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2009年09月の津南新聞「トピックス」

過去の津南新聞トピックス
十日町病院、耐震診断実施、結果により改築に弾み  9月25日号
 5年前の中越地震で被災し、建物の損壊修繕や補修を行い、診療継続している県立十日町病院は、これまで実施していなかった耐震診断を今年行うことが明らかになった。 
12日、同病院で開いた健康講座講演会で塚田芳久院長は「これから病棟の耐震診断を行う。結果によっては建て直すことになる」と述べた。同病院がめざす災害時の救急拠点病院の役割
を果たすためにも、相応の耐震度が求められ、今回の耐震診断の結果によっては建て替えの必要性が高まる。地域課題になっている同病院の中核病院化への改築問題とも連動するため、今回の耐震診断の結果に大きな関心が集まる。


 十日町病院は、外来病棟は昭和61年建設で、建築基準法改正(同56年)以降の建物。一方、入院病棟は同46年建設で新建築基準法以前。特に同56年施行の新耐震基準では「震度6程度の大規模地震では倒壊を防ぎ、圧死者を出さないこと」と、4年前の中越地震で震度6強を経験している十日町地域にあって、災害時の拠点病院となる同病院の耐震度は、少なくとも「震度6強」以上に耐えられる建物であることが求められる。
今回の耐震診断は、県病院局の今年度事業として当初予算化し、来月中旬から専門業者が耐震診断に入る予定だ。耐震診断は、病棟の設計図をもとに専門機器で行い、コア抽出検査も行う。結果は今年度末の来年3月になる見込みだ。
 

 耐震診断の結果によっては改築の必要性が高まる。十日町市・津南町・栄村を医療圏とする同病院。県立病院の再編計画が進むなか、高度医療(2次医療)機関として、中核病院化による早期改築を求める地元にとって、今回の診断結果は改築を早める要素になる。同時に、建設地問題で揺れる地元の取り組み姿勢も問われる。「早期の改築が必要」と耐震診断結果が出たとしても、「どこに建てるか」と地元が混乱していたのでは、地域医療の充実は危うい。地元の早急な合意による建設地の決定が求められる。

縄文草創期の遺跡群、信濃川と清津川交流点に集中、国指定史跡に  9月25日号
 信濃川と清津川の合流点の2`圏に約1万3千年前の縄文・草創期の遺跡は、確認されているだけで20数ヵ所ある。草創期遺跡がこれだけ集中しているのは国内でも同地だけ。地元津南町と十日町市は県や国の支援をうけ「信濃川上流域縄文時代草創期遺跡群調査指導委員会」を立ち上げ、一帯を国指定史跡の認定を受ける方向で取り組みを始めた。調査は4、5年計画で取り組み、国指定史跡をめざす方針だ。

 
 信濃川と清津川の合流点2`エリアに集中する約1万3千年前の縄文・草創期の遺跡群。津南町と十日町市が国県の事業支援を受け取り組む調査。特に代表的な6遺跡の重要性が増している。津南町側の「卯ノ木」、「卯ノ木南」、「本ノ木」、中里側の「壬(じん)」、「田沢」、「中林」。6遺跡は交流点の対岸に位置する。
 無紋の尖底土器と多くのフラスコ状ピット(遺溝)が出土した卯ノ木南、「卯ノ木式」と標識化される押圧縄文が出土した卯ノ木、石ヤリ製造の場と共に論争の場となった本ノ木。さらに最古の土器と形容される隆起線文(りゅうきせんもん)土器が出土の田沢、草創期が多層で見つかった壬、石ヤリから弓矢への移行の手がかりとなる中林など、同エリアは他に類を見ない草創期遺跡群となっている。
 

 学芸員で津南町教育委員会の文化財班・佐藤雅一班長は、今回の合同調査の意義を語る。「この合流点エリアの草創期遺跡群は国内でここだけの集中度。考古分野だけでなく自然科学、地層地質、環境分野など多様な専門家と連携し、重層的な調査に取り組んでいる。この台地に人が住み始めた起源、土器の起源などの解明の重要な手がかり、ヒントになる遺跡群だ。調査を通じて重要性を立証し国指定史跡に導きたい」と津南地域の重要性を話している。

