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2007年09月の津南新聞「トピックス」

過去の津南新聞トピックス
秋山郷に東京電力が水力発電所建設  9月28日号
 秋山郷・栄村上野原の栃川に東京電力が計画の水力発電所建設に対し、地元栄村は26日、建設に同意した。これにより来春、建設工事に着手、2009年末には運転開始の計画だ。発電所は最大出力1千KWの水路式発電所。取水発電後の用水は、全量が本流の中津川に流される。
 同社にとって、水路式発電所は47年ぶりの新設。計画によると、栃川から毎秒最大0・73dを取水し、中津川との合流付近までの落差175bを活用。約1・8`の導水管で合流付近に建設の発電所で、最大1千KW(一般家庭約2千6百戸分)、年間590万KWhの発電を計画している。
 

 今回の発電所計画で活用する栃川(1級河川)は、苗場山中腹が水源。通常0・55dの平水量(最大4・12d)があり、発電所計画で毎秒0・73dを取水。最小維持流量0・25dを厳守することなどが条件となっている。同河川は地元上野原地区が生活用水・農業用水として一部水利権を持ち、長野県も道路融雪用水の取水権を持つ。今回の新規発電所計画で、東京電力は新たな取水権取得が必要で、同村同意を受け今後、河川法、砂防法、森林法など必要な許可申請を進める。26日には東電信濃川電力所・細貝優副所長らが栄村を訪れ同意書を交わした。
 村では、自然環境などへの影響などを村自然保護審議会で協議し、今回の同意をなった。村では、「発電稼動後、固定資産税など村財政への好影響を期待したい」と話している。

写真は今年2月撮影、写真前方下が建設現場

小島翔吾選手、県高校選抜5千bで優勝  9月28日号
 小島選手、陸上男子5千bで優勝―。陸上の新人戦、県高校選抜陸上大会が22、23日、長岡市陸上競技場で開かれ、津南町の小島翔吾選手(十日町総合高2年、芦ヶ崎)が男子5千bに出場、タイム15分13秒71で優勝。また千5百bでも3位と健闘した。一方、砲丸投げでは、内山政徳選手(安塚高松之山分1年、正面)が12b81で優勝、小島隆寛選手(十日町総合高1年、正面)も12b12で2位と健闘し、津南勢が上位を独占した。十日町勢では、男子走り高跳びで夏の北信越大会に出場した小島莞選手(十日町2年)が2b02で優勝を決めた。上位選手は来月27日、富山県で開かれる北信越大会に出場する。
   

 ○…小島翔吾選手は、男子5千bで自己新をマークできなかったが、2位以下を50b余り引き離す余裕の走りで優勝。県高校トップの実力を見せつけた。しかし、「来年は何としても北信越で6位以内に入り、インターハイ出場をめざしたい。この記録ではだめ」と優勝こそすれ、自己最高より10秒余り遅い記録に満足していない。「15分を切ることが目標。来季を占う北信越で力を試し、さらにスピードをつけたい」と課題も見えており、ステップアップをめざす。

全国でも自己ベストを、栄中2選手ジュニオリ出場  9月28日号
 2007ジュニアオリンピック陸上大会は来月26日から28日、横浜日産スタジアムで開催し、栄村の中学生2人が初出場する。栄中3年・山本大地選手(ジャベリックスロー=槍投げ中学生種目)、1年・大庭達也選手(砲丸投げ)は、先月の地区大会などで県トップの記録を出し出場権を獲得。ジュニオリで全国トップレベルの選手と競う。
 

 小学時代、野球スポーツ少年団で活動した山本選手。173aの身長を生かしたフォームで、2・3年生の部で今季県トップの62・02bを記録。1ヶ月前の自己ベスト60・73bを1・3bも上回る記録を樹立、ジュニオリ県代表を決めた。山本選手は「ジュニオリでは自分より投げる選手がいっぱいいると思うが、自己ベストを更新し、8位以内入賞をめざしたい」と目標を話す。
 

