誰でも借りられるようにし、茶話会を開き、いつまでも三箇の人たちが仲良しであってほしい」など、子どもたちの三箇小への思いいっぱいの発表が行われた。
 

 同校が母校でもある地元の板場喜恵子さん(62)は「足湯など私らでは気がつかないことですね。子供たちが、この学校がいかに大好きだか、よく分かりました。閉校は残念ですが、地域の人たちが気軽に寄れる場であってほしですね」と感想を話していた。

空と飛ぶ「ムコ殿」、松之山のムコ投げ  1月22日号
 ◎…新婚の婿を深雪が積もる崖下に一気に放り投げる十日町市松之山の小正月行事「婿投げ」が15日行なわれた。よそ者に集落の娘を取られた腹いせが起源という、約3百年続く奇祭。今年も地元若衆に担がれた2人の婿が、同地の鎮守・薬師堂前から連日降雪で積もりに積もった3b余の新雪に放り込まれ、がけ下で待つ愛妻の元へ勢い良く転がり落ちた。雪まみれで真っ白になった「婿殿」を見て約150人余の参集者は大歓声を上げ新婚を祝福。
 

 ◎…今年の婿は埼玉県熊谷市の福島博明さん(35)と、東京都大田区の久保田佳男さん(29)。福島さんの妻・瞳さん(26)は川西出身、久保田さんの妻・葉子さん(27)は松之山出身と、まさに地元娘を取られた形。「前日に妻から詳細を初めて聞き、ちょっと怖かった。明るく笑いの耐えない家庭を築きたい」と佳男さん。博明さんは「すごく怖かった。でもこれで夫婦仲は順風満帆です」とにっこり。この後、新婚夫妻を交え伝統行事「すみ塗り」も行なった。

JR東、最大取水317トン維持か、信濃川検討委で維持流量示す    1月15日号
 JR東日本・信濃川発電所の違法取水で水利権取り消しを受けたJR東は、十日町市が設置した「信濃川の在り方検討委員会」が13日開いた初会合で、水利権再取得に向け、宮中ダム下流への維持流量を、公式の場で初めて数値を上げて示した。さらにJR東を代表して出席した会議後の記者団の質問に答え、水利権再申請における宮中ダムの最大取水量を「従前の317dを考えている」と述べ、水利権取り消し前の最大取水量を同じ数値で水利権再申請する方針を明らかにした。同検討委員会にはJRもオブザーバー出席する。来月5日、2回目の検討委員会を開く。水利権再取得の申請期限は3月9日と定められているが、「3月9日には拘らない」(関口市長)と十日町市は強い姿勢を見せている。
 

 検討委員会でJR東・佐坂秀俊信濃川発電所業務改善事務所長は、宮中取水ダム直下への維持流量を説明した。「年間通じて毎秒40d以上」、「夏の渇水期の7月26日から9月5日、サケ遡上期の10月1日から11月10日までは毎秒60d」、「5年間程度、改善効果を検証し、必要に応じて改善・検証」と方針を説明した。
この毎秒40d以上は、信濃川中流域水環境改善検討協議会が昨年3月、それまでの10年間の調査・研究から示した維持流量。だが同日、委員からは「この段階でJR側が数字を示すのは疑問」とする意見も出た。今後、JR東が示した数字が論議のベースになるが、3月9日のタイムリミットもあり、今後の論議に関心が集まる。同検討委員会は原則公開で行う。


 同検討委員会は、市内10団体で作る市民協議会(会長・関口市長)の付属機関として設置。市民会議幹事会メンバーや河川環境に詳しい新潟大・大熊孝教授、同大学院・香野哲大氏、上流の飯山市の活動グループ・パワードライブR117・庚敏久代表などもメンバーに入る。
 初会合で関口市長は「環境とエネルギーとの調和、環境と人類との共生という地球規模の課題に対し、信濃川河川環境のあり方を、この地に住む私たちがどのような智恵で解決していくか問われている。河川が持つ潜在能力をエネルギーだけではなくて、町づくりに生かし、将来像を描く中で、その中でJR東の発電事業とどのように折り合いをつけていくのか、後論を進めてほしい」と同検討委員会への期待感を述べた。同検討委員会では、水利権申請関係の専門部会「JR東日本水利申請関連専門部会」を設け、専門論議する。