写真は交流点付近。横に流れるのが信濃川、右が下流、

清津峡トンネル150万人達成、秋の紅葉シーズン期待  9月25日号
 ◎…上信越高原国立公園エリアで渓谷美が人気の清津峡。安全に峡谷を楽しめるように平成8年開業した清津峡トンネルの入坑者が150万人を突破し、連休の21日、同入口で記念式を行った。150万人目となった長野市の会社員、竹重千文さん(58)には魚沼産コシヒカリ、前後の人に清津峡マイタケなどが贈られた。竹重さんは「びっくりです」と突然のプレゼントを喜んでいた。


  ◎…日本3大渓谷に数えられる清津峡。21年前の落石事故を契機に当時の中里村が要望しトンネル化が実現。同年設立の第3セクター株式会社なかさとが経営。冬季2ケ月間は休業だが、年間約10万人が入場、同16年4月に100万人達成。150万人達成式は渓谷が一望できるトンネル入口で行い、同社副社長で十日町市観光協会・高橋信雄中里支部長が、竹重さんと前後の津南町羽倉の久保田桃大ちゃん(3)、四日市市からの小見好子さん(52)に記念品を贈った。竹重さんは兄弟ら8人で初訪問。4月死去した父が同地を訪れ、その地に母もと兄弟で訪れた。「びっくりしました。渓谷が深く、きれいですね」と喜んでいた。さっそく片道750bのトンネルを散策し、展望口から雄大な渓谷美を満喫した。

信濃川を楽しみ、考える、ラフティングに関口市長も  9月25日号
 JR東日本信濃川発電所の不正取水などで、枯渇状態となった信濃川中流域お再生をめざす「第11回信濃川水なしサミット」が19日、十日町市内で開かれた。「これからの信濃川を考える」をテーマのシンポジウムで関口芳史市長は「JRとどう話し合いを進めていくか以前に、信濃川のあるべき姿を市民の意見を聞きながら考えていきたい。その上でJRと次のステップに進むことになろう」と信濃川問題の方向性を示した。
 

 同シンポは、大熊孝・新潟大名誉教授をコーディネーターに、信濃川をよみがえらせる会の長谷川克一会長ら5人がパネリストに思いを語った。この中で中魚漁協の組合長でもある長谷川会長は「全量放流で多くの鮎が遡上していると思われる。サケも千匹ほど上って来るのでは」と全量放流効果を指摘。「1万匹余りのサケを捕獲している魚野川並みの毎秒百dの水はほしい」と要求量を示した。一方、関口市長は「JRとの交渉は、これまでは水のエネルギーに着目しただけで、改めて自分の発想の貧しさを反省している。川の美しさ、癒し、スポーツなどどういう信濃川が必要なのか、あるべき姿を考えていきたい」と語った。
   
 
 関口市長は同日、信濃川ラフティングにも参加。ミオンなかさと付近から妻有大橋まで1時間半余り、ラフティングボートで川を下った。関口市長は「まるで中国の山水画を見ているようなすばらしい風景で、川も急流もあって最高の楽しさだった。水量はとても(維持流量が示されている)40dというわけにはいかない」と感想を語っている。

全国から80の工房職人、越後妻有クラフトフェアに7500人  9月25日号
 全国80余の工房職人(クラフトマン)が集う第2回越後妻有クラフトフェアは19、21日、ニュー・グリーンピア津南芝生広場で開き、快晴と連休効果が重なり、前年を大きく上回る両日で7千5百人余で賑わった。十日町市城之古の小林ミワさんは「去年も来たけど興味ある品ばかり。目移りしちゃいます」と工芸品に手を取り、職人との交流を満喫していた。
 

 県内最大級の同フェアをまとめる高野秋規実行委員長(58、清津陶房七ツ釜)。「知名度も広まり、このロケーションが人気。10年は継続して一大クラフトフェアに定着させたい」と話す。同フェアには地元のワラ工芸部、ならんごしの会、はつめの会、津南原染織工房、緑風舎、モリクラフトはじめ全国22都府県から89工房が参集。浜松市からのトンボ玉などガラス工芸「工房さんぽ」の名和紅さん(48)は「広い駐車場で人が来やすい環境は抜群。山々が見えるきれいな自然景観も最高、雰囲気がいい。主催者も一生懸命なのでこっちも熱が入りますね」と評価。秋の全国発信イベントとして同フェアへ関心が集まる。

