
2年前の6月25日は、津南町の小林三喜男町長にとって、忘れたい日であり、忘れられない日である。
津南町政史上初の連続5期当選を果たした日ではあるが、その差は「33票」。まさに『薄氷の勝利』だった。任期4年の半分が経過した小林町政。昨年末、喉頭ガンの手術を受け、声のかすれ状態が続いているが、「町政への意欲は増している」と、総仕上げとなる5期に臨んでいる。折り返し点を過ぎ、小林町政を関係者はどう見ているか、聞いた。
33票差まで迫った滝沢源一郎選対・後援会の幹部は、この2年間を話す。「津南だけでなく、国内全体が大変な時期に入っているなか、自律を選んだ津南は、さらに大変さを増していると感じる。特に、産業面。公共事業がなくなり、建設・土木業者は、まさに青色吐息。建築業界も同様だろう。産業起こしをどうするか、最大課題。日本食研との関係は、津南にとって大きな要素だが、どう町づくりに結び付けていくか、その将来プランがない。日本食研をリードするような取り組みが求められる」。
一方、大差ながらも善戦した島田福一選対・後援会の幹部は話す。「農業が立町の基なら、それを政策的に実行しなければ、単なる掛け声で終わってしまう。食糧問題が世界的に言われ、自給率の向上が日本の大きな課題になっている。山麓開発地の荒廃が進み、遊休地が増えているが、こうした農地の活用を考えるべきだ。同時に減反も見直しの時期だ。小麦の高騰で米粉が注目を集め、米需要が高まっている。時代を先取りすることが、収益性の上がる農業につながる。町役場の地域振興課は、名前だけの課になっている。もっと実施的な地域政策、振興策に取り組むべきだ」。
初出馬から支える小林後援会・山本三雄会長。初出馬からの支援者は、そのまま年齢を重ねている。「昨年の手術は驚いたが、順調な回復を見せている。声のかすれがもう少しのようだが、あのスマートな体系で、気力充実で頑張っている。全国的な閉塞状態のなか、日本食研との連携は森林組合と共に、大きな町づくりの力になっている。この連携をさらに強いものにしてほしいし、その力と強い意志を小林町長は持っている。体調管理が第一だが、津南のためにさらに頑張ってくれだろう」。
5期20年。初当選に生まれた人が成人式を迎える年月の経過だ。喉頭ガンの自分から明らかにし、昨年末、手術を受け、今年1月に復帰した小林町長。「声が思うように出ないのが、困ったもんだが、後は気力充実だな」。術後に比べ、声も戻りつつある。ドクターストップのタバコも、復活した。「大事な地元財源だ」といつものジョークが出る。
「津南の応援団長」・日本食研・大沢一彦社長とのツーショットが、本紙や各紙に大きく載った。「ありがたいことだ。あの思いに、津南としても、なんとしても応えたい。それが津南の新たな産業に結びつくはず」。先月11日の町文化センターホールステージ上での両氏の握手は、今後の津南づくりの象徴ともいえる。
だが、具体的なプランはまだない。『農を以て立町の基と為す』。農業を主産業にすえている以上、その具体策の提示が求められる。5期在職中に、その具体的プランの提示、実現ができるか、あの2年に取り組みに関心が集まる。