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2008年11月の津南新聞「トピックス」

過去の津南新聞トピックス
「約束違う」、十日町病院用地問題で小黒沢地区反発  11月28日号
 県立十日町病院の改築問題で、地元田口市長は「現在地での改築を」と方針を出したことに対し、旧十日町市時代に行政主導で建設用地提供への同意書を取りまとめた市内小黒沢地区は、「約束が違う。納得いく説明がない限り、現在地での建設は進めないでほしい」と市に要望している。22日夜には小黒沢地区住民代表が記者会見を開き、改めて「元々は行政が小黒沢に(病院建設の話しを)持ってきたもの。地元から誘致したものではない。我々が納得できる説明がないまま、一方的に現在地と決めたのは納得いかない」と田口市長の方針表明に反発している。同地区はすでに県病院局にも出向き、建設地問題への県方針を確認している。


  地元同意がまとめられた市内小黒沢地区は、国道117号と並行して走る市道と信濃川の中間地域の約7f。地権者23人が同意書を2005年3月、当時の滝沢信一市長あてに提出している。同意書には「県立十日町病院の移転建設用地として十日町市が買収することに同意します」と明記され、署名捺印されている。
 22日夜の会見では、詳細な経過説明があり、「2005年2月15日には、滝沢市長、関口助役、大島収入役、担当課長、地元市議が来て、早急にこの場所に病院を作りたいという一辺倒の方針だった」など説明し、用地買収の坪単価1万3千円の提示も明らかにされた。だが、合併を挟み事態は一転した。「合併後、まったくこの話は進まず、我々への情報提供もなくなった。昨年、我々から定例説明会の開催を要請し、ようやく始まったが、いきなり今回の現在地方針が出た。納得がいかない」と小黒沢地区総代・宮澤修さんは話す。
 

 会見に同席した水沢地区振興会・上村國平会長は「高規格道の整備と病院建設をセットで話してきたが、方針変更で高規格道も怪しくなっている。田口市長は建設場所は小黒沢と言ってきた。地元への納得いく説明がまったくない以上、現在地での建設計画は進めなるべきではない」と田口市長への不信感を募らせ、事態の進行によっては法的措置も視野に入れている。


  小黒沢地区は先月6日、地元代表6人が県病院局に出向き、病院建設地問題をただした。県病院局は『病院局では決めていない。地元の総意でいい』と建設場所は、地元の意向を尊重する方針を示したという。

「こだわり餃子」、40年に幕、山田夫婦の歩み  11月28日号
 「店を開いて40年。いよいよ閉めるとなるとやっぱり寂しいね」。津南町大割野の老舗食事処「満留栄食堂」。来月末でのれんを下ろす。店主の山田一成さん(74)は「残り1ヵ月、お客さんを精一杯もてなしたい」と感慨深そう。39年間津南の食を支えた、名物店の幕が閉じる。


  閉店の大きな契機は92歳の実母・イトさんの介護。6年余前からアルツハイマー病を患い介護していたが、今月15日、脳出血で倒れた。「自分も歳をとり、店をやれてもあと数年。料理人になった息子が帰ってきてもいいといったが、これからの津南は人口が減り飲食店は厳しい。思い切って閉めることにした。長男の自分を始め6人兄妹を育てた、がんばりやの母の介護に専念したい」。母への感謝と、厳しさを増す津南の経済が閉店を決意させた。


  横根集落出身の一成さんは横根分校閉校を機に幼い子どもを連れ昭和44年開業。まだ大割野商店街には20店余の飲食店しかなかった。『満留栄』は同じ横根出身の知人が群馬・月夜野町(現みなかみ町)で開いた『満留伊屋食堂』にちなんだ。手作りにこだわり、妻のカメさん(73)と二人三脚で定食と中華料理をメインに営業。「料理、介護などいろいろ苦労もかけた。すべてが終わったら、元気なうちに旅行にでもいかなきゃな」と一成さんは感謝している。
 看板メニューはパリパリの皮とジューシィさが特徴の「餃子」。あらゆる商品が値上げされる今でも6個250円という破格の安さで提供。付き物のラー油も手作りする、こだわりの逸品だ。「餃子はほとんど儲けはなし。手間はかかるが、味はずっと変えてない。

 40年、商売一筋にやってきた。閉店まで残り1日1日を大切にして、最後まで同じ味を提供するよ」と夫婦でにっこり。営業は12月30日までを予定している。

「自律計画はどうなっている」、津南町商工会VS町議会、激論展開
 「自律の取り組みを始めて6年目の津南。自律計画はどうなっているのか」―。広域合併構想から抜け、独自に「自律宣言」した津南町。自律計画を全戸配布後、住民には具体的な動きが見えないなか、津南町商工会と町議会産業建設常任委員会の懇談会でも、この自律論議が出た。「議会はなぜもっと検証しないのか。人口1万3千人をめざす自律プラン。なんら具体策が出ていない」。チェック機関の議会の甘さを指摘する意見も出た。
 同懇談会は、今の議会では初の懇談会。高橋商工会長ら理事14人と町議会産経委員会6人、藤ノ木議長も出席し、現在の地域の商工情勢などをテーマに懇談。だが、厳しい経済情勢などの報告を受け、町の動きや政策的な取り組みに話しが及び、『自律プラン』がやり玉に挙げられた。
 

 「町民にきちっと全戸に資料提示した自律プラン。取り組みを始めて6年が経つが、これをdどうしようとしているのか、見えてこない。議会の場でどう検証しているのか。あの自律計画はどうなっているのか」。理事の指摘に、町当局に代わり河田委員長が答えた。
 「目に見えたものはないが、毎年の見直しなどを行っているようだ。人口増の政策には、これといった決め手がなく、町の動きが見えてこないのは事実。議会としても、これといった手立てがない。ただ人口増がすべてに通じる政策であるのは事実。町も雲をつかむような感じでいるのではないか」などと述べ、答弁に困惑していた。
 

 さらに町議側からは大口氏が「どこの町村も閉塞感がある。いま何かやるということは、どうゆうことをやるのか、ということ」などと話し、過去10年比較の公共事業の建設費の推移などを示し、「国政的な問題の視点が必要」と地方自治体の限界性を指摘した。
 ただ一方で、理事から指摘が相次いだ。「町への提案はいろいろしているが、町がそれを取り上げようとしない。事業や財源が減少しているのは分かっているが、それはどこの自治体も同じこと。毎年検討委員会を開いているが、それを作って終わっている。同じ繰り返しではないのか」。さらに別の理事からは「出来ることからやっていく、民間では当たり前のことだが、その出来ることさえ、やっていないのが今の津南町。議会はもっと町の姿勢に迫っていくべきだ」など、厳しい意見が相次いだ。