「学びの場」、22年度も生徒募集、十高定時制  9月18日号
 「学びたい子がいる以上、学びの場の確保は必要」―。県立十日町高校定時制は来年度22年度も生徒募集することが県教育委員会の先月28日の発表で内示された。正式決定は来月の県教育委員会定例会で決まるが、同定時制を守る会では「必要性を理解してください皆さんのおかげ。学びたい人の最後の砦でもあります」と生徒の継続募集を喜んでいる。


  同定時制を守る会(藤木晴夫世話役)などに尾身県議、村松県議などと通じて入った内示によると、全県の定時制の募集学級は21年度を同じ方針を決まった。これにより十高定時制は従来通り1学級40人を募集する。 地元選出の両県議とも継続募集に取り組んでいる。尾身県議は「21年度は結果的ながら40人の定員を満たしたことは、学びの場を求めている子たちが多くいることの証し。どうしても夜学でないと行けない子たちもいる。学びたい子がいる以上、学びの場の確保は必要だ」と今後も守る会と連携運動する方針だ。
 同守る会の藤木世話役は「支援していただく皆さんのおかげです。子たちは、自分たちを見守ってくれる人がいることを感じています。体育祭や文化祭の姿は、3月までの子どもたちの姿からは想像できないこと。本来、定時制を必要としない時が来るのが望ましいのだろうが、必要として子たちがいる以上、学びの場はなくしてはならない」と話し、22年度の生徒募集決定に感謝している。


 十高の2009南陵祭では定時制生徒もチャリテーバザーやお祭り広場を開くほか、芸術祭参加の記録写真や作品、書道展などを開催した。定時制の学生のひとりは「南陵祭は楽しいです。中学の頃の友だちとの会えて良かったです」などと話し、大きな声で呼び込みをしていた。

写真=今月13日の文化祭でチャリティーバザーを開く定時制学生

現代アートで元気に、妻有で実証、第4回芸術祭閉幕、「秋版も」  9月18日号
 50日間に渡り十日町・津南地域で展開した大地の芸術祭は13日、松代・農舞台での閉会式で幕を閉じたが、今回は新潟観光キャンペーンに合わせ、11月23日まで作品鑑賞を延長している。来月3日から期間中、今夏のパスポート利用できるほか期間中、2百作品を公開する。週末土日・祝日にはバスツアーも行う。閉架式で総合プロデューサーの福武總一郎氏は「前回より10万人以上多く、40万人を超えるかもしれない。良い地域は人生の先輩、お年寄りの笑顔があふれる所。この地は笑顔がいっぱい。現代アートで地域を元気にする、その方程式がここ妻有で実現できた」と芸術祭の成功をに感謝していた。
 

 芸術祭事務局の先月27日集計によると全体で焼く25万人(前回同期22万人)と3年前の第3回を大きく上回る入込み状況。近く最終集計は発表される。
 13日の閉会式は農舞台に6百人余が参集し、期間中、すべてに渡りボランティア支援した「こべび隊」の進行で行い、主な作品を人で表現するパフォーマンスや鬼太鼓座演奏も加わり、熱狂的な中でフィナーレを迎えた。
 

 9年前の第1回から総合ディレクターを務める北川フラム氏は、これまでの歩みと今回、今後の課題について語った。
 「3回目に比べ、さらに地元住民が前に出てきている。地元民の中に頑張ろうとしている人が増えている。この動きを地域の展望につなげていくことが一番大切であり大きな課題」。さらに「今回、アラブ首長国連邦とクゥエートが国立テレビで番組を作った。オーストラリアが国として山の中に、国として空家を確保したのは世界でも初めて。今秋、来春と、どう運営しようかと考え、真剣に動き始めている」と芸術祭が国際的に求められていると強調。 
さらに「地球環境が厳しい中、本当には素晴らしい地域であるということの発信が届き始めている。この地域には可能性がある」と妻有地域の将来的な価値への再認識を促している。

秋山郷見倉に木道設置、自然を感じてください  9月18日号
 ○…秋山郷見倉地内に広がるカタクリ群落の保全と観光名所化にと津南町観光協会(石沢哲会長)は15日、新たに遊歩道を設置。中津川渓谷側に約70bに木製遊歩道を巡らせた。同協会では「春にカタクリが踏み荒らされるのを防ぎ、将来的には付近のオオトチ(大栃)などと組み合わせ、トレッキングコースのひとつとしたい」と観光スポット化を勧める計画だ。
 