 中学に入って砲丸を始めた大庭選手。松本市で開催に県ジュニオリンピック選考会中学1年の部で11・33bを投げ、ジュニオリ出場を決める。今月23日、長野市で開催の新人戦では、174aの身長を生かし、さらに自己ベストを2b余伸ばす13・27bを投げた。大庭選手は「強い選手がいっぱいの中、自分を試したい。自己ベストをめざします」と話す。
 

 栄中陸上部30人をまとめる監督で、現役の棒高跳び選手である酒井剛教諭(36)は「投てき競技はケガ対策が大切。さらに日頃の生活態度も大切。2人の出場は部員の目標になり、励みになる」と話す。2人は来月7、8日、事前合宿に参加し、来月末のジュニアオリンピックに臨む。

詳しくは9月28日号で

最高齢104歳・志賀ハマさん、元気に式典出席  9月21日号
 ○…「みんなで築こう活力ある長寿社会」などをスローガンに、津南町敬老式が17日の敬老の日、町総合センターに75歳以上の対象者2620人のうち800人余りが参加して開かれた。小林町長は「共に健康で安心して暮らせる町づくりをめざしたい。豊富な知識と経験を次の世代につなげていってほしい」と呼びかけていた。
 

 ○…式典には管内最高齢者、104歳の志賀ハマさん(船山)も家族に連れられ、車椅子に乗って元気に出席。小林町長からお祝いの祝詞を受け取ると「ありがたい」と喜び、握手を交わしていた。町老人クラブ連合会の石沢今朝松会長は参加者を代表し「ふるさとのため、地域振興に努めたい」と語った。式では敬老作文の朗読も行われ、三箇小児童の3人が「大好きなおじいちゃん、おばあちゃん、いつまでも元気でね」と読み上げると、会場から拍手が起きていた。なお町内では、恵福園やみさと苑など福祉施設で独自の敬老式を開いたほか、共立観光や同友の会では十日町市や魚沼市などの福祉施設で舞踊などを披露、入所者を楽しませた。

離村の樽田、全国から集い伝統の祭り   9月21日号
「ここが生まれ育った地。顔を合わせるこの日がうれしい」―。津南町樽田地区で16日、かつて同地で暮らした人たちが集まって秋祭りを開いた。東京から駆けつけた篠原武一さん(76)は「みんなこの日を楽しみにしている。懐かしい顔に会えてうれしい」と大喜び。神事の後、酒を交わして旧交を温めた。
 

 樽田地区は昭和35年に43戸270人余りが暮らしていたが、過疎の波に洗われ、30年ほど前から急激に移転が進んだ。この秋祭りは集落が残る当時から続いており、同郷の恒例行事になっている。神事は、五六豪雪後に取り壊され石宮を残すだけとなった旧神社跡で行い、近くから湧き出る清水を沸かし、笹の葉ですくって飲んで在りし日の集落の営みを偲んだ。
 

 宴は篠原さんが13年前に建てた家で行い、30人余りが揃った。21歳まで住んでいたという新潟市在住の丸山昇さん(65)は「教育畑で活躍している人や海外で仕事をした人など活躍している出身者も多く、異業種交流にもなっている。同郷の仲間なのでまるで家族のような感じ。懐かしさもあり、楽しい祭りになっている」と話し、早くも来年の再開を誓い合っていた。

稲刈り始まる、今期は豊作傾向  9月21日号
 今年産米は豊作傾向に―。津南町農業委員会(上村芳男会長)は14日、十日町農業普及指導センターやJA津南町などと町内18カ所調査田で、稲作作況調査を行った。予想収量は10e当たり中深見で595`、十二ノ木で559`が見込まれている。町農委では「前年よりやや収量は落ちるが豊作傾向で品質は良さそう。適期刈取りと乾燥、管理には十分注意してほしい」と呼びかけている。
 