水争い激化、清津川流域と魚野川流域  11月28日号
 試験放流の調査報告後、田口十日町市長は「試験放流では目に見えた変化や効果が表れていない。全量放流するなども検討してほしい。最初の試験放流の東電素案が十日町側でなく魚野川側に相談があったと聞き、憤慨している」などと発言。これに対し井口南魚沼市長は「農繁期に渇水になれば大変で、非常時にはカッサダムなどの水で対応するからと聞き、それなら試験放流も結構ですよと了承した。どちらが先に相談など問題でない。また試験放流で効果が出ているのだから全量返せ、など今やるべきでない。そんなこというのなら、この会は必要ない」と反論。
 

 一方、旧中里村長で清津川流水問題懇談会の山本茂穂会長は「東電素案は納得できないと拒否してきたが、一歩も前進しないために協議の場に出た。この問題は清津川の問題で、魚野川流域ではなかったはず。言い争うことは本意ではない。東電素案では清津川流域が満足することは絶対ない。不満足の場合どうするかも論議する必要があるのではないか」と意見。これに対し南魚沼中央土地改良区の梅沢秀次理事長は「国が水利権を獲得し国策上、畑から田んぼにしてコメを作ってきた。当然、水利権があると思っている。水利権問題は、発電の時に話があったはずで、その時点で解決すべきこと。国が取得した水利権を今になって返せというのはスジが違うだろう」などと批判した。


 その後も意見を求める手が挙がったが、西澤会長が「言いたいことはよく分かっている」と止め、次回は継続している試験放流の調査がまとまる来年秋頃の開催と決めた。
 最後に発言を求めた田口市長は「この問題の指導は国の方でやるべき。発電施設は百年、2百年続くか分からないが、農業は何千年と続く。基本的なことは国県で考えていただきたい」と強調した。

津南町自然に親しむ会、妻有環境大賞、35年の活動評価  11月28日号
 地域の環境美化や自然保全などに取り組む団体や個人の活動をバックアップする妻有ショッピングセンター「第9回環境大賞」の授賞式を22日、ラポート十日町で開いた。環境大賞には地域の自然環境の調査や子どもたちの自然体験などの35年余取り組む「津南町自然に親しむ会」(中沢英正会長)が受賞。環境賞は旧市郡部など6団体、個人が受賞し、賞状と奨励金が贈られた。


  この環境大賞は、妻有ショッピングセンター同友店会(会長・高橋俊之ミヤコヤ社長・加盟8店)が9年前から取り組む。地域の環境美化活動などを表彰し、活動支援する企業メセナ活動の一つ。表彰式で高橋会長は「この9年間で145の団体や個人のエントリーがあり、9の環境大賞、51の環境賞を贈っている。継続の大切さ、大変さ、その必要性を改めて感じ入っています」と活動団体への敬意を表した。


  環境大賞受賞の同親しむ会・中沢会長は「無理をしない、文字通り自然体で活動し、35年余り続いている。子どもの参加が減少しているが、地元の自然の中には、面白く楽しいことがいっぱいある。もっと身近な自然に目を向けてほしい」と述べた。さらに「ここ20年で帰化植物が目立つ、高山にも見られる。野生動物の生息変化もあり、見た目の自然の変化は少ないが、中身で大きな変化始まっているように感じる」と長年、自然と向き合っている立場から警鐘を鳴らした。
 環境賞は次の通り。
▼津南町・中子社会部(高波秀一部長)▼松之山温泉組合(小野塚力組合長)▼松代上町会(室岡茂男会長)▼川西・節黒城跡保存会(上村晴夫会長)▼こんぱすの会(阿部久司代表)▼清水達治(十日町市)。

児童2人、清津峡小学校49年の歴史に幕、来春閉校
 ○…「大好きな清津峡小学校、いつまでも忘れないからね」―。雪の結晶をイメージした六角形のユニークな校舎、十日町市立清津峡小(神田武司校長、児童2人)で23日、来年3月で49年の歴史に幕を閉じるのを前に、地域住民や卒業生ら2百人余りが参集して閉校記念式典を行い、思い出を語り合いながら閉校を惜しんだ。
 

 ○…同校は昭和35年に旧高道山小角間分校と倉俣小小出分校が統合して創立。56年に体育館、平成6年に現在の校舎に改築された。明治8年に開学した県第六中学区第七番小学馬場校第二附属角間校を含めると134年の歴史を刻んでいる。
創立時、168人だった児童も過疎の波に洗われ現在は2人だけ。来年度から田沢小への統合が決まっている。
 

 ○…式典で神田校長は「2人の生徒の明るさに私たちが励まされた。美しい自然の中で遊んだ思い出や地域の人たちの暖かさはいつまでも心に残るでしょう」と感慨深そうに語り、これを受け山本優香さん(5年)と桑原萌さん(6年)が「清津峡小の思い出を忘れず、頑張っていきたい。この先も清津峡小を大好きでいたい」と話した。
 地域あげて取り組み25年の歴史がある「清津峡樽ばやし」を保存会のメンバーとともに披露。校舎に太鼓の音を刻み込むかのように響かせ、校舎前に建立した閉校記念碑を除幕した。同式典実行委の藤ノ木秀一委員長は「地域に愛されてきた証が、こんなに早く消えるとは思わなかった。さびしくて残念。立派な校舎を地域の拠り所に活用させていただきたい」と語った。閉校後、同校は大地の芸術祭の作品展示などに利用される計画だ。

まちが雪化粧、平地に初雪   11月21日号
 ◎…「あの大雪だった18年度豪雪と同じ日の初雪となったが…」強い冬型となった18日夜から平地で初雪を記録し、翌19日朝には津南町山間部で20aを超える積雪となり、除雪車が初出動した。津南町の平地でも18a前後の積雪となり、スノーダンプなど除雪用具を取り出し、住民は家の前など早朝から除雪作業に精を出していた。
 

 ◎…気になる今冬の雪。カマキリの産卵場所で予想する人もいるが、それによると「あの18年度豪雪より、今年は高い場所に産み付けている」、「いや、地面すれすれだった」などなど雪談義が盛んだ。ちなみに18年度豪雪では平地で11月19日に5a余の初雪が降り、山間部ではそのまま根雪。12月9日から本格的な降雪が続き、年末には3bを越える記録的な大雪となった。期せずして同じ初雪日。さて今冬の雪は…。

直売所は元気の源、「よらねぇかい」山村代表が毎日農業記録賞受賞  11月21日号
 「朝、皆の顔が生き生きしているんですよ」―。国道117号沿い、津南町卯ノ木の農産物直売所「よらねぇかい」。今日も自慢の新鮮野菜を手にメンバーが集る。『今シーズンも、もうちょっとだな』、『これはどうだね。なかなか良い形だろ』。活気あふれる顔が集う。「消費者であるお客さんと直接顔を合わせることで、生の声が聞かれます。良い反応、課題となる反応などなど、すべてがありがたい情報ですね」。開店5年目の同直売所。その歩みを記録した同会代表・山村隆夫さんの「おいしい津南を味わってください」が、今年の毎日農業記録賞(毎日新聞主催)優良賞を受賞した。

