2014.04.13,運営委託が奏功、貸出25万点突破、十日町情報館運営のNPO法人「らいぶフオーラム」 4月11日号, 開館時間延長や休館日減少など利用者ニーズに対応し、来館者を増やす十日町情報館。昨年度初めて個人貸出数が25万点を越え、「地域の文化交流拠点」の役割がさらに高まっている。指定管理制度で運営する「らいぶフォーラム」(渡邊真人理事長)は2月にNPO法人認可を受け、向こう3年間の運営が決まっている。渡邊理事長は「人々が交流する場でもあり、様々な利用価値をさらに高めていきたい」と話し、法人認可を契機に活動幅を広げたい方針だ。
 
 十日町情報館は1999年開館。当初の市直営から2007年、行財政改革の一環で県外の民間に一部委託。だが市民から「将来的な運営が心配」と地元住民が運営組織「らいぶフォーラム」を立ち上げ、3年前から一部業務受託、翌年から指定管理者として市内11分室を含む全運営を受託。現在、蔵書・資料は15万8千点、10分室を含むと23万9千点の蔵書で、同規模の人口自治体では県内有数の蔵書数だ。

 法人化で活動の充実が期待される。人材確保にも取り組み、現在10分室も含み22人で運営。司書資格8人、学芸員資格2人を確保し、図書に限らず活動の充実をめざす。
 図書館は、個人貸出数が活動充実度を表す一つの指標。同館では3年前までは年間20万点前後だったが、2年前に同フオーラムが全運営してから21万点を越え、昨年度ついに25万点突破している。
 さらに同館は、新たな価値も生まれている。2年前に映画「図書館戦争」のロケ現場となり、雰囲気ある図書開架の空間が全国に知られ、その後には男性ファッション誌が撮影場所に使うなど、「魅力ある空間がある図書館」として全国に知られる存在になっている。

 課題は「貸出数の増加」と斎木文夫館長は話す。「新しい利用者とリピーターを増やすこと。そのためにも資料(蔵書)を増やすこと。利用者は確実に増えていく」。同館の年間資料購入費は約1100万円。増額要求がなかなか実現しない。「年間25万冊の利用は、1冊1500円で試算すると3億7500万円の利用者還元になる。大きな数字ではないか」と貸出数の意味を話す。NPO法人化で今後、市に寄せられる「ふるさと納税」の使途先として「NPOらいぶフォーラム」を明記でき、選択肢に加えるように働きかける方針だ。

 一方、法人化による新たな事業展開を視野に入れる。十日町市が進める中心市街地活性化事業の中で、参画できる事業に積極参加する方針。「何ができるか、それはこれからだが、情報館活動と連携した活動などを考えたい」(渡邊理事長)と話している。
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