 イモチ病に強いBL米に切り替えて3年目。調査では、標高が高い見玉では412`と調査地で最も少なかったが、堂平、上野では491`前後と平年に比べ多収量。このほか小池569`、正面原556`、外丸536`、赤沢521`などとなっている。
 町農委の上村会長は「倒伏が極めて少なく均一化している。収量は昨年よりやや落ちそうだが、品質はよく、1等米比率は向上しそうだ」と期待感を示している。ただ、残暑が続くと高温障害の乳白米や胴割れの懸念もあり注意が必要だとしている。刈取りはこれからが本番だ。

栄村森林組合50周年、2万5千fの資源守る   9月21日号
 戦中、戦後の乱伐で「木なし山」となった約4千fの広大な森林を抱え、昭和32年9月設立した栄村森林組合(高橋友太郎組合長・組合員932人)は今年創立50周年を迎え、14日、村文化会館かたくりホールで記念式を開催。同組合と熊笹の取り引きを続ける和漢薬研究所に感謝状を贈り、40年余の山林技能職員など10人を功労表彰。高橋組合長は「乱伐で木がなくなった山を受け、植林と共に森林整備に取り組んでいる。栄村の森林は全国の千分の1の面積。地球環境からいって年間750億円に相当するという。この価値ある森林をこれからも守りたい」と節目にあたり、今後の決意を述べた。
 

 同組合は旧堺村、旧水内村の両森林組合が合併し、昭和32年に誕生(組合員千百人)。乱伐で木がない山の整備に34年、8人の作業班でスタート。以来、民有地だけで2千fを整備。同村の森林面積は約2万5千f。全国2千5百万fのちょうど千分の1。平成12年には森林組合の広域合併が持ち上がるが、「自分たちの森は自分たちで守る」と理事会で全会一致で自立を選択。同15年から所有者負担ゼロの森林整備に着手し、すでに1285fを整備している。現在の事業額は約2億円。

もうすぐ新そば、「とみざわ」新種栽培  9月21日号
 ◎…日々秋が深まっていく津南地方。各所のそば畑にで、小さな白い花が一面に広がっている。町内正面のそば処「とみざわ」(富澤皓一店主)は、標高550b余の天上原ではそば畑約40eを契約栽培。今年は新種のそばを播き、白く可憐な花が満開を迎えている。
 

 ◎…新種は「そばむすめ」。老化防止成分のルチン含有量が多く、2年余前から一般に流通。とみざわそばは今年初導入。そば打ち50年余の職人・富澤さん(68)は「他のそば品種と交配しないよう、他にそば畑がない地に作った。すべて天日乾燥にする予定で、うまいそばになると思う」と収穫に胸を躍らせる。早ければ来月後半に新そばを出す予定。そば好きには、待ち遠しい。今から楽しみ…。

「待ってたよ」、津南移動図書20年、本を楽しむまち津南  9月14日号
 「待ってたよ。今日はどんな本があるの」。移動図書車「ひまわり号」のドアが開くのを待つ子どもたちの元気な声がはじける。
 津南町文化センター・町公民館にある図書室。「ここまで足を運べない人たちのために」と、同館新築の2年後、昭和62年夏、町の業務車を使った「移動図書」がスタート。12年前、専用車を整備。大輪のひまわりを描いた車体が、町内を走り回っている。子たちや住民に夢を運ぶ移動図書、今年20年目を迎えている。


 町公民館から約6`。名水竜ヶ窪近くの芦ヶ崎小学校。ひまわり号の到着を待っていた6年・滝沢陽菜さん。「学校にも図書室があるけど、移動図書室は見たことがない本がいっぱい」と目を輝かせる。20分の滞在中、8百冊を乗せた車は子どもたちに取り囲まれる。あっという間に移動の時間。月に一度の訪問。「また来てねー」。ひまわり号は5〜7月、9〜2月の月1回、町中央部を除き、町内保育園、小学校、福祉施設など26ヵ所を巡回する。


 大学で司書資格を取得。21年前、開館した町公民館図書室の初代司書として入った板場麻実さん(48)。町教育委員会に移動図書の必要を訴えた。翌年実現。「図書室の本はみんなのものと始めた時、上司も同僚も一丸となって、夢中で取り組んだのを覚えています。移動先であった小さな子が、小学生や中学生になって、この図書室に来てくれるのが、とっても嬉しかった」。今の担当者・福原郁子さん(31)。「移動図書では、選んで持参した本に反応してくれると、本当に嬉しくなり、元気をもらいます」。