 
 東京都職員を早期退職した7年前、キャンプで何度も訪れた津南町に夫婦で移住した山村さん(58)。『東京で食べる野菜は「野菜」。津南の野菜は「美味しい野菜」でした。毎日食べられるようにするには自分で作るしかない』と、初心者農業に取り組む。収穫の手ごたえを感じ、毎週土曜開設「たっぴ市」へ出品。農業の先輩たちとの出会いが広がり、「常設直売所がほしいね」と呼びかけに応えた14人で5年前、国道117号沿い食事所「じょんの喜」駐車場に店開き。代表・事務局で会をまとめる。会員も増えた。40代から80代の27人。月曜を除く毎朝9時半、顔を合わせる。午前10時開店。農産物には統一シールと生産者名。価格は出品者が付けるが、他店や市価など参考に事務局が調整。「最初の頃は作ったものを売るでしたが、今は売れる物を作るです。お客さんとの交流で情報が入り、今度はあれを作ってみようなど情報交換の場になり、町外リピーターが増えています」。  



 農業初心者だった山村さん。津南原の自宅近くの30eの畑で30数種の野菜を作る。今年8月、農薬を控える減農法実施の「新潟県エコ・ファーマー認定」を受けた。同会では3人目の認定。出品に認定マークを張り、品質の保証している。
 「何事も楽しくないと、うまくいかない、これが私の持論です。直売所は面白い。交流がダイレクトで反応がストレートに返ってきます。メンバーが集る朝、みんな笑顔で集ってきます」。行楽シーズンは観光情報も流す。5年の節目を迎え、課題も見えてきている。
「今後どう発展、継続して行くかです。町内や地域にある直売所との連携が必要。できれば組織化され、JAや自治体がバックアップすることで、津南の大きな交流拠点になるはず。当然、加工分野も広がるはずです」。農業直売の手ごたえを感じている。24日、今シーズンの最終市を開く。

バイカモ研究、県大会で好評価、津南小・涌井美久里さん  11月21日号
 ○…子どもたちが夏休みに行った理科の自由研究の優秀成績者を称える第11回「いきいきわくわく科学賞」(審査委員長・戸北凱惟上教大教授、新潟日報社主催)の最終審査会が18日、新潟市の県立教育センターで行われ、津南小5年・涌井美久里さんの『津南のバイカモを救え』が県教育長賞を受賞。涌井さんは「びっくりしたけど評価されて嬉しい」と喜んでいる。なお、十日町市では十日町中3年・村山直子さんが東京電力賞を受賞した。
 

 ○…同科学賞は小学生中学年、同高学年、中学第一分野(物理・化学)、同第二分野(生物・地学)の4部門。県内各地域で優秀な成績を収めた研究320点を審査し受賞者は35人。涌井さんの研究は、先月行われた郡市科学研究発表会で審査員から『地域の自然に目を向けよく調べてある。写真やグラフを多く使い、分かりやすい』などと高評価を受け、同科学賞に応募していた。


  ○…バイカモ(梅花藻)はきれいな水の指標と言われ、梅に似た白い5弁の花が特徴。涌井さんは反里口から流れる船津川の約6`区間を調査。以前はよく見られたバイカモが近年、北米原産で繁殖力の強いコカナダモに生息地を奪われている状況を明らかにした。「小さい頃から水草を見るのが好きで、昔見たバイカモが少なくなったことに気付いたのがきっかけ。船津川のバイカモは確かに減っているけど、まだ多いので守りたいです」と涌井さん。来年の研究テーマは「船津川の流れの変化と水の汚れ」と決め、バイカモはじめ身近な自然環境をさらに調べる予定だ。

信越国境で合戦、第6回しなちく祭り   11月21日号
 ○…新潟と長野の県を越え交流を深める上郷中(鈴木省平校長、32人)と栄中(畠山信重校長、48人)。町内羽倉と栄村森地区の境界線で大綱を引き合う第6回「しなちく祭り」を8日行った。生徒や住民両町村からの生徒や住民80人余が集まり綱引き合戦。「オーエス」と秋晴れのなか引き合い、白熱した勝負を展開した。


  ○…同祭は県境の宮野原橋で名称が変わる信濃川と千曲川の頭文字から命名。試合開始の午前10時半、栄中生徒が所属の勇壮な栄ふるさと太鼓が鳴り響き開戦。信越国境の碑を起点に綱引き。生徒とPTAを交えた祭りは栄中が勝利を収めた。地元森の広瀬治夫さん(79)は「明治時代は相撲、大正はスキー、戦後は弁論大会と県境を越えて交流した。お互い刺激になり、勝った方は大喜びしたもんさ」と感慨深そうに綱引き合戦を見守っていた。

JR不正取水で謝罪、地元怒り続出  11月21日号
JR東日本の信濃川発電所(十日町市・小千谷市)で発覚した不適切な水利使用問題で、同社は13日夜、十日町情報館で住民説明会を開き、発電施設の総点検結果を報告、謝罪。しかし住民側からは「意図的な不正ではないか」などと批判の声が相次いだ。同問題では国交省北陸地方整備局も「取水量超過分の算定根拠が不明」や「観測システム設定に対する背景説明ができていない」などと指摘し17日、同社に報告書の再提出を求めており、今後の対応が注目される。
 

 住民説明会には、JR側から本社執行役員で電気ネットワーク部の澤本尚志部長や東京支社電気部の橋本博部長、信濃川発電所の金子昇所長らが出席。調査の結果、宮中取水口などの取水観測装置に不正プログラムの上限リミッターを組込み、許可水量を超えて取水しても機器には範囲内であるように表示されるなど過去10年間に推計で計1億8千万dを不正に取水。また川を維持するため下流に流す維持流量にも、決められた量以上に流さないようプログラムした下限リミッターで計38万d余り不足していたと説明。さらに提出データの誤り105件、河川法に違反または違反の恐れがある工作物など250件、同法に抵触する恐れのある事案9件にも及んでいたことを明らかにし、現在、毎秒7dの維持流量に対し10%増で放流している。