 ○…同協会は昨秋、秋山郷観光協会と連携し14年ぶりに見倉トンネル付近の群生地の雑草や潅木を刈り整備。「秋山郷名所に」と今年は新遊歩道を県観光協会からの補助を受け約80万円で敷設。石沢会長は「道路わきと交通の便が良く、近くに駐車場もある。貴重な自然群生地、保存と観光アピールに活用したい」と今後も整備に取組む方針だ。

106歳、志賀ハマさん、元気に敬老式出席  9月18日号
 ○…「知識や経験を活かし社会参加・ボランティア活動を」をスローガンに、津南町敬老式が13日、町総合センターで開かれた。75歳以上の対象者2690人(前年比33人増)のうち7百人余りが参集、町から長寿を祝う祝辞や記念品が贈られた。会場には管内最高齢者の志賀ハマさん(106歳、船山)も家族に連れられて出席。入院中の小林町長に代わって出席した滝澤副町長から表彰状を受け握手されると、にっこりと笑顔を見せていた。
   

 ○…式辞で滝澤副町長は「町の平均寿命は女性が87・2歳、男性は78・7歳。女性は県内トップで長寿の証となっている。町民ぐるみ健康づくりの町を宣言しており、新型インフルエンザに負けずに健やかで笑顔あふれる毎日を」と激励。参加者を代表し町老人クラブ連合会の関谷今朝次会長は「自分の健康は自分で守る。助け合いの精神で、町に感謝を表す行動を進めていきたい」と誓った。
 

 ○…会場では津南小の村山凛さん(2年)と丸山勇樹くん(4年)石沢光佳梨さん(6年)の3人が「大好きなおじいちゃん、おばあちゃん、いつまでも元気でね」などと敬老作文を発表。また敬老式に合わせて来町した津南応援団・東京津南郷会による民謡や踊りなどが次々に披露され、会場を盛り上げていた。

芸術祭フィナーレ、津南の夜空に「山」   9月18日号
 ◎…秋夜を彩る「山」の字が鮮やかに浮かび上がった。第4回大地の芸術祭の閉幕前日の12日、マウンテンパーク津南ゲレンデ。1万人余の願いが描かれた白布で作品展開した滝沢達史さん企画の「やまもじ送り」。津南を思い選んだ山の中に『人』がいる旧漢字の『山』が暗闇を明るく照らし芸術祭の最後を飾った。
 

 ◎…1辺約150bの巨大な山の字。62基の木のやぐらを作り、午後7時半に一斉点火。太鼓演奏をバックに百人余の参加者が白布を火に入れ、願い事を天まで届けるやまもじ送りは1時間余輝き続けた。親子で参加した中津小2年の桑原唯人くんは「どんどん山野中に火が付いて、とっても感動。すごい」と火をいつまでも見つめていた。

十日町病院問題、経営は「第一希望から県と協議」、関口市長が方針   9月11日号
 県立十日町病院の改築問題は、建設場所は「十日町地域が決める」、運営主体は「県が最終的に決める」方針が出ている。7日の市議会一般質問で鈴木一郎氏は「現段階で市長は、建設場所はどこが良いと考えているか」と質問。関口芳史市長は「第3者組織の提言を受けたい。十日町の将来を見据え、どういう町づくりが可能か、財源問題もあるが、お金の事ばかりを先に考えないで、大きな観点で十日町の将来、子や孫たちが住み続ける十日町を思い浮かべる中で検討することが大切」と、建設場所の選定で第3者機関を立ち上げる方針を示した。
 

 さらに鈴木氏は「前市長と議会代表が公設民営で『運営は厚生連を』と要望したことについてどう考える」と質問。市長は「県営病院であり、県がそのまま経営することが望ましいが県は指定管理者で民営化を進めたい方針で、その意向を強く感じた前市長、前議会代表が県要望をしたのではないか」と答弁。さらに同市長は「(病院問題で)まだ泉田知事と話したことはないが、先ず第一歩として十日町市民の本当の気持ちを聞き、それをもとに話していきたい。具体的な話は始まっていない。県の意向を強く感じた前市長、議会代表の要望は、第一希望ではないが第二希望をお願いしたのではないか。新たに知事と話す時は、十日町市民の要望として第一希望から話していきたい」と知事との協議では、第一希望・県営維持から取り組む方針を示唆した。
 