 移動図書サービスは近隣では今は津南だけ。5年前まで十日町市が「こだま号」を走らせていた。県内公民館図書室は10ヶ所。津南町の貸出冊数2万6256冊(平成18年度)はトップ。移動図書貸出が1万655冊と4割を占める。「本を楽しむまち・津南町」、その看板を掲げ、ひまわり号は今日も走る。

栄村と京都精華大の交流、地域価値の再発見に  9月14日号
 大学との交流による住民への刺激効果と共に、地域資源の見直しや新たな付加価値づくりを進める栄村と京都精華大。先月24日から27日までの4日間、同大カリキュラムに入る「国内現地研究・栄村学」参加の学生、教職員30人余が滞在。7グループに分かれ、伝統行事や農業体験、食文化などを通じて交流を深めた。地域の祭りや農作業を体験した学生は「ここで助け合って生きている、村の人たちのこの言葉の意味が分かりました」など同村での体験の意義を話していた。


 京都精華大と栄村の交流は5年前から続く。体験7プログラムは同大人文学部・松尾眞教授が作成。「青倉の田・農的暮らし」「お宮や石仏・石像」「山とブナ林」「食の文化」「祭りと舞」「集落を巡る」「自治・自律を探る」。最終27日、村文化会館で住民や村職員を前に全員が資料作成し、体験発表した。食文化を訪ね歩いた文化表現学科2年・森友利佳さん。「自分たちで食べる物は、自分たちで作るというのが、栄村では当たり前のこと。ちまきなど伝統食は、昔から大事に受け継がれているのだと実感した」。貴重な体験や出会い、発見が続いた。


 プログラム作成の松尾教授。「学生にとっては、村の人の暮らしや農的営みの現場に触れ、自分たちの社会や生活を見直す機会となる。栄村にとっては、外からの目で村の宝を発見することになる。今回実感したことは、栄村は『食農教育』の格好のフィールドであること。これは村を訪れる若者を増やすことに通じる。その原点は『百の理屈よりまず体験』。その意味で課題はガイド的人材の育成だ」と見ている。なお来月も同大生が来村し、さらに交流を深める計画だ。

公設民営、分院構想を県と協議開始 9月14日号
 県立病院の再編問題で、十日町、松代の両病院の今後の機能分担や運営のあり方、さらに十日町・津南地域の医療体制を検討する「十日町病院等の医療提供体制に関する協議会」の初会合を先月29日、十日町市役所で開いた。今月4日には検討委員会(会長・布施松代病院長、委員20人)を設立し、地域医療のあるべき姿などを来年3月までにまとめ、同協議会に提言。同協議会はこれを受け「十日町病院・松代病院の基本構想」を策定し、十日町病院改築による中核病院建設へと進めたい方針だ。


  協議会は県と十日町市の両関係者7人で構成。初会合で県病院局・牧野正博局長は「医師不足や医療制度改革で地域医療を取り巻く環境は年々厳しくなっている。十日町、松代の両病院の役割を研究し、何をどのように提供していくか、十日町・中魚における地域医療のあり方を検討し、基本構想を作り上げたい」と協議会の方針を述べた。


 一方、地元田口市長は、松代病院を『公設民営で運営する中核病院の十日町病院の分院』構想を地元に示し、合意を得ている前提で臨む。同市長は「中越沖地震でも震災負傷者を受け入れ、災害拠点病院の信頼を得ている。中核病院への改築を早急にお願いしたい。松代病院は地域住民に頼られている病院。合併したが豪雪山間地であることに変わりはない。松代病院のあり方は、僻地医療の今後を左右する大きな意味を持つ」と地域医療充実の必要を強調した。
 