  不正発覚は今春、十日町市が信濃川河川事務所に資料開示を求めたのが発端。説明会には百人余りが出席し、住民団体「信濃川をよみがえらせる会」のメンバーらから「管理体制の問題というより、水を多く取ってやろうという意図的な姿勢を感じる」や「維持流量が7dを下回っていたら、JRと市が交わした協定書は無効ではないか」「会社ぐるみの犯罪だ」などJRに対する不信の声が次々に上がった。JRの澤本部長らは「発電所の管理体制が脆弱だった。河川法に関しての社内認識も不十分だった。おわびするほかない」と謝罪。「少しくらいならという考えが現場にあったのは間違いない。一瞬たりとも不正をしてはいけないという認識が足りなかった」と頭を下げた。

軒下アート、大根すだれ  11月14日号
 ◎…みごとな「大根すだれ」が、初冬の寒風を受け、漬け込みを待っている。津南町赤沢の高橋淳子さん(70)は毎年、8百本余りの沢庵を作り、県内外の親戚や子や孫に贈る。漬け込み40年の大ベテラン。「父ちゃんが出稼ぎに行っていた頃は、丸い桶ごと職場に送っていました。喜ばれたようです」。冬に向けての風物詩「沢庵漬け」。その家ごとのオリジナル漬け込みが最盛期を迎えている。


 ◎…今月初め、丸々と見事に育った大根を畑から引き抜き、自宅前を流れる名水竜ヶ窪の流水で洗い、左右のバランスが取れるように編んで吊るした。3、4本づつ編み、ひと吊り(1つら)約40本。これを20つら吊り下げる。東向きの軒下に並んだ大根すだれが、寒風を受け乾燥し、「しなっこくなったら(柔らかく弾力だ出てきたら)」漬け込む。この作業をすべて淳子さんひとりで行う。今年も樽20個以上を漬け込む。「野沢菜と一緒に送るんですが、気の早い人は、年内にべきってしまうようです」。ふるさとの味、おふくろの味が届くのは、もうすぐ。

癒しの空間、地域再生に全住民でふるさとづくり  11月14日号
 全国名水百選竜ヶ窪や伝統芸能・赤沢神楽や竜神太鼓など地域に根付いた文化、恵まれた自然環境を有す津南町上段地区。7集落380世帯余の同地区は、今年度から農水省「農山漁村(ふるさと)地域力発掘支援事業」を導入し、地域再生に乗り出す。今月10日、谷内公民館で推進母体となる「上段地域推進協議会」(根津勝幸会長)を立ち上げた。アドバイザーとして環境問題に取り組む建築コンサルタント・グリーンシグマの相楽治専務を招き、地域全体で伝統芸能継承や地域に伝わる民話収集、語り部育成、動植物の生態調査などを行い、「地域再発見」、「癒しの場づくり」など上段地区エコゾーン化に今後10年間、取り組む方針だ。
 

 同協議会は、竜神の里推進協議会、芦ヶ崎小PTA、赤沢神楽保存会、上段太鼓保存会、芦ヶ崎小緑の少年団、ます池整備推進委員会、竜ヶ窪対策委員会、民間から竜ヶ窪温泉など町を含め10団体で構成。根津会長は「歴史や文化を未来に伝えるには住民連携が必要。地域文化を再発掘し、元気な上段地区をさらに活性化したい」と話す。同地区は平成14年から3年間、県事業「地域ビジョン策定事業」で将来プランをまとめた経過がある。地元方言集発刊やます池の生態調査、民話収集など行った。今回の事業導入で、さらに具体化を進め、住民主体の地域づくりに本格的に取り組む。
 

 同事業は全国3百地域を指定。10年間の継続事業。前半5年間は総額9百万円の事業費が出る。後半5年間は独自に事業を進め、国への報告が義務付けられている。同事業は県内11地区指定。十日町市は松之山地域が選定されている。
 同協議会役員は次の通り(任期5年間)。◆会長=根津勝幸(上段地区連絡協議会長)◆副会長=涌井直(竜神の里推進協議会長)、内山隆(竜ヶ窪対策委員会委員長)◆監事=湯沢利夫(芦ヶ崎小PTA)、滝沢芳則(津南町農業委員)。

技能五輪で十日町の女性大工、日本一、来年国際大会へ  11月14日号
 若き21歳の女性大工さんが日本一、カナダの国際大会へ―。第46回技能五輪全国大会初出場で日本一の「金賞」受賞した女性大工の小島真穂さん(21)。来年9月、カナダ・カルガリーで開く世界一を競う第40回技能五輪国際大会出場権を獲得した。
「優勝できるとは思わなかったです。日本一の実感はまだ湧きません。喜びよりただ驚くばかりです。カナダには挑戦者の気持ちで行ければと思っています」。
 先月31日から今月3日まで千葉幕張メッセで開催の全国大会。39職種に23歳以下の職人953人が技を競った。建築大工の部は76人出場、女性は4人。実技審査は2日間行い、11時間30分の時間制限の課題『正六角形小屋組3分の1』を製図から作製。電気機器は使わずカンナ、ノミなど手作業で取り組む。
 「初日は製図に時間をかけすぎ、作業が進まなくて夜泣いてしまいました。製図との誤差が少ない正確さが評価されたようです」。



 大工への道。きっかけは小学4年の時の自宅の新築。現職場の尾身建築が施工。家を作る職人の姿に魅かれた。十日町総合高では農業や数学の教科に興味を持ったが、3年の進路決定の時期、突然あの職人の姿が蘇った。魚沼テクノスクール建築科に進み、今春卒業時に2級技能士を取得。
「自分は女ですが、そんなこと関係なく『大工になったらかっこいい』と思いました。同級生50人余、女子は私を含め2人だけでしたが、男女区別なく課題に取組むのは充実していました。大会出場は2級技能士試験の結果が良かったからのようです」。同テクノスクールの推薦で出場した。


 今春、同校を卒業。就職では真っ先に尾身建築を受験。尾身稔社長(52)の第一印象。『男女関係ない職場だが、この子の顔を見て、大丈夫だろうと思った。雇った理由は雰囲気かな』。職人のカンで採用。同社の職人11人と共に、現場を飛び回る毎日だ
「今は先輩方の技を学ぶだけで精一杯。筋肉も少しづつ付いてきて、女の子としてはあまり嬉しくないですが、大工さんになったんだと実感が湧いてきています。いつかは設計から建築まで、自分の思い通りの家を建てたいです」。

画期的な調理器考案、津南町の創造舎・内山さん  11月14日号
 殺菌や食品加工分野などで応用する過熱水蒸気・モイスチャー(湿り空気)の活用特許(アメリカ)と実用新案(日本)を持つ津南町の「創造舎」(内山満社長、本社・津南町岡)は、モイスチャーを活用した調理器の試作に地元製作所と連携し成功した。簡易なシステムの調理器で、これも実用新案の申請を行い、家電・業務機器の大手、ダイニチ工業が関心を示し、すでに来社して、今後の具体化に向けて協議を進めている。
 