 一方、津南町議会でも初日の8日、県立病院事務長経験があり命を守れる病院をつくる会長の高橋孝男町議は「今の十日町病院には東京など中央の医療界から注目されているドクターがいる。新病院の医療体制充実への要望も出ており、積極的な地域医療への姿勢が見える」と現十日町病院の医療チームの充実ぶりを強調。さらに「(新病院建設に向け)時を誤ってはならない。津南町は町立病院の運営経験を持つ。新病院の早期実現のためにも、十日町市へ津南から投げかけが必要ではないか」と津南町の積極姿勢を求めた。
 
 これに対し小林町長は「十日町市がどう意見調整するか、見極める必要がある。内政干渉はできない」と同市の取り組みを注視し、具体化した時点で連携をはかる方針。だが、十日町病院事務長経験の高橋氏は「十日町と津南が一致、連携することは県への大きなアピールになる。時期を逸しない取り組みを求めたい」と取り組みを要請した。
 津南町議会は今月16日と24日、市議会関係者との懇談会を開く予定だ。

農村景観100選の秋山郷結東「石垣田」、修繕でコンクリート舗装に論議  9月11日号
 全国農村景観100選の津南町の秋山郷結東の棚田「石垣田」。町は国の臨時交付金の一部を当て、荒廃する石垣田の修繕に乗り出すが、「急勾配地のため、部分的ながらコンクリート舗装が必要」と工事方法を示した。これに対し、町観光協会や町民から「景観が損なわれる。石垣田にコンクリートはそぐわない」と景観保持から、修繕工法の再検討を求める声が上がっている。町は「石垣田を壊すものではない。あの田で継続的に耕作するために必要な小路であり、急勾配の道になり、必要な工法だ」(地域振興課)としている。
 

 秋山郷結東集落の手前、断崖を背に広がる斜面にある石垣田は、鋭角的な石を丹念に積み上げた歴史的な史跡を思わせる。地元民によると約120年前から作り始めたという。地元の滝沢松治さん(86)は語る。「石垣は、自分の田は自分で積み上げた。上手な人と下手な人の差が、長い年月で出てきている。先人の苦労は並大抵ではなかった」。


  今回の修繕は、町が臨時交付金の使途として地元に結東地区に打診。機械耕作が出来るようにという地元要望で小路造成する。町議会への説明では、石垣田の最上部に道(幅3b)を新たに造成し、その道から各田に行ける小路(幅2b)6本余り作る。これらの道をコンクリート舗装する。道の法面(斜面)は土。事業について瀧澤副町長は「景観も大切だが、耕作が続けられることが、この棚田を守ることになる。コンクリートは一時的には違和感が出るだろうが、土や草で違和感が薄くなるだろう」と話している。
 一方、町観光協会では景観破壊の懸念を抱く。「先人が創り上げた石垣田。補修は最低限に留めるべき。協会やNPOが草刈や保全に協力する。コンクリート舗装では、あの景観そのものが台無しになる」と事業工法の見直しを求め、観光面での取り組みの必要を求めている。

三箇小・ようこそ先輩、書家招き自由書に挑戦  9月11日号
 ○…町内外で活躍する先輩から直に話を聞き、子どもたちの指針にと三箇小(高橋しげ子校長・児童19人)オリジナル講座「ようこそ先輩」。第4回は7日開き、辰ノ口出身の書家・高橋清勝さん(59、厚木市在住。雅号・清堂)が講師。墨と紙で「花」や「月」など共に描き「漢字のなかに字に対するイメージを書きましょう」と指導。子どもたちは『魚』の下の点を泳ぐ小魚に、『田』の空いたスペースに苗を描いたりするなど、創造力を駆使して書道に親しんだ。


  ○…高橋さんは毎日書道展無鑑査、前衛書の全国展である奎星(けいせい)展入賞6回、今年3月の同展で特選を受賞した注目書家。神奈川で書道教室主宰も勤める。子どもたちに「基本をしっかり学んだら、遊ぶ心が大切。次は見る人が自分の書からどんなことを感じてくれるか考えよう」などと心構えを手ほどき。さらに「私の生家はもうないが、母校で話す機会を得て嬉しい。書に取組むみんなの目が輝いているのがいい。この地域の良さ、まとまりの強さを感じ育って欲しい」と話した。

最高齢106歳の志賀ハマさん、13日敬老式、管内100最上54人  9月11日号
 敬老の日を迎えたなか、十日町市と津南町の百歳以上は今月10日現在、54人(十日町市42人、津南町12人)にのぼっている。管内最高齢者は、昨年に続き明治36年3月20日生まれ、106歳の志賀ハマさん(津南町船山)。体調がよければ今回も家族に連れられ、式典に出席予定だ。
 