川に親しむ、魚通じて命の大切さを  9月14日号
 ○…焼けた魚、おいしそう―。津南小(中川玄忍校長)4年67人が11日、川魚を食べる体験学習を学校で実施。ヤマメやニジマスを自分たちでさばき、玄関脇で炭火焼き。こんがり焼けた川魚を食べ「うまーい」と満面の笑みだった。
 

 ○…総合学習の今年のテーマ「水と自分たちの暮らし」を実践。中津川の石坂や清水川原で川遊びなど行い、水に親しむ活動をする。この日は命の大切さを学ぶため生きた魚から調理。魚さばき初挑戦の樋口美蘭さんは「気持ち悪かったけど、自分で焼いて食べるとおいしい」と友だちの清水輝恵さんと興味深そうに口に運んでいた。

頼もしき自主防災、先駆けの船山新田の女性たち  9月7日号
 地震や風水害、火災などに対応する地域の「自主防災組織」の必要が高まっている。そのモデル的な活動地域が津南町にある。船山新田地区。戸数47戸。高齢化が進み、昼間は高齢者や女性、子どもが大部分で、防災の盲点が現状。だが、地元の女性たちが立ち上がった。今月2日、その女性たちの呼びかけで防災訓練を実施。参加者40人余、半分は女性。地元消防団や消火器業者の指導で、消火器で初期消火、ホースで消火栓を使った放水練習など実施。女性らは「初めて放水を経験した。こんな出番はない方がいいが、いい体験になった」と話す。同地区では今後、全住民参加の避難訓練、高齢者世帯への対応など、自主防災組織へと発展させたい方針だ。
 

 地元婦人会の関口栄子会長は昨年9月、同地で発生の昼火災が教訓になったと言う。「そこに消火栓があるのに使えないでは、どうしようないです。昼間の火災などは、地元にいる人たちで初期消火できるようにしておく必要があります」。この日の訓練では、地元消防団の指導で消防器具箱からホースや筒先を出し、消火栓に装着、放水するまでを何度も練習。参加者の月岡スギさん(70)さんは「初めて放水したが、こうした経験しておけば、いざという時に役立つ。年に一回は訓練した方がいいのでは」などと話している。
 

 町は今後、地域での自主防災組織作りを進める方針。その先駆けとなる船山新田の取り組みに大きな関心を抱く。当日参加した町総務課・藤ノ木茂課長は「町内のさくがけの取り組み。町を支援したい」と自主防災作りを応援する方針。なお自主防災組織の器具装備関係では、上限2百万円の助成事業があり、各広域消防での申請事業となっている。

予防医療を実証、学会で評価、石川津南病院長  9月7日号
 16年前に町立津南病院の院長就任。「元気で長生き、健康長寿の町」づくりに医療現場から取り組む石川眞一郎院長。その医療実績をまとめた「心臓病予防を視野に入れた降圧薬物選択への提案」を鹿児島市で開催の第45回全国自治体病院学会で発表、最優秀演題に選ばれた。死亡事例が高い心筋梗塞、脳卒中などを、投薬ときめ細かな健康指導による「予防医療の実践」で減少した実証を発表、大きな関心を集めた。石川院長は「若い人の死亡を減らすことは、生産人口を保つことに通じる。これは津南町の活性化に通じるはず」と予防医療の必要を強調。さらなる地域医療の充実に取り組む方針だ。