写真=手前からJR東・佐坂芸善事務所長、よみがえららせる会・山田事務長、
中魚漁協・長谷川組合長、一番奥は市議会・山岸委員長            

ドカッと大雪、津南・十日町地域、全国的な積雪  1月15日号
 ◎…「暖冬小雪」。今冬の予報はみごとに外れた。年末から本格的な降雪となり以降、毎週のように強力な寒波がやって来ている。13日から来襲した寒波は、この冬一番の猛烈寒波で、14日までの24時間降雪では、十日町市で115a、津南町で79aと今冬一番の降雪を記録。雪は15日も降り続き、幹線道路の国道117号は除雪が間に合わず、道路幅が狭くなり、交通に支障が出始めている。国道353号は、集中降雪のため、14日午後4時頃、十二峠で雪崩が発生し、15日朝現在、通行止めが続いている。この雪で14日午後6時頃、津南町源内山の自宅前で除雪作業中の75歳の男性が、誤って側溝に落ち、40b流され、死亡する事故が発生している。
 

 ◎…この集中降雪で、公共交通機関にも影響が出ている。南越後交通・秋山線は14日午後から雪崩の危険があるため、見玉折り返し運転を行い、15日には開通した。年末の降雪から度々運休している飯山線は14日から15日午後3時まで戸狩野沢温泉‐越後川口区間で除雪作業のため運休。今後も降雪により部分運休を予定。今回の雪で屋根雪処理が集中しそうだ。ひとり暮らしや高齢者世帯など除雪補助対象だが、作業が集中し、人手不足も懸念される。同時に、除雪に関係した事故発生も心配され、津南町では広報無線を活用し、除雪上の注意を再三流し、注意を促している。


 ◎…なお社団法人雪センターによる全国積雪深ランキング(15日朝現在)は9日間連続で津南(290a)が1位、2位十日町(281a)、3位入広瀬(232a)と新潟県が上位を占めている。

温泉効果で入場400万人達成、ミオンなかさと   1月15日号
 開業13年半で4百万突破―。旧中里村の命運をかけて平成8年7月にオープンした温泉総合保養施設・ミオンなかさとが今月10日、入湯客4百万人を達成した。相次ぐ温泉施設の誕生で入湯客は減少傾向だが、「施設のリニューアルなどで好評をいただき、さらにアピールしていきたい」(鈴木邦俊専務)としている。
 

 4百万人目の幸運は、長岡市から家族連れで訪れた加藤康弘さん(31)。実家の秩父市から両親らが訪れたことから、「一緒に雪国での風呂を楽しもう」と子どもたちを含め7人で訪れた。加藤さんは「初めて来たのですが、4百万人目と聞いてびっくり。これを契機にちょくちょく訪れたいです」と話し、前後賞に選ばれた加藤さんの父・加藤誠一さん(69)と南魚沼市の山本隆宏さん(55)とともに社長でもある同市の村山潤副市長から花束と記念品を受け喜んでいた。
 

 ミオンでは4百万人達成記念イベントとして食事処「越後」で20日までラーメンやそば、ミニ丼など4百円サービスメニューなどを行っている。

スゲボウシかぶり鳥追い、津南町外丸地区  1月15日号
 ○…『あの鳥どこから追ってきた、信濃の国から追ってきた…』と子どもたちの声が響いた。米を食べる野鳥を追い払う「鳥追い」。伝統を残そうと子ども会行事として取組み、小正月の伝統行事を次代に引き継ぐ活動が行われている。
   
 ○…外丸1区は20年余り前に復活し今に続く。10日、子たち5人が雪除けにスゲボウシを被り、唄と拍子木を鳴らし1時間余り集落内を回った。同地区子ども会のまとめ役の福原美智子さんは「少子化で大変ですが、何年も続けているので唄も覚えました。待っている方も多いので嬉しいですね」。子どもたちは少ないながら大声を張り上げ、五穀豊穣を祈った。


 ○…11日には外丸大好きクラブ(涌井稔章代表)が地元青年団と連携、3年目の交流もちつき大会を行った。住民百人余が参加。4升の地元産コガネモチをつき、保育園児から80代までが仲良くつきたて餅を頬張り、笑顔いっぱいの新年を過ごした。

真冬に咲く花、花餅まつり、小正月行事・松之山  1月15日号
 ◎…「昔の風習、子どもたちが覚えていてくれたら嬉しいね」―。十日町市松之山に伝わる小正月行事の「若木迎え」と「花餅祭り」を10日、森の学校キョロロが開催。山の神に新年の挨拶を兼ね山に入り、花餅祭り用のミズキ(ダンゴノキ)を切り出し、子どもたちと一緒に飾りつけ。小正月の伝統行事を来館者は体験、かつての雪国生活に思いを馳せた。
 

 ◎…花餅祭りは白、赤(食紅)、緑(ヨモギ)、紫(紫芋)の4色の餅と薄い丸型センベイを付ける。冬季間、雪に覆われ花咲く季節を待ち望んだ住民の思いが込められている、松之山独自の小正月行事だという。長らく伝統は途絶えたが、6年前から同館で再開し継続。スタッフの佐藤一善さん(65)は「魚沼地域は繭玉飾りが主流だが、松之山は蚕農家が少なく、花飾りになったのだろう。外に出られなかった冬、小正月は人が集まり過ごすのでみんな楽しみにしていた。伝統文化を残したいね」と笑顔を見せた。