 津南町では13日、町総合センターで式典を開く。75歳以上の対象者は2690人(前年比33人増)で、結婚50年の金婚夫婦は27組、同60年のダイヤモンド婚は42組となっている。男性トップはやはり昨年同様、102歳の涌井國重さん(穴藤)となっている。高齢化率は35・8%で、昨年に比べ0・4ポイント上昇した。
 十日町市の最高齢者は明治36年7月生まれの106歳、昨年と同じ高橋きよさん(川治上町)、男性は百歳の大井正司さん(川西・三崎町)。市の高齢化率は31・41%。
 栄村は、最高齢者は昨年と同じく百歳の中嶋志ヅさん(フランセーズ悠さかえ)、男性トップも百歳の広瀬高利さん(森)となっている。高齢化率は44・9%。


 ○…「近所の人が遊びにくるとにっこり笑って迎えるよ」-。106歳と6カ月を迎えている。昨年から筋力が衰え、柔らかめに炊いたごはんなど食事も家族の手で口に運んでもらっているようになった。とはいえ、まだまだ元気。介護役を努めている長男・春信さん(78)は「耳は遠いが、頭も目もしっかりし、出かけるときは紙にメモ書きし、それを見せて理解してもらっている」と話す。
 

 ○…朝食は朝5時。ベッドで食事を済ませると、寝室からテレビのある居間に移してもらい、コタツに足を入れながら一日中、テレビを見ている。なかでも水戸黄門と相撲が大好きという。健康の秘訣について「20年以上も前から薬草酒とヨーグルトは欠かさない。今もそうだよ。それが効いてるんじゃないかな」と春信さん。農作業で足腰が鍛えられ、64歳の時には苗場山にも登った。「『難儀くなったら、手を広げてたって(飛んで)来るさ』と言ったのが、昨日のことのように覚えている」と家族らは話す。「何とか今年も敬老式に連れて行きたいもんだ」。

元十高陸上部メンバーが合同で集合店舗、十日町市昭和町に  9月11日号
 ◎…「地元十日町を盛上げる、交流と情報発信拠点にします」。十日町市昭和町3に集合店舗がオープンし、関心を集めている。整骨院「くまくま堂」(樋熊篤史社長)、地産地消カフェ「タナカクマキチ。」(同)、洋服屋「OMAKE」(田中博史代表)、家具屋「MARU」(丸山裕志代表)、さらに19日オープンの子育て支援自然素材ショップ「家楽」(大嶋由紀子代表)。5店舗がひとつの建物に入り、趣味に休憩、リラックスと1日を満喫できるミニモール空間だ。
 

 ◎…実はこの経営者たち、全員が十日町高陸上部出身。大嶋さんが1学年上のマネージャーで、3人が同級生。店舗オープンで故郷に再集結。合言葉は『誰でも楽しめる空間を作り元気を発信しよう』。発案者の樋熊社長(36)は4年前に仲間と居酒屋「タナカクマキチ。」を十日町にオープン。店名はいつも一緒にいた、陸上部同級生の名前を集めて付けた。以来、豪雪JAMやアースデイ越後開催など、様々なイベントも仲間と行う。今年4月に東京から18年ぶりに故郷へ。「上京したときから、いつか戻る、とずっと思っていた。面白いことをしていると発信したい。そして僕らの姿を見て、若い世代にも十日町は楽しめる、すごい所なんだと伝えたい」と地元への想いは熱い。新たな交流スポットの誕生だ。

ミニサッカーで津南チーム優勝、準優勝   9月11日号
 第11回ニューグリーンピア津南カップ・小学生ミニサッカー大会が5、6日、新潟市や長岡市など県内各地から4ブロックに総勢50チームが参加して開かれ、低学年の部では地元のFC津南ウイングスが優勝、高学年でも津南が準優勝と活躍した。
 大会は8人制のミニサッカー。両日とも好天に恵まれ、子どもたちは天然芝の感触を楽しむかのように、元気にグラウンドを走り回っていた。大会では小学1、2年生や保育園を対象にした試合も行われ、ボールに足が当たらないなど笑いと黄色い声援が飛んでいた。決勝は、低学年では津南が吉田を1対0で破って優勝、高学年は津南が長岡ビルボードに1対2で惜敗した。