 同発表は昨年9月の第45回学会で発表。先般、最優秀演題に選ばれた。今月27、28日、札幌市で開く第46回学会で表彰を受ける。
 石川院長の専門は循環器(心臓疾患)。院長就任後、「心臓死は高血圧や糖尿病との関連が大きい」と高血圧治療に取り組む。ここで同院長が注目したのは世界各国の投薬の臨床データ。「高血圧だから脳卒中になりやすいとは言い切れず、ある一定レベルの血圧の高さが疾患を起こしやすい。ここを抑えることができれば予防につながる。世界的に効果が出ている薬と合わせ、食事指導を行うことで効果があるはず」と見た。実証結果は、予測以上の好結果となっている。
 比較の過去データは十日町保健所の協力を受けた。脳血管疾患など死亡原因別の状況を整理、院長就任後に取り組んだ医療成果と比較、それをまとめたのが今回発表したテーマ。心筋梗塞は20年前の4年間と、取り組み開始後の5年後で半減。高血圧性心疾患、脳血管疾患でも大きな効果が出ている。
  さらに「医師不足、救急医療体制の重要性がいわれる。高度医療の体制整備も必要だが、そうした疾患にかからないための予防医療が実は大切。津南町の皆さんの健康診断の受診率は高く、自分たちで予防の必要を自覚されている。それは保健師や病院スタッフの日常の努力の成果でもある。医療体制に恵まれない地域ほど、予防医療が重要。皆さんと共に『健康長寿の町』作りにさらに取り組みたい」と話している。


 石川眞一郎院長・1948年、東京都出身、東京慈恵医科大卒、国立第2病院(現東京医療センター)勤務。1991年町立津南病院院長就任。古典落語、室内楽SPレコード鑑賞など趣味多彩。河岸段丘が一望できる町内上野に暮らす。

中高一貫校に関心、オープンスクールに300人  9月7日号
 来春3期生を迎える県立津南中等教育学校(小熊牧久校長・142人)は1日、オープンスクールを開き、町内外の30小学校から保護者含め昨年を上回る3百人余が参加。授業参観や体験授業を受け、小学生たちは興味深く教室を回った。同行の父母は「今年は定員割れ。この参加数の多さはその反動なのか、中高一貫校の良さが広まったのか、来年1月の出願に注目です」と関心を示していた。
 

 今回のオープンスクールには町内、十日町市、魚沼市、南魚沼市、小千谷市、栄村などの30小学校から3百人、うち小学生140人が参加。昼食タイムから参加し特製カレーを試食。公開授業は理科、国語、少人数学級で授業の英語・数学などを参観。体験授業は国語、英語、理科、社会に分かれて授業を受けた。
 

 松代・孟地小から参加の子の母親は「関心がありますが、やはり通学が心配。親より子どもの考え一つです」、十日町西小からの母親は「上の子は国際情報ですが、こうゆう教育環境は良い刺激になるでしょうね。学業と部活の両立ができそうです」などと関心を示す。子どもたちはどうか。津南小6年の男子は「社会や英語に関心かあり、ここで勉強したいと思っています」、十日町小の女子は「まだ来るかどうか分かりませんが、部活に興味があって来ました」、あるいは中津小の男子は「先輩たちが来ているし、今度野球ができるというので関心があるので来ました」とそれぞれの感想を話している。
 

 全体説明会で小熊校長は「学力も大切だが、世のためになる人として成長してもらいたい。自分で選んで入学している子たちであり、自分に対する厳しさも自覚している。それを応援するのが我々学校です」などと話した。同校は3年で国内研修旅行、4年で外国語学研修を予定。なお、来年度から部活動に新たな野球部が創設され、バレーボール、サッカー、陸上、卓球、吹奏楽の6部となる。

雪室を新設、農産物に付加価値、津南町「大地」  9月7日号
 自然の特性を生かした販売をと、地場農産品の流通・販売に取り組む有限会社大地(宮沢清社長、年商3億円)では、雪室方式の野菜集出荷施設の建設に着手。秋取り・雪室貯蔵による雪下ニンジンの生産や、バレイショ、タマネギの長期出荷などに取り組む。中でも雪解け水を利用した茶マメの鮮度維持は県下でも初めての試みで、今後の成果が期待される。
 

 同施設は県農林水産業総合振興事業を導入。鉄骨平屋建て延べ255平方b、総事業費4996万円をかけ同社工場脇に建設する。県から2分の1の補助を受け、11月末に完成予定だ。施設内の半分は雪室にし、約940立方bの雪を貯めて年間を通して活用する。室温は夏場でも5度前後、湿度約80%の低温倉庫として野菜の保冷には最適。
 