 モイスチャー活用の調理器の基本は、湿り空気が持つ「逆転点温度」を活用したもの。逆転点は、過熱水蒸気が一定温度(170度以上)を越えると、物を乾かす乾燥速度が速まり、一般の高温空気より速くなり、その堺となる温度が逆転点温度。170度以上の湿り空気では、洗濯物がよく乾く。電子調理器「ヘルシア」(シャープ)はこのシステムを活用した調理器だ。
 今回、創造舎が考案した調理器は、「IHを使わないから電磁波が出ない。さらに電気ではなく安価なガスを活用することで、大幅なコストダウンができ、システムが簡単のため、制作費も大幅にコストダウンできる」と内山社長は、環境を考えた調理器と自信を見せている。製作は町内貝坂の桑原鉄機が担当した。
 

 試作器は、ガスコンロにそのまま乗せるタイプで、ガス火の上に水分供給皿を設け、過熱水蒸気を発生させ、その上に野菜などの素材を載せる網を設置。全体を耐熱シートなどで覆った簡易な調理器だ。内山社長は「野菜は水で煮ると栄養分やうま味が流出するが、モイスチャーで調理すると、むしろエキスが濃縮され、素材そのものの美味さ、栄養価を保存するため、うま味が違う。すでに友人が実証しており、特にサツマイモは最高だったという」と、同調理器の優位性を話している。
 この過熱水蒸気は、先般、NHKTV「ためしてガッテン」でも紹介した。炭を長時間水に付け、それを焼けて炭の上に乗せ、網で肉を焼いた。格段に味が違って報告がされていた。
 

 今週初め、試作品をダイニチ工業の関係者が見に来て、関心を示していた。内山さんは、その用途を語る。「電気が止まった災害時の緊急時の調理器になる。ガスがあれば、この簡易なシステムの機器で、野菜や肉なども簡単に調理できる。天ぷらのそのままでできる。この最大の利点は、炭素ガスの放出が極めて少なく、環境問題に対応した機器。これからカーボン・オフセット(炭素ガスの売買)にも活用できるはず」と、時代を読んだ開発に自信を見せる。さらに、「電気は、通信と照明だけにして、以外は他の熱エネルギーを使うべきだ。モイスチャーの用途はこれからさらに広がるはずだ」と話す。

涙の別れで命学ぶ、津南小5年、ブーちゃんとお別れ  11月14日号
 さよなら、3匹―。当たり前となっている「食」と「命」を学ぼうと、総合学習テーマ「食と自分」の一環で3匹の食用豚飼育に取組んだ津南小(桑原正校長)5年生67人。今月13日の同小学習参観日、大事に育てた3匹といよいよ別れの時を迎えた。担任の大島一英教諭は「この2ヶ月は2度とない経験。この経験を活かすのが3匹のためになる。命を食べることを真剣に考え、学習して欲しい」と頬を濡らした子どもたちに語りかけた。
3匹はマーブル、ミルク、ヨンさまと名付けられ、2ヶ月間、昼休みに一緒に遊び、水を絶やさぬよう注意するなど、つきっきりで育てた。学校に来た時40`余だった子豚は子どもらの愛情を受け90`余まで成長。学習発表会では保護者の前で児童は今の気持ちを訴えた。『3匹と僕たちは仲間になった。でも、食べるために太らせている。豚肉を食べるのは酷いこと?今日、別れたくないけど別れる。僕たちは友だちになれたかな。3匹の気持ちはわからない。でも、あなたたちの言葉が聞きたい』。
   

 同日午後3時頃、グラウンド脇の豚舎に全員が集まった。別れの前に3匹をグラウンドに解放、一緒に走り回った。寂しさを隠すようにはしゃぐ子どもたち。だが、とうとう時間が来た。運搬用トラックに乗るのを嫌がるように叫び、抵抗する3匹。号泣する子。精一杯強がる子。「逃げろ」とつぶやく子。それぞれ、一緒に過ごした思い出を噛み締め、最後は「さよなら」とトラックを見送った。最初は豚の飼育に戸惑った清水輝恵さん。「2ヶ月間、楽しかった。別れるのは本当に寂しい。豚肉はあまり好きじゃなかったけど、命を食べる大切さを知った気がします」。目を真っ赤に晴らした桑原佐季さん。「3匹が好きになっていたからすごく悲しい。一生忘れないと思います」と共に涙を拭っていた。
 

津南中男子、全国へ、新潟駅伝で優勝  11月7日号
 ◎…「駅伝はチーム力」。この言葉通りのチーム総合力で、津南中男子が13年ぶり4回目の県トップを勝ち取った。第18回新潟県中学駅伝大会は5日、長岡市の越後丘陵公園特設コースで男女とも42校が出場し、全国大会出場をめざし、懸命にタスキをつないだ。津南男子は3区・原由樹人(3年)で中里を抜きトップを奪い、以降、順調にタイム差を広げ、アンカー2年・宮澤圭太に1分余の大差をつけてつなぎ、「先輩がタイム差をつけてくれたので、落ち着いて走れた」と、6人でつないだタスキを高々と掲げて歓喜のゴール。駆けつけた父母ら応援団から「やったー」の喚声が会場に響いた。


  ◎…「緊張ぎみだったので前夜、何種類ものケーキを買ってきて、じゃんけんゲームをしたんです。リラックスできたのかな」。津南駅伝チームの監督2年目の高橋哲成教諭(36)。「9月の富士登山以降、めきめき力をつけてきた。このチームで全国へ行けないなら、ずっと行けないと思ったほど、チーム力を感じた」。優勝旗を手にした選手を見て、厳しい監督の顔に、満面の笑みが広がった。全国大会は来月21日、山口県で。

二人だけの大赤沢分校、独自に秋山郷検定など観光客と交流  11月7日号
「秋山郷アンケートをやっています」―。秋山郷県境に佇む中津小大赤沢分校。現在児童は4年の石沢菜穂さん、石沢真琳さんのふたり。今秋は自分たちの住む大赤沢を中心に「秋山郷を知ってもらおう」と行楽客にアンケートを実施。手作りの秋山郷検定も作り、観光客との交流をも交えたオリジナル総合学習に取り組んでいる。
 

 学習テーマは「大赤沢を知らせよう」。ふたりは地元をもっと学びたいという気持ちがあり、昨年から同テーマに取り組んでいる。聞き取り調査など行い、このほど手作りの「大赤沢パンフレット」が完成した。蛇淵の滝の由来、栃の実の食べ方、鳥追いなど地域文化を紹介。このパンフを基に今年「秋山ごうこども検定」を製作。行楽客に手配りし、帰宅後に解答してもらい、手紙のやりとりで児童との新たな交流のきっかけにする企画だ。すでに5通ほど解答があり、「高得点者には手作りの認定証を贈ります」とふたり。
 発案は同分校3年目、担任の小林隆史教諭(27)。「ふたりが活動を通して地元大赤沢を知り、同時にいろんな人、住民以外で秋山郷では身近な行楽客と関わり、地域、人との関わっていく力をつけてほしい」と今秋、行楽客と直接触れ合う活動を提案した。
    