 県内の小学4年生以下チームが競う第7回JA共済カップキッズサッカー大会県大会は26、27日、新潟聖籠スポーツセンターアルビレッジで開催。津南は魚沼柏崎地区代表として出場する。
 地区予選で津南は、魚沼・柏崎・小千谷地域から12チームが出場したなか、2次予選で柏崎イレブンを5-1、フォルツァ魚沼とは0-0で引き分けたもののブロック1位で決勝トーナメントに進出。準決勝で柏崎FCを2-1で破り、上位2チームに与えられる県大会出場権を獲得した。県大会には地区予選を勝ち抜いた24チームが参加する。

「歴史的な革命」、総選挙で民主独占、筒井氏5選  9月4日号
 歴史的ともいえる圧勝を民主党が収めた衆院総選挙。新潟、長野の両県選挙区すべて民主が独占した。新潟6区は、次期内閣の農水大臣といわれた筒井信隆氏(64)が、自民の高鳥修一氏(48)に3万5千票差をつけ5選。長野1区は農水省出身の篠原孝氏(61)が元大臣の小坂憲次氏(63)に3万7千票差をつけ3選を果たし、議席を維持した。(投票結果は2面掲載)

 
 5選果たした筒井氏は、投票日、日付が変わった31日午前零時半、支持者が集る十日町・津南選対事務所に姿を現し、大きな喚声と拍手に迎えられた。大島清松選対委員長が「ここ十日町市で初めて自民党票を上回った。まさに歴史的な勝利」と感激のあいさつ。夜遅くまで筒井氏を待った30人余りの支持者を前に、筒井氏は勝利の喜びより政権取得の責任政党として表情厳しく語った。
 

 「格差解消、資源循環、地域主権を選挙中、約束してきた。官僚政治の撤廃、国民生活の予算を平均水準国並みに挙げるなど約束した。約束どおり実行するのが我々の任務」と基本方針。
 関心が集まる農家戸別所得補償。「農業問題を私は特に訴えた。先ず取り組むべきは所得補償。2年後の4月実施と行程表で約束しているが財源メドをつけ、できる限り早く実施したい」。
 従来の自民政治との違いを強調した。「自民政治は族議員主導の政治、政官業の癒着構造政治だった。そのため自民農政も自己矛盾に陥り、政策的な混乱を招いた」と政権末期状態だったという。政策の手法の違いも指摘。「全中、全農と一緒になって民主攻撃を行ったが、我々は全然違う方向性で政策を出した。先ず現場、農業者への直接支給を行う。これまで補助金は全中、全農を経由し、農家に届いたが、民主は国民一人ひとり、農家個々を良くする事で、全中、全農が良くなる。農家に直接光を当てる逆転の農政をする必要がある」。
 

 一方、政権政党となる民主の今後にも言及した。
「政権政党としてこれまでの延長線上の仕事をするのではなくて、歴史的な任務を負っているという自覚を全議員が自覚すること。特に明治維新以降、作られた官僚政治をぶっ壊すわけだから、明治維新以来の革命だ。使い捨て型の日本から循環型の日本へ、中央集権型の日本から地域主権型の日本へ、官僚主導の政治から政治主導の日本へ、これが歴史的任務。自分たちの任務がどこにあるのか、それを共有する必要がある。この認識があれば、内部での多少の意見の違いなど、小異にこだわっている余裕などない」と全党体制で公約実現へ必要性を述べた。

「こころの花」、作家との出会いでブライダル写真   9月4日号
 「思い出の地で結婚記念写真がどうしても欲しくて」―。十日町市中平で自主開催中のアート「こころの花」(菊池歩製作)。5万本余のビーズの花畑で2人の記念写真をと1日、佐藤弘祐さん(25、同市室野)と相澤真由美さん(同、松之山小谷)カップルがタキシードとウェディングドレス姿で結婚式の前撮り写真を撮影。ふたりは「3年前訪れ、感動した思い出の場所での結婚写真。忘れられない、一生に一度の記念です」と幸せそうな笑み。
 