 雪室の活用で、秋取りのニンジンを、甘味や鮮度を落とさず雪下ニンジンと同等の品質で出荷できることが特徴のひとつ。「春先の除雪の手間やコスト削減、さらに計画的な出荷も可能となる」(宮沢社長)と有利さを指摘。また県内初の取り組みとなる融雪水利用では、夏場の雪解け水をプールし、ビールのつまみとして人気が高い茶マメの鮮度維持や需要に応じた出荷量が可能となるなど高効率化をめざしている。
 

十高定時制で生活体験発表、松本さんが最優秀  9月7日号
 働きながら学ぶ生徒たちが、苦労や悩みと向き合った体験などを発表する「県高校定時制通信制生徒生活体験」の十日町高定時制(後藤正邦校長、生徒77人)発表会が5日、同校学習室で開かれた。発表では13人の代表が、不安を抱えて入学した思い出や、学校で友人ができた喜び、初めて体験したバイトなど、それぞれの思いや体験をストレートに述べ、「初めて得たもの」を題に友人との出会いや学習への意欲など発表した松本季実子さん(1年)が最優秀賞に選ばれた。
 体験発表は、「思いや体験を率直に発表することで、自己理解や将来も

 人生設計につながる」として毎年開かれている。今回は1年から4年まで13人が発表。最優秀賞の松本さんは小中学校時代の不登校の思いを話しながら「今は、本当にいじめの標的が私だったのか分からない」と疑問を投げかけ、「自分から友人だと紹介したい人々にも出会えた。勉強ではライバルに負けたくないとも思っています」と」と定時制に入学してからの喜びや学習面での意欲を発表した。
 

 また優秀賞には、佐野陵君(3年)大島唯さん(同)関口玲絵さん(2年)田中瑠美さん(1年)の4人が選ばれ、審査委員長の庭野雅弘振興会長は「20回ほど審査しているが、今回ほど僅差でグレードの高い発表はなかった。自分の考えを堂々と発表することができた」と賞賛していた。
 

川西高、21年度に単位制導入か、十高定時制、松之山分校問題も  8月31日号
 『川西高校、平成21年度単位制に改組』、『十日町高校定時制、平成21年度募集停止』、『安塚高校松之山分校、平成21年度募集停止』。新潟県教育委員会が7月2日付で発表した「中長期高校再編整備計画」に、カッコ付で明記している事項だ。ただ、「このカッコ書きに大きな意味がある」(尾身県議)との見方もある。十高定時制と松之山分校は当初、平成20年度募集停止だった。だが関係者や住民の署名運動などで1年延長され、来年20年度の募集が決まっている。今回の県教委方針は、20年度募集状況を視野に入れた「カッコ書き」と見られ、両校の命運は来年の出願状況にかかっている。川西高校の単位制移行は、両校の推移と大きく連動する。さらに現在、十日町小学校に併設の養護学校「ふれあいの丘分校」の高等部設置のと関係も表面化し、地域全体の教育環境と連動している。尾身県議、村松県議とも「来春の20年度応募状況が大きなポイントとなる」と見ており、関係者はじめ地域の取り組みの必要が迫られている。

 

 十高定時制の存続運動は、地元の同定時制振興会(庭野雅弘会長)、同守る会(藤木晴夫代表)などで取り組む。今年3月には、存続署名運動の2万4758人の署名を添え、県教委・武藤克己教育長に要望している。これを受け7月には、十日町に来市した泉田知事が「(十高定時制は)再検討を担当に命じている。(地域外から)留学生を受け入れる検討を進めている」と方針を示した。実質的な1年延長と受けとめ、20年度募集が事実上決まった形となっている。


 松之山分校は、地元の「松高対策検討委員会」(会長・佐藤利幸元松之山町長)が主体で存続運動を進めている。「この自然豊かな地で学びたい子たち、、学ばせたい親たちがいるはず。全県1区となったこの好機に、全県に松高をアピールしたい」と運動を展開している。
 一方、川西高校の単位制への改組は、両校の募集停止と関係深い。ただ、地域要望が強い養護学校高等部の設置を川西高校に求める動きもあり、単位制導入と連動する形で進むものを見られ、地元関係者の取り組みに関心が集まる。