 5日は大赤沢の山源木工敷地内で4回目のアンケート調査。この日も1時間余で数台の観光バスが到着。子どもたちが「アンケートをお願いします」と元気に呼びかけると行楽客が次々に集まり、30人余りが協力に応じた。ちょっと照れ屋な石沢菜穂さん。「最初は緊張してなかなか知らない人に話しかけられなかったけど、だんだんできるようになりました」とにっこり。愛嬌満点の石沢真琳さんは「いろんな県から人が来ているのにびっくり。自然がいっぱいある、秋山郷検定をして、またこっちに来て欲しいです」と積極的に声をかけていた。
 たったふたりの児童。地域の協力も受けながら、「故郷」を着実に学んでいる。

小水力発電を本格研究、津南町が新規事業で取り組み  11月7日号
 農業用水を活用した小水力発電事業を構想する津南町は、新年度から発電に適した場所や発電効率、水量など本格的に研究する方針だ。農水省が新年度事業で予定する補助事業を導入し、実現可能かどうかを探る。町では平成16年に、新エネルギー研究で、町内3ヵ所の小水力発電候補地をリスト化している。今回は、このうち2ヵ所で本格的な研究を行う。補助事業で整備した農業用水や水路の活用で、制約も予想されるが、町は「まずは現状調査。採算性や事業効率など、多角的に研究し、実現の可能性を探りたい」方針だ。

 
 今年の9月議会で小林町長は、一般質問(滝沢茂光氏)に答え、「町がまとめた資料を基本に、実現性を探ってほしい。水利権管理者の津南郷土地改良区が取り組むのが望ましい。町も協力支援していく」と小水力発電実現に一歩踏み込んだ姿勢を見せている。
 今月4日。十日町地域振興局・岩野行孝農業振興部長を招き、小水力発電の勉強会を町議会・津南クラブ(高橋孝男代表・13人)が主催で開いた。この中で町が平成16年調査でまとめた資料などから、正面ヶ原頭首工で最大150KW、雑水山頭首工が最大50KWの発電が可能などと説明。さらに県内状況では、加治川沿岸土地改良区連合、胎内市、南魚・五条土地改良区の事業化3ヵ所を紹介。特に、五条土改は発電効率を上げ、維持管理費の積立ができる実績を挙げているなどと説明した。
 

 津南町の取り組みについた、「水量確保と供給先(活用先)が課題。実現できれば津南農業も違った視点で見えてくるのでは。住民も農業、産業などに明るい展望が出てくるし、町全体のイメージアップにつながる。ただ、実現の可能性があるかどうか、よく研究する必要がある」と取り組みによる相乗効果を指摘した。
 一方、小林町長から事業化を進められた津南郷土地改良区・小島輝一理事長は「小水力発電の当初の活用先はグリーンピア津南だった。これでは土地改良区組合員にとって、違和感を覚える。発電により組合員への還元ができることが事業化の目的。共に研究していきたい」と話している。
 町は、補助事業により総務課と地域振興課に分かれるが、国の新規事業の「地域用水環境整備事業」と「低炭素むらづくりモデル支援事業」などを導入し、実現可能かどうか、本格的に研究する方針だ。

チーム力で優勝、津南中男子、13年ぶりに全国へ  11月7日号
 第18回新潟県中学駅伝大会は、県内地区代表の男女42校が出場して快晴の5日、長岡越後丘陵公園特設コースで開催。激戦の男子は前評判通り、持ちタイムトップの燕、津南、中里の3強の争いが予想されたが、2区以降は津南と中里がダントツの強さを発揮し、最後は津南が追いすがる中里に1分差をつけゴール。津南は5区・藤ノ木光が区間賞、中里は2区・6区で区間賞を取り、両チームが実力通りの力走を見せた。女子は燕が圧倒的な強さを見せ4連覇。十日町南が3位に入り、北信越出場を果たしたが、吉田は1秒差の6位で北信越を逃した。


 スピードランナーが揃う1区。津南はチームキャプテン・安部拓也(3年)。「中越の悔しさがあり、必ず優勝すると誓い合い、仲間を信じて走った」。落ち着いた走りで先頭集団につき、トップと24秒差の9位で2区・山田亮太(3年)につなぐ。絶好調の山田。「前を行くすべてを追い抜くつもりで走り、勇馬(中里・服部)を狙って走った」と最初から果敢に飛ばし、中間点でいっきに2位に。3区は大会直前、足を疲労損傷し、新潟市へ病院通いした原由樹人(3年)。高橋監督が「使えないと思っていた」ほどだったが、「自分のイメージ通りの走りができた。ラスト1`でのスパートは決めていた」と気力で走り、残り1`で中里を抜きトップに出る。
 

 8秒リードでタスキを受けた4区・志賀文也(2年)。「中越大会の悔しさがあり、自己ベストの走りを心がけた」とペースを守り、堅実な走りで差を広げ、29秒差をつけ5区・藤ノ木光(3年)へ。中越大会では快走を見せたが、県大会前の練習では不調でチーム最下位。津南中での壮行会で全校生徒を前に「どの区間を走っても、しっかり走る自信があります」と決意表明。その通りの区間2位の力走で、後続の中里に1分10秒の大差をつけ、アンカー2年・宮澤圭太へ。「中越と同じく中里は服部弾馬だったので、不安はあったが、中越のリベンジと思い、先輩がタイム差をつけてくれたので落ち着いて走れた」としっかりした走りを見せ、父母など50人余の応援団が待つゴールでは、6人でつないだタスキを高々掲げながら、歓喜のゴールテープを切った。



  津南男子は、全員がクロカンスキーにも取り組む。昨年の冬季国体クロカンで3位入賞している高橋監督。駅伝練習も高橋流メニューで取り組んだ。夏場、標高2千b付近の志賀高原や妙高高原で合宿。「スピードより確実に走る練習を積み、クロカンのローラー練習も取り入れた。秋になり、その効果が走力と共に精神面にも現れてきた。9月の富士登山でチームのまとまりが増し、睡眠時間や日常生活など自己管理にも、それが出てきた」。富士登山では、翌日リクレーションも取り入れ、「高橋マジック」で選手の走力、精神力を育んだ。
 14年余の教諭生活で初の駅伝全国出場となる高橋監督。「全国がどうゆうものか分からないが、ケガと体調管理を万全に望みたい。クロカンシーズンにも入り、両方の練習に取り組んでいきたい」と話す。津南中の全国駅伝出場は女子が平成12年から3年連続、男子は同5年から3年連続出場し、全国順位では平成7年の9位が最高で、新潟県男子では最高順位となっている。 


