
栄村が進める定住促進の拠点、「田舎暮らし体験ハウス」が13日オープンし、埼玉・岩槻市の若い家族が、さっそく同日から18日まで栄村生活を体験した。「気に入りました。冬も経験した方がいいよと、地元の人たちからアドバイスを受けたので、ぜひ今度は冬に来たい」と、同村に好印象を抱き、今冬に再度訪れ、栄村への定住を考えたいとしている。
『まず、栄村生活を体験してもらうことが必要』と村は、村内箕作の空家を借り上げ体験ハウスに活用。内装改修し、第一号となる岩槻市の雑誌編集者・加藤靖広さん(24)、可奈子さん、2歳8ヵ月の長男3人が入居。15日は同地区の秋祭り。祭り山車に続く住民の提灯行列に参加するなどすぐに住民と打解け合った。
加藤さんは中学時代の同級生夫婦。「子どもはゆったりした田舎暮らしの中で育てたい」と共に考えている。今春からモータースポーツ雑誌の編集業務に就いた靖広さん。「求めていた職に就いたが、親子の時間が少なくなり、以前から考えていた田舎暮らしへの思いもあり、ここ栄村での生活体験を機に、移住を考えたい」。
可奈子さんも、「便利さの生活より、家族と共に気持ちよく暮らせることを求めたいですね。その気持ち良さは、その地域環境の良さにも通じます。栄村は、初めて来たその日に何かぴったりきました」。提灯行列で知り合った家族から朝食に誘われたり、近所から新鮮野菜の提供があったりなど、村の雰囲気をすっかり気に入っている。
滞在期間中、車で村内を巡り、野田沢では一緒に魚取りにも参加。栄村の人と自然を丸ごと体験した。「移住は仕事関係など課題がありますが、雰囲気が合うことも大切。子どもが小さいうちに移住したいです。皆さんが『冬に一度来た方がいい』と言うので、ぜひ来たいと思います」と靖広さん。18日には近くの保育園を見学し、秋山郷などを回り、帰路についた。
同村定住促進係では、「ありのままの栄村生活に触れ、住民の方々と交流してもらうことで、栄村の良さを感じ取っていただけるはずです」と話している。体験ハウス利用料は、水道光熱費代の1日千円だけ。同村には連日、定住・移住関係で問合せが入っている。