松之山温泉に新温泉、湯温97.2度、毎分624リットル 8月31日号
 ◎…開湯700年・日本三大薬湯の「松之山温泉」に、新たな温泉が湧出した。地下千3百bから「湯温97.2度、毎分624g」が自噴している。合併前の松之山町時代からの懸案だった新温泉の掘削。新市事業で7月5日からボーリング、今月22日、深さ1301bで温泉を掘り当てた。市では「今後、成分検査を行い、温泉の活用を検討したい」と話している。事業費約1億2075万円。引湯・貯湯施設を約4千万円で整備、すでに予算化している。


 ◎…新温泉は松之山温泉街の湯元川上流約6百bのV字谷の地域。32bのボーリング塔で掘削を実施し、毎分624g、97.2度の茶褐色系の高温泉。31日に十日町地域振興局立会いで湯量、温度を調査、専門機関に成分分析を依頼、2週間後には判明する。松之山温泉は昭和13年と同39年掘削の温泉2本あるが、毎分120〜130gほどに湯量が減少ぎみ。今度の新温泉自噴で、松之山温泉のさらなる活用と誘客が期待される。

交響楽を満喫、芦ヶ崎小に名古屋大交響楽団が  8月31日号
 ◎…文化の秋を先取りするように30日、名古屋大交響楽団が津南町芦ヶ崎小(釜蓋和幸校長・52人)で演奏会を開いた。フルオーケストラに近い107人の大編成が奏でるシンフォニーに、子どもたちや住民2百人余は2時間余り、時を忘れて交響楽団の音色に包まれた。子どもたちは「こんないっぱいの演奏は初めて。すごくきれいな音」と目をはなさず、感動ぎみに聞き入っていた。


 ◎…「本物を子どもたちに」と昨年、同大学に直接申し込み、夏の演奏旅行での来校が決まり演奏会が実現。会場の同校体育館3分の1ほどにオーケストラ編成が揃い演奏開始。おなじみの「軽騎兵」(スッペ作曲)やブラームス「ハンガリー舞曲」など演奏。ベートーベン「運命」では、児童代表3人が指揮者体験をするなど「またとない機会」を体験。記念の指揮棒タクトをもらった3年滝沢恵美さんは「こんないっぱいの演奏は初めて。指揮はテンポが難しかったけど、すごく楽しかった」と満足そう。休憩には学生が楽器を持参し、実際にヴァイオリンやコントラバス、トロンボーンを演奏体験し、楽器への興味を示していた。最後はシベリウス「フィンランディア」を演奏。子どもたちは演奏のお礼に同校の伝統「竜神太鼓」演奏を披露し、大きな拍手を受けていた

華麗ないなせ、新調・女神輿に47人が  8月31日号
 ○…「ソイヤサ」「ソイヤサ」と威勢の良い女性の掛け声が街に響いた―。津南町大割野の熊野三社祭は26、27日開催。名物の「女神輿」は27日午後出発。町内外の20代〜40代の47人がおそろいのハッピ姿で大声を張り上げ、4時間余に渡り町の中央部に繰り出し。華やかな担ぎ手は住民から「やっぱり、かっこいいね」と大きな声援。世話役2年目の風巻藤子さん。「人が人を呼び、今年は大勢の人が集まってくれた。慣れない世話役ですが、楽しくできれば」と笛を吹き、リズム良く動きを先導していた。
 

 ○…新神輿は初披露。高さ120a、重さ約60`の荘厳な神輿は太陽の光に照らされ、まばゆいばかり。初参加の上原佳織さん(21、中里)は「かっこいいから、参加してみたかった。すごく、楽しいです」と、友人で最年少の石原花梨さん(20)と一緒に力いっぱい神輿担ぎ。韓国出身で女神輿3回目の風巻晃子さん(大割野)は「韓国に神輿はなく、一度担いだらはまりました。これからも担ぎますよ」と今年も元気良く大声を出していた。


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