 
 服部兄弟はじめスピードランナーを揃える中里。「ライバルは津南。津南に勝てれば全国へ行ける」。母校・津南中時代、全国中学駅伝9位の黄金時代を経験する中里・江村浩一監督。選手も津南を意識した練習を積み県大会に臨んだ。1区キャプテン・南雲裕斗(3年)はトップと14秒差の4位でエースの服部勇馬(3年)に。「気持ちが入りすぎていた」。最初から飛ばし8百b付近で早くもトップを奪い、さらにスピードを上げ、区間賞の走りで2位に上がった津南に15秒差をつけて3区・鈴木健太(3年)へ。
 「前半の3年でいかに貯金が作れるか、ここが勝負と見ていた」(江村監督)。思うようにタイム差がつかず、逆に差を広げられる展開。4区・阿部誠人(2年)、5区・大口貴裕(2年)が先を行く津南を懸命に追うが差は開くばかり。「アンカーの弾馬で30秒差なら行けると見ていた」が、津南との差は1分余。勇馬と兄弟出場の服部弾馬(2年)は懸命に津南を追い、区間賞の走りで10秒余り差を詰めたが及ばす、うつむいて2位ゴール。メンバーのねぎらいを受けた。
 全国が見えていた中里・江村監督。「ライバル津南のチーム総合力に負けた。うちの選手も今持てる力のすべてを出し切った。2年生がこの悔しさを次につなげてくれるだろう。津南は伝統校、中里は発展途上のチーム。まだまだ進化できる」と選手を称えた。県中学チャンピオンで注目される服部勇馬。「気持ちが先にいってしまいタイムが出なかった。中学最後の駅伝、全国が目標だった。悔しい。この悔しさを高校につなげ、将来は箱根を走りたい」と話す。中里は今月23日、松本市での北信越大会に出場する。県中学陸上界屈指のトップアスリートは、まだまだ進化し続ける。

 第18回新潟県中学駅伝結果(男女上位5校が北信越大会出場)
 男子(6区間・18`)@津南59分59秒A中里1時間58秒B燕1時間1分21秒C刈羽D小千谷南K中条M吉田23川西
 女子(5区間・12`)@燕42分03秒A新潟・藤見44分21秒B十日町南44分33秒C小須戸D新井E吉田G十日町L川西

関東からノーチェーンで、松之山バイパス開通  11月7日号
 津南町と松之山を結ぶ国道353号線「松之山バイパス高館トンネル・布川大橋」が14年の歳月をかけて完成。5日、地域住民ら2百人余りが渡り初めを行って完成を祝った。
 冬期間、交通の難所だった東川-橋詰地区間・約3・2`の峠越えを、布川大橋(約97b)と高館トンネル(約1・2`)で1・6`の直線で結んだ。総事業費は約56億円。


  式典では、同地域の「上川手歌舞伎保存会」のメンバー9人がカブキ者姿で「さあさあ、お立ち会い」と口上を行って開通を祝った。式典実行委の柳靖治委員長(松之山温泉ひなの宿千歳社長)は「冬場の難所が解消し、関東からノーチェーンでも来られるようになった。今後、地域活性化にプラスになるよう努力していくことが大切だ。しかしまだ改良が必要な区間もあり、さらに運動を続けていきたい」と話している。

これだでかい、何のきのこ…「オオモミタケ」   11月7日号
 ◎…「長年キノコ採りをしているが、こんなのは初めてだ」。津南町朴木沢の藤ノ木章次さん(59)は、その大きさにびっくりしている。今月1日、いつも行く妙法牧場近くの雑木林で大きなキノコを発見。高さ25a余、傘の直径15a余。一見、巨大なシメジに似ているが、「香りが違う。食べられるのかどうか」。
 

 ◎…キノコ採り40年以上の藤ノ木さん。ナラの木の下に、一本だけ生えていた。「最初、本物かを疑ったが、採ったら根もあり、本物だった。いやー、びっくりだ」。このキノコ、実は「オオモミタケ」。樅(もみ)の木など針葉樹の林に生える。津南町自然に親しむ会員で地域のキノコに詳しい高校教諭・河野斉さんによると「なかなか実物を見られないキノコ。海岸近くの黒松林などでよく見られる」。食用できるという。

ドクターカー始動、十日町病院と十日町消防が県初の協定、DMATも連携  10月31日号
 「ドクターカーは医師百人規模の病院ならできる。だが十日町病院は25人の医師で取り組む。25人のパッション(情熱)で百人分の医療活動に臨む」―。地域医療の充実、特に救急救命の体制整備が大きな課題になっているなか、県立十日町病院(塚田芳久院長)と十日町地域広域事務組合(十日町地域消防)は、救急車に医師が同乗し、現場に急行する「ドクターカー」の救急業務協定を結んだ。27日の調印式で塚田院長は、「公立病院の誇りを持ち、25人のパッションで臨む」と、地域医療を担う医療機関の責任を明言した。


 新潟県内では、医師130人規模の新潟市民病院でドクターカーを運用している以外、県内での実施例はない。今回の十日町地域消防と十日町病院の協定は、専用車の整備を視野に、当面は救急車に医師が同乗する形で行う。出動の規定は「病院まで時間を要する緊急度の高い傷病者、あるいは救出までに時間を要する交通事故や生き埋めなど、多数の傷病者発生でトリアージ(救命優先順)が必要な場合など」としている。
具体的には、救急出動した救急隊が消防本部に通報し、本部指令室が判断。災害時は、今年2月に十日町病院で結成したDMAT(災害医療派遣チーム)が救急車に同乗し現場に向かうなど、中越地震などの実績などから出動状況を定めている。
 だが、課題は十日町病院の限られた医師数。塚田院長はその不安を一蹴する。「ドクターカーは医師百人規模の病院で可能。医師個々の負担が増し、加重労働となり、取り組まない病院が多い。だが地域医療の充実を最優先に考えるなら、加重労働を度外視しても、救急救命に積極的に取り組むのが公立(県立)病院の責務。公立病院の誇りを持って、我々は他の病院に先立ち、一歩を踏み出した」。
        ◇◆◇
 
 県内初といえる今回の消防と病院の協定は、十日町地域消防本部(江村久消防長)の呼びかけで平成16年2月結成の「十日町地域メディカルコントロール協議会(MC)」が先導し、十日町地域モデルともいえる連携を実現した。十日町MCには医師会、看護師会、県、市町、労基署、警察、消防本部などが加わり、地域医療・救急救命のあり方を地域あげて取り組む、全国でも稀な実践例となっている。
 協定調印で江村消防長は「救急救命、災害救助などこのシステムで救命の連鎖が格段に向上し、救命率湖上が実現できる」と述べ、5年を要したドクターカー実現を噛み締めていた。