芸術祭と連携、「松之山分校を残したい」、泉田知事が方針、北川プラン実現へ  1月8日号
 創立62年を迎えている県立安塚高校・松之山分校。県教委が3年前、募集停止を発表、だが地元の存続運動で募集継続しているが、将来不安は消えていない。「地域資源を生かし、地域特性の芸術祭と連携した新たな学校づくりを」と、同地もエリアの大地の芸術祭と関連を深め、「芸術祭と連動し、個を伸ばす教育の拠点」と位置づけた新生高校像を、芸術祭総合コーディネーター北川フラム氏が提言。「新生松之山高校」実現に向けたプランが昨年まとまった。このプランを昨年12月16日、泉田知事に直接要望。知事からは「芸術祭と連動し、松之山分校を残したい」と、県庁に出向いた地元関係者が驚き、喜ぶ回答を受けた。昨夏、第4回を開いた大地の芸術祭が、新たな学び舎作りに連動し始めている。実現すると全国的にも注目を集める高校となり、今後の取り組みに関心が集まる。

 
 昨年末の泉田知事要望は、地元選出の村松二郎県会副議長の案内で実現。合併前の平成7年設置の「松高対策検討会」、2年前に作った「松高支援連絡会」、同窓会、東京松之山会、同校PTAなどの代表10人余が県庁に出向いた。新生プランを構想した北川氏も同行。
 
 この「新生松之山分校にむけた提案」は、芸術祭の人材、活動、さらに地元自然などを活用。目標理念は「全日制普通科の必須科目を軸としながら、芸術・科学・民俗に重点」。具体的な構想も描いている。
◎大地の芸術祭の里学習(芸術作品製作・キャリア教育、外国人アーティストや大使館交流で実践語学、特産開発やマーケティング、空家・廃校の再生、農業体験などによる物理、数学、建築、経済の実践教育)
◎地域人(田園人)特別講座(社会人講座)では、芸術祭ネットワークを活用し、高校カリキュラム科目を通じ世界文化にふれ、高校生以外も学べる場づくり。
◎寺子屋こへび(芸術祭関係者が夜学を開校し、授業補修や進学指導など、現役大学生などがサポート指導する特別講座)
◎越後妻有学(生活技術講座&里親制度)では、住民が培った生活技術の講座。越境入学生徒を週末里親で受入れ、地域交流。平日の寮は三省ハウスを活用。


 北川氏などから説明を受けた泉田知事は、「芸術祭と連動し、松之山分校を残していくというのは、皆さん誤解しているかもしれないが、私が残すように一生懸命やっているんです」と積極姿勢を見せた。さらに「何とか個を伸ばす教育、さらに芸術に長けた人を松之山エリアから輩出できるような高校として残したい。この提案は素晴らしいと思う。ぜひ実現できる高校にしたい」と、要望した関係者が驚く前向きな言葉を受けた。
 松高対策検討会・松高支援連絡会の佐藤利幸会長は「知事が明言されたことは、本当にありがたい。芸術祭で松之山地域は少し元気になってきた。さらに元気にするためにも、この新生松高をぜひ実現させたい。そのためにも、地元の子たちからぜひ入学してほしい。そこを知事からも指摘されている」と話す。この知事発言は『地元からの進学がなく、ここは全く別物、というわけには行かないと思う。誰も地元が進学しないから、他から呼ぼうでは無理がある。それでは私も(県教委)を説得できない』と地元入学を構想実現の一つのハードとしている。

 
 松之山分校は昭和23年開校。同44年には在校生最多の97人だったが、少子化と共に入学者が減少、現在は1年16人、2年11人、3年7人の全校34人。毎年地元松之山地域から入学者があったが、昨春は初めて地元入学ゼロ。同対策検討会や支援連絡会、同窓会などで中学校訪問を実施し、生徒確保に努力している。昨年から同検討会・連絡会などが連携し、送迎マイクロを運行し、通学の利便性に乗り出している。佐藤会長は「勉強もマンツーマンに近い状況で、昨春も新潟大への進学者を出し、これまでの大学進学者が多数出ている」などと、小規模校のメリットが効果をあげているという。

伝統の「わだら積み」、津南町の小島今朝勇さん  1月8日号
 ◎…「わだら積み」。この独特の呼び名と形。かつて、晩秋から冬季の風物詩となって、桐材産地の代表的な景観だった。だが近年、この「桐の塔」を見かけるのはまれ。津南町陣場下の小島桐材店は創業110年余。2代目の小島今朝勇さん(77)は、このわだら積みを今年も行った。「そうだな、最近じゃ見られなくなったな。以前は5つくらい立てたもんだが」。昨年末に積み上げ、今はすっぽり雪に埋もれている。
 

