自然と共に農的な暮らしが残る栄村。「生き方の可能性がある」と、インターネットで栄村を世界に発信。外国からの訪問者に村民との交流、伝統工芸、農業体験など、栄村をまるごと体感するプログラムを提供し、栄村と世界の橋渡しをしている人たちがいる。昨年10月、同村に移り住んだ川渕友絵さん(31)、ケビン・キャメロンさん(33)夫婦。「栄村には日本の暮らしを感じられるライフスタイルが残っています。国が違うからこそ、強く感じるものがあり、言葉が通じなくても、人間同士で感じるものがあります」。ホームページ「ワンライフジャパン」で世界に発信している。
今月24日から27日まで米国サンフランシスコから家族6人が同村を訪れ、伝統工芸の下駄作りや地元北信小との交流、田んぼ体験、古民家生活などを体験した。証券会社勤務のマイケル・クーニーさん(46)は「伝統的な日本を体験したかった」と栄村プログラム参加を話す。26日には北信小で生徒と餅つき交流などを行い、村内横倉の伝統工芸「桐下駄」の山岸忠冶さんの工房を訪ね、体験し、オリジナル下駄を求めた。
「自然の美しさに感動した。村の人がとてもフレンドリーで、ぜひまた来たい」、栄村の印象を話すマイケルさん。日本の大学に留学経験がある妻・サラさん(44)は「友絵さんとケビンさんに出会わなければ、こんな素敵な体験はできなかった。北信小の子どもたちとの交流はとても楽しかった」と満足そう。26日夜は、さかえ倶楽部スキー場近くの今泉集落の古民家ふるさとの家に泊まり、囲炉裏を囲み、熊や猪肉などを料理し、ホタル観察などを行い、静かで、雰囲気たっぷりの栄村の夜を満喫した。
昨年10月、栄村に移住し、「ワンライフジャパン」で世界に発信するふたり。東京大・大学院で環境学を専攻、英国ラーダム大などで調査研究し、環境経営・教育コンサル、ロハス事業など民間会社で取り組み、2年前に独立した川渕さん。米国ミシガン出身、スウェーデン・ブレッキング大修士課程修了後、野外教育指導員研修や日本アウトワードバウンド協会講師など務め、川渕さんと共に環境教育プログラムに取り組むケビン・キャメロンさん。
昨年10月からプログラムを提供。南米、アフリカ以外の大陸から20ヶ国余、60人余が来村している。集落の公民館や古民家、テント泊など、栄村ライフを満期している。川渕さん、ケビンさんは話す。「農業は人の暮らしの基本。栄村に来て感じるのは、人間のルーツを感じることでもあるのでは」。8月には、昨年末、東京で開催の「ネットワークミーティング」で交流した様々な国の若者たち20人余が来村し、村民を巻き込んだワークショップを開き、交流を深める計画だ。
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