段丘に火柱、33秒の饗宴   10月31日号

 ★…33秒花火アート、河岸段丘を照らす―。津南町のシンボルでもある河岸段丘から打ち上げる第3回河岸段丘花火は25日午後8時に点火。全長6`、総面積480平方`b、わずか33秒の「長く・広く・短く」と三つの「日本一」を誇る花火が晩秋の夜に輝いた。昨年は初雪で視界不良だったが、今年は良好。33発の扇型にあがった花火が、外に出て眺めていた町民らを魅了した。町内押付の滝沢一雄さん(57)は「地元の河岸段丘を活かした花火があることが嬉しい。続けて欲しいね」と感激していた。
 

 ★…地元有志グループ・Wa(福原章子代表)主幹で実行委員会を組み実施。協賛周りから会場設営まですべて手作り。花火師の講習を受ければ誰でも点火できる火柱花火「虎の尾」が特徴。関東から話を聞き参加した人も。東京・町田市の青木彩さん(27)は友だち5人と打上げた。「緊張したけど、自分たちが打ち上げた花火がひとつの形になったと考えるともう感激。また津南に来ます」と仲間と肩を寄せ喜びあっていた。

生演奏をプレゼント、栄村北信小学校へ群馬交響楽メンバーが  10月31日号
 ★…ヴァイオリンとヴィオラ、ピアノの音色が体育館に響き渡り、子どもたちは音楽の秋を満喫した。28日、栄村北信小(鈴木久男校長・67人)で、全国の小規模校などへ生演奏のボランティア活動する「あすなろコンサート」が開かれ、住民も参加し、ショパンやモーツァルトなど12曲を演奏。間近での演奏を目の当たりにした子どもたちは、一曲ごとに大きな拍手をし、プロの演奏に聞き入った。今春赴任の鈴木校長が「ぜひ北信小で」と要請し、演奏会が実現した。
 

 ★…日本音楽家ユニオンや音楽文化創造などで作る実行委員会が毎年全国を回り、これまでに202ヵ所で演奏。今年は9月から11月まで全国34ヵ所で演奏会を開く。北信小を訪れたのは群馬交響楽団メンバーの渡会裕之(ヴァイオリン)加藤大輔(ヴィオラ)、渡会京子(ピアノ)の3氏。弦楽器の仕組みや弓に張る馬の毛を見せるなど、普段の演奏会では見られない趣向で演奏。6年の小林まなみさんは「こんな間近でヴァイオリンの演奏を聴いたのは初めて。素晴らしかった。ヴァイオリンの音色も良かったけど、ピアノを自分もやってみたいです」と演奏会に感動していた。

伝統そば、交流人口の増加、NPOかねさま蕎麦会の活動  10月31日号
 新潟、長野の県境一帯に残る伝統の「手打ちそば」の技術伝承とそば栽培に、NPOを立ち上げ活動する津南町の「かねさま蕎麦会」は、念願の「麺類製造許可」を今月受け、製造販売へと営業を展開する方針だ。「そば栽培で原料を確保し、手打ち職人も育成し、手打ちの出前にも取り組む。先輩の地元そば屋さんと連携し、地域の特色に育てたい」と滝沢元一郎理事長は将来構想を話している。

 
 標高9百b余の小松原開発地。農地の遊休化が進み、荒廃地が増えていたが、NPOで約10fの農地を確保し、今期初めて栽培。先月、交流する狭山市の親子グループ50人余りが協力し、そば収穫。約6dの収量があった。今月19日、狭山市に新そばを持参し、収穫交流の家族グループに手打ちそばを振舞った。
       ▽▼

  今月26日。紅葉の行楽客で賑わう国道117号・津南観光物産館。広場の一画にテントを張り、「NPO法人かねさま蕎麦会」ののぼりを掲げた。メンバー10人余がそば打ち、切り、茹で、盛り付けを手際よくし、「挽きたて・打ちたて・茹で立て」の自慢の手打ちそばを提供した。
 秋山郷へ向かう途中の燕市から夫婦は、「そばののぼりを見て来たが、美味いぞばだ。地元産そば粉なら安心だ」と食した。この日は限定250食。新そば粉やそば殻も販売し、打ち方を聞く人など関心を集めた。同蕎麦会の技術指導責任者で最キャリアの宮沢正道さん(72)。「誰が打っても同じそばになるようにするのが課題。フノリとヤマゴウボウの量は決めているが、こね方、打ち方などやはり個性が出る。だが、こうしてそば打ち技術が受け継がれることは大切なことだ」。
     ▽▼
 
 かねさま蕎麦会は30代から70代と幅広いメンバー32人。昨年NPO法人化し本格活動。製麺許可を受け、近く製麺所を開設。震災復興基金を活用し、自動石臼など機器を整備する。
 滝沢理事長は、蕎麦会の活動を交流人口の増加につなげたい方針だ。「10fのそば栽培で原料確保のメドがついた。製麺許可で販売・営業もできる。職人育成でホテルや旅館、イベントなどへ出張営業もできる。この活動を通じて交流人口をどう増やすか課題。伝統のそばだが、そこにどう付加価値をつけるかだ」。
 NPOおかねさま蕎麦会は、多様な職業の集団。それだけに活動間口は広い。「安心安全のそば粉」の地元提供、さらに地元そば屋との連携など、伝統食のそば活動が、新たな活動の芽に育ちつつある。

隠れ家作り、懐かしい遊び体験、外丸小  10月31日号
 ◎…『雑木林で隠れ家づくり』。自然が遊び相手だった昭和世代には懐かしい山野遊び。その楽しさを体感しようと24日、津南町外丸小(江川京子校長、54人)の「自然探検クラブ」が取り組んだ。学校裏山の林で、枯枝や落葉などを使い、自然木を活用しながら隠れ家作り。子どもたちは「森のミステリーハウス」を名づけ、ふかふかの落葉に寝転び、自分たちだけのスペースを楽しんだ。
 

 ◎…同校は校外講師を招き自然探検、料理、イラスト、スポーツの4部門自由選択で体験学習を2年前から実施。探検クラブは「身近な自然をもっと楽しもう」と県自然環境保護員の中沢英正さん(町内上段)が講師。今年は女子3人を含む8人が参加。川遊びや木草を使った遊びなど学校周辺がフィールド。24日の隠れ家づくりは枯枝などを組み合わせて挑戦。5年の村山遼晟君は「初めて隠れ家を作ったけど楽しい。泊ってみたい」など夢中。講師の中沢さんは「子どもの頃、木の上などに隠れ家を作って遊んだ。子どもたちは本来、遊びの天才。身近な自然をもっと体感してほしいですね」と話している。


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