 ◎…桐材産地の津南町。雪国育ちの津南桐は、木目の綺麗さと雪さらしによる白さが特徴で、琴材など高級材として重宝されている。だが最近は桐栽培が激減し、産地としての津南ブランド色が薄くなっている。その中、伝統職を受け継ぐ小嶋さん。わだら積みは、職人技でもある。太い桐を荒削りし、ゲタの元となる四角の角材に製材。これを輪状に内側から4重に積み上げる。高さ4b余。ふた山の総数は約2万個。「内側に小さい材、外側には大きめの材と4層に積む。風通しがよく、相当の風でも壊れない。先人の知恵だな。まんべんなく雪にさらせれる」。
 

 ◎…雪をかぶった桐の塔。モザイク模様を描き、現代アートにも通じる。来春、四国や九州のゲタ業者に出荷する。「津南桐は良質で、今も県内の琴材店に卸しているが、良い桐がなくなった。引き合いはあるんだが」。雪国の伝統産業、まだまだ健在だ。

ほんやら洞で思い出作り、今春閉校の津南原小  1月8日号
 ○…「とってもよい思い出になります」―。今年3月で閉校を迎える津南原小学校区で6日夕方、米原公民館わきで一足早いかまくらを楽しんだ。本格的なスキーシーズンを迎え、「小正月に鳥追い行事をしていないうえ、スキーが忙しくなって児童全員が顔を揃えるのは今しかない」と同校PTA(藤木勉会長)が企画した。20畳余りの大きなかまくらに11人の全児童の親子や教諭ら30人余りが集まり、モチやスルメなどを焼いて食べ、楽しいひとときを過ごした。
 

 ○…かまくら行事は同地区では8年ぶり。「閉校に向け、子どもたちの思い出づくりに」と当日朝から児童の父母らがスコップを手に作った。50人ほどがゆったりと入れるほどの大きなかまくらに子どもたちは大喜び。藤ノ木遥さん(4年)は「全校一緒でとっても楽しい」と笑顔。児童会長の大口健司くん(6年)も「ソリ遊びもしたしモチも食べ、いい思い出になりました」と喜んでいた。

課題は「町民の関心」、自律プラン中間報告、住民懇談の出席低調  1月8日号
「資料がわかりにくく、見る気が起きないという率直な意見もあった。もっと簡単にできないか」。「自律プランは70、80%の進捗というが、町民に実感はない。行政側の見解と大きな相違がある」。今月5日、津南町議会月例協議会で町側からの説明に、町議から厳しい意見が相次いだ。
 
 自律プラン作成から6年目の津南。昨年、テーマ別14チームで住民代表と町職員でまとめ、昨年11月から全町19会場で住民説明会を開き、この日、その結果を発表した。
 
 町総務課の説明によると住民説明会の総参加数は267人、(1会場平均14人)。全町3681世帯(先月現在)のわずか7%の参加率。町議からは「参加者が少ない中、このまま進めていいのか」など意見が続出。「矯正施設の誘致、人口1万3千人など計画は数多くあるが、お題目、言葉だけでは時間の浪費。検討結果や進捗状況は随時開示し、細かい報告を」と事業進度の報告など取組み過程の公開を求めた。

  町は今月5日付広報と共に記録集を全戸配布。意見や提言をさらに求める。今月中に再度チームで討議、2月に全体の意見調整を行い、3月20日付広報と共に概要版を全戸配布。来年度作成の町総合振興計画に反映する。担当の総務・小野塚均班長は「懇談会参加者が少なかったのは残念。要望は多かったが提言は少なかった。分かりづらいという声もあった、記録集の全戸配布で意識も高まると思う。意見、提言をさらに求め、良いプランを作成したい」と話している。

指笛ライブ、津南出身の村山さん   1月8日号
 ○…国内外で活躍の指笛奏者・田村大三氏の直弟子の村山壮人さん(65、津南町陣場下出身)主宰の野火止倶楽部が年末26日、ニュー・グリーンピア津南で生演奏。宿泊客ら百人余がジブリ音楽や童謡、さらに太極拳教室を開く友人との共演など多彩に演奏した。
 

 ○…全国各地でチャリティ活動する野火止倶楽部。津南では昨年も実施。「いつでもどこでもできるのが指笛。しっかりした姿勢、呼吸でしか鳴らないので健康にもいい。故郷の津南で教室を開きたいね」と村山さん。当日設置の募金箱浄財を町社協に寄付した。


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