 3年前の前回、大地の芸術祭で同アートを鑑賞し感銘を受けたふたり。以来、菊池さんと交流が続く。挙式は今月12日。「この作品の中で結婚写真を」と願い、菊池さんも快諾。この日、黒タキシードの弘祐さん、作品に合わせ紫色のドレスの真由美さん。青と白のビーズが彩るブナ林での撮影はまるで映画のワンシーン。木漏れ陽も祝福。記念にこころの花が1本贈られ、この花を添えたリングピロー(結婚指輪の台座)を手作り。結婚式でも花に見守られ永遠の誓いを交わす。
 こころの花は今月30日まで開催している。来場者は1万人を超え、12、13日は地元お母さんグループ・美人商店が郷土料理など振る舞う予定だ。

県で金賞、十日町高吹奏楽部、西関東大会へ  9月4日号
十日町高吹奏楽部、いよいよ西関東大会に―。第50回県吹奏楽コンクール・高校B部(編成35人以下)で金賞を獲得、今月13日に埼玉・所沢市民会館で開かれる西関東大会に出場する十高吹奏楽部(菅村槙部長、47人)。4年ぶり2度目の出場だが、「百%の力を出して東日本大会をめざしたい」と意欲を燃やしている。
 高校B部に36校が出場した県大会では、県内では初演奏といわれる天野正道作曲「スィート・エキセントリックよりU、W」で挑戦。「よくまとまった演奏」と高く評価され、5校に与えられる西関東大会出場権を獲得した。


  同楽部では毎年、市民会館などで定期演奏会を開いてレベルアップにつなげており、今年39回を数えている。こうした活動が今回の成果にもつながった。ただ菅村部長は「県大会は『すごくよかった』という実感が持てなかった。西関東大会では百%の力を出して悔いのない演奏をしたい」と抱負。志田美季副部長は「楽しく最高の演奏ができれば結果はついてくるはず」と意欲を見せている。メンバーは選抜になるが、津南中出身も4人いる。「かつては津南中出身者が中心だった部。今後も大勢入って来てほしい」と菅村部長。
 指導に当たっている指揮者の三浦義弘教諭は「県大会は大きなミスはなく、その時点ではベストだったと思う。西関東では、それぞれのメンバーが実力を百%出し、その音を結集できるかだろう」と話している。
 

松之山で10代4人死傷、50b崖転落、飲酒運転か  9月4日号
 10代男女4人が乗った車が崖下に転落、高校生1人死亡、飲酒運転か―。30日午前3時頃、十日町市松之山湯本の県道から若者4人が乗った車が約50b下の越道川に転落。16歳から18歳の男女4人が乗車、この事故で松之山天水越の高校2年・佐藤了さん(17)が死亡。他の3人は全身打撲や足を骨折する重傷。3人からアルコールが検出され、飲酒運転と見て十日町署で調べている。
 3人は同市の団体職員の男性(18)、埼玉・鴻巣市の男性専門学生(18)、同市在住の女子高校生(17)。4人は同じ松之山中学出身。前日の地元の不動様祭り参加後、付近でビールなど飲酒したとみられる。


  車は国道方向に走り、左カーブを直進し、ガードロープを乗り越え転落、ブレーキ痕はなかった。乗車していたひとりが携帯電話で119番通報。3人は十日町地域消防のレスキューに救助されたが、転落の衝撃で車外に投げ出された佐藤さんは午前6時頃、川で発見。十日町病院に搬送したが同6時48分に死亡を確認。近所の男性は「午前2時過ぎ、ドラム缶がひしゃげたような音がした。まさか交通事故とは、それも10代の若者が亡くなるとは…。地元の若者の顔を皆知っているだけにやるせない」と声を詰まらせていた。

津南の夜空に「山」、12日夜、芸術祭作品で送り火   9月4日号
 ★…来週12日夜、津南の夜空に「山」が浮かび上がる。大地の芸術祭閉会式の前夜、マウンテンパーク津南ゲレンデで展開している「やまもじプロジェクト」が最高潮を迎える。津南町出身のアーティスト・滝沢達史さんの作品。先月26日の芸術祭開幕後、同津南を訪れた人や地元小中学生などの協力で1万枚のメッセージを書いた白布が集った。その集合体が「山」。12日夜は、その思いを天に届ける送り火を行う。
 

 ★…「山」は旧漢字の「山」。自然と共に暮らし、山と共に暮らす「人」が、その文字に入る。12日夜7時半、滝沢さんら芸術祭参加者などが一斉に点火。その瞬間、津南の夜空に「山」の文字が浮かび上がる。前日11日午後7時からは前夜祭記念でロシアの楽器「テルミン」演奏会を町文化センターで開く。入場自由。芸術祭はいよいよクライマックスを